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中京テレビ放送株式会社

 様に導入

デジタル放送の未来へ備えるプラットフォームを Windows Azure メディア サービスで実現。『中京バックステージ』を始めとする多彩な試みを、DRM など充実の機能でサポート

中京テレビ放送株式会社では、インターネットやスマートフォンなどとの連携に関しても積極的に取り組んでいます。たとえば、自社制作の情報生番組『ラッキー!!』では、ほぼリアルタイムでの Twitter 連携を行っているほか、『スギちゃんのほどほどにしてね』では動画配信サービスにウラ話映像を公開しています。そして 2013 年 6 月。新たにスタートする NTTドコモのスマートフォン向けサービス SPモードの公式有料サイト『中京バックステージ』を皮切りとして、今後幅広く活用していく自社運営の動画プラットフォームを、Windows Azure メディア サービスを活用して構築しています。

<導入の背景とねらい>
動画コンテンツの著作権管理を厳重に行うために、自社の動画配信プラットフォームを準備

中京テレビ放送株式会社 (以下、中京テレビ) は、「今をうつし、未来につなぐ」というコーポレート スローガンの下、愛知・岐阜・三重の 3 県、約 443 万世帯 (2012 年 3 月 31 日現在) を対象にテレビ放送事業を展開。『フットンダ』、『PS三世』、『キャッチ!』などの自社制作番組も人気を博しています。

中京テレビ放送株式会社
編成制作局
デジタルメディア部
副参事
坂井 伸子 氏

人々が日々接するテレビは、今も絶大な影響力を誇るメディアです。しかし、ワンセグ放送対応のフィーチャーフォンやスマートフォン、そして光ブロードバンドの普及などによって視聴者とテレビ番組との接点の多様化が進む現在において「視聴者との接点を、より幅広く確保することも重要」と、中京テレビ 編成制作局 デジタルメディア部 副参事 坂井 伸子 氏は話します。

「今は、スマートフォンや PC などのディスプレイが、テレビのすぐ側で使われています。この状況を有効活用することが大切だと思います。当局で土曜の午前中に生放送している情報番組『ラッキー!!』(2013 年 4 月 金曜夕方から土曜朝 9 時 25 分へ枠移行) でも、Twitter や LINE に番組公式アカウントを設けています。特に Twitter では、ハッシュタグ (#luckyctv) を付けて投稿されたつぶやきを、ほぼリアルタイムで表示しています。視聴者が土曜朝に移行しても Twitter を使ってくれるのか不明でしたが、始まってみると予想以上に投稿していただいています」。

中京テレビでは、このほかにも番組と連動して、既存の動画配信サービスやフィーチャーフォン、スマートフォン連携を行っていると言いますが、「番組の支持層によって、反応の良いデバイスも異なる」と坂井 氏は続けます。

「巷ではスマートフォンの普及が進んでいますが、番組によってはフィーチャーフォンからの反応が、まだかなりの割合を占める場合があります。『ラッキー!!』の件にしてもそうですが、インターネットなどと連携した仕掛けについては、やはり "やってみないと分からない" ということを強く実感しています」。

こうした認識を踏まえ、中京テレビでは公式 HP 内に設置している動画配信サイトを、マルチ デバイス対応に向けてリニューアルすることを検討していました。単にマルチ デバイスに対応した動画を配信するだけであれば、YouTubeなどの既存の動画配信サイトを活用すれば用は足ります。しかし、番組に使用する音楽や、出演者などの権利の問題もあり、自社で管理できる動画配信プラットフォームも必要だったのです。

そして中京テレビが選択したのが、マイクロソフトのクラウド サービスである Windows Azure の新サービス「メディア サービス」の活用でした。

<システム概要と導入効果>
劇的に低いランニング コスト

Windows Azure メディア サービスを採用した理由について、坂井 氏は次のように振り返ります。

「特にテレビ局の動画配信では、唐突にアクセス数が急増する可能性もあります。オンプレミスで構築するとなれば、最初からある程度のスケーラビリティーを確保せざるを得ないでしょう。しかし、過度な投資はできません。そこで急なアクセス増にも耐えることのできるクラウド サービスを複数比較したのですが、Windows Azure は『こんなに安くていいの!?』と、驚くほどの料金体系でした。初期コストには開発費も含まれますが、ランニング コストが劇的に低いため、『構築費用を足しても、年間の費用としては、現状と変わらない』と、システム構築を担当した株式会社中京エレクトロン (以下、中京エレクトロン) からも提案いただきました」。

