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伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

 様に導入

「eWork+@CTC」のコンセプトの下、シン クライアント環境を Windows Server 2008 R2 リモート デスクトップ サービス (RDS) によってリプレース
セキュリティ強化と利便性の向上に加え、サーバー台数の劇的な削減や運用負荷の軽減など数々のメリットを実現

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

「CTC」のブランド ネームで知られ、わが国を代表するシステム インテグレーターとして数々の実績を誇る伊藤忠テクノソリューションズ株式会社。同社は 2012 年、専用デバイスによって構築されていた社内情報系のシン クライアント システムを、Windows Server 2008 R2 のシン クライアント サービスである リモート デスクトップ サービス (RDS) にリプレースしました。この結果、セキュリティの強化はもちろん、ユーザビリティに優れた業務環境でエンド ユーザーと運用担当者双方の負荷を軽減。さらに主要拠点に点在していたサーバーをデータ センターに集約して、大幅なサーバー台数の削減を実現しています。

<導入の背景とねらい>
「eWork+@CTC」の実現に向けて
最新シン クライアント製品によるリプレースを決意

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
情報システム部
部長代行
永田 孝哉 氏

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
情報システム部
インフラシステム課
浅沼 宏紀 氏

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
情報システム部
企画推進課
宮川 康彦 氏

現在グループ全体で 12,000 名超の従業員を擁する伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 (以下、CTC) が、社内の情報系システムのシン クライアント化に踏み切ったのは、2004 年のことでした。この背景には、CTC が全社的に展開してきた新しい情報インフラのコンセプト eWork@CTC があったと、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 情報システム部 部長代行 永田 孝哉 氏は明かします。

「eWork@CTC の中でも、重要なコンセプトが 2 つありました。"セキュリティの強化" と "利便性の向上" です。当社は IT の社会への広がりに合わせて成長を続けてきましたが、多くのお客様と取引を行ううえで、セキュリティの強化が非常に重要な課題になってきています。同時に、社会的にも IT ガバナンスへの要請は日増しに高まってきています。一方、そうした制約の下で社員の IT 運用や操作における負荷を減らし、ビジネスにおける高い生産性も実現させていかなくてはなりません。そうした要件を満たすうえで、最良かつ究極の方法がシン クライアント化だったのです」。

IT 管理を社内の専門部署に統合し、かつユーザーの負荷をゼロにするという点で、シン クライアント化は、まさに eWork@CTC に必要不可欠の施策だったと、永田 氏は語ります。

「旧システムである eWork@CTC の展開から 7 年が経ち、私たちを取り巻く環境は、企業のグローバル化や環境問題、テレワーク拡大、クラウドの発展、スマートフォン/タブレットの普及、さらに震災リスクへの対応など、さまざまな領域に拡がり変化してきています。そこで、これらの変化に対応するべく eWork@CTC を発展させた新たなコンセプトが、"eWork+Flexible Collaboration" であり、現在 "eWork+@CTC" として展開されているものです。eWork+@CTC では、時間/場所/デバイスにとらわれず、CTC グループの従業員がより柔軟にコラボレーションできる環境を提供することをコンセプトとしています。しかし、この eWork+@CTC を実現するには、現行のシステムでは対応できないさまざまな課題があり、早急にリプレースを行う必要がありました」。

中でも当初から使用されてきたシン クライアント システムにおいては、すぐにも対応を要する課題が浮き彫りになってきていたと、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 情報システム部 インフラシステム課 浅沼 宏紀 氏は振り返ります。

「それまでは、他社のサーバー ホスティング型仮想デスクトップ構築用の専用デバイスを利用していました。しかし 7 年も経つと、たび重なるシステム拡張や機種の老朽化が進み、ハードウェアの故障も増えてきていました。大命題である eWork+@CTC を実現するためにも、現代のワーク スタイルに合った新しいシン クライアント システムの導入は急務だったのです」。

