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導入事例

 様に導入

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  • 効率化
  • コスト

株式会社 名古屋銀行

 様に導入

顧客満足度向上の基盤となる統合データベースのアップデートを見据え、Microsoft SQL Server 2012 早期対応プログラムに参加
スムーズな移行に加え、大量データの抽出を秒単位に短縮、さらに可用性の飛躍的な向上などを確認

株式会社 名古屋銀行

株式会社 名古屋銀行

中部圏を代表する地方銀行として「地域社会への貢献」を掲げる株式会社 名古屋銀行 (以下、名古屋銀行) では、常に最新の IT を導入していくことを顧客サービス向上の重要なポイントと位置付けています。同行では 2010 年 10 月、Microsoft SQL Server 2005 をベースに開発された CRM 基盤 (統合データベース) の更改を検討。SQL Server 2012 の早期対応プログラムに参加し、可用性を高める AlwaysOn やデータ処理速度を向上させる ColumnStore Index、さらに BI 機能などの新機能を中心に検証を進め、スムーズな移行や飛躍的な性能向上などの成果を得ました。

<導入の背景とねらい>
CRM 基盤の強化を目指して
統合データベースのバージョンアップを検討

株式会社 名古屋銀行
常務取締役
藤原 一朗 氏

名古屋銀行は、2011 年 9 月中華人民共和国に支店開設しました (江蘇省南通) 。地方銀行としては、3 例目になるそうです。常務取締役の藤原一朗氏はそのねらいについて、「近年、中部地域では自動車産業を中心に国外へ進出する企業が多く、今回の支店開設もそうした地元のお客様の利便性や、融資要請への迅速な対応などを目指した施策です。また、海外での事業に不慣れな中堅および中小企業に、金融機関としてコンサルティングを行うことも、銀行の重要な責務だと考えているのです」と語ります。

同行では、そうした顧客サービス向上の一環として、かねてから最新 IT 技術を積極導入してきました。2005 年に導入した CRM 基盤 (統合データベース) は、その代表例です。これは SQL Server 2005 によって構築され、同行の情報系システムの中核として積極的に活用されてきました。

「この CRM 基盤での SQL Server の実績が、今回の SQL Server 2012 早期対応プログラムへの参加につながっています。現行システムは行内で高い評価を得ており、私自身も情報システム担当役員として、マイクロソフトのテクノロジは優れていると感じています。当行ではシステム導入や運営をアウトソーシングせず、ほとんどを自行内で手掛けています。私たち自身の手で新バージョンの価値を確かめる意味でも、ぜひ参加してみたいと考えました」。

藤原氏は、3 つの観点で検証したいと考えました。

「まず、信頼性です。安定稼働は金融機関のシステムの大前提であり、かつ最大の要件です。2 番目は、SQL Server 2012 で加わった新機能が、当行の業務に使えるかどうか。そして 3 番目は性能向上です。格段に増えたデータを効率よく運用していけるかどうかの重要な決め手になります」。

導入を決める前にシステム担当者が信頼性や実用性を一定の期間にわたって検証できる点も、早期対応プログラムのメリットだと藤原氏は評価します。

「製品の評価のほかに、高く評価している点は、マイクロソフトとコミュニケーションしながら検証作業を行えた点です。ベンダーが当行の業務課題を理解してくれれば、そこからより有益な提案が生まれます。そのサイクルを重ねることで、業務そのものの改善はもちろん行内のシステム部門のレベルアップも期待できるのです」。

さらに今回のデータベース移行は、単なる製品のバージョンアップにとどまらない、将来の成長への布石という大きなテーマも込められていたと藤原氏は明かします。

「6 年にわたって運用されてきて、当行の CRM 基盤のデータベースには膨大な業務データが蓄積されています。日々増え続けるデータを、一刻も早く次の成長へのステップとして活用しなくてはなりません。その点でも、SQL Server の新バージョンへの不安を払拭し、なおかつ新機能について勉強しながら自信を持って移行準備に取り組める早期対応プログラムは有効だったと言えます」。