さらに、ビジネスの "スピード向上" にメリットが大きいと、氏は続けます。

「オンプレミスのシステム構築と違って、サーバーの調達に時間がかかることもなく、スピーディーに導入できます。さらに、エンコードからストリーミング配信まで機能が揃った新サービス『メディア サービス』を利用することで、動画ファイルを公開するまでのスピード感がアップすることも、大きなメリットになっています」。

動画配信におけるクラウド ベンダー比較評価
  Windows Azure 動画配信ASP A 社 動画配信ASP B 社 国産クラウド
TCO
カスタマイズ性
分かりやすさ
備考 他と比較で、約 3 分の 1 コストで開発・運用可能 パッケージ化されたサービスのため、初期費用・ランニング コスト共に高価 要件に合わせようとするとカスタマイズ費用が発生 完成されたツールだが、カスタマイズが難しく、要件と合わないケースも考えられる

パートナーの DRM ソリューションを活用し、スピード構築

株式会社中京エレクトロン
システム事業部
メディアデザイングループ
主事
真坂 匠 氏

株式会社中京エレクトロン
システム事業部
部長
稲見 雅一 氏

中京エレクトロンのシステム事業部長 稲見 雅一 氏もまた、Windows Azure の利点について、次のように説明します。

「私たちが必要としていたのは、権利処理にも対応するために、DRM (Digital Rights Management) が適用できて、手間なくマルチ デバイスにコンテンツをストリーミングできるインフラでした。DRM が無いと番組制作者が安心して動画配信を行う事ができません。このすべてを IaaS (Infrastructure as a Service) のクラウド サービスで整えようとすると、構築の手間とコストがかさみます。しかし、Windows Azure にはシステム構築に必要かつ高機能な "部品" がすべて揃っています。その上さらに .NET Framework などの既存資産を使って、お客様に合わせたカスタマイズも容易に行えます。これは、お客様にとって本当に価値あるシステムをスピーディーに提供する上で大きな意味を持っています。実は完成品の動画配信サービスでは、個々のニーズに対応できない事もたくさんあります」。

こうして中京テレビのグループ企業である中京エレクトロンでは、「システム構築の実績と経験」と、「コンテンツの作成、配信に深く関わってきたノウハウ」の両面から、中京テレビの動画配信プラットフォーム構築を強力に推進。2013 年 5 月からスタートした構築を、6 月末には無事完了しています。稲見 氏は Windows Azure に関して、パートナー ソリューションが揃っていたこともスピード構築の成功要因だったと続けます。

「今回、DRM を実装するにあたり、株式会社インターネットイニシアティブがサービス提供している、IIJ DRMサービス/PlayReady を活用しています。このサービスを利用することで、配信コンテンツの著作権保護と管理を、スピーディーに実装できました。こうした周辺サービスまで揃っていることも Windows Azure の良さだと思います」。

分かりやすいインターフェイスで動画配信の操作も容易

スマートフォン向け『中京バックステージ』画面イメージ

スマートフォン向け『中京バックステージ』画面イメージ [拡大する] 新しいウィンドウ

こうして、中京テレビの新しい動画配信プラットフォーム構築も順調に完了。このプラットフォーム活用の第 1 弾として登場したのが、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの提供するスマートフォン向けサービス「SPモード」の公式サイトとしてサービス提供している「中京バックステージ」(月額 262 円) でした。

「中京バックステージ」では現在、「レシピ検索」や「人気占い師・南クララの占い」、「アナウンサー壁紙」などのオリジナル コンテンツを続々配信中。動画コンテンツに関しても、順次展開されていくと言います。

動画配信に関わっている中京エレクトロン システム事業部 メディアデザイングループ 主事 真坂 匠 氏は、Windows Azure メディア サービスについて「管理画面が分かりやすい」と評価しています。

「とにかくユーザー インターフェイスが優れていると思います。私自身、始めて操作した時に、ドキュメントを見なくても動画を公開するところまでできてしまいました。これなら、お客様先における操作研修の手間も少なくて済むと思います」。

最後に、坂井 氏は次のように話します。

「『中京バックステージ』を始め、今後さまざまな動画配信に Windows Azure メディア サービスが活用されていくと思いますが、少ないコストで、最大限の可能性を手に入れることができたと、満足しています。将来的には Live 配信機能まで提供される予定があるとも聞いており、その点にも非常に期待しています」。

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