612
導入事例

 様に導入

  • クラウド
  • コミュニケーション
  • コスト

株式会社バスキュール号

 様に導入

TV CM 連携やスマートフォン対応など、集客窓口を拡大したソーシャルイベント "mixi Xmas" のサービス提供基盤を 3 年目にして、Windows Azure Platform に変更

スマートフォン用サイト画像イメージ

スマートフォン用サイト画像イメージ
[拡大する] 新しいウィンドウ

mixi Xmas 2011 画像イメージ

mixi Xmas 2011 画像イメージ [拡大する] 新しいウィンドウ

2009 年より毎年開催され、多くの mixi (ミクシィ) ユーザーにとって「年中行事」とも言えるほど人気を博しているシーズナルソーシャルイベント「mixi Xmas」。サービスを運営する株式会社バスキュール号は、開催 3 年目となる「mixi Xmas 2012」において、TV CM との連動コンテンツやスマートフォン用サイトなどを用意し、過去最大規模でのサービス展開を企画。TV CM 放送後の瞬間的なアクセス数増加などにも、問題なく対応できるよう、サービス提供基盤の見直しを行った同社が最終的に選択したのが Windows Azure Platform でした。

<導入の背景とねらい>
過去最大規模で実施するシーズナル ソーシャルイベントを、
より確かなサービス提供基盤で実現

株式会社バスキュール号
取締役/プロデューサー
田中 謙一郎 氏

株式会社バスキュール号 (以下、バスキュール号) は、本格的なソーシャル時代の到来とスマートフォンの普及を見据え、ソーシャルグラフ (インターネット上における友人・知人とのつながり) という概念を活かしたマーケティングサービス及びオリジナルメディアを世に送り出すべく、株式会社バスキュールと株式会社ミクシィの合弁会社として、2011 年 5 月に誕生。
以来、「ソーシャル宇宙へレッツ GO!」というスローガンの下、女の子の毎日をもっと楽しくするフォトコミュニケーションアプリ「Cotto」や、家族や友人と位置情報を共有するお出かけ専用つぶやきアプリ「Pelo」など、次々に新しいサービスを展開しています。

このバスキュール号が誕生するきっかけともなったソーシャルイベントに、「mixi Xmas」があります。2009 年に始まったmixi Xmas は回を重ねるごとに成長を続け、mixi Xmas 2010 では、24 日間で約 300 万人が登録するという、大規模なソーシャルグラフ活用によるマーケティングを実現しています。
そして、昨年末に実施された mixi Xmas 2011 (実施期間: 2011 年 11 月 30 日~ 12 月 25 日) では、さらに規模を拡大し、「ソーシャルギフト」、「スマートフォン用サイト」そして「TV CM 連動コンテンツ」という 3 つの新しい取り組みを実施。時と場所を選ばずにユーザーがアクセスできる環境を準備するとともに、多くの楽しみを増やすことで、ユーザー数の増加と、アクセスの活性化を図りました。
中でも、注目を集めたのが、12 月 16 日 (金)、17 日 (土)、18日 (日) の 3 回にわたって放送された、コンテンツ連動型の CM です (いずれも放送時間は 23:57 ~ 24:00)。TV の中で懸命に "何か" を引っ張っている「こびと」の映像を見た後でサイトを訪問し、「こびと」を手伝ってあげるとスペシャルアイテムが手に入るというこの企画によって、瞬間的にユーザーアクセスが集中することは明白でした。

2009 年と 2010 年の 2 回の mixi Xmas の経験から、新しい取り組みを盛り込んだ mixi Xmas 2011 のアクセス数を冷静に予測。過去最大のユーザーアクセスに十分に耐える、新たなサービス提供基盤の検討を行った結果、バスキュール号が選択したのがマイクロソフトのパブリック クラウド サービスである Windows Azure Platform でした。
すでに mixi ユーザーの年中行事と言ってもよいほどに認知を得ていた mixi Xmas 2011 は、イベント開始からわずか 49 時間で登録数 100 万人を達成。これは、前年の 100 万人到達時より 9 時間も早い記録となっています。その後も、デイリーのアクティブ ユーザー数が 110 万人という好調を維持し続け、クリスマス当日の 25 日を迎えるまで、アクセス障害などのトラブルに襲われることもなく、無事閉幕を迎えています。

<サービス概要と Azure 採用のポイント>
「人のため」という動機を追加して、ソーシャルグラフを有効活用

株式会社バスキュール号
テクニカルディレクター
北島 ハリー 氏

過去 2 回の mixi Xmas とは異なり、サービス提供基盤に、Windows Azure Platform を選択した mixi Xmas 2011。それは、これまでの経験を活かして、ソーシャルグラフを最大限に活用したイベントであったと、バスキュール号 取締役/プロデューサー 田中 謙一郎 氏は説明します。
「mixi Xmas は、一言で説明すると "靴下" を飾って、友人同士でベルを鳴らし合うことで得たポイントを使い、Xmas プレゼントに応募するイベントです。今回は、『靴下にはこびとが宿っている』という設定を追加して、TV CM のクリエイティブを作成し、ユーザーの方々が例年以上に楽しめるようなストーリーを構築しました」。

