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鯖江市

 様に導入

管理の徹底に時間と手間がかかった一部の出先機関の PC 管理の課題を Windows Intune の導入で解決
低い投資で高い安心感を得られ、管理時間も大幅削減

鯖江市

鯖江市

複数の出先機関の PC 管理のために、2012 年 4 月からの Windows Intune の導入を進めている福井県鯖江市。従来から鯖江市では、市庁舎内や 30 ほどの出先機関の PC は、ツールによる管理が行われていたものの、一部が管理ツールの適用範囲から外れており、それらの PC の管理に時間と手間がかかっていました。今回、低コストで余分な手間をかけずに Windows Intune を採用することで、鯖江市はすべての PC を同じレベルで管理しセキュリティの担保を行うことを目指しています。

<導入の背景とねらい>
管理ツールの改修などのコストをかけずに
VPN 外の PC 管理を行う手法を模索

鯖江市政策経営部
情報統計課
課長
牧田 泰一 氏

鯖江市政策経営部
情報統計課
参事
中村 敏生 氏

鯖江市政策経営部
情報統計課
課長補佐
酒井 和則 氏

株式会社ティーケーネットサービス
代表取締役
武田 勇人 氏

福井市に隣接する福井県鯖江市は、眼鏡関連の産業が盛んな街として全国的にも有名な街です。また、IT への取り組みも盛んとなっており、JR 鯖江駅前からレッサーパンダで有名な鯖江市西山動物園までの歩道には無線 LAN が整備され、2012 年 3 月末までに市内のすべての公民館でも無線 LAN が利用できるようになる予定です。大手 IT 企業の代表が鯖江市の出身であることや、IT 企業の開発センターがあることから、眼鏡、漆器、繊維の三大地場産業に続く産業として IT 産業を支援する取り組みも行われており、「IT のまち鯖江」を掲げていることも同市の大きな特徴の 1 つです。

一方で、鯖江市では行政に利用する PC の管理で課題を抱えていました。本庁舎内の PC は管理ツールを使って管理され、市関連、スポーツ施設、保育所・幼稚園、小中学校、公民館などの多くの出先機関は VPN で接続し、同じ管理ツールを使ってしっかりとした管理を行っています。しかし、西山動物園や子育て支援センターなどの 5 か所の出先機関は、必要なときに本庁舎と VPN で接続する形であったため、十分な管理が行えているとは言えない状況でした。これらの出先機関では、OS のソフトウェア更新は自動更新するように徹底されていますが、実際に最新の状態にあるかどうかは現場に行ってみないと確認することができません。また、必要なソフトウェアのインストールも現場の職員の手をわずらわせており、きちんとしたインストールや設定が行われているかも現場に出向かなければ確認できませんでした。加えて、インストールや PC 操作のサポートは電話で行っていたため、状況の意思疎通に時間がかかり、1 件のサポートに 1 時間かけてしまうことも珍しくありませんでした。

このような状況の中、庁内のネットワーク インフラや IT の整備や管理を行う情報統計課では、これらの 5 か所の出先機関にある 15 台の PC を管理することを検討していました。しかし、現在本庁舎で利用している PC 管理ツールをリプレイスしたり、ネットワーク インフラを改めて整備しなおすには、膨大な投資が必要となります。具体的な良い方策が見つからないまま、これらの出先機関の PC は、人と時間を使い、情報統計課の職員が出向いて行ったり、サポートを電話で行ったりすることで対応してきました。

そのような試行錯誤を行っているときに、情報統計課の 1 人が情報を収集して見つけたのが、クラウド サービスとして PC 管理などを提供し、インターネットがつながっている環境であれば利用できる Windows Intune だったのです。

