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アスクル株式会社

 様に導入

Microsoft Lync と Microsoft Exchange Online の組み合わせでコミュニケーション基盤を刷新
災害時の事業継続性確保とワーク スタイル変革を同時に実現

アスクル株式会社

アスクル株式会社

オフィスに必要なモノやサービスを「明日お届けする」トータル オフィス サポート サービスを展開するアスクル株式会社。同社ではコミュニケーション基盤が、Lync と Office 365 (Exchange Online) によって刷新されています。その目的は BCP の実現とワーク スタイル変革。場所を問わない働き方を支える基盤の確立が目指されたのです。これによって災害時でもコミュニケーションを維持できるようになり、在宅勤務も可能に。また離れた拠点間のコミュニケーションも円滑化されています。さらにプレゼンス機能の活用で、相手のいる場所に直接足を運ぶケースも増大。 "ワイガヤ" 文化を支える存在としても、重要な役割を果たしています。

<導入の背景とねらい>
東日本大震災での被災経験から BCP を意識
ワーク スタイル変革も重要なテーマに

アスクル株式会社
e-プラットフォーム本部
執行役員 本部長
秋岡 洋平 氏

アスクル株式会社
e-プラットフォーム本部
e-プラットフォーム・テクノロジー
部長
阿部 敏治 氏

アスクル株式会社
e-プラットフォーム本部
e-プラットフォーム・テクノロジー
浅沼 豊 氏

アスクル株式会社
BtoBカンパニー
OAPC2事業本部
OAPC2
黒川 真 氏

アスクル株式会社
BtoBカンパニー
事業企画本部
マーケティングデータマネジメント
福田 佳代子 氏

2011 年 3 月に発生した東日本大震災を経験してから、災害時の事業継続 (BCP) に真剣に取り組む企業が増えています。災害によってオフィスが使えなくなり、交通手段も失われてしまった場合、最も重要なのはコミュニケーション手段の確保です。そのため最近では、BCP を意識したコミュニケーション インフラの再構築に踏み切るケースも多くなっています。

アスクル株式会社 (以下、アスクル) も、このような取り組みを行った企業の 1 つです。以前は、電話システムはアナログ PBX、電子メールは ASP サービス、グループウェアはオンプレミス型のパッケージ ソフトウェアという組み合わせでしたが、これらを Lync と Office 365 (Exchange Online) の組み合わせへと移行しているのです。きっかけはやはり、東日本大震災による被災でした。

「アスクルは、東日本大震災の影響により江東区辰巳の旧本社が被災したため、一旦本社機能を複数の拠点に分散することによる事業の継続を余儀なくされました」と振り返るのは、アスクル株式会社 e-プラットフォーム本部 執行役員 本部長の秋岡 洋平 氏です。

分散化した本社機能を再び統合するため、2011 年 4 月には江東区豊洲の豊洲キュービックガーデンへの移転を決定。2011 年 6 月から約 3 か月かけて移転を実施しています。この経験から得られた教訓が、「離れた場所にいる場合でも円滑にコミュニケーションできる基盤の存在が不可欠」だということでした。特定の場所に依存するシステムではなく、どこからでも使えるシステムにする必要があることが、痛感されたのです。

その一方で秋岡 氏は、「コミュニケーション基盤を見直すのであれば、ワーク スタイル変革にも寄与するものにしたいと考えました」とも述べています。アスクルはパートナーと共に各種サービスを提供しており、社員がパートナーの拠点に出向いて仕事をすることが少なくありません。また最近は仙台 (宮城県) や梅田 (大阪府) にも営業拠点を設置し、営業力の強化を図っています。そのため社内にいなくても自由に情報のやり取りが行える環境が、強く求められていたのです。

さらに在宅勤務に道を拓くことも、大きなテーマの 1 つだったと秋岡 氏は指摘します。「アスクルでは、女性社員の活用はもちろん、介護なども含め女性の働き方の多様性を支援する取り組みも行っています。産休後の復職率もほぼ 100% に達しており、その前後は時短勤務の人も少なくありません。コミュニケーション基盤を見直すことで在宅勤務が可能になれば、育児のために出社できない人も働くことが可能になります」。

