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導入事例

 様に導入

  • クラウド
  • 効率化
  • コスト

アビームコンサルティング株式会社

 様に導入

顧客のシステム運用の窓口となるインシデント ポータルを再構築
SharePoint Server と InfoPath でグローバル展開の基盤を確立

アビームコンサルティング株式会社

アビームコンサルティング株式会社

ビジネス コンサルティングから企業向け IT システム、アプリケーションの提供、システム運用のアウトソーシングまで、幅広い事業展開によって顧客企業の価値向上に貢献し続けているアビームコンサルティング株式会社。ここでは顧客のシステム運用サポート窓口となるインシデント ポータルが、Microsoft SharePoint Server 2010 for Internet Sites と Microsoft InfoPath 2010 で再構築されています。これによって従来に比べてコストを半減すると共に、メンテナンス性や柔軟性の向上を実現。全世界共通で利用できる基盤を確立し、グローバル展開を進める顧客企業のニーズに、より高いレベルで対応することが可能になりました。今後はさらなる機能拡張や他システムとの連携を検討。新たなビジネスへの扉を開くツールとしても期待が寄せられています。

<導入の背景とねらい>
サービス基盤のグローバル化を目指し
インシデント ポータルの再構築へ

アビームコンサルティング株式会社
アウトソーシング事業部
シニアマネージャー
庄司 浩一 氏

アビームコンサルティング株式会社
アウトソーシング事業部
シニアコンサルタント
山崎 智子 氏

グローバル ビジネスを積極的に推進する企業にとって、各国の基幹系システムをどのように実装し運用するかは、重要な経営課題の 1 つだと言えます。現在の市場は世界レベルでダイナミックに動いており、1 つの国で発生した変化が他の国へと波及するスピードも高まっています。その一方で各国固有のローカル ニーズも数多く存在し、これへの適切な対応も求められます。また、時差をどのように吸収するかも考えなければなりません。ビジネスを支える IT システムも、多様な要求を満たす必要があります。

このようなニーズに応えるため、グローバルなサポート体制の強化を積極的に進めているのが、アビームコンサルティング株式会社 (以下、アビームコンサルティング) です。同社は 1981 年に設立された「日本発」、「アジア発」のグローバル コンサルティング ファーム。ビジネス コンサルティングから企業・団体の基幹系業務システムの開発や構築、運用サポート、企業向けアプリケーションの提供、そしてその運用のアウトソーシングまで、幅広い事業展開によって顧客企業の価値向上に貢献し続けています。

「以前は日本国内のシステムが主な対象でしたが、最近では海外展開の支援を求められることが増えてきました」と説明するのは、アビームコンサルティング株式会社 アウトソーシング事業部 シニアマネージャーの庄司 浩一 氏。システム運用に関しても、日本国内だけではなく、米国や欧州、アジア地域を対象にしたサービスへのニーズが高まっていると指摘します。このようなニーズに対応するため「既に以前から日本を含め世界 7 拠点で、お客様のグローバルな IT 運用をサポートしてきました」と言うのは、アビームコンサルティング株式会社 アウトソーシング事業部 シニアコンサルタントの山崎 智子 氏です。「私どもは "Follow the Sun" と言っているのですが、世界各地の IT システムを適切にサポートするには、それぞれの国のビジネス アワーに対応した窓口運営を行う必要があります。日本で 24 時間 365 日の窓口運営を行うという考え方もありますが、現地に近い場所でサポートを行った方が、迅速できめ細かい対応が可能になります」。

顧客が直面する問題や障害、システム変更依頼への対応を迅速化するには、顧客企業の IT 担当者がダイレクトにアクセスできる「インシデント ポータル」の整備も欠かせません。アビームコンサルティングは、このようなインシデント ポータルの構築にも積極的に取り組んできました。まず 2003 年に Java による第 1 世代のインシデント ポータルの開発に着手。2004 年にサービス提供を開始しています。その後 2009 年にはパッケージ製品を利用した第 2 世代へと移行。その理由を庄司 氏は「最初のポータルはゼロから開発したのですが、機能追加を続けてきた結果スパゲッティ状態になったからです」と説明します。

