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導入事例

 様に導入

  • 経費削減
  • 効率化

松阪市

 様に導入

最新 OS がもたらす利点を重視し、早期に Windows 10 への移行を実施。OS が備える高い互換性をもってスムーズな移行を実現し、業務効率とセキュリティ レベルも大幅に向上

写真:松阪市役所

松阪市役所

城下町として栄えてきた歴史を持ち、そこから培われた文化と豊かな自然のもとで発展を続ける、三重県松阪市。同市の行政サービスの拠点である松阪市役所では、近年、行政サービスの向上と魅力的なまちづくりのために、ICT の積極的な活用を進めています。

松阪市役所では、職員が使用する PC や情報系システムといった ICT 環境の整備も重要視しています。2016 年 4 月には、職員が使うクライアント PC を Windows 10 へと全面刷新することで、業務効率の大幅な向上と、セキュリティ リスクの低減を実現しました。2016 年度には WSUS の導入やネットワーク分離も計画しており、今後、より安全に、高い品質のもとで行政サービスを提供していくことを目指しています。

<導入の背景とねらい>
旧クライアント PC のリプレースを機に、最新 OS の採用を検討

三重県のほぼ中央に位置し、2005 年に 1 市 4 町が合併し、新たな市として発足した松阪市。戦国武将である蒲生氏郷がまちの礎を築き、江戸時代には、和歌山街道と伊勢街道が合流する交通の要地であったことから宿場町としても栄えました。日本三大商人のひとつである伊勢商人 (松阪商人) を輩出した地域としても知られています。

三重県全体の約 9.1% を占める 16 万 6,834 人の人口を抱える松阪市では、市民の暮らしをさらに豊かなものにするべく、2014 年 4 月より「松阪市情報化推進計画」を 4 か年計画で推進しています。同計画は「ICT の活用など時代に応じた効率的な行政運営のシステムを確立する」ことを掲げ、ICT を活用した行政サービスの向上に取り組んでいます。

写真:松阪市 経営企画部 情報企画課 課長 野呂 隆生 氏

松阪市
経営企画部
情報企画課
課長
野呂 隆生 氏


写真:松阪市 経営企画部 情報企画課 ICTガバナンス推進担当監 田中 靖 氏

松阪市
経営企画部
情報企画課
ICTガバナンス推進担当監
田中 靖 氏

同計画ではまず、基幹系システムについて順次、汎用系システムからオープン系システムへ移行しました。また、2014 年には、税システムと住民情報システムを同一システムにすることで、大幅な経費削減を実現しています。

松阪市役所でシステムの企画と構築、運用を担当する、松阪市 経営企画部 情報企画課 課長 野呂 隆生 氏は、同市における ICT 整備の方針について、次のように説明します。

「城下町として栄えてきた歴史を持つ松阪市は、そこから培われた文化と豊かな自然のもとで発展を続けてきました。今の時代においては、ICT を推進していくことで、市民によって積極的に情報発信が行われ、より魅力的なまちづくりにつながっていくと考えています。そのために 2014 年 2 月に Facebook を活用した情報交流ページ『ぎゅうっと松阪』を開設し、市民活動団体とともに情報発信に取り組んでいます。また、こうした外向けのシステムだけでなく、職員の業務効率化を支えるための PC や情報系システムの整備なども、行政サービスの品質を高める重要な取り組みの 1 つであると考えています」(野呂 氏)。

外に向けたサービスだけでなく、職員の業務環境も重要視する松阪市ですが、同市は 2016 年 4 月より、市役所職員が用いるクライアント PC を、提供からまだ 1 年も経過していない Windows 10 へと全面刷新しています。

全面刷新の理由は、業務効率化に加え、セキュリティ リスクを可能な限り低減させる意味合いが大きいと、松阪市 経営企画部 情報企画課 ICTガバナンス推進担当監 田中 靖 氏は語ります。

「業務用のクライアント PC には、行政サービスを提供するうえで必要となるさまざまな情報が保存されています。市役所には、そうした情報をまずは安全に管理し、そのうえで、よりよいサービスを提供していくべく効率的に運用する責任があります。ですので、サポート終了が控えている旧 OS 環境を適切なタイミングで最新 OS に移行し、セキュリティを担保していくことは、行政として当然の責務です」(田中 氏)。