<導入の経緯>
念入りな検証の結果
Windows Server 2008 R2 の RDS を採用

新しいシン クライアント システム導入に向けた動きが始まったのは、2009 年 10 月でした。当時はちょうど Windows Server 2008 R2 がリリースされた時期にあたりますが、CTC ではあくまで入念に検討、検証を繰り返し、確証を得たうえで次のステップへ進むという慎重なスタンスを崩しませんでした。

「クライアント システムにおける万が一のシステムトラブルは、ユーザーのすべての仕事を止めてしまいます。このため慎重にならざるを得ないのはもちろん、後々当社のお客様に私たちのソリューション提案力をご覧いただくショーケースとなる意味からも、最善を尽くそうという想いがあったのです。その結果、Windows Server 2008 R2 の RDS が選ばれ、検証が始まったのが 2009 年下期でした。その後、2010 年が明けてから情報システム部内でのパイロット展開が始まり、同年末に全社内で 500 ユーザーにまで展開しました」 (浅沼 氏) 。

2012 年 4 月、正式に全社リリースに向けたアナウンスが行われ、順次切り替えが開始される予定だと浅沼 氏は語ります。

今回 Windows Server 2008 R2 の RDS がリプレースのための製品として選択された理由を、浅沼 氏は「以前も、バックエンドには Windows Server 2003 のリモート デスクトップ接続サービスであるターミナル サービスを利用していました。RDS はこの後継機能にあたるため、移行してもログイン認証などの使い勝手も変わらず、ユーザーの負担が少ない点を評価したのです」と明かします。もちろん最新の製品を使うというのも大きな目的であり、そうした意味でも Windows Server 2008 R2 の RDS への移行は自然な流れといえました。

加えて、RDS に移行することで、システム構成をシンプルにできる点もメリットでした。

「旧システムでは、端末の向こうに UNIX サーバーがあり、さらにもう 1 つのミドルウェア用サーバーを介して Windows Server 2003 に接続する多層構成になっていました。このためさまざまな箇所でトラブルが起こっていたのですが、RDS では端末から負荷分散装置を挟んですぐに Windows Server 2008 R2 があるので、非常にシンプルな構成にできたのです」 (浅沼 氏) 。

また伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 情報システム部 企画推進課 宮川 康彦 氏は、サーバーの台数が減らせるメリットを強調します。

「ちょうど当時はエコ化が叫ばれ、電力消費量削減のためにサーバー台数を減らすのも重要なテーマでした。その点でも、既存クライアントは主要な各拠点にサーバーを置かなくてはならなかったのが、RDS ではサーバーをすべてデータ センターに集約できるため、大幅な節電効果がありました」。

各拠点にあったサーバーも不要になり、運用コストに加えてラック スペースや付帯設備の面でも大きなコスト削減がかなったと宮川 氏は評します。

<導入効果>
より自由なアクセス環境が実現
大幅なサーバー台数削減などのコスト効果も

いよいよ全社向けの展開を目前に控えて、宮川 氏はパフォーマンスの向上に期待を抱いていると言います。

「サーバー構成がシンプルになったことで、システム全体のレスポンスが向上し、画面表示もスムーズになると予想しています。また RDP のプロトコルを使用することで、いつでもどこでもさまざまなデバイスからアクセスできるようになります。これはまさに eWork+@CTC の要求する環境でもあります。これに合わせて、今までは行っていなかったモバイル アクセスを実現するために、モバイル シン クライアント端末を導入する予定もあります」。

また RDS は、パンデミックや大災害時の自宅勤務を想定した使い方も可能です。旧システムのシン クライアントには自宅からアクセスできなかったのが、Windows Server 2008 R2 の RDS では、会社にいる時と同じセッションを維持したまま、異なる場所で作業が可能になります。

「たとえば会社で Microsoft Word で文章を作って、ログオフせずにファイルを開いたままロックをかけて、別の場所に移動してアクセスすると、そこでも自分のデスクにいたときと同じ画面が出てくるのです」 (浅沼 氏) 。