<導入の経緯>
AlwaysOn の可用性を中心に検証
移行作業もきわめてスムーズに可能と判断

株式会社 名古屋銀行
事務システム部
部長
服部 悟 氏

今回、SQL Server 2005 からのバージョンアップを考える直接の契機となったのは、2012 年度に予定されているサーバーのハードウェア更改だったと、事務システム部 部長 服部悟氏は振り返ります。名古屋銀行では、このタイミングを活かしてデータベースを刷新し、旧システムで課題となっていたクエリ パフォーマンスやエンド ユーザーの利便性を一気に向上させようと考えたのです。

「SQL Server は、当行の社内向けシステムのすべてをカバーしているデータベース エンジンです。その代表的なものが CRM 基盤ですが、他には、融資支援システムもバックエンドでは SQL Server が動いています。それだけに、SQL Server 2012 の新機能とそのメリットには、私たちも少なからぬ関心を抱いていました」。

とりわけ服部氏が新しさを感じたものの 1 つが、AlwaysOn Availability Group による、飛躍的な高可用性の実現でした。この機能を使うと、プライマリに対して最大 4 台のセカンダリを配置してデータベースのバックアップを実施できます。この結果、障害時のより迅速なフェイル オーバーやディザスター リカバリ用の遠隔配置が実現するのはもちろん、バックアップ作業時も AlwaysOn Availability Group が自動的に負荷分散を制御してくれるといったメリットがあります。

「データのバックアップと配置分散を、一緒に行ってしまおうという発想が新鮮でした。配置分散自体は現在も手動で行っていますが、これを人間が考えずとも SQL Server が自動的に行ってくれれば大きな省力化になります。しかもそうしてデータベースを分散することが、同時に障害や災害時のリスク分散にもなっている。そういう、いかにもアメリカ的な合理的発想に注目すると同時に、それが本当に当行の業務に貢献できるかどうか試したいという気持ちがありました」。

そうした期待を受けて 2011 年 10 月には、早期対応プログラムを開始。まもなく SQL Server 2005 から SQL Server 2012 への移行が互換性の問題も含め、きわめてスムーズに行えることを確認しました。もちろん注目していた配置分散や ColumnStore Index による処理の高速化についても良好な結果を得ることができました。

「自動化とコスト抑制は、まさに SQL Server の変わらないコンセプトであり、SQL Server 2012 はその正常進化型と言えるでしょう。また他社のデータベース エンジンと比べ、パフォーマンス チューニングの手間がかからないことも SQL Server のアドバンテージだと思います。行内の数名の担当者だけで開発、管理、運用まで手掛けられるのも、SQL Server だからこそと断言できます」。

検証作業は 2012 年 1 月末の最終ミーティングをもって完了し、現在は 2012 年度中の本番システム更改に向けて着々と作業が進んでいます。

<導入効果>
大量データ抽出が飛躍的にスピードアップ
充実したツールで移行作業も効率よく進行

早期対応プログラム開始から 3 か月、検証作業を手掛けるチーム内では、既に具体的な成果をいくつも確認しました。事務システム部 システム開発グループ 課長 平岡秀之氏は、「システム運用の現場としては、最近特にデータ量が増えてパフォーマンスが思うように伸びないと感じていました。そこへ ColumnStore Index で処理が高速化できるという情報をもらったのです」と語ります。果たしてその検証結果は、予想を超えて満足のいくものでした。実際の検証にあたった事務システム部 システム開発グループ 係長 中島淳生氏は、「過去 6 年分のデータ、約 1 億レコードを抽出してみたところ、以前ならば 30 分くらい結果が返ってこなかったのが、ColumnStore Index を使うと 2 ? 3 秒で完了してしまいました。検証用の環境なので通常よりスペックの低い仮想サーバーを使用したのですが、これだけの結果を出せたのは評価できます」と語ります。

