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導入事例

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343 Industries

 様に導入

即応性の高いクラウドベースのビッグ データ ソリューションを使用して BI 情報をすばやく配信 (Halo 4)

Halo は、全世界のエンターテイメントに一大旋風を巻き起こした、大人気のテレビ ゲーム シリーズです。数々の受賞経験を誇り、シリーズ累計販売本数は 5,000 万本を突破しています。Halo 4 のリリースにあたって、開発チームは、プレイヤーの好みを把握しオンライン トーナメントのサポートを行うために、データを解析する必要がありました。そこで、Apache Hadoop のビッグ データ フレームワークをベースとする、Windows Azure HDInsight Service というマイクロソフトの強力なテクノロジを採用しています。Halo 4 チームは、HDInsight Service で Windows Azure 上の生データを処理、解析することによって、ゲームの統計情報をトーナメントの運営者に提供し、ゲーム結果に基づいたプレイヤーのランキングを作成することが可能となりました。また、毎週実施される Halo 4 のアップデートや、プレイヤーの定着率向上を目的として毎日配信されるメール キャンペーンにも、HDInsight Service が使用されています。さらに、このデータを利用すれば、組織としての意思決定を迅速化できるという利点もあります。

現状

Halo 4 は、エンターテイメント史に名を刻み、ゲーム プレイヤーにとって一時代を築いた大ヒット シリーズの、新たな伝説の序章となる作品です。Microsoft Studios に属する 343 Industries が Microsoft Xbox 360 ビデオ ゲームおよびエンターテイメント システム専用に開発したもので、シリーズの主人公「マスターチーフ」が新たな SF アドベンチャーに挑むストーリーです。本作品は、2012 年 11 月にリリースされ、発売から 24 時間で 2 億 2,000 万ドルの全世界売上高、さらに発売から 5 日間で 400 万人を超えるプレイヤー数を記録しました。

Halo のサービス チームであり、ゲームの管理も務める 343 Industries の開発チームは、プレイヤーの需要に応じたスケーリングを行うという重要な課題を抱えていました。これが 1 つの要因となり、ゲームのバックエンド サポート サービスの運用に Windows Azure クラウド開発プラットフォームを採用することとなりました。このサービスでは、ハイスコア ランキングやアバターのレンダリングなど、ゲームの鍵となるマルチプレイヤー機能が実行されます。Windows Azure でマルチプレイヤー機能をホストすることで、需要に応じてサーバー容量をすばやく低コストに拡大/縮小が可能です。

ゲームのリリース準備が整ってからも、343 Industries にはプレイヤーの行動や好みを把握するという、まったく新しい課題が残されていました。これを解決するべく、マイクロソフト首脳陣は 343 Industries にユーザー データを効果的にマイニングする方法を確立するように依頼しました。

それと同時に、Halo 4 チームは 5 週にわたって開催される Halo 4 Infinity Challenge トーナメントのデータを期間中に解析し、トーナメントの共同運営者 Virgin Gaming にその結果を毎日提供するという、もう 1 つの課題にも直面していました。Halo 4 Infinity Challenge は、無料で参加できる、世界最大規模の Halo のオンライン トーナメントです。プレイヤーは、2,800 以上の賞をめぐり、世界共通のハイスコア ランキング上でマルチプレイヤー モードのスコアを競い合います。Virgin Gaming は、トーナメントの Web サイトに掲載されるハイスコア ランキングを更新するため、イベント期間中に収集されたビジネス インテリジェンス (BI) データを使用する必要がありました。

この要件を満たすために、343 Industries は Windows Azure と統合可能な BI テクノロジ ソリューションが必要であると判断しました。Halo 4 の開発元である Microsoft Studios のプログラム マネージャー、Alex Gregorio は、次のように述べています。「343 Industries にとって、Windows Azure のような最先端技術をどのように活用するかということは、特に重要な事項でした。そのため、最適な BI 環境を構築し、さらに Windows Azure と統合することが求められていました。」