BCP とワーク スタイル変革を同時に実現すること。このような "一石二鳥" をねらって行われたのが、アスクルのコミュニケーション基盤刷新だったのです。

<導入の経緯>
課題を最も迅速に解決できると評価
プレゼンス機能などにも大きな期待

アスクルがこの取り組みに着手したのは 2011 年 4 月。既存のコミュニケーション基盤では、BCP やワーク スタイル変革を実現できないと判断されたからです。

まずアナログ PBX を使った電話システムは、オフィス拠点に PBX を設置する必要があり、オフィスが被災すると利用不可能になります。また社外から使うこともできません。電話システムは根本から変える必要がありました。

電子メールやグループウェアも、十分な利便性を確保しているとは言えない状況でした。「メールは ASP を使っていたので社外からでもアクセスできたのですが、POP3 サーバーとしてしか機能しなかったため、メールの保存や管理はクライアント側で行う必要がありました」と言うのは、アスクル株式会社 e-プラットフォーム本部 e-プラットフォーム・テクノロジー 部長の阿部 敏治 氏です。そのためクライアント PC の故障などによって、メール データが失われることも少なくなかったと振り返ります。またスケジュール管理を社内導入したグループウェアで行っていたことも、利便性を低下させていました。「ユーザーにとって、メールとスケジューラは密接な関係にあります。これらがバラバラのままでは、作業効率を高めることは難しいと感じていました」。

2011 年 6 月には Lync と Office 365 の Exchange Online の採用を決定。その最大の理由は、これらの問題への対応を最も短期間で行えると評価されたからです。アスクル株式会社 e-プラットフォーム本部 e-プラットフォーム・テクノロジーの浅沼 豊 氏は次のように説明します。

「Exchange Online なら、メールとスケジューラを統合した環境を手軽に入手できます。また Lync も導入スピードが圧倒的に速いと感じました。当初は電話を IP-PBX に移行することも考えましたが、BCP やワーク スタイル変革を目的にするのであれば、Lync の方がはるかにマッチするソリューションです」。

しかしそれだけではなく、Lync が提供する他の機能も高く評価されています。その 1 つとして挙げられたのがプレゼンス機能です。「以前は相手の状況を確認するために電話やメールを使う必要があり、とても手間がかかっていました。東日本大震災の時の安否確認も大変だったのです。しかし Lync のプレゼンス機能なら、相手の状況がひとめでわかります。日常的なコミュニケーションも、相手の状況を配慮しながら行えます」 (阿部 氏) 。

採用決定後、すぐに導入を開始。本社オフィスとは別の場所にあるデータセンターに Lync サーバーと公衆網へのゲートウェイを設置し、Lync の機能をインターネット経由で利用できる環境を整備しました。また電子メールとスケジュール管理は Office 365 の Exchange Online へと移行し、これに対してもインターネット経由でアクセスしています。さらにディレクトリ管理は、データセンターに設置された Microsoft Active Directory で行い、Office 365 との間は Active Directory フェデレーション サービス (AD FS) で連携させています。ユーザー数は約 1,500 名。Lync 対応の固定電話も約 400 台導入されています。

<導入効果>
社長メッセージを遠隔地に生のまま伝達
在宅勤務で感じられていた疎外感も解消

Lync と Exchange Online を組み合わせることで、社内外どこからでも、電話やメール、オンライン会議、テキスト チャットが行える環境が実現しました。電子メールの管理も、ユーザーあたり最大 25 GB のメールボックスに保存できるため、クライアント側の故障や障害によってメール データが失われる心配もなくなりました。またプレゼンス機能によって、相手が対話可能な状況にあるか否かも、即座にわかります。

