612
導入事例

 様に導入

第一生命保険株式会社

 様に導入

Microsoft Office のアップグレードに伴う旧ファイルの移行に、Office 2010 互換性検証支援サービスを活用
約 700 万ファイルの移行プロジェクトを正確に見積もり、非互換ファイルによるトラブルを防止

第一生命保険株式会社

第一生命保険株式会社

創立 110 周年を迎えた第一生命保険株式会社では、中期経営計画「サクセス110 !!」の下、「次期システム化計画」を 2010 年から展開。PC 約 2 万台の更新に合わせて Microsoft Office 2010 へのアップグレードを実行中です。この移行に先立っては、「Office 2010 互換性検証支援サービス」によるマクロ互換性検証を実施し、その結果を基に 700 万ファイルにのぼる Microsoft Office 2003 ファイルの移行計画を策定。大切な情報資産のスムーズな移行と、Office 2010 の最新機能を活用した業務効率の大幅なアップを目指しています。

<導入の背景とねらい>
膨大な Office ファイルの移行に向け
互換性の確保のための検証サービスを導入

第一生命保険株式会社
ITビジネスプロセス企画部
部長
太田 俊規 氏

第一生命保険株式会社 (以下、第一生命保険) の「次期システム化計画」は、大きく 2 つのフェーズに分けられます。まず 2010 ~ 2011 年に、Windows Server 2008 R2 によるデータセンターのサーバーの置き換えおよび Windows Server 2008 R2 Hyper-V を全面採用したサーバー仮想化を実施。続く 2012 年に、内勤職員を中心とした、社内 PC を刷新する予定です。PC 本体はもちろん、OS は Windows XP から Windows 7 へ、そして Office 2003 は Office 2010 へとリニューアルされる大規模なプロジェクトです。この責任者である、第一生命保険株式会社 ITビジネスプロセス企画部部長太田 俊規 氏は、「当社では、社内インフラ更改時に最新テクノロジを採り入れるというポリシーに従い、計画的に IT インフラの刷新を行っています。今回は中長期的な観点で安定した IT サービスの提供と、最新機器導入による業務効率の向上という 2 つのテーマに挑戦する重要なプロジェクトであり、決して失敗は許されません。それだけに、移行にあたっては入念な事前調査と、詳細な検証を行いました」と語ります。

とりわけ重視されたのが、業務ファイルの互換性確保です。システムの変更や更新に左右されずに業務を継続できることは、経営理念である「お客さま第一主義」のためのサービス レベルを維持するうえで、重要な条件の 1 つであり、コンプライアンスの面でも必須です。当初は Microsoft Office 2007 への移行を検討していましたが、Office 2010 の方がより旧バージョンとの互換性が高いと知って変更したという経緯からも、同社が互換性を重視する姿勢が伺われます。

今回そうした互換性検証の中核になったのが、日本マイクロソフトが提供する「Office 2010 互換性検証支援サービス」でした。これは Office のバージョンアップを行う際に、新旧バージョンの間でファイルのマクロやレイアウトに互換性が保たれているかを検証するサービスです。今回は、同サービスを手掛ける日本マイクロソフトのパートナーの 1 社である、株式会社NSD (以下、NSD) が担当しました。

移行プロジェクトのリーダーを務める第一生命情報システム株式会社 基盤システム第一部 チーフシステムエンジニア 田代 修一 氏は、「NSD は、長年にわたって私たちのシステム開発部門をサポートしてくれており、深い信頼関係にあります。今回の互換性検証にあたっても、同社が日本マイクロソフトのパートナーとして Office 2010 互換性検証支援サービスを提供していると聞いて、すぐに相談しました」と振り返ります。

田代 氏は、日本マイクロソフトの過去の実績も決め手になったと明かします。「前回 2005 年の社内 PC 全面刷新の際も、OS と Office のバージョンアップを実施しました。この時は Microsoft Office 97 から Office 2003 へと、一度に 2 世代をバージョンアップしたため、ファイル互換に関する情報が非常に少なく、苦労していました。そこで日本マイクロソフトに 2 世代バージョンアップの支援について相談したところ、適切なアドバイスや移行マニュアルなどの提供を受けることができ、無事バージョンアップを成功させることができました。今回も Office 2003 から Office 2007 を飛ばして Office 2010 へ移行するため、IT プロのアドバイスが期待できる互換性検証支援サービスを利用しようと考えたのです」。

<導入の経緯>
サンプルの検証を通じて移行規模を把握し
互換性確保の確証も得る

第一生命情報システム株式会社
基盤システム第一部
チーフシステムエンジニア
田代 修一 氏

Office 2010 互換性検証支援サービスの導入が決まったのは、2011 年 8 月のことでした。すぐに同月末から検証作業が急ピッチで進められ、検証開始からわずか 1 か月後の 9 月には検証結果を基に対応策の検討や今後の対応方針や移行スケジュールの策定を行っていました。