松阪市は、職員ポータルや財務会計、人事給与、グループ ウェアなどの内部情報系システムを運用しており、これらのシステムを利用するために、約 1,400 台のクライアント PC を職員に支給しています。これまでは 2009 年に導入した Windows 7 搭載 PC を利用していましたが、2016 年 11 月にはすべて Windows 10 にリプレースする予定です。同市では 2015 年春より、デバイスと OS の検討を進めたといいます。

<システム概要と導入の経緯、構築>
最新 OS の採用がもたらす利点を重視。優先度の高いシステムの動作確認をもって、早期に Windows 10 への移行を決定

当時、OS の選択肢としては、Windows 7 と Windows 8.1、そしてプレビュー版として提供されていた Windows 10 の 3 種がありました。田中 氏は OS の検討における比較事項について、次のように説明します。

「新しい OS であることは、その分、最新のセキュリティを考慮して設計され、脅威にも対抗しやすいしくみを備えていると思われます。また、いわゆる枯れた技術と最新の技術、双方のそれぞれの強みと弱みを適切に比較、評価したうえで選択するという手続きを経ます。セキュリティ水準の確保と並んで、限られたリソースを適切に配分できることも ICT 技術に期待している一面であり、OS として重視しなければならない点です」(田中 氏)。

写真:松阪市 経営企画部 情報企画課 IT管理係 主任 大谷 吉継 氏

松阪市
経営企画部
情報企画課
IT管理係
主任
大谷 吉継 氏


写真:松阪市 経営企画部 情報企画課 IT管理係 係長 三村 幸也 氏

松阪市
経営企画部
情報企画課
IT管理係
係長
三村 幸也 氏

また、松阪市 経営企画部 情報企画課 IT管理係 主任 大谷 吉継 氏は、セキュリティ水準の確保以外にも Windows 10 が優れている点が多くあったと続けます。

「Windows 8.1 の UI は決して悪くはないと思いますが、職員が当時利用していた Windows 7 から使い勝手が大きく変わることを懸念していました。職員の業務効率が、(使いこなすまでの期間とはいえ) 一時的に低下してしまうことが考えられ、行政サービスの品質向上を目指すうえではネックだったのです。Windows 10 の場合は、それまでの OS とほぼ同じ使い勝手で利用でき、新たな機能による効率化へも期待できました。また、サポートについても、サービスとして提供される Windows 10 であれば、最新の機能などは継続的にアップデートされます。検証で問題がないならば、Windows 10 を採用したいと考えました」(大谷 氏)。

セキュリティ水準の確保と利便性の向上を決め手とし、松阪市では 2015 年 8 月より、Windows 10 の採用を前提とした、機種の選定と検証を進めました。

松阪市が運用している内部情報系システムの多くは Web システムとして稼働しており、各システムで、部分的に Java や ActiveX、Silverlight、Flash などが使われています。Windows 7 から Windows 10 に移行する場合、推奨ブラウザーが Internet Explorer (IE) 8 から IE 11 へと変わります。検証においては、それらブラウザーのプラグインが正しく動くかどうかを検討したといいます。

松阪市 経営企画部 情報企画課 IT管理係 係長 三村 幸也 氏は、Windows 10 での検証項目について、次のように説明します。

「検証ではまず、OS やブラウザーのバージョンアップが原因で各システムへのアクセスに不具合が出ないかを確認していきましたが、主要なシステムは問題なく動作しました。また、正しく動作しない場合でも、IE 11 のエンタープライズ モードで実行することでほとんどのシステムが動作することを確認できましたので、その後セキュリティ アップデートに伴うネットワーク面への影響や、UI 変更に対して戸惑う人がいないか、といった項目の検証を進めていきました。その後、当市では、職員が主に利用する内部情報システムの事前の動作確認を確実に行い、移行後に発生した不具合は Windows 7 の PC で対応することで進めました」(三村 氏)。