Halo 4 のゲーム データはすべて Windows Azure に格納されるため、チームは、このデータから BI 情報を使いやすい形で効果的に提供できるソリューションを模索していました。また、このデータを 1 つのデータ センター内で処理することで、ストレージのコストを抑えながら、複数のデータ センター間でデータを転送するコストも発生しないようにする必要もありました。さらに、ジョブの優先順位を完全に制御し、パフォーマンスや解析クエリの配信が、同時実行されている他のジョブから影響を受けないようにしたいとも考えていました。「オンプレミスではない、柔軟性の高いソリューションが必要だったのです」と Gregorio は語っています。

Halo 4 チームは、11 月の Halo 4 のリリース予定に先立ち、その数か月前から新しい BI ソリューションの検討を開始しました。

"Windows Azure の Hadoop でデータをマイニングすれば、これまでにない方法でユーザーを理解できるようになります。これはまさに、未来の BI ソリューションです。"
Mark Vayman
Halo サービス チーム主任プログラム マネージャー

ソリューション

343 Industries は当初、独自の BI ソリューション構築を検討しましたが、最終的には Yahoo! が作成した Apache Hadoop ベースのオープンソース ソフトウェア フレームワークである、HDInsight Service を使用することに決定しました。Hadoop は、莫大な量の非構造化データを分散方式で解析できるので、複雑な解析を実行するには理想的な方法と言えます。HDInsight Service は Windows Azure 向けのビッグ データ ソリューションであり、ユーザーが非構造化データから新しい有益な情報を得ることを支援すると共に、使い慣れたマイクロソフト製 BI ツールとデータを共有できます。Halo サービス チームで開発マネージャーを務める Tamir Melamed は、次のように述べています。「HDInsight Service がリリースされてから間もなく使用を開始しましたが、このサービスは当チームの要件をすべて満たしていました。必要となるクエリはすべて実行可能で、Windows Azure と統合するには最適な形式でした。」

HDInsight Service は柔軟性に優れ、処理時のデータ サイズから一定量の生データを分割して使用することができる点が、Halo 4 チームでは特に高く評価されました。Halo サービス チームで主任プログラム マネージャーを務める Mark Vayman は、次のように述べています。「これまでのシステムでは製品と生データの切り分けが不可能でした。このため、解析を実行した際に、どのように製品に影響が及ぶのかが常に不明瞭でしたが、Hadoop を採用することでこの問題を解決できました。」

また、従来型のデータ ウェアハウス アプリケーションは、データを BI システムへ格納する前に構造化しますが、一方で Hadoop は、データを使用する際に構造化します。このため、HDInsight Service の導入は、チームの主眼がデータの格納から有効なデータ解析の実施へと転換するきっかけとなりました。Halo 4 チームは Azure ベースのサービスを作成し、Azure で収集したゲームの生データを、Hadoop でサポートされている Avro 形式に変換できるようにしました。このデータは Avro 形式で Azure のサービスから Windows Azure バイナリ ラージ オブジェクト (BLOB) ストレージにプッシュされ、さらに ASV プロトコルで HDInsight Service によって処理されます。これで、適切な権限を持つユーザーであれば誰でも、Windows Azure からこのデータへアクセスできるようになります。

Hadoop では、人気のあるゲーム モードやゲームのプレイ時間など、Halo 4 に関する莫大な数のデータ リッチなオブジェクトが毎日処理されています。Microsoft SQL Server PowerPivot for SharePoint をフロントエンドのプレゼンテーション層として、Halo 4 チームからのクエリに従って Azure BLOB が作成されます。

具体的なデータベース製品の検討にあたっては、サポート期間を始めとするライフ サイクルの長さや、BANKSTAR 以前からの利用も含めると 11 年間の運用実績といった点からも、SQL Server 2008 が選択されました。

