612
導入事例

 様に導入

  • クラウド
  • 効率化
  • コスト

株式会社デルフィス

 様に導入

Surface Pro 3 の「3 in 1」利用と Enterprise Mobility Suite の活用による「ヒト中心」の業務改革を推進。「いつでも、どこでも同一の作業環境」によるセキュアで生産性の高い柔軟なワーク スタイルを実現

写真:株式会社デルフィス

株式会社デルフィス

約 70 年の長い歴史を誇るマーケティング サービス カンパニー、株式会社デルフィス。同社では、従来の「場所」中心の働き方から「ヒト」中心の働き方へのシフトを、現在急ピッチで推進中です。2015 年 2 月には、モバイル デバイス管理や情報保護ソリューションである Enterprise Mobility Suite とタブレット端末 Surface Pro 3 を導入。いつでも、どこからでも社内にいる時とまったく同じ仕事環境を可能にして、よりセキュアで生産性の高い柔軟なワーク スタイルの創造を追求しています。

<導入の背景とねらい>
より柔軟なワーク スタイルをめざす「働き方改革」がスタート

モバイルでの情報機器の活用は、今やビジネスにおける成長の重要な鍵となっています。激しく変化する市場のダイナミクスを的確にとらえ、顧客の要望にいち早く対応するうえでも、オフィスなどの居場所に制約を受ける業務環境から、時間と場所を問わない柔軟なワーク スタイルへのシフトが求められています。そうした時代とビジネスの要請をいち早くとらえ、マイクロソフトの Enterprise Mobility Suite (EMS) と Surface Pro 3 によるセキュアでモビリティに優れた業務環境を導入し、社内外にわたって高いセキュリティを維持しながら、「場所」中心から「ヒト」中心へと、より生産性の高い柔軟なワーク スタイルを実現しつつあるのが、株式会社デルフィス (以下、デルフィス) です。
今回の EMS と Surface Pro 3 導入の背景には、2014 年からスタートした「働き方改革」があったと、株式会社デルフィス 総務局 情報システム室 室長 植田 晃 氏は語ります。

写真:株式会社デルフィス 総務局 情報システム室 室長 植田 晃 氏

株式会社デルフィス
総務局
情報システム室
室長
植田 晃 氏

「当社ではここ数年、自分たちの働き方を時代に合わせて変革していく取り組みを続けてきました。最近はインターネットを始めとする新しい媒体やマーケティング手法が次々に生まれてきています。そうした状況に対して、全社員が新しい媒体をより効率的に使いこなしながら、お客様に役立つ提案ができるように自己研鑽を積むのがねらいです」。

積極的な IT 投資もその一環で、2011 年には Microsoft Office 365 を導入。さらに 2012 年には他社製のタブレットを導入して、会社以外の場所で機動的に仕事が行える環境づくりを積極的に進めてきました。2014 年にスタートした「働き方改革」は、これらの成果を検証しつつ、さらに包括的で効果の高い取り組みにステップアップさせようという試みです。
特に重要なテーマには、「これまで場所に制約されていた仕事を、人と一緒に動けるように変えていこう。それには IT も人の動きについていける形に変えていこう」ということが挙げられます。同社では、「人の動きに合わせて、効率よく仕事ができるには?」を考えた結果、移動時間の有効活用にたどりつきました。デスクトップ PC 主体だったころは、移動時間に仕事はできませんでした。スマート フォンやタブレットでできるのは、情報の閲覧やメールへの返信程度です。まして Microsoft Office の添付ファイルをその場で修正して送り返すなどは困難でした。

「移動時間をなくすことは不可能です。それなら、その時間を使えるようにするしかない。そこで Office が使え、キーボードがあって修正や文書作成もできるモバイル端末に変えようと決断したのです。先に導入していた Office 365 との親和性を活かし、社内外で同一の環境やツールで仕事ができるように変革していく取り組みの一環といえます」(植田 氏)。