また、こうした多様なワーク スタイルの可能性は、BCP のショーケースとして今後顧客へアピールすることをかなり意識していると宮川 氏は明かします。

RDS がもたらすもう 1 つの大きなメリットは、やはりコスト削減です。

「前章の節電効果でお話ししたように、RDS ではサーバーをすべてデータ センターに集約できます。今回の移行では、それまで 370 台あったサーバーが 75 台と一挙に 80% 以上も削減され、電源使用量もマイナス 85% と非常に大きな成果が得られました」 (宮川 氏) 。

運用面でも、大幅なコストと運用負荷の軽減が RDS によって実現しています。従来のシステムの構成ではそれぞれのシステムごとに責任者を置き、製品選定や構築、日常の運用までを各自で行ってきました。このためシステムの件数分だけ経費がかかり、しかも継続的なコストとして計上しなくてはなりませんでした。

「しかし RDS では、最初に Windows Server 2008 R2 Hyper-V で仮想化の基盤を作り、その上にアプリケーションを乗せたのです。この結果インフラ部分が共通化されたため、各アプリケーションの運用担当者だけがいれば済みます。これは経費的にも人的リソースの面でも大きなコスト節約になります」と語る浅沼 氏。これについて永田 氏も、マネージメントの立場から「運用が効率化されることで、スタッフの配置や時間的な余裕が生まれます。この余裕を情報システム部が本来担っている、システム企画やコンセプト メイキングといった本質的な仕事に振り向け、業務全体のクオリティ向上につなげていきたい」と語ります。

eWork+@CTC コンセプト概要図

eWork+@CTC コンセプト概要図 [拡大図] 新しいウィンドウ


システム構成図

システム構成図 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
将来的な VDI との棲み分けや
さらに多様なワーク スタイルへ向けて前進

CTC では、現在の RDS によるシン クライアント システムが、将来的には VDI (Virtual Desktop Infrastructure) との使い分けという形で進化し、発展していくと予測しています。VDI は仮想サーバーの中にユーザーごとのより完全に独立したデスクトップ環境を構築でき、RDS では利用できない特殊な業務アプリケーションなども確実にサポートできる点が大きな特長です。このためさまざまな企業の間でも、用途に応じた RDS と VDI の使い分け=ハイブリッドでの導入がしだいに増えてきています。

「現在はまだ VDI のコストが RDS に比較して高く、この問題さえ解決されれば、ルーティン ワークには RDS、特殊なアプリケーションなどを使いたい人は VDI といった棲み分けが進むと思います。また現在、そうしたアプリケーションの問題などでシン クライアントの配下に入れない PC がかなりの台数あって、これらを将来的に VDI を利用して吸収していくことが課題になります。VDI になればアプリケーションの問題もなくなり、またモバイルを含めたワーク スタイルの自由度も飛躍的に拡がるので、やはり情報システム担当者としては、積極的に推進していくべきテーマだと思います」 (宮川 氏) 。

この他にも、2012 年上半期の出荷が予定されている Microsoft System Center 2012 や、次期バージョンの Windows Server といった新技術の動向、さらには Windows Server 以外の UNIX や Linux も取り込んだ仮想化環境の統合など最先端技術への目配りを続けていく一方で、システムの自動化や仮想化技術を応用したディザスター リカバリの検討など、今後に向けた情報システム部の関心は多岐にわたっています。

「つまるところ、Anytime, Anywhere, Any device というコンセプトの通り、マルチ デバイスでどこからも同じ環境で仕事やコミュニケーションができることが、私たちの目指す大きな目標になります。これをどこまでも他社に先駆けて追求し実現することで、自らの成果をショーケース化してお客様に提供していけたらと願っています」と永田 氏は意欲を語ります。

わが国におけるシステム インテグレーターの草分けとして、40 年間にわたって時代のソリューションをリードしてきた CTC。そのテクノロジに対する熱意は、最先端のそのまた先を目指して進んでいきます。

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