Microsoft SQL Server PowerPivot for Excel は Hadoop Hive ODBC ドライバーを使用して HDInsight Service からデータを読み込みます。その後 PowerPivot のワークブックが PowerPivot for SharePoint にアップロードされます。Hive ODBC ドライバー経由で HDInsight Service に送信され、ワークブックに格納された接続文字列を使用して SharePoint が毎晩更新されます。このワークブックは、レポートを生成したり、インタラクティブなデータ ダッシュボードを閲覧しやすくしたりするために使用されます。

メリット

HDInsight Service を導入したことで、343 Industries の即応性はさらに向上し、ユーザーの要望への対応がより迅速になりました。ソリューションの柔軟性を活かし、Halo サービス チームはゲームのアップデートを毎週実施できるだけでなく、Virgin Gaming が Infinity Challenge オンライン トーナメントで不正なプレイをするユーザーを特定する作業を支援することもできました。また、HDInsight Service は、Halo のマーケティング チームがユーザー エクスペリエンスとプレイヤー定着率を向上するために行っている、ユーザー別にカスタマイズしたメールを配信するキャンペーンにも役立っています。さらに、このソリューションでは、意思決定を支援する、使い慣れたツールを利用可能です。

即応性向上と対応時間の短縮

HDInsight Service の使用により、343 Industries の即応性はさらに向上し、BI に対する業務上のニーズにもスピーディに対応できるようになりました。その一因として、ソリューションのパフォーマンスが挙げられます。Halo 4 チームは、Hadoop を使用して構成システムを構築することができたため、さまざまな Azure データのフィードのオン/オフを必要なときに切り替えられるようになりました。Vayman は次のように語ります。「これは、最適なパフォーマンスを得るうえで非常に有用であると共に、複数クラスターの HDInsight Service で計算を実行する際に同一の Azure データ ソースを使用できるという大きなメリットをもたらします。アドホックな Hadoop クラスターでの解析が業務上必要になったとき、実行中のジョブに影響を与えないように対応することも容易になりました。」

また、Hadoop クラスターをすばやく簡単に起動することも可能です。Melamed は次のように語っています。「新しい Hadoop クラスターの起動は数分程度で簡単にできます。また、クエリの実行も容易で、わずか数時間で業務へのフィードバックが可能です。Windows Azure はもともと非常に即応性が高く、Hadoop を Azure 上で運用すればその効果はさらに高まります。」

Halo 4 チームが毎週実施するゲームのアップデートを支援

業務上のニーズにすばやく対応するだけでなく、Halo 4 チームは BI データを毎日ゲームから取得して、ゲームの平均プレイ時間やプレイヤーが最も頻繁に使用したゲーム機能など、ユーザーの傾向を把握することができます。このような情報を得ることで、ゲームのアップデートを頻繁に実施できます。Vayman は次のように述べています。「Hadoop から得られるユーザーの好みに関するデータに基づいて、ゲームのマップやゲーム モードを週に 1 回、アップデートできます。また、フォーラムに投稿された提案が、次週のアップデートに反映されることも少なくありません。当チームでは、実際にこうしたフィードバックを参考にして、ゲームに変更を加えたり、新規プレイヤーの反応を見たりしています。Hadoop やフォーラムは、チューニングを行ううえで欠かせないものです。」

また、ユーザーから収集されたフィードバックはゲーム デザイナーに提供され、Halo の次回作の開発にも活用されます。

ゲーム内解析の実行と不正プレイヤー発見支援

Hadoop はデータを使用する際に構造化するため、Halo 4 チームはデータの格納にあまり手間を取られなくなり、その代わり、解析に注力できるようになりました。ゲーム データの格納や構造化に気を配る必要がなくなったので、ユーザーがプレイしているゲーム モードや、時間帯別のユーザー数などの把握に集中できるようになったのです。より厳密に解析を実施できるため、343 Industries は Virgin Gaming のニーズに応えることができました。Vayman は次のように述べています。「Microsoft HDInsight Service を使用することで、5 週間の Halo 4 Infinity Challenge 開催中にデータを解析することができました。ソリューションが高いパフォーマンスを発揮するおかげで、このデータを Virgin Gaming に提供し、トーナメントの Web サイト上に掲載したハイスコア ランキングを毎日更新することができました。」