しかしパッケージ製品で構築されたインシデント ポータルにも、大きく 2 つの問題がありました。まず第 1 はライセンス料金が高いことです。「グローバル展開を進めていくとユーザー数も増えていきますが、ライセンス料が高いとコストが上がり、競争力のある料金を維持できません」 (庄司 氏)。第 2 の問題は柔軟性の乏しさです。必要な機能を作り込んでいくことも難しかったのです。

このような問題もあり、第 2 世代までのインシデント ポータルは、グローバル展開には十分でないと庄司 氏は振り返ります。グローバル展開をより積極的に支援するには、複数拠点での体制を支援するポータルが必要と判断しました。

そこでアビームコンサルティングでは改めて、インシデント ポータルの再構築検討に着手。最終的に SharePoint Server 2010 for Internet と InfoPath 2010 を組み合わせたシステムを採用することになるのです。

<導入の経緯>
評価ポイントはコスト、保守性、柔軟性
機能作り込みは InfoPath のアジャイル開発で

アビームシステムズ株式会社
Value Chain Service事業部
マネージャー
友田 義光 氏

再構築検討が始まったのは 2011 年 5 月。まず最初に行われたのが、これまで使用してきたインシデント ポータルの課題洗い出しと、要件の明確化でした。第 3 世代のインシデント ポータルには、コスト、保守性、柔軟性という、3 つの評価ポイントをクリアすることが求められたのです。まずコストの観点から候補に挙がったのが、オープンソースのプロジェクト管理ソフトウェアでした。しかしこのソフトウェアは機能が不足しており、そのままの状態では使えないことが判明。機能の作り込みにも手間がかかることがわかりました。Java による開発も検討されましたが、第 1 世代での経験から、この選択肢も採用されませんでした。

どうすればすべての評価ポイントをクリアできるのか。この問いへの答えとなったのが SharePoint Server の活用です。「基本的な機能が標準で揃っており、ゼロから開発するのに比べてメンテナンスが容易です。機能追加も容易で、ライセンス料が安価な点も条件に合っていました」 (庄司 氏)。

その一方で「ユーザビリティの高さもマイクロソフト製品の大きな魅力」だと指摘するのは山崎 氏です。「以前のインシデント ポータルは、パッケージ独自の思想に基づいたユーザー インターフェイスになっており、一部のお客様からユーザビリティの問題を指摘されていました。これに対して SharePoint Server は、ほとんどのお客様が慣れ親しんでいる Microsoft Office 製品と、画面構成や使い勝手が共通しています」。

2011 年 9 月には SharePoint Server 2010 for Internet の採用を決定。システム開発は、既に社内ポータルで SharePoint Server の開発実績があるアビームシステムズ株式会社が担当し、2011 年 10 月からスタートしています。ユーザー インターフェイスの構築には InfoPath を活用。開発作業を行ったアビームシステムズ株式会社 Value Chain Service事業部 マネージャーの友田 義光 氏は「帳票ライクな画面を短時間で作成できるため、ユーザビリティの徹底的な追及が可能になりました」と言います。

開発作業はアジャイル型のスタイルで進められていきました。「SharePoint Server や InfoPath にはさまざまなパーツが揃っていますが、それらを組み合わせた結果がどうなるかは、実際にできあがったものを見ないとわかりません」と山崎 氏。トライ & エラーを繰り返すアジャイル型開発は、全体像を見通すうえで、メリットが大きいと言います。また友田 氏も「ニーズにマッチしない時も軌道修正が行いやすい」と指摘。リリース前に十分な品質を作り込む段階で、ユーザー インターフェイスを短時間で作成できる InfoPath は、大きな貢献を果たしていると指摘します。

