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導入事例

 様に導入

  • 効率化
  • コスト

株式会社名古屋銀行

 様に導入

金融機関の情報系システム基盤を Hyper-V で構築
柔軟なシステム運用を可能にし、運用コストの大幅な削減、ガバナンス強化、セキュリティ向上を実現

写真:株式会社名古屋銀行

株式会社名古屋銀行

株式会社名古屋銀行では、2016 年 3 月末までに業務効率を上げることによる営業力の強化と顧客満足度の向上を目指し、BPR (Business Process Re-engineering) 戦略を推し進めています。そのための情報基盤構築として、2013 年 3 月に CRM とデータ ウェアハウス (DWH) を MicrosoftR SQL ServerR 2012 に移行させた名古屋銀行では、同時進行で情報系のシステム基盤も仮想化することを決意。Windows Server 2012 Hyper-V を採用した仮想化基盤を 2013 年 3 月に構築しました。情報系システムの運用コストを大幅に削減し、システムの運用を仮想化基盤および事務システム部に集約することでガバナンス強化やセキュリティ向上を実現しています。

<導入の背景とねらい>
増えすぎたサーバーを集約して
リソースの最適配分を行う

名古屋銀行
常務取締役
中村 哲人 氏

株式会社名古屋銀行
事務システム部
部長
服部 悟 氏

人口や世帯数が右肩上がりで上昇し、リニア中央新幹線の開通、名古屋駅や栄地区の再開発など大型プロジェクトが進行している愛知県において、名古屋市に本店を置く株式会社名古屋銀行 (以下、名古屋銀行) は、「絆をつくる、明日へつなぐ。」をスローガンに、地域に役立つことを最大の使命として、先進的な IT 導入に積極的に取り組んでいます。2013 年 6 月 26 日からは、2016 年 3 月末までに顧客満足度を向上させるための BPR 戦略を推進し、業務効率向上によって人材を営業力強化に集中させるために、基幹系のホストと情報系システム間の連携を強化していくことにも取り組んでいます。

名古屋銀行 常務取締役 中村 哲人 氏は、「我々の基本方針は、お客様に "ご満足していただけるためには何をすべきか" を全員で考えることです。2013 年 10 月には個人のお客様専門のパーソナルコンシェルジュを設置するほか、ローン アドバイザー、ファイナンシャル アドバイザー、法人担当、一般渉外も含めて多様なチャネルにきめ細かく対応できるように努めています。地元に特化し、お客様とともに成長してきた地域金融機関として、システム基盤やソフト面に総合的に取り組んでいき、オンライン サービスやインターネット バンキングの機能強化も行っていきます」と話します。

クライアント PC を Windows 7 に入れ替え、CRM および DWH のデータベースとして SQL Server 2012 を採用してきた名古屋銀行では、社内で利用する情報系システム基盤を刷新するため、2012 年 10 月から仮想化を検討してきました。仮想化を提唱し、プロジェクトを進めるよう指示した名古屋銀行 事務システム部 部長 服部 悟 氏は、以前の情報系システムの課題を次のように話します。「データセンターで管理するサーバーの台数が増えすぎ、管理が煩雑になってきたことが大きな課題です。サーバーの老朽化対応などで、ハードウェアを新しい機器へ入れ替えるときに、また、OS のバージョンが異なれば、アプリケーションの検証をその都度行わなければならないことも管理の負荷を高める原因でした。仮想化基盤にすれば、物理サーバーとは異なり、繁忙期や朝夕などの時間ごとにサーバーのリソースの入れ替えを柔軟に変更するなど、資源の最適配分や有効活用が行えるため、情報系システムを仮想化基盤に乗せ変える必要があると決断しました」。

<導入の経緯>
構築後に自分たちで運用できることや
コスト メリットの高さから Hyper-V を選択

株式会社名古屋銀行
事務システム部
副部長
木河 勇二 氏

株式会社名古屋銀行
事務システム部
システム開発グループ
課長
平岡 秀之 氏

以前から融資業務システムなどで仮想化技術を使っていたという服部 氏は、これまでのやり方では仮想化がうまく進まなかったと説明します。「我々は極力自分たちで構築を行い、自分たちで運用を行うことでシステムをしっかりと活用することを目指しています。バージョンアップや改修、仕様変更のたびにベンダーに任せなければならないような状態では永続性がなく、しっかりと長くシステムを活用することはできないと考えています。しかし、融資業務システムで利用していた仮想化技術では、我々に技術移転することができず、バージョンアップなどのシステム変更を自分たちで行うことができませんでした。また、管理ツールの使い方などの情報も得にくかったのです」。