それでは、アスクルではオンライン会議やプレゼンス機能を、具体的にどのよう形で使っているのでしょうか。

まずオンライン会議は、離れた拠点間を結んだ会議で活用されています。その一例として挙げられたのが、週 1 回の頻度で行われている朝礼での利用です。

「朝礼では全社員に対し、社長のメッセージを毎週発信しているのですが、仙台や梅田で働いている社員は、直接参加することができません」と説明するのは、朝礼での Lync 活用をサポートしているアスクル株式会社 BtoBカンパニー OAPC2事業本部の黒川 真 氏。そのため以前は社長メッセージのテキスト起こしを行い、これを配布することでメッセージを共有していましたが、どうしてもタイム ラグが発生していたと言います。「現在では Lync のオンライン会議によって、離れた場所からでも朝礼に参加できます。社長が毎週メッセージを発信する会社は珍しいと思いますが、これを生のまま伝えることは、全社で意識を共有するうえでとても重要です。話し方のトーンや表情もわかるので、テキストとは伝わり方が違います」。

Lync を活用した朝礼風景

Lync を活用した朝礼風景

オンライン会議は部門内のミーティングや、役員会議でも利用されています。特に営業部門では、社員が社外に出ていることが多いため、ユーザーから重宝がられています。役員会では、社外取締役が海外からオンライン会議で参加するケースもあるとのこと。阿部 氏はこれによって「会議参加者が一堂に集まるために必要な、移動時間やコストも削減されています」と言います。

また、在宅勤務も可能になりました。育児などのために自宅にいなければならない日も、仕事を続けられるようになったのです。

「特に便利だと感じたのが、デスクトップの共有です」と言うのは、アスクル株式会社 BtoBカンパニー 事業企画本部に所属し、在宅勤務の経験を持つ福田 佳代子 氏。資料を共有しながら話をすることで、スムーズなやり取りができるのだと説明します。またプレゼンス機能の存在も、相手の状態がわかるだけではなく、在宅側の状況を相手に伝えることもできるため、連絡を取りやすいと指摘します。「以前は "連絡する必要がある場合でも、自宅にいる人には電話しにくい" と言われることが多かったのですが、今ではそのようなことはありません。必要なときにはすぐに連絡がもらえるので、疎外感や罪悪感もなく、安心して在宅勤務が行えます。本社にいる社員とのやり取りで使うことが多いのはデスクトップ共有ですが、テキスト チャットを行いながら作業を進めることも少なくありません」。

その一方で浅沼 氏は、「プレゼンス機能を使うことで、相手と直接会って話す機会も増えています」とも説明します。現在のアスクル本社は 1 つのビルに集約されているため、本社内であれば相手のいる場所に行って話をする、といった行動パターンが広がっていると言うのです。「相手が在席していることが事前にわかれば、その場所に足を運んでも無駄足にはなりません。内線電話の使用は以前に比べて減りました」。

コミュニケーション基盤の変遷図

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<今後の展望>
"ワイガヤ" の文化をさらに強化
テクノロジーで人と人とを近づける

「アスクルは CEO が "ワイガヤ (社員が集まってワイワイガヤガヤと話をすること)" の文化を重視しており、豊洲のオフィスでも壁を取り払って、いつでも立ち話ができるようにしています」と秋岡 氏。人と人とが直接あえる機会が増えるのは、アスクルが会社として目指す方向にも合致しており、Lync は "ワイガヤ" 文化を支える存在になっていると説明します。しかしその一方で、離れた場所にいる人々とも "ワイガヤ" を実現するには、オンライン会議のようなテクノロジーも不可欠だと指摘します。

「アスクルでは地域密着に向けて仙台と梅田に営業拠点を設置しましたが、一般消費者向け通販サービス「LOHACO」 (ロハコ) の本格化に伴う事業規模の拡大により、物流拠点も近い将来に現在の 6 拠点から 7 拠点へと増やし、コールセンターも増設する計画です。このようにアスクル全体では多拠点化が進みつつあります。今後は拠点間の "ワイガヤ" を実現するため、さらに Lync の存在意義が大きくなると思います」 (秋岡 氏) 。

"ワイガヤ" というローテクに見える文化が、デジタル コミュニケーションの広がりによって消えてしまうのではないかと考える人は、少なくないかもしれません。しかしアスクルのケースを見ると、Lync が提供する機能は "ワイガヤ" の文化をむしろ強化し、それを遠隔拠点にまで拡大するという効果をもたらしています。テクノロジーが人と人とを、さらに近づける役割を果たしているのです。

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