SharePoint Server や InfoPath に関する最新情報の提供に関しては、マイクロソフトが紹介したディスカバリーズ株式会社 (以下、ディスカバリーズ) が、コンサルタントとして参画しています。アビームコンサルティングはマイクロソフトとエンタープライズ アグリーメント (EA) を結んでおり、その特典としてこのコンサルティングを、「SharePoint 導入計画サービス」として無償で受けることができたのです。「長期的なメンテナンスを容易にするには、できる限り標準機能を活用すべきです」と友田 氏。「ディスカバリーズの豊富な知識を活用することで、開発計画の立案も容易になりました」。

<導入効果>
以前のポータルに比べてコストを半減
グローバル展開や効率化も実現可能に

本番稼働を 2012 年 8 月に迎えて今後どのような効果が得られると期待されているのでしょうか。

まず第 1 はコスト削減効果です。「パッケージに比べて導入コストは半減しています」と庄司 氏。サーバーを自社で持たず、クラウド サービスを利用することで、運用コストも半減するだろうと予測します。「SharePoint Server のライセンスもインターネット向けのものを採用したため、ユーザー数が増大しても料金は増えません。これもコスト抑制に貢献するでしょう」。

第 2 はグローバル展開が容易になることです。今回構築されているポータルは、ログインしたユーザーの地域に合わせてローカル タイムが表示され、サマータイムにも対応しています。このような時刻表示は、特に優先度の高い対応依頼において、時差を加味した納期管理を容易にし、サービスの質を高めるうえで重要な意味を持つと山崎 氏は説明します。顧客のインシデントがどのような時間帯で発生したのかが把握できるため、対応の優先順位をつけやすくなり、その結果顧客の満足度を高めることが可能になるからです。また多言語対応も可能です。現在は英語版と日本語版が開発されていますが、将来はさらに多言語にも対応する予定です。

そして第 3 の効果は作業の効率化です。使い勝手のいい画面を InfoPath で開発した結果、以前に比べて少ない操作で目的を達成できるようになったのです。

「例えば以前使用していたパッケージでは、サポート業務に費やした実績時間を入力するために、インシデントごとの画面を開き、そこからさらに入力画面を開く必要がありました。しかし新しいシステムでは、その日に対応すべきインシデントが一覧表示され、実績時間もその画面で入力できます。これは操作に手間がかからないというだけではなく、ミスの防止にも役立ちます」 (庄司 氏)。

この他、優先度がひとめでわかる「サマリー レポート」や、チーム全体の対応状況を把握できる承認画面も実装されています。これらも効率化やサービス レベル向上に貢献すると期待されています。

システム構成図

システム構成図[拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
機能拡張と他システム連携で利便性を向上
新たなビジネスの基盤としても期待

最近は本社で導入したシステムと同じものを、海外にも展開する "グローバル ロールアウト" の事例が増えていると庄司 氏は説明します。世界共通のインシデント ポータルの確立は、このようなお客様を支援するうえでも、重要な役割を果たすだろうと言います。このポータルの上に、プロジェクト管理や課題管理の機能を追加することも考えられています。既に社内から要求は上がっており、今後具体的な検討に入る予定です。

さらに山崎 氏は「他システムとの連携も視野に入っています」とも言います。例えば基幹システムのパッケージの中には、インシデント管理用のツールが標準で組み込まれているものがあります。「このようなツールと新しいインシデント ポータルを直接連携させれば、お客様の利便性はさらに高まるはずです」。

将来はこのインシデント ポータルの機能を、自社の顧客だけではなく、システム運用ビジネスを行っている他の企業に提供することも計画されています。「グローバルで共通に使えるツールを活用すれば、日本に比べてコストの安い海外のサポート要員の活用が容易になり、サービス品質向上とコスト削減を両立しやすくなるはずです」と庄司 氏。アビームコンサルティングが SharePoint Server と InfoPath で構築しつつあるインシデント ポータルは、新たなビジネスへの扉を開くツールとしても、大きな期待が寄せられているのです。

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