今回の互換性検証支援サービスに最も期待されていたのは、移行プロジェクトの大枠での規模感を把握することだったと田代 氏は語ります。「当社には、現在 1,000 万ファイルを超える文書データが蓄積されていて、その 70% が Office のファイルです。従来部署単位に業務ファイルを作成し管理しているため、互換性に影響があるファイルが全体でどれくらいのボリュームがあり、移行にどれくらいの工数やスケジュールを要するのかを見通すことが困難でした。そこで互換性検証支援サービスによって、影響範囲を見積もり、プロジェクトの規模感を明らかにできるのではと考えたのです」。

しかし数百万のファイルすべてを検証するには非常に時間がかかります。そこでパイロット検証として事前にマクロや関数を多く使用している 200 本の業務ファイルを選定し、それをモデル ケースとして検証することにしたと田代 氏は語ります。「当社で作成した業務ファイルのうち、互換性に考慮しなければならない関数やマクロがどれくらいあるのかといった "傾向" を把握するには十分でした。また私たちプロジェクトを推進する担当者だけの評価でなく、豊富なOffice の開発、展開を数多く手がけてきた IT プロの評価を受けることで、より精度の高い具体的な移行計画を策定するというねらいもありました」。

また何より良かったのは、プロジェクト初期の段階で互換性に関する影響度合いを把握でき、今後移行にかかる作業ボリュームや対応スケジュールを短期間に見積もりできたことだと田代 氏は言います。「マクロ互換性検証ツールで検証したファイルは、Microsoft Access、Microsoft Word そして Microsoft Excel のファイルでした。特に当社は Excel のファイルが Office 文書全体の 70% を超えているので、マクロ検証の作業ボリューム把握はたいへん重要な要素です。このため非互換ファイルがどれくらい出るかを懸念していたのですが、パイロット検証 200 ファイルのうち、非互換が見つかったのはわずか 3 ファイルと非常に低い割合でした。Office 2010 互換性検証支援サービスを通じて、当社の非互換ファイルの割合や使用している非互換マクロの傾向が分かり、移行対応に要する期間や工数がプロジェクト全体計画の範囲に収まる見通しがついた時は、やはり検証支援サービスを利用して良かったと感じました」。

マクロ互換性検証 概略図

マクロ互換性検証 概略図 [拡大図] 新しいウィンドウ

<導入効果>
検証サンプルを使ったトレーニングが
移行のイメージをつかみやすいと大好評

第一生命保険株式会社
ITビジネスプロセス企画部
業務リーダー
成木 里絵子 氏

第一生命保険株式会社
ITビジネスプロセス企画部
藤田 美和 氏

第一生命保険では、今回の Office 2010 を始めとした新 PC 展開を、2012 年末までに支社、営業オフィスを含むすべての拠点に展開する予定で作業を進めています。同年 5 月のモデル支社 2 拠点を皮切りに、8 月のお盆明けには全 84 支社、1,300 営業オフィスを一斉に切り替え、本社は 8 月末から順次置き換えを進め、11 月末には合計 2 万台の PC 展開を完了させる予定です。

こうした PC 展開計画に併行して、本社職員向けの Office 2010 習熟トレーニングも 日本マイクロソフトおよび NSD のバックアップの下で進んでいます。2011 年 11 月には、日本マイクロソフトによる 「Office 2010 の主な変更点に関するトレーニング」を実施。また続く 2012 年 1 月には NSD による「マクロ互換性トレーニング」の集合研修を実施し、大きな反響を呼びました。と、第一生命保険株式会社 ITビジネスプロセス企画部 業務リーダー 成木 里絵子 氏は語ります。 「最初 80 名規模の想定で会場を用意したところ、170 名を超える参加申し込みがあり驚きました。このことからも当社が業務を行ううえで Office はなくてはならないツールあり、非常に高い関心を集めていることがわかりました」。

また、この研修にも Office 2010 互換性検証支援サービスは良い影響を及ぼしていると、第一生命保険株式会社 ITビジネスプロセス企画部 藤田 美和 氏は語ります。「一般的な互換性情報ならば、日本マイクロソフトのホワイト ペーパーなどの資料がありますが、マクロや関数に詳しくない職員には、専門的な表現も多く、理解しにくいことが少なくありません。その点、今回は Office 2010 互換性検証支援サービスで実際に検証に用いた業務ファイルを研修でサンプルとして紹介したところ、非常にイメージがつかみやすいと評判でした」。

集合研修形式はさまざまな IT スキル レベルの職員が参加します。新バージョンの Office を初めて使う職員の理解度を向上させるためには、普段見慣れた自社の業務ファイルを使う効果は見逃せないと成木 氏は言います。