<システム導入の経緯>
オンプレミスとクラウド双方の「いいとこどり」が可能な EMS と「3 in 1」利用の可能な Surface Pro 3 に着目

そこで同社では、高い機動性とセキュリティを両立できる製品の検討を開始しました。当初は有力なベンダー数社から提案を受けたものの、いずれも同社の規模に合致するものがありませんでした。そのため、植田 氏は自ら具体的な要件をまとめて、日ごろから自社のシステム サポートを担当しているシステム インテグレーター経由で日本マイクロソフトに打診しました。
既に Office 365 を活用していた同社は、「働き方改革」を進めるうえで、Office 365 と連携できるデバイス認証と、持ち歩ける軽量な PC デバイスの必要性を感じ、日本マイクロソフトへ EMS と Surface Pro 3 の機能説明を求め、提案が行われました。

「当社ではメール サーバー以外はすべて社内で運用しています。オンプレミスのデスクトップ PC では持ち運ぶことがないため閉鎖された環境下でセキュリティを担保していましたが、モバイル PC のセキュリティを考えると Office 365 だけでは難しかったのです。それが、EMS ならばデバイス認証を含めた多要素認証が可能となります」(植田 氏)。

Surface Pro 3 についても、「最初から Surface Pro 3 が欲しかったというよりも、社員がどう動くのが効率的で、その実現にはどんなモバイル端末が使いやすいのかという視点から選んだ」と植田 氏は強調します。マーケティング サービス カンパニーであるデルフィスでは企画書や提案資料の作成が多く、大画面での作業が欠かせません。最初は各ベンダーのノート PC を検討してみたものの、持ち歩いていったん自席に戻るたび、外部モニター、マウス、キーボード、有線 LAN、充電器など何本ものケーブルを接続し直さなくてはなりませんでした。

「社内の会議に持って行くだけでも、そのたびに接続を外して、またつないで、膨大な労力と時間のロスです。ならばドッキング ステーションが使える製品がないかと探したところ、Surface Pro 3 がリリースされるとの情報を得ました。そこでテスト機を導入してみた結果、タブレットとしての軽さと使いやすさを兼ね備えており、しかもノート PC に匹敵する性能だということが判明したのです」(植田 氏)。

さらにユーザーの使いやすさのために、一部しか導入されていなかったシングル サインオンを全システムに連携することが検討された結果、スマートフォンの認証基盤も Active Directory に移行することが決定。Windows で統一された環境のもとで、デバイスもドキュメントも、そして業務そのものもシームレスに連携できる構成が実現することになりました。
同社では、2015 年 2 月中に約 500 台の Surface Pro 3 を配布し、3 月には高セキュリティルーム以外のデスクトップ PC を撤去して導入プロジェクトが完了しました。

<システムの概要と構築>
社内外で共通のセキュアな環境が今後の業務効率を大幅にアップ

実際の導入効果が確認できるのはまだしばらく先ですが、これまでの検証結果をもとに、植田 氏はさまざまな改善を確信しています。
その第一は、何といっても仕事の機動力の向上です。今までタブレットやスマートフォンではできなかった作業が、移動中や出張先でも、会社の自席とまったく同じ環境でできるようになります。これまでも、他社製のタブレットを使ってメールを確認することは可能でした。しかし、多くの場合、返信には企画書や資料などに手を加えて添付しなくては用が足りず、Excel や Word といった Office の使えないタブレットでは対応できなかったのです。たとえば PowerPoint ファイルの修正などは、既存のタブレットでは至難の技です。結局出先から戻るまで返信できずにお客様をお待たせしてしまい、満足いただけないことも珍しくありませんでした。

「EMS と Surface Pro 3 を使えば、Office を始め社内とまったく同じアプリケーションや IT サービスを利用できます。その結果、どこにいてもその場で文書を修正してお客様に返信するといった、柔軟で迅速なワーク スタイルが可能になったのです」(植田氏)。

さらに、植田 氏は「本来、仕事は場所ではなく人に結びついているものです。そうであれば、当然 IT も人と一緒に動けるものでなくてはなりません。場所に縛られないビジネスを実現するのは社員のためですが、最終的にはお客様や株主に対する、より多くの利益の提供につながると考えています」とその効果に期待しています。

2 つ目のメリットは、コスト削減効果です。現在まだ導入直後のため具体的な削減効果は集計されていませんが、植田 氏は、「具体的なコストの削減効果にもまして、同じコストでできることが大きく拡がったという印象です」と前向きな投資対効果を強調します。