一方、AlwaysOn の高可用性検証に携わった事務システム部 システム開発グループ 係長 羽田剛志氏は、「検証の結果、これなら止まらないシステムを十分に実現できると確信しました。可用性もさることながら、設定が簡単な点が良いですね。管理者に特別なスキルを要求することなく確実な運用の継続を担保できる点は、まさに銀行向けだと思います」と語り、このレベルの可用性が確保できるならば、今後はさらにミッション クリティカルなシステムに活用範囲を拡げることも可能ではないかと付け加えます。

一方、旧バージョンからの移行も順調に進んでいます。主に SQL Server の ETL (Extract、Transform、Load) ツールである、SQL Server Integration Services (SSIS) の移行を担当した事務システム部 システム開発グループ 係長 三浦雄一氏は、「SQL Server 2005 から一挙に SQL Server 2012 へという、2 世代を空けたバージョンアップだったにもかかわらず、日本マイクロソフトからしっかり移行ツールが提供されていたため、いくつか気になっていた問題もすべてクリアできました」と評価します。また三浦氏と共に移行を手掛けた事務システム部 システム開発グループ 係長 古川光太郎氏も、「もっとプログラム修正などの手間がかかると予想していたのが、ツールを使って効率よく行えることがわかったのは収穫でした。一連の検証には日本マイクロソフトからコンサルタントが来てくれましたが、技術力もコミュニケーション力も高く、いろいろアドバイスをもらって勉強になりました」と、今回の検証および移行作業が非常に有意義だったことを振り返ります。

名古屋銀行が開発した SQL Server 2012 と連携して地図上に顧客情報を表示させるアプリケーション[拡大図] 新しいウィンドウ

地図上で検索した顧客情報の詳細が瞬時に表示される[拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
新機能を応用した新たな活用法を模索し
地域密着の銀行として一層のサービス向上を

SQL Server 2012 への移行作業が本番を迎える中で、早くもシステム開発グループ内には、新しい活用法に思いを巡らせる動きが出てきています。前回の SQL Server 2005 でのデータ ウェア ハウス構築も手がけた事務システム部 システム開発グループ 副業務役 柴田政彦氏は、「AlwaysOn を障害対策だけでなく、システムの統合や管理の効率化にも活かしていけないかと考えています。以前と比べ確実に SQL Server が担う業務量は増えていますが、その反面、行内には似たようなデータベースを部署ごとに持ち、必要に応じてコピーしている例が少なくありません。この複製作業を、バッチ ベースではなく AlwaysOn を応用して効率化、自動化するといったアイデアですね」と語ります。

また現場で移行に携わってきたスタッフの 1 人である、事務システム部 システム開発グループ 山田彰子氏は、「まだ移行の検証を一部担当しただけですが、以前に比べて一連の作業手順のハードルがかなり低くなっていると感じました。この扱いやすさを利用して、さらに深く使い込めるよう研究しながら、より当行の業務に貢献できるような活用法を探っていけたらと願っています」と意気込みを語ります。

スタッフ全員の想いをまとめるように、「ビッグ データの時代と言われていますが、銀行に集まってくる大量のデータを、最終的には営業店の現場すべてに展開していける環境を提供したい。そのために SQL Server の BI 機能の活用や、地図情報との連携による営業活動支援も、視野に入れています。今回のデータベース刷新はその基盤固めの一環であり、地域密着の銀行業務を謳う当行のポリシーを具現化するものと自負しています」と語る平岡氏。SQL Server 2012 へのアップデートを機に、全社一丸となったサービス向上の機運が日増しに高まってきています。

集合写真

検証作業を担当した事務システム部 システム開発グループの皆様
前列左より:山田 彰子 氏、平岡 秀之 氏、柴田 政彦 氏
後列左より:三浦 雄一 氏、古川 光太郎 氏、中島 淳生 氏、羽田 剛志 氏

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