Windows Server 2012 が登場する前から Hyper-V にも注目していた服部 氏は、次の仮想化では Hyper-V を使ってみたいと考えていました。「マイクロソフトとはプレミア サポート契約を締結しており、これまでもマイクロソフト コンサルティング サービスでさまざまな製品の技術アドバイスをいただき、構築後は自分たちで運用することができていました。Hyper-V であれば利用しやすく、わからないことは聞けばすぐに教えてもらえるという安心感がありました。また、Windows Server の機能の 1 つとして Hyper-V が組み込まれているため、サーバー OS との相性の問題を考える必要がなく、安心して利用でき、ライセンス面でも大きなメリットがあることも重要でした」と服部 氏は話します。

Hyper-V 導入前には 160 ~ 170 台の物理サーバーを抱えていたという名古屋銀行では、経済面でのメリットも十分に検討し、初期導入コストや保守管理費用が大幅に削減できて、今後物理サーバーを運用し続けた場合に比べ、Hyper-V ベースの仮想化基盤ではコストを半分に抑えられるという試算も行いました。名古屋銀行 事務システム部 副部長 木河 勇二 氏は、「導入を決める前の予算を組む段階で、コスト面でどのようなメリットがあるかを説明しやすかったのは良かったですね。我々、事務システム部は使い勝手や性能を気にしますが、経営層はやはりコスト メリットを重視します。しっかりとした資料を作り、保守期限のある物理サーバーをリストアップして、運用面も含めて数年でどれくらいの経済的なメリットがあるかを示していきました」と予算稟議の際にも、経済的メリットをアピールできたことを話してくれました。

「以前から Hyper-V 2.0 (Windows Server 2008 R2) を開発環境や研修環境で利用していたので、スムーズな構築が行えました」と話す名古屋銀行 事務システム部 システム開発グループ 副業務役 柴田 政彦 氏は、「ハードウェア面での日本電気株式会社 (以下、NEC) のサポートと共にマイクロソフトのコンサルティング サービスを利用し、一緒に構築し、新しい機能などを教えてもらいました」と話します。また、名古屋銀行 事務システム部 システム開発グループ 係長 古川 光太郎 氏も、「マイクロソフトと密に連携し、数百にわたる設定を銀行内で行いましたが、不明点などがあった場合、すぐに対応してもらえるという体制が整っていました。対面で話をしながら、細かい部分まで教えてもらって作業ができたので、安心感があり、質問もしやすかったですね。来てくださるコンサルタントのレベルも非常に高く、ありがたいと感じていました」とスムーズな構築が行えたことを振り返ります。

2013 年 3 月までに仮想化環境を整えた名古屋銀行では、2013 年 9 月までに 50 台の物理サーバーを NEC のブレード サーバー「Express5800/B120」12 台に集約し、今後はさらに 30 台の物理サーバーを順次仮想サーバーに移行させていく予定です。

<導入効果>
新しいシステムも仮想化基盤を活用し
ライブ マイグレーションの活用も検討

株式会社名古屋銀行
事務システム部
システム開発グループ
副業務役
柴田 政彦 氏

株式会社名古屋銀行
事務システム部
システム開発グループ
係長
古川 光太郎 氏

「情報系基盤とはいえ、窓口業務に直結するシステムを運営する基盤となっているため、システムの安定性は不可欠です。構築後はなんの問題もなく安定稼動していますし、同じ処理を計測しても以前よりも時間短縮されています」と柴田 氏は、導入後のシステムの安定性やパフォーマンスについて評価しています。しかし、一方でシステム開発グループとしての管理負荷は以前より増えている、という意外な話も出てきました。

この理由について服部 氏は、「たとえば、決算システムの入った物理サーバーの管理は、今まではユーザー部門がベンダーのサポートを受けながら行っていました。これらのシステムも仮想化基盤に乗せて我々が管理することにより、ユーザー部門の手間はなくなりました。結果的に事務システム部の責任範囲は広がっていますが、IT のガバナンスやセキュリティを向上させることができるようになり、会社全体で考えれば効率化ができています」と話します。「以前はシステム構築段階から関っておらず、結果的に必要ではないシステムであることがわかってシステム構築を中止することもあった」と、名古屋銀行 事務システム部 システム開発グループ 課長 平岡 秀之 氏は話します。「銀行全体として、仮想化基盤があるのだからシステムはそこに乗せようという意思統一ができてくるようになり、勝手に物理サーバーを購入してシステムを作るのではなく、企画当初の段階から事務システム部が関ることで、本当に必要なシステムかどうかをチェックすることができます」。

