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株式会社サークルKサンクス

 様に導入

店舗力強化に向けてマイクロソフトの情報活用基盤へと刷新
Microsoft SQL Server 2008 R2 による統合データベースの迅速な整備で店舗データの分析力を大幅に強化

株式会社サークルKサンクス

株式会社サークルKサンクス

競争の激しいわが国のコンビニエンス ストア業界にあって、独自の存在感を築いている株式会社サークルKサンクス。同社では現在 2013 年末の完成を目指して、情報活用基盤の全面的刷新を進めています。2012 年 2 月には、各店舗の膨大なレシート データを収集、分析するシステムに、富士通株式会社が提供する Microsoft SQL Server Fast Track Data Warehouse (FTDW) と Microsoft SQL Server 2008 R2 Enterprise Edition を導入。わずか 3 か月強の開発期間で、詳細データ処理可能な店舗数を 800 店舗から 6,000 店舗へと拡大し、処理時間も従来の半分に短縮して、精度の高いデータを本部情報として収集と分析ができるように実現。収集したデータに基づく商品開発や販促活動を進めると共に、さらに情報活用基盤の構築を全力で進めています。

<導入の背景とねらい>
「店舗力強化」というゴールに向けて
運営指導力向上のために情報活用基盤を刷新

小売業の最前線で激しい競争を続けるコンビニエンス ストア業界では、より多くの店舗を展開するだけでなく、個々のフランチャイズ店舗に対して日々変化するお客様ニーズに対応した支援をいかに効果的にしていくかが課題となっています。それには、膨大なレシート データを含む各種販売データを迅速に収集、分析し、その結果を該当各部門や店舗へ迅速にフィードバックしていく情報活用基盤が不可欠であり、それを統合化された情報活用基盤によって実現しようと考えているのが、株式会社サークルKサンクス (以下、サークルKサンクス) です。

今回の情報活用基盤刷新の最終的な目標は、「個店競争力の強化」だと語るのは、株式会社サークルKサンクス システムサービス本部 本部システム開発部 部長 大泉 政博 氏です。

「フランチャイザーとして本部のミッションは、店舗数を増やしてシェア拡大を図ることだけではなく、日々の営業活動を通していかにお客様の信頼とニーズに応え、そしてビジネス パートナーであるオーナーと共に永続的に共創共栄を図ることにあります。

そのために本部は既存の枠に囚われない新たなチャレンジが必要であり、また各店舗の経営指導にあたるスーパー バイザーと本部スタッフがスピーディーに連携して効率的に業務を行える体制作りこそが、最も重要な課題の 1 つだと言えます」。

今回のプロジェクト リーダーを務める、株式会社サークルKサンクス システムサービス本部 本部システム開発部 管理システム 統括マネージャー 岩崎 充宏 氏は、「そうしたロード マップの中で、今回の新しい情報活用基盤は、私たちの "店舗指導力強化" の強力なツールであると共に、各店舗の個店競争力強化の実現に向けた布石と言えます。オーナーやスタッフ、スーパー バイザーが情報を活用していくには、POS の販売データを始め、各店舗に存在するさまざまな情報を効率よく収集し分析、活用するためのしくみが不可欠です。それが、今回の FTDW によって構築された統合データベースなのです」と、情報活用基盤刷新のねらいを語ります。

今回の情報活用基盤刷新のプロジェクトを推進したシステムサービス本部 本部システム開発部の皆様
(写真左より) 髙木 将人 氏、田中 茂樹 氏、大泉 政博 氏、岩崎 充宏 氏、堀口 典秀 氏

<導入の経緯>
検証作業が不要の FTDW で
わずか 3 か月のスピード開発を実現

一連の情報活用基盤刷新プロジェクトで最初に着手したのが、今回の (レシート データ) 分析データベース更新でした。従来は他社データベースとデータベース アプライアンスの構成で運用されてきたシステムを、SQL Server 2008 R2 と富士通株式会社 (以下、富士通) の PC サーバーの組み合わせに変更する取り組みです。情報収集から分析、共有までの新たなワークフローを構築するうえで、まず前提であり基本となるのは、データの高い精度です。どんなに効率よい分析、共有のしくみを作ったとしても、肝心のデータの精度が保証されていなければ、その活用効果は期待できません。この分析データベースは、サークルKサンクスの各店舗から送られてくる POS のトランザクション データを収集、分析する役割を担っています。しかし、従来は処理データ量が膨大なため、全店舗およそ 6,000 店のうち 800 店分をサンプルとして利用していましたが、システムの性能が向上し、より多くのデータに基づく詳細なデータ分析を利用したいという声を受け、全店舗分のデータ処理を省コストで実現可能な SQL Server 2008 R2 の導入が検討されたと、岩崎 氏は語ります。

「"個店競争力の強化" をキーワードに、2011 年より情報活用基盤の刷新の検討を始めてきましたが、数ある課題の中で "レシート データ分析の精度向上" が最初の課題として上がり、その候補の 1 つとして SQL Server が浮上しました。これまでも SQL Server 自体について、ある程度は理解していたものの、実際の性能には疑問もありました。そこでまずはトライアルをかねて、1 日あたり平均で 500 ~ 600 万件のデータ処理、分析を行う POS のトランザクション データ処理で実力を検証しようと考えたのです」。

株式会社富士通システムズ・イースト
第一流通ソリューション本部
小売事業部
第三リテイルソリューション部
プロジェクト課長
春日井 治雄 氏

この導入にあたり同社が利用したのが、検証済みの標準的なハードウェアと SQL Server をパッケージ化した Microsoft SQL Server Fast Track Data Warehouse (FTDW) です。あらかじめ検証済みのパッケージは開発期間が非常に短く抑えられるうえ、パフォーマンスが日本マイクロソフトとその公式パートナーによって保証されているため、要件を満たすに十分なデータベースを短期間で導入できる点が大きな特長です。岩崎 氏は、「これだけの大規模なシステムを、2011 年 11 月の作業開始から 2012 年 2 月の開発完了まで、わずか 3 か月強で終えることができました。これは SQL Server 自体の開発効率の良さに加え、導入作業を委託した富士通の構築技術も大きかったと考えています」と評価します。

この情報活用基盤刷新を手掛け、FTDW の提案から構築も担当してきた、株式会社富士通システムズ・イースト 第一流通ソリューション本部 小売事業部 第三リテイルソリューション部 プロジェクト課長 春日井 治雄 氏は、「限られた開発期間を有効に使うために、今回は SQL Server 2008 R2 に標準添付されている ETL (SQL Server Integration Service) を全面適用することにしました。適用の理由は、開発が約 3 か月と非常に短期間であることから、プログラミングを主とした開発方式を行っていては、とても期間内に終わることができないと判断しためです。また、前述の説明にもある通り FTDW はすべての機能が検証済みのため、ノン サイジングの導入が可能となることから、これらをサークルKサンクス様にご理解いただき、積極的に推進と協力をいただいた結果、要件定義・設計・構築・テストまで、すべての工程で効率的に作業をすることができました。こうした実践の基礎として、富士通ではマイクロソフトの情報活用基盤をグループで全面導入しており、そこでの経験も生かすこともできたと自負しています」と振り返ります。

<導入効果>
処理時間を従来の半分に短縮
全 6,000 店舗の レシート データ分析も可能に

2012 年 2 月のカットオーバー以来、SQL Server 2008 R2 がもたらしたメリットの中で特筆すべきは、やはり当初の目的でもある、新しい情報活用基盤にふさわしい高度なデータ処理能力の実現です。まず、処理できるデータ量が飛躍的に増大しました。旧システムでは、約 6,000 店舗のうち 800 店舗分のみをサンプルとして分析していました。それを今回、SQL Server+FTDW をはじめとした富士通製品/技術による処理方式見直しにより、6,000 店舗すべての POS トランザクション データの格納、処理が可能になり、同データに基づく分析精度向上に至りました。

「分析対象の店舗数を増やすと同時に、データ処理も大幅にスピードアップしました。トランザクション データの分析処理時間が、従来の約半分に短縮できたのです。サーバーを従来の 32 CPU ハイエンド IA サーバーから 2 CPU/12 コアの IA サーバー PRIMERGY へダウン サイジングしているにもかかわらず、これだけの処理効率の向上が実現できたのは、やはり FTDW によって負荷予測に最適化されたサイジングが可能になったからであり、パフォーマンスとコストを両立させるうえで大きな成果でした」 (岩崎 氏) 。

さらに、従来は毎回約 6 時間かかっていたバッチ処理も 1 時間程度に短縮でき、運用面での効率も大幅に改善されています。

もう 1 つの大きな改善点は、システム全体にわたるコスト ダウンです。これは SQL Server 2008 R2 のみならず、マイクロソフト製品に共通するコスト メリットの相乗効果だと岩崎 氏は評価します。たとえば Windows Server などの OS 製品 1 つをとってみても比較的安価に導入できるのに加え、初期設定も簡単です。それにより基盤構築の開発コストが抑制できるといったメリットがあると言います。

「この結果、従来の本部系システムを構築した時に比べて、開発と月々の運用コストを含めたトータルで 30% 以上のコスト ダウンが実現できました」。

さらに、今後の情報活用基盤整備を進めるうえでも、SQL Server 2008 R2 は重要な役割を担っています。サークルKサンクス社内では、分析データベース以外のさまざまな業務系、基幹系データベースが既に他社プラットフォームで稼働しており、将来的にはこれらを連携、統合する形で基盤整備を進めていくことが予想されます。異種データベースが散在する中で、比較的情報収集、共有が容易に行えるという点でも、SQL Server 2008 R2 には期待を抱いていると岩崎 氏は明かします。

「多くの社内資料が Microsoft Excel や Microsoft Word で作成され、かつデータ抽出に Microsoft Access を活用しているなど、改めて社内の現状を見て、エンド ユーザー コンピューティングにおけるユーザビリティ改善という点からも、他の情報系システムや Microsoft Office とシームレスにデータ連携できる SQL Server 2008 R2 の採用はトータル メリットがあると判断しました。さらに、エンド ユーザーが日常手軽に使うファイルであっても、そのバックエンドに、エンタープライズでの利用に耐える RDBMS (リレーショナル データベース管理システム) が存在していることが、データのより高い精度や価値を担保することにつながります」 (岩崎 氏) 。

システム構成図

システム構成図 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
「店舗指導力」から「個店競争力」の強化へ
分析 DB のさらなる活用を探る

今後の展開について岩崎 氏は、「これまでは、いわば助走期間の位置付けでした。BPR に基づきマイクロソフト製品で構築した各種業務アプリを順次リリースしていく 2013 年 3 月から先が正念場だと考えています」と語ります。サークルKサンクスでは、SQL Server 2008 R2 によるレシート データベースの更新後も精力的にシステムのアップデートを進め、2012 年 12 月にはグループウェアとメール システムを刷新し、Microsoft SharePoint Server と Microsoft Exchange Server を導入。こちらも約 7 か月という短期間での開発を実現。SQL Server の分析と親和性の高い Office の活用など、ある程度習熟したこれからが、いよいよシステムの真価を引き出す本番だと考えているのです。

また、一層のシステム活用に向けて、各開発の担当者も意気込みを見せています。店舗指導に携わるスーパー バイザー向けの業務システム開発を担当する、株式会社サークルKサンクス システムサービス本部 本部システム開発部 管理システム マネージャー 髙木 将人 氏は、「店舗の現場で活動するユーザーからの要望に対する情報提供を、今後はさらにスピード アップしていきます。それらの情報を SharePoint Server を活用して柔軟に提供していくなど、仕事が楽しくなるような環境を実現したいと考えています」と語ります。

さらに、新規出店の支援にあたる株式会社サークルKサンクス システムサービス本部 本部システム開発部 管理システム マネージャー 田中 茂樹 氏は、「出店に必要な基礎情報は、従来のデータベースに蓄積されて活用していますが、今後の当社の出店戦略をふまえた場合、さらに多角的な情報が必要であると考えました。今回、それを補完するために性能的にも立証された SQL Server に新たなデータベースを構え、既存データと連携させてさらに有益なデータを構築することができました。この新たな出店情報データを分析して、今後の店舗展開につなげることが次のステップだと考えています」と抱負を語ります。

また、開発効率に関しては FTDW の効果に加えて、マイクロソフト製品自体のメリットを実感したと語るのは、社内インフラを担当している株式会社サークルKサンクス システムサービス本部 本部システム開発部 管理システム マネージャー 堀口 典秀 氏です。

「基盤設計の段階でも、それほど複雑な作業や仕掛けを必要とせずにスムーズに導入できたことが、今回のスピード導入には貢献していると感じています。私の担当した中では、Microsoft Active Directory の統合によって効率的に緊密な情報共有が実現可能になったなどの成果が上がっています」。

「2013 年 6 月からは "コミュニケーション改革" と評して、より密接なコミュニケーションの実現や機動力向上を目指して Microsoft Lync によるテレビ会議の導入や、Windows 8 へのアップデートを予定しています。さらに現場の課題改善や新しいツールの導入、店舗研修の機能追加といった充実を図り、2013 年中に今回の導入プロジェクトを完了させるロード マップを描いています」 (岩崎 氏) 。

こうした取り組みによって目指す最終的な目標について、「この一連の新しい情報活用基盤には、エンド ユーザーからはもちろん、経営陣からも非常に大きな期待を寄せられています。そうした期待をさらに上回るような形で新しい IT 環境やサービスを提供し続けることが、私達システムサービス本部の使命であり、その実現にマイクロソフト製品は不可欠のツールです。常に最新のツールを活用することで、時代が求めるビジネスのスピードに答えていきたいと願っています」と決意を新たにする大泉 氏。

「店舗指導力強化から、個店競争力そのものの強化へ」と岩崎 氏が語るように、サークルKサンクスの情報活用基盤改革はさらなる前進を続けていきます。

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