目に見えて削減効果が出ているのは、PC の台数です。デスクトップ PC を使用していたころは、本支社間の出張も含め社員が作業をする可能性のある場所すべてに PC を配置していました。このためデスクトップ PC が 640 台と、社員数のおよそ 1.3 倍超の PC 資産を抱えていたのです。しかし現在は、社員と同じ数の Surface Pro 3 を揃えるだけで十分になりました。

3 つ目の特筆すべきメリットは、セキュリティの強化と使いやすさの両立です。中でもエンド ユーザーに利便性をもたらしているのはシングル サインオンで、これを可能にしているのが EMS に含まれる Microsoft Azure Active Directory Premium (Azure AD Premium) です。デルフィスの現在の Active Directory 構成は、オンプレミスの Active Directory とクラウド上の Azure AD Premium を連携させたハイブリッド構成になっています。これまでは、オンプレミス の Active Directory 認証からそのままクラウド側にログインすることはできませんでしたが、Azure AD Premium を利用することで双方をシームレスに結ぶ、完全なシングル サインオンが実現できました。

「当社は以前から別の認証システムを使って多要素認証を行っていたのですが、操作性に課題がありましたので、モバイル アプリの多要素認証も可能な Azure AD Premium に一気に移行しました。また外出先からパスワードを変更できるといった拡張性も提供されており、まさに『人と一緒に動く仕事』の品質やアジリティの向上に貢献するサービスだと考えています」(植田 氏)。

Surface Pro 3 のセキュリティ面では、BitLocker による記憶領域暗号化を始め、MDM による禁止アプリのロックやリモート ワイプ、ユーザーの全操作ログの取得、USB デバイス ロックなど多岐にわたります。

これらに加え、マイクロソフト ボリューム ライセンスのソフトウェア アシュアランスの特典である Windows Server の DirectAccess 機能を併用することで、さらにモバイル ワークにおけるセキュリティを強化しています。DirectAccess を使うと、すべてのトラフィックは社内を経由するため、セキュリティ サーバーを通したインターネット接続が可能な社内 PC と同じセキュリティが確保できると共に、社内サービスを社外から利用できるという点でユーザビリティの向上も両立しています。

この他にも、Surface Pro 3 はデスクトップ PC と同じ画面表示ができるので、基幹システムなどの画面をモバイル用とデスクトップ PC とで使い分ける必要もありません。社内と社外、そしてオンプレミスとクラウドを問わず、まったく同一のセキュリティとインターフェイス、ユーザビリティを実現したことが、自社のワーク スタイルを大きく変えていくはずだと植田 氏は確信しています。

<導入効果と今後の展望>
「働き方改革」と共に新たなワーク スタイル創造をめざす

2015 年 2 月末、Surface Pro 3 配布が完了したタイミングを、本当の新しいワーク スタイルのスタートだと植田 氏は考えています。

「最終的に、Surface Pro 3 は全員に配布する予定です。この情報インフラが隅々まで行き渡れば、あとは各人が自由に、創造的に自分の仕事を時間や場所にとらわれず展開していくことが可能になります」(植田 氏)。

一方で、そうしたビジネスの成長と拡大の受け皿もすでに無限大に用意されていると植田 氏は示唆します。クラウド型サービスである Office 365 は、データ容量を無限に増やすことが可能です。このためビジネスの拡大や社員数の増加に伴ってファイル容量が増えていっても、ストレージなどのハードウェアを増設するための膨大なコストや労力はまったく不要です。

「今後の直近の課題としては、現在まだ一部に残っている紙の申請ワークフローの電子化などがありますが、『働き方改革』の進捗に伴って、間もなくいくつものビジョンが明確に示されてくるはずです。そうした全社的な動きに歩調を合わせながら、情報システム室としても迅速かつ柔軟に対応していきたいと考えています」(植田 氏)。

また、社外クライアントと広告データなどの機密情報を共有するため、Azure Rights Management Service (Azure RMS) の導入も検討しています。

デルフィスの情報システム室の基本的な開発スタンスは「ユーザーの効率がどれだけよくなるか」であり、「ユーザーの効率が上がれば、われわれ IT 担当者の効率もよくなる」です。新しい時代に即応したワーク スタイルの実現に向けて、デルフィスのチャレンジは続いていきます。

図.Enterprise Mobility Suite と Surface Pro 3、Office 365 による業務効率化

図.Enterprise Mobility Suite と Surface Pro 3、Office 365 による業務効率化 [拡大図] 新しいウィンドウ

コメント