一方、PC 展開が目前に迫った現段階では、Office 2010 に慣熟するため、職員個々人による e ラーニングなど自学習への取り組みも始まっています。藤田 氏は、「Office 2003 から Office 2010 への移行では、リボン インターフェイスなどの新しい操作環境にも慣れないといけません。そうしたハードルをなるべく楽に越えて、早く新バージョンの便利な機能を活用していただけるよう、私たち IT 部門の担当者が率先して、 "こんな使い方ができますよ" といった情報を積極的に発信していきたいと思っています」と、今後の意気込みを語ります。

<今後の展望>
目の前の成果を積み上げながら
全社的なワーク スタイル改革を積極推進

2012 年末の新 PC 環境の展開完了を目前に、早くも第一生命保険では Office 2010 を活用した業務効率の向上に向け、さまざまな活用のアイデアを描き始めています。とりわけ Office 2010 のいくつかの新機能に注目していると成木 氏は語ります。「当社は Excel の利用頻度が非常に高く、統計資料やデータ分析に Excel は不可欠です。そうした業務背景を考慮すると、たとえば機能強化されたピボットテーブルは業務効率アップが期待できます。またスライサーは、何度か試していますが、これなら誰でも使いやすいのではと感じました」。

ピボットテーブルは、Excel上で既に一覧表になっているデータの中から必要な項目だけを選び出し、別の新しい表を作成できる機能です。Office 2010 では、従来のバージョンに比べてより使いやすくなっており、マウスのワン クリックですばやく集計や変更が行えます。また Excel 2010 で新たに追加されたスライサーは、ピボットテーブル上の膨大なデータを必要に応じて瞬時に抽出できるフィルター機能です。ピボットテーブルで集計したデータを、さらにスピーディかつ動的に集計したり、絞り込むことが可能です (ピボットテーブルとスライサーの画面例参照)。

ピボットテーブルの画面例

ピボットテーブルの画面例

スライサーの画面例

スライサーの画面例

さらに太田 氏は、今後の方向性について、「新しい PC の配付は 2012 年に完了しますが、本当に大切なのは安定した IT サービスを常に提供し続けることであり、次にそれを使ってビジネスのパフォーマンスを上げ、お客さまの満足につながるサービスを実現していくことです。そのために私たち IT 部門としては、まずは既存資産の確実な移行を推進し、完了させる必要がありました。現在は Office 2010 の新機能を活用して業務効率の向上を提案し、定着させていく段階に入っています。当社職員の最も身近で日常最も良く利用する Office の利活用を推進していくことは、会社全体規模で見た場合、大きな業務効率向上の効果が期待できると考えています。社内の IT リテラシーの向上を通じて業務効率または業務品質の底上げを図っていくことが、自らに課せられたミッションだと考えています」と意欲を見せます。

わが国の企業の中でも、早くからエンド ユーザー コンピューティング (EUC) に取り組んできたことで知られる第一生命保険がまた一歩、新たなデスクトップ IT の可能性に向けて踏み出しました。

Office 2010 互換性検証支援サービスとは

Microsoft Office は、新バージョンと旧バージョンの高い互換性を確保していますが、セキュリティや操作性の改善によって、お客さまが作成されたマクロの動作、あるいはレイアウト表示などにおいて、一部互換性の確認が必要になる場合があります。

Office 2010 互換性検証支援サービスは、お客さまからお預かりしたファイルのマクロ、およびレイアウトの互換性をパートナーが検証することで、Office 2010 導入に伴うお客さまの手間を軽減します。特殊な専用ツールを使った検証作業によって、マクロとレイアウトを合わせて、10 日間で最大 400 ファイルの検証実施が可能です。また、Office 2010 の導入展開ワークショップの開催、操作方法のトレーニング コンテンツ作成など、Office 2010 の導入に関わるサービスもご用意しています。

Office 2010 互換性検証支援サービスで、バージョンアップの問題を事前に解決

「Office 2010 互換性検証支援サービス」を提供するパートナーである NSD は、お客さまのニーズにあわせて以下のようなサービスを提供しています。

  • マクロ互換性検証サービス
    旧バージョンの Office を新バージョンへ移行する際の、VBA マクロの互換性を対象とした事前検証サービス
  • レイアウト互換性検証サービス
    旧バージョンの Office で作成された文書を新バージョンで利用する際に、表示のズレなどを事前に検証するサービス
  • ヘルプ デスク サービス
    お客さま先常駐やメールなどで、Office 利用時のお問い合わせに対応するサービス
  • マクロ互換性トレーニング
    旧バージョンの Office から Office 2010 へ移行する際の VBA マクロの互換性に関する留意事項など、実例を交えながらご説明するトレーニング
第一生命保険での Office 2010 互換性検証支援サービスの展開例

第一生命保険での Office 2010 互換性検証支援サービスの展開例

コメント