松阪市は、検証が本格化してから 1 か月後の 2015 年 9 月には Windows 10 の採用を決定。翌年 2 月での機器リプレースを経て、2016 年 4 月より、Windows 10 のクライアント PC が稼働開始しています。現在はまだ、全台数の 3 分の 2 となる約 1,000 台の導入ですが、2016 年度中に、残りすべての職員支給 PC を Windows 10 へリプレースする予定です。

<導入の効果>
業務効率は大幅に向上。セキュリティ アップデートの適用漏れもなくなり、従来内包していたリスクも低減

セキュリティ レベルの向上も、大きなメリットです。更新プログラムが 1 つにまとまってリリースされる Windows 10 を採用したことで、職員は、セキュリティ上重要な更新の適用漏れを防ぐことができます。

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Windows 10 の採用で情報系システム利用の速度が向上し、市民への業務対応も迅速化された

「これまで、OS の更新プログラムは修正ごとにリリースされ、累積化してしまっていました。職員側では『本来適用すべき更新プログラムの把握』は難しく、どうしても適用漏れなどの可能性がありました。当然これはセキュリティ リスクとして捉えられます。Windows 10 では、すべての更新プログラムが 1 つにまとまってリリースされるため、こうした適用漏れのリスクを小さくすることは十分に評価できると思いますし、情報企画課のリソースも別の部分に割り当てることができます。最新の状態を維持することで、よりセキュアな環境を目指せるのではと期待しています」(田中 氏)。

また、こうした移行後のメリットだけでなく、システムと業務の移行がスムーズに完了したことも、大きな利点だったと、野呂 氏は評価します。

「Windows 10 は、Windows 7 と比較しても UI の変更点が少なく、スタート メニューも備えていますので、従来のデスクトップ環境と変わらず操作することができると考えていました。とはいえ、少なからず混乱する職員がいるだろうと予測していたことも事実です。ところが、4 月の Windows 10 導入後、ユーザー サポートへの質問や問い合わせがほぼなかったのです。これはたいへんうれしい誤算でした」(野呂 氏)。

<今後の展望>
WSUS 導入による管理の効率化と、ネットワーク更改と連携した Windows 10 活用シーンの拡大を構想

松阪市では 2016 年度中に、情報系システムへアクセスする全クライアント PC の Windows 10 へのリプレースを予定しています。さらに、同市は今後、Windows 10 のメリットをさらに生かすべく、管理の効率化や活用シーンの拡大といった取り組みを計画しているといいます。

「セキュリティを効率的に管理するべく、2016 年度中で、Windows Server Update Services (WSUS) の導入を計画しています。現在は CBB (Current Branch for Business) モデルによりクライアント PC 側で自動アップデートされていますが、大きなアップデートがリリースされた場合、ネットワークへも大きな負荷がかかると予想されます。WSUS を導入し、セキュリティ アップデートの更新時期や適応グループをより柔軟に管理できるようになることで、これは解決できるでしょう」(大谷 氏)。

この WSUS の導入は、ネットワークの更改と併せた実施が予定されています。ネットワーク更改では、セキュリティ レベルのさらなる向上と、無線 LAN 導入による柔軟な働き方の実現が計画されていますが、その延長線上では、テレワークやモバイル ワークなども検討されているといいます。

「クライアント PC のリプレースとは別に、今回『Surface Pro 4』を 14 台導入しました。これは会計部門での伝票審査用途で導入したものですが、庁内の無線化が完了すれば、セキュリティを担保しつつ業務を効率化する方法がまだたくさんあると感じています。たとえば Surface を貸し出して庁舎内で自由に持ち歩けるようにしたり、出張先などでも仕事ができるようにしたりといったことが考えられます。こうしたワーク スタイル変革の取り組みは、Windows 10 が認証やデバイス管理といったセキュリティ機能も備えていることもあり、より実現フェーズとして検討できるようになったと考えています」(三村 氏)。

Windows 10 の採用をもったセキュリティ レベルと業務効率の向上により、品質の高い行政サービス提供を目指す松阪市。同市では、Windows 10 に備わる企業向けセキュリティ機能「Enterprise Data Protection (EDP)」も今後活用することで、職員に働きやすい環境の提供と、セキュリティを担保したサービス提供の両立を進めていきます。

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