また、Halo 4 Infinity Challenge 開催期間中の不正プレイヤー検出に使用できるように Hadoop を Azure にセットアップしました。Vayman は次のように語っています。「HDInsight Service を使用すると、データを簡単に読み取れます。プレイヤーがゲーム内でスコアを稼ぐ方法はさまざまですが、Azure に格納されている過去のデータを確認し、不正プレイの特徴と一致するユーザーのパターンを特定できます。これは予期していなかった効果でした。」Virgin Gaming は、Halo サービス チームからこのデータを受け取った後、不正を行ったプレイヤーや不正の疑いがあるプレイヤーをハイスコア ランキングから抹消し、トーナメントから除外するように通知を行いました。

プレイヤー定着率向上への効果

HDInsight Service BI ソリューションの柔軟性は、リリース直後に各プレイヤーにメールを一斉配信するなど、343 Industries がプレイヤー別にカスタマイズしたメール キャンペーンを行ううえでも役立っています。このキャンペーンでは、まず、特定の日にプレイを開始したユーザーを確認するクエリを Hadoop にセットアップしました。次に、ファイルを作成して Windows Azure のストレージ アカウントに格納し、SQL Server 2008 R2 Integration Services を使用して Xbox マーケティング チームが所有するデータベースへ送信しました。

マーケティング チームは、このデータに基づいて Halo 4 のプレイ開始日やプレイ スタイルなどの複数の項目でスクリーニングを実施し、それに合わせてカスタマイズしたメールを新規プレイヤーに送信しました。各プレイヤーに送信するメールの種類は、HDInsight Service システムを使用して判断しました。「ゲームの新たな魅力を伝えることにより、プレイヤーの興味を引き付けて定着させるという、斬新なマーケティング手法が開拓されました」と Gregorio は述べています。Halo マーケティング チームは、次回作の公開までに同様のメール キャンペーンを実施する予定です。さらに、Vayman は次のように述べています。「メール キャンペーンに HDInsight Service と Hadoop を活用することで、マーケティング チームとサービス チームの双方にとって大きな効果がもたらされました。メールのカスタマイズに HDInsight Service のデータを使用できること、および BI がプレイヤー エクスペリエンス向上や売り上げ拡大に役立つことが実証されています。」

使い慣れたツールで意思決定が容易に

マイクロソフトは、他の社内グループでも HDInsight Service の導入を開始しました。導入範囲拡大の理由の 1 つとして、エンジニアや Hadoop のエキスパートでなくても、このテクノロジを活用できるということが挙げられます。データは Azure に収集され、使い慣れた生産性ツールで簡単にアクセスすることができます。Vayman は次のように語っています。「Hadoop を Microsoft Excel や Microsoft SharePoint のような使い慣れたツール群に組み込むことで、技術的な詳細を知らなくても Hadoop の機能を活用できるようになっています。Halo 4 Infinity Challenge の不正プレイヤーに関して Virgin Gaming に提供しているデータは、その好例と言えます。データを受け取る担当者は Hadoop のエキスパートではありませんが、送られてきたデータを業務上の意思決定に簡単に利用できています。」

また、Hadoop の利用が広がっているもう 1 つの理由として、このテクノロジがさらに進化を続け、機能が強化されていることがあります。Microsoft SQL Server 開発者の Brad Sarsfield は、次のように述べています。「プラットフォームの基本的な機能によって、Hadoop 内の BI は、従来よりもさらに大きな役割を果たしています。単純な BI のレポートのほかに、予測解析、セマンