612
導入事例

 様に導入

  • クラウド
  • コミュニケーション
  • コスト

カルソニックカンセイ株式会社

 様に導入

Microsoft Office 365 で全世界共通のコミュニケーション基盤を確立
クラウド活用で投資効率を向上、ユーザーの利便性も高める

カルソニックカンセイ株式会社

カルソニックカンセイ株式会社

グローバルな総合自動車部品メーカーとして、自動車メーカーからの世界最適調達ニーズに応え続けているカルソニックカンセイ株式会社。ここでは世界共通のコミュニケーション基盤として、Office 365 が採用されました。同社では 10 年以上にわたって Lotus Notes/Domino が使用されていましたが、そこからの全面的な移行が進められているのです。国内のメールとスケジュール管理、予約管理の移行はわずか 2 週間で実施され、2012 年 3 月には約 6,000 ユーザーへの展開を完了。海外展開も順次実施し、年内には全世界で 1 万人を越えるユーザーが利用する計画です。Notes アプリケーションの移行も 1 年以内に完了する予定。Lync Online の活用も一部で始まっており、テレビ会議やプレゼンス機能によるグローバル コミュニケーションの円滑化に、期待が寄せられています。

<導入の背景とねらい>
10 年以上使ってきた Notes の運用が限界に
システム更改時のコスト負担軽減も重要課題

カルソニックカンセイ株式会社
グローバル業務改革本部
コーポレートITグループ
部長
桑原 哲郎 氏

カルソニックカンセイ株式会社
グローバル業務改革本部
コーポレートITグループ
主担
樋口 勝敏 氏

国境を越えたコミュニケーション基盤をどのように確立するか。これはグローバルなビジネス展開を行っている企業にとって、重要な課題になりつつあります。従来のコミュニケーション システムは、国や地域毎にサーバーを設置し、それらの間でメール データなどをやり取りするのが一般的でした。しかしこの方法では管理が分散し、ガバナンスをグローバル レベルで統一することが難しくなります。また陳腐化を避けるには定期的にシステム更改を行う必要もあり、投資がかさむという問題もあります。

これらの問題を、コミュニケーション基盤のクラウド化で解決しつつあるのが、カルソニックカンセイ株式会社 (以下、カルソニックカンセイ) です。

同社は 1938 年に「日本ラジエーター製造株式会社」として創立され、現在ではグローバルなビジネス展開を行っている、総合自動車部品メーカーです。全世界に 50 を越える生産拠点を展開すると共に、開発プロセスのグローバル化も推進。15,000 人を超える従業員が国境を越えた取り組みを行うことで、自動車メーカーからの世界最適調達のニーズに応え続けています。

「以前は Lotus Notes/Domino を 10 年以上にわたって利用していたのですが、そのシステムは既に限界に来ていました」と説明するのは、カルソニックカンセイ株式会社 グローバル業務改革本部 コーポレートITグループ 部長 桑原 哲郎 氏。長年使い続けてきた結果ハードウェア自体が不安定になり、保守切れも目前に迫っていたため、トラブル発生時の対応も難しくなることが予想されたと言います。安定性を高めるにはハードウェアを更新する必要がありましたが、ハードウェアをアップグレードすると Notes のバージョンアップも必要になり、巨額のライセンス料が発生します。ハードウェアの陳腐化スピードは高まっており、3 ~ 5 年ごとに新たな投資が必要になります。またキャパシティ設計も 3 ~ 5 年後を想定し、大きめのものを導入しなければなりません。「このような投資をこれからも続けることは、困難だと考えたのです」。

その一方で「以前のシステムでは、グローバル運用の観点からも問題があります」と指摘するのは、カルソニックカンセイ株式会社 グローバル業務改革本部 コーポレートITグループ 主担 樋口 勝敏 氏です。サーバーが日本と北米、欧州に設置されており、3 つの Notes がそれぞれのサーバー上で稼働、これらが疎結合された状態で運用されていたと説明します。「もちろん情報のやり取りや共有は全世界で行える状態でしたが、ユーザー ID は個別に管理されていました。リージョン (国や地域) を越えた組織変更や人事異動の際には、旧 ID の削除と新 ID の作成を行い、アクセス権も新たに設定する必要があったのです。最近では国や地域をまたいだ "リージョン兼任" の人も増えており、以前のシステムのままでは対応が難しい状況になっていました」。

これらの問題を解決するため、カルソニックカンセイは 2009 年に、次世代コミュニケーション基盤をどうすべきかについての検討を開始します。約 1 年間かけて研究を進めた結果、2010 年にはマイクロソフト製品へとシフトする方針を明確化。さらに 2010 年末にはクラウド サービスを採用する方針を決め、2011 年 4 月に Microsoft Office 365 の採用を決定します。そして 2012 年 2 月に国内ユーザーに対する Office 365 の展開を開始。わずか 2 週間の移行期間を経て、2012 年 3 月に国内約 6,000 ユーザーへの展開を完了しているのです。

<導入の経緯>
4 つの特長を評価し Office 365 を採用
マイクロソフトのサポート力にも期待

それではなぜ Office 365 が採用されたのでしょうか。ポイントは 4 つあります。

まず第 1 は、マイクロソフトのテクノロジが、グローバル スタンダードのポジションを確立していることです。「Notes は特定ベンダーがサポートする製品なのに対し、マイクロソフト製品は数多くのサード パーティがサポートしています。そのため高レベルの技術力を比較的低コストで調達できます」 (桑原 氏) 。

第 2 は最新のユーザー インターフェイスが利用できることです。「Notes は設計が古く、Web ベースのユーザー インターフェイスも現在の基準から見ればかなり見劣りします」と言うのは樋口 氏です。「たとえば以前のシステムはスケジュール管理と会議室予約の連携すらできませんでしたが、Microsoft Exchange Online なら当然のように連携します。またメールのスレッド表示や添付ファイルのプレビューもでき、Office との連携も容易です。さらにスマートフォンやタブレットでも Microsoft ActiveSync で情報を同期できるため、今後モバイルでの活用展開も可能になります」。

第 3 はクラウド サービスであるということです。「クラウドなら設備投資を平準化でき、ユーザー数の増大にもライセンス数を増やすだけで対応できます」と桑原 氏。これなら投資効率を高められると説明します。またトータル コストの削減効果もあると指摘。試算によれば、Notes をそのままバージョンアップするのに比べ、トータル コストを大幅に削減できると言います。

そして第 4 は、他のマイクロソフト製品との連携が容易なことです。たとえばカルソニックカンセイでは社内 PC のユーザー認証と権限設定に Active Directory が利用されていますが、Office 365 ならこれとのシームレスな連携が可能であり、シングル サインオンを実現できます。以前は Active Directory と Notes で ID を二重管理していましたが、これらを統合できればユーザーの利便性が高まり、運用も容易になると期待されました。

「実は Google Apps や Salesforce も検討したのですが、社内システムは主にマイクロソフト製品で構成されているため、これらとの親和性を考えればあえてマイクロソフト以外のものを選択する意味はないと考えました」と桑原 氏。「グローバルなコミュニケーション基盤はユーザー数が多く、ダウンした時の影響も大きくなります。システム全体が親和性の高いテクノロジで構成されていれば、問題が発生しにくくなります。また万一問題が発生した場合でも、マイクロソフトなら他のベンダーに比べて迅速に対応できるパワーがあると評価しました」。

<導入効果>
機能と容量が拡充されユーザーの利便性が向上
モバイル活用によるワーク スタイル変革も可能

既に Exchange Online の国内展開は完了しており、国内約 6,000 ユーザーのメールとスケジュール管理が、Notes から Exchange Online へと移行しています。クライアントは Microsoft Outlook 2010 を使用。なおカルソニックカンセイの国内拠点では、2011 年始めに PC 更改を行っており、Windows 7 + Office 2010 が標準構成になっています。

Exchange Online への移行がユーザーにもたらした最大のメリットは、利便性の向上です。Notes に比べ、メール振り分け機能が強化され、メールのスレッド表示や添付ファイルのプレビュー、Office との連携も可能になりました。シングル サインオンも実現され、ID の二重管理も不要になっています。検索機能も強化されました。メール文面はもちろんのこと、添付ファイル内も含めた検索が可能になったため、目的のメールを見つけ出しやすくなっています。

また Notes ではサーバー容量の制約から、メールボックス容量の上限が 1 ユーザーあたり 数十 MB となっていましたが、これが一気に 25 GB にまで拡大しました。以前は頻繁にメールボックス内のメールを整理する必要がありましたが、今ではその必要はありません。「新しいシステムへの移行ではユーザーからの不満が出てくるものですが、今回は喜んでいるユーザーが多く、全体的な評価も好意的です」 (樋口 氏) 。

さらにモバイル活用の可能性も広がりました。スマートフォンやタブレットでも ActiveSync でメール、スケジュールなどのデータを同期できるため、移動中の確認も簡単に行えます。またモバイル端末で "既読" にしたメールは、PC からアクセスした時にも "既読" 状態になっているため、業務をスムーズに進めることが可能です。「ワーク スタイルの変革も期待できます」と桑原 氏。ドキュメントを読む程度ならタブレットだけでも仕事ができるようになり、フットワークも高まるはずだと言います。「既に役員クラスにはタブレットを配布して使い勝手の検証を開始しています。役員の協力も積極的で、実際に使ったうえでの評価も高いようです」。

Notes 上で構築された各種アプリケーションの移行も進んでいます。まずアンケート調査のアプリケーションは、Exchange Online の標準機能で対応。チーム ルームは Microsoft SharePoint Online のチーム サイトへと移行しています。文書管理システムや受付管理システムは、SharePoint Online 上での開発を実施。その他のアプリケーションは、ASP.net のアプリケーションとして開発が進められています。

「今回は移行作業に入る前に Notes アプリケーションの棚卸しを行ったのですが、移行が必要だと判断されたのは全体の 1 割程度でした。この棚卸しを行った結果、システム全体がすっきりとし、業務プロセスの見直しも進みつつあります。1 年以内にはアプリケーション移行を完了し、Notes サーバーを停止します」 (桑原 氏) 。

Office 365 の海外展開

Office 365 の海外展開 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
海外へも順次展開し IT ガバナンスを強化
Microsoft Lync Online の活用も今後積極化

今後は海外へも展開していく予定です。2012 年 1Q にタイとマレーシアへの展開を予定どおり完了し、2Q に中国、米国、3Q に欧州という計画です。最終的なユーザー数は 1 万人を越える規模になります。グローバル展開が完了すれば、全世界が単一のコミュニケーション基盤に統合され、IT ガバナンスがさらに向上すると期待されています。

これと並行して、Lync Online の活用も推進していく計画です。現在ではまだ一部のユーザーが試験的に使用している状況ですが、ワーク スタイルを変革できる高いポテンシャルがあると期待されています。

「たとえば先日、中国・タイ・日本の間を Lync Online でつないで Microsoft Excel シートを共有しながら移行計画の議論を行ったのですが、情報共有がスムーズだったため、短時間で話をまとめることができました」と樋口 氏。従来のテレビ会議システムや他社の同様のサービスに比べ、Office との親和性が高いため使いやすいと言います。「プレゼンス機能にも期待しています。これをグローバル展開すれば、Office 365 の導入効果はさらに高まるでしょう」。

SharePoint Online のより積極的な活用も検討されています。現在では Notes アプリケーションの移行基盤として利用されていますが、SharePoint には多様な機能があるため、それらのポテンシャルをできるだけ引き出していきたいと言います。

カルソニックカンセイでは、今後他のシステムもクラウド化を進めていく計画です。「所有することのデメリットから解放されることで、より戦略的な IT 投資が可能になります」と桑原 氏。Office 365 の採用はこの取り組みを大きく前進させる、重要な一歩でもあるのです。

グローバル業務改革本部の皆様
左側後列より:守田 進 氏、渡辺 誠 氏、柴山 浩之 氏、桑原 哲郎 氏
左側前列より:樋口 勝敏 氏、山口 尉良 氏
右側後列より:平山 達也 氏、佐々木 康裕 氏
右側前列より:門脇 義道 氏

コメント