こうして出来上がったのが「こびとが贈り物をくれる」という TV CM 連動コンテンツです。計 3 回実施されたこの CM 連動のコンテンツには、約 55 万人が参加。ユーザーによる Twitter への投稿も数多く見られました。このほか、mixi Xmas 2011 は、クリスマスらしく「プレゼント」をキーとした、さまざまなコンテンツが充実していました。
たとえば、友人の靴下についたベルを鳴らすとランダムで発生する「ラッキーチャンス」では、「ボーナスポイント」と「コレクションアイテム」、「無料クーポン」のいずれかが当選。しかも、どれが当選しても、先着 2 名の友人に「おすそわけ」される仕組みになっていました。この仕掛けにはソーシャルゲームなどで培ってきた経験が生きていると、バスキュール号 テクニカルディレクター 北島 ハリー 氏は話します。
「たとえば、コレクションアイテムは 5 つのテーマで 5 種類ずつ、計 25 種類のアイテムを用意しました。このアイテムが簡単に集まり過ぎてしまっても、ユーザーに楽しんでもらえませんので、ゲームバランスには気を配りました。熱心に遊んでくれるユーザーであれば、1 週間ほどで収集できるように調整していました」。

また、イベントのメインアイテムとなる靴下は、ユーザー自身が好きなデザインにカスタマイズ可能。レベルアップするごとに選択できるアクセサリーが増えていく仕組みになっていました。その総パーツ数は、99 個。靴下自体の色柄との組み合わせは、実に 266 万通りに及んだと言います。
こうして、クリスマスまでのカウントダウンという短い期間を目一杯に楽しんでもらうよう趣向を凝らした mixi Xmas 2011 は大成功のうちに終了。新しい試みの 1 つである「ソーシャルギフト」は、「こびとのギフトショップ」で販売されている商品を、「おねだり」している友人のために購入してプレゼントできるというユニークな試みでしたが、「期待通りの反応があった」と、田中氏は言います。
「ソーシャルギフトは、2010 年の時には 3 日間限定でテストを行って好感触を得たサービスであり、『友達のため』にお金を使うというところが、ユニークなポイントになっています。また、アイテム交換会というお楽しみもありまして、これは 1 つ 100 円のデジタルアイテムを購入してから木の下に置いて、代わりに他人が置いて行ったアイテムを手に入れるという遊びです。この交換会には、約 62,000 人が参加してくれました。通常のソーシャルゲームとは違い、こうやって、本当にクリスマスらしい体験ができるのが、mixi Xmas 2011 の特長だと言えるでしょう」。

Google App Engine から Windows Azure Platform へ

PC、フィーチャーフォン、スマートフォンと、3 つの入り口からアクセスできるようになったことが功を奏し、デイリーアクティブ ユーザーが前年比約 110% に向上し、TV CM 連動コンテンツも、深夜にかかわらず 55 万ユーザーを集めた mixi Xmas 2011。これだけのアクセス数を「予測していたからこそ、Windows Azure を選びました」と田中氏は説明します。
「1 年目は、mixi Xmas のようなイベントも、クラウド サービスの活用も、何もかもが初めて尽くしで、私たちも大変でした。そしていくらかのノウハウを得た 2 年目は約 300 万人の参加者を集め、当時としては国内最大規模の成功を収めました。そして、3 年目となる今回の mixi Xmas で、その記録を塗り替えることができました。靴下のベルは、トータルで 1 億 7951 万 5183 回も鳴らされています。私たちとしても、それだけのアクセス数があると予測し、サービス提供基盤の見直しを行いました。特に、TV CM 放送直後のアクセス集中に耐えることが重要課題でした。Google App Engine の場合、アクセスの増加に伴い自動的にインスタンスが上がっていきます。これが、なだらかに増加したアクセスに対応するのであれば問題ないのですが、『TV CM 直後』という瞬間的な変化に対応するには、タイムラグが発生し、キューがどんどんと溜まってしまいます。もちろん、数分で回復しますが、その機会損失は見過ごせない規模です。そもそも、CM の放送時間は分かっているのですから、先回りして対応できた方が良いでしょう。そこでインスタンスを自由に調達できる Windows Azure Platform を選択したのです」。

そして、バスキュール号では、コンテンツ連動 CM を放送する時間に合わせて数百インスタンスを事前に調達。アクセスが収まった時点ですぐに元通りのインスタンス数に減らしています。
「数百インスタンスを使用するといっても、数時間のことですからコスト的なインパクトは少なかったですね。サーバーを 1 台、余分に調達した程度で収まっています。また、トータルのコストを比較しても、Google App Engine と変わりません。もっとも、適切なコストできちんと抑えていくためにはパフォーマンス チューニングが前提になると思います」(田中 氏)。

<導入の効果>
充実のサポート体制による安心感と、運用を簡便にする充実の機能

こうして大成功を収めた、mixi Xmas 2011 は、広告モデルとしても大きな成果を得たと、田中 氏は言います。
「プラチナスポンサー 3 社のほか、プレゼント協賛として 約 30 社が参加いただいています。そして mixi Xmas を活用して、クローズド サイトへの誘導など、さまざまな施策を行いましたが、いずれも通常のバナー広告出稿とは比べものにならない成果が出ていました」。

日本最大級のシェアを誇る SNS「mixi」が持つソーシャルグラフを、話題性とゲーム性の高さをもって有効に活用して、マーケティング価値を最大化したこのソーシャルイベントも、「そもそも、クラウド サービスがなければ実現はできなかった」と田中氏と北島氏は声を揃えます。

「シーズナルではなく長期間実施するサービスであれば、オンプレミスでサーバーを用意することも考えられるでしょう。しかも、私たちの手がけるデジタル キャンペーンは、立ち上げにも完了にもスピードが重要です。さらに、キャンペーン開始後に、どれだけアクセス数が伸びるかも、やってみなければ分かりません。そういう意味では私たちの提供するサービスはクラウド サービスがなければ成り立たないものばかりです。Windows Azure では、インスタンスの数を、思い通りに上げ下げできるということが、非常に良かったです」と北島 氏。

さらに田中 氏も「サポート体制の充実による安心感も、Windows Azure ならでは」と、続けます。
「重要なキャンペーンを行うわけですから、きちんとした体制でサポートしてもらえるかどうかも重要なポイントです。その面でも、Windows Azure であれば日本マイクロソフトから手厚いサポートを得ることができます。そもそも、日本に籍を置く営業、サポートの人員数が違いますからね。私たちの本分は、広告やキャンペーンの企画やクリエイティブにありますので、クラウド サービスによるサービス提供基盤のメンテナンスに対して余計な心配をすることなく、本来の業務に専念できたことはまさに日本マイクロソフトの支援があってこそだと実感しています」。

そしてもう 1 点、Windows Azure のメリットとして北島 氏が挙げているのが、「Windows Azure CDN」でした。
「CDN (コンテンツ デリバリー ネットワーク:コンテンツ配信網) については、Google App Engine では、CDN として Amazon CloudFront を組み合わせる必要がありました。それ自体は、苦労というほどのことではないのですが、やはり管理すべき場所が 2 か所に増えてしまうため、面倒はありました。しかし、Windows Azure には、機能の一部として CDN が用意されており、Windows Azure ストレージ内のパブリック BLOB コンテナーから、簡単にコンテンツを配信できるので、本当に便利でした」。

<今後の展望>
あまたある Windows アプリケーションを活用し、より良いサービスをグローバルに

田中 氏はすでに、mixi Xmas 2011 の成功を活かし、新たな展開を構想していると話します。
「今後は、既存のサービスをどんどんとソーシャル化していきたいと思っています。大きなスポーツの大会であったり、伝統的な年中行事であったり、多くの人が待ち望んでいるビッグ イベントをソーシャル化する。あるいは、既存のデジタル サービスで、ソーシャルグラフを活用していないものを、ソーシャル化して価値を高めていくといったことに、次から次へとチャレンジしていきたいと思っています。そして、バスキュール号として、さらにナレッジを蓄積し、より一層の経験と知見を増やしていきたいと考えています」。

さらに、田中 氏は「グローバル」へと目を向けています。
「夢、というよりも目標としてはやはり、日本を飛び出して、アジアそしてグローバルへと勝負の舞台を広げていきたいと思っています。実際のところ、ソーシャルゲーム以外のアプリケーションで成功している事例は、世界を見渡しても決して多くはありません。そうした中へ、mixi Xmas という数少ない成功体験から、どこまで新しい展開を広げていけるか挑戦してみたいですね」。
その背景には、よりスピーディーに新しいサービスを生み出していくための "手応え" もあると続けます。
「今回、Windows Azure を使ってみて、良い点だなと思ったことは数多いのですが、その中に "Windows アプリケーションが使える" という事実もあります。たとえば、今回の靴下のデザインは 266 万通りありますが、これはサーバー内で絵柄の組み合わせを自動生成する仕組みになっています。Windows アプリケーションは、それこそ数多くありますので、こうした仕掛けなどに使えるアプリケーションも、探せば、きっといっぱいあると思います。そうやって、自分たちが実現したい企画やクリエイティブを、よりスピーディーに、より効率よく実現できるのではないかと期待しています」。

コメント