とは言え、物理サーバーを構築するのに比べて Hyper-V 上に仮想サーバーを構築する作業は非常に簡単です。アプリケーションに合わせてサーバー機器のスペックを決めて見積もりを取り、機器を購入して設定するのにはかなりの時間がかかりますが、仮想環境であれば必要なリソースを大まかに割り当てるだけでよく、実際の負荷を見ながら柔軟にリソース量を変更していくことができます。名古屋銀行 事務システム部 システム開発グループ 奥田 恵介 氏も次のように話します。「Hyper-V はこれまで触ったことがなかったのですが、少しレクチャーを受けるだけで新しい仮想サーバーを数時間で作れます。GUI ベースで、操作も非常に使いやすかったです」。

マイクロソフトのソフトウェアは、製品のサポート ライフサイクルが明確なため、ハードウェアのライフ サイクルに左右されず、アプリケーションのライフ サイクルで考えることができ、構築計画を立てていくことができると考えている名古屋銀行では、将来的にライブ マイグレーションを使った高度なシステムにすることも視野に入れています。「現在でもライブ マイグレーションは、セキュリティ パッチの適用などで活用されています。ライブ マイグレーションを使うことでエンド ユーザーにアナウンスする必要がなく、通常の業務の停止や、負荷をかけてしまうことを避けることができます」 (柴田 氏) 。

さらに、自社でデータセンターを管理している名古屋銀行にとっては、物理サーバーを仮想化基盤に集約することでサーバー スペースを削減することができ、消費電力を大幅に削減できることもメリットとなっています。

システム構成図 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
SCVMM も 2012 にバージョンアップ
情報基盤をベースに顧客満足度向上を目指す

株式会社名古屋銀行
事務システム部
システム開発グループ
奥田 恵介 氏

名古屋銀行では、今回構築した Windows Server 2012 Hyper-V をベースにした仮想化基盤に合わせて、それらを管理する Microsoft System Center Virtual Machine Manager (SCVMM) も 2012 にバージョンアップする作業を行っており、今後は OS や Microsoft Office のバージョン管理なども行っていく予定です。

また、「すべてを仮想化することが理想」と話す服部 氏は、SQL Server 2012 の導入や Hyper-V の導入を通じて、マイクロソフトを次のように評価しています。「ソフトウェア基盤ごとにベンダーが異なると、それぞれから情報を得なければなりません。我々は自前で構築し、限られた人数で運用していため、それらの作業を行うことが困難です。しかし、マイクロソフト製品に統一することで、ワン ストップですべてのソフトウェア基盤の情報を得られ、運用管理が非常に効率的になります。また、今回のシステム構築に際し、我々にノウハウが残るようなスキル トランスファーが含まれるサービスを望んでいましたが、一般の SI 企業では、そのような要件に対応するサービスが見つかりませんでした。しかし、マイクロソフトのコンサルティング サービスとサポート サービスがまさにこの要望に合うものでした。マイクロソフトは、企業ユーザーが自分で構築や運用を行うカルチャーを理解していると感じています。マイクロソフトや特定の技術者にしか扱えないようなクローズな技術により、構築や運用で料金を取るようなことがなく、自行で運用や管理を行う我々にとっては非常にお付き合いしやすい会社だと思います」。

名古屋の経済的成長を支える金融機関として、情報基盤を整備してさらなる顧客満足度を向上させようと考えている名古屋銀行では、CRM や DWH、情報系システム基盤などを勘定系システムとの連携を強化させて営業店の顧客対応のスピード短縮を目指すほか、Windows 8 タブレットの導入による営業力強化も目指していきます。「お客様の満足を得るには、早い、簡単、頼れる、といったキーワードが必要です。マイクロソフトにも迅速、簡単、信頼性といったキーワードがあると思っており、基盤となるシステムで実現した業務効率の向上をベースに最終的にお客様満足度の向上を目指していきたいと考えています」と中村 氏は話します。

名古屋銀行は今後も先進的な IT に注目しながら、自らが運用することでシステムの効果を最大限に引き出し、BPR の推進によって名古屋地域になくてはならない頼れる銀行として、地域に貢献していきます。

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