<導入の経緯>
低予算で導入でき手軽に試せる
Windows Intune を採用

2010 年 8 月、総務省内、「自治体クラウド推進本部」を設置され、「地方公共団体における ASP・SaaS 導入活用ガイドライン」などの指針が出ていたことから、「クラウド サービスには注目していましたし、全庁的に取り組むという合意が以前からありました」と話す鯖江市政策経営部 情報統計課 課長の牧田 泰一 氏は、Windows Intune の印象について次のように話します。「IT を取り入れて行政サービスを行うことが当たり前となっている時代の中で、新しい技術にはなるべく取り組んでいきたいと考えていました。Windows Intune は導入の工数がそれほどかからず、現場の負担が減るのであれば、試してみたいと考えました」。

同様に、鯖江市政策経営部 情報統計課 参事の中村 敏生 氏も「一部の出先機関については、電話で長時間サポートしなければなりませんでした。しかし、Windows Intune のような管理ツールで時間短縮できるのであれば、導入するべきだと思いました」と話します。

クラウド サービスであれば、本庁舎や VPN でつながれている出先機関の PC はこれまでどおり管理し、これまで管理できていなかった範囲だけ Windows Intune を適用することで、導入および運用コストを最小限に抑えることができます。前述のように従来のシステムを改修したり、ネットワーク インフラの整備を行わなくても導入でき、新たな機器を調達しなくてもすむという点も、導入しやすかった理由の 1 つでした。鯖江市政策経営部 情報統計課 課長補佐の酒井 和則 氏は「導入する台数も少なかったため、市の予算として組みやすかったと思います。私個人で計上できる予算であったため、手軽に使い始めて試してみることができると感じました」と話します。

2011 年夏ごろには導入を本格的に検討し始め、北陸を中心にサービスを展開している株式会社ティーケーネットサービス (以下、ティーケーネットサービス) によるデモを体験。その結果、鯖江市は Windows Intune を導入することを決めました。その後、2012 年 3 月の議会で承認を経て、4 月からの導入を目指しています。デモ環境やサポートを提供した株式会社ティーケーネットサービス 代表取締役 武田 勇人 氏も、紹介している段階から Windows Intune が鯖江市に最適なソリューションだと感じていたと言います。「訪問させていただいてデモを見せながら話していく中で、操作感や概要を知ってもらいました。そのうえで、Windows Intune の導入しやすさや機能が鯖江市様が求めているものにマッチし、課題を解決できると思いました」。

Windows Intune を導入すれば、現場に出向かわなくても更新管理、ソフトウェア配布、マルウェア対策などを行え、ハードウェアおよびソフトウェア構成情報やインベントリの収集、ライセンス管理が行え、リモート アシスタンスで遠隔地からのサポートが行えます。少ない投資で本庁舎と同じレベルの管理を行えることは、鯖江市の目指す課題解決に合致し、大きなメリットとなります。

しかし、総務省からの方針が出ているとはいえ、情報を第三者に渡さざるを得ないクラウド サービスを利用することに抵抗を感じている行政機関も少なくありません。新しい技術を使うためには、セキュリティと情報管理の問題を慎重に見極めていかなければならないという姿勢は、鯖江市でも同様です。そのため、鯖江市では、マイクロソフトに対して問い合わせを行い、プライバシー ポリシーを参照し、個人に関する情報が含まれていないことを確認し、十分に検討したうえで導入を決定しています。牧田 氏も、「現状では、クラウド サービスに対する不安や課題もあります。しかし、やはり新しい技術に対しては一歩前に踏み出すことが大事だと思います。現場に不満や課題があるのなら、まず一歩を踏み出すべきだし、踏み出すことでわかることや見えてくるものがあり、新たな考え方が発見できると考えています」と話しています。

<導入効果>
全庁レベルでの管理をスムーズに行え
精神的にも大きな安心を得られる

鯖江市では、2012 年 1 月末から試験的な導入を開始し、3 月までに 11 台にパイロット導入を行った後、4 月からの本格導入を目指しています。実際に Windows Intune を操作してみて、酒井 氏は「これまで Windows 製品や管理ツールを使っていた感覚で、すぐに操作することができ、簡単に扱えるという印象を受けました」と感想を話します。

ティーケーネットサービスのサポートも、導入までのスムーズさを加速させました。検討段階からデモや説明を行ったほか、ドキュメントの提供などの細やかなサポートが行われたことを酒井 氏も評価しています。「わからないことがあれば、すぐに電話したりメールで質問したりしていましたが、すぐに返答が返ってきました。実際の画面を使ったドキュメントもわかりやすかったですね」 (酒井 氏)

本庁舎や VPN でつながっている出先機関の PC では、Windows Server Update Services (WSUS) による定期的なソフトウェア更新を行っていましたが、Windows Intune でも同じタイミングでソフトウェア更新が行え、その結果をすぐに確認できることも大きなメリットです。「ハードウェアのインベントリを収集できるので、台帳代わりに使えるのも便利ですね。管理画面を見れば、ディスク容量なども表示されているため、今後は知らないうちにディスク容量がなくなっていたということがなくなるでしょう。ハードウェア トラブルも未然に発見できることが期待できます」と話す酒井 氏。そのほかにも、シリアル ナンバーを収集して修理依頼や問い合わせに活用したり、本庁舎からソフトウェア配布機能を使って新たなソフトウェアをインストールするなど、本格導入後はさまざまな利用シーンが期待されています。

最も時間と手間がかかっていた遠隔地のサポートの問題も、Windows Intune のリモート アシスタンスで解決することができます。前述のように、これまでは電話によるサポートであったため画面が見えず、相手側の状況を把握するだけでもかなりの時間がかかっていました。酒井 氏はサポート時間短縮の期待を次のように話します。「まだ Windows Intune のリモート アシスタンスを実際に使ったわけではありませんが、既に VPN でつながっている出先機関の PC へ のリモート アシスタンスにより、電話で 1 時間かかっていたサポートが 10 分程度で終えることができるようになったという実績がありますので、同様の効果が期待できるはずです」。

これらの機能を活用することで、これまで出先機関の PC 管理やサポートにかけていた時間を大幅に短縮できることは間違いありません。酒井 氏は「どの程度時間が短縮できるかはまだわからない」としながらも、Windows Intune の導入によってしっかりとした全庁的な管理やウイルス対策が行えることで「精神的な負担がかなり減ることを期待したいですね」と話してくれました。

システム構成図

システム構成図 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
新たな技術にも取り組むことで
「IT のまち鯖江」を推進していく

4 月以降の本格導入について、「春以降は、人事異動などでサポートや問い合わせが増える時期になります。これからリモート アシスタンスなどの効果が実感できると思います」と酒井 氏は期待を寄せます。また、牧田 氏が「新しい技術に取り組んでいきたい」と話していたように酒井 氏も新たな技術に挑戦してく意欲を次のように話してくれました。「今後は、ハードウェアのコストを下げていくことも考えていかなければならないので、仮想化にも取り組みたいですね。トータルでコストを下げられるのであれば、新たな技術は取り入れていかなければなりません」。

市内の機関すべての PC 管理を行えるようになった鯖江市は、これらの資産をベースにさらにきめ細やかな行政サービスを行っていくことは間違いありません。「IT のまち鯖江」を実現するために、Wi-Fi の整備だけでなく、情報を積極的に提供することもその取り組みの 1 つとなります。「東日本大震災以降、オープン ガバメントの推進が行政の課題となっています。自治体の有益な情報を積極的に提供する必要があり、その情報を民間が利用してトイレや AED、避難所の情報などを公開するしくみにも取り組んでいます」 (牧田 氏) 。

また、鯖江市では、2011 年 7 月に「さばえ IT 推進フォーラム」の第 1 回を開催し、2012 年夏にも「第 2 回さばえ IT 推進フォーラム」を開催する予定です。第 2 回では、スマートフォン アプリの公募のほか、鯖江市の産業である眼鏡を IT 端末にする ”電脳めがね” をテーマに、さまざまなディスカッションが行われる予定です。IT の新たな技術で鯖江市は、行政サービスの充実と街の発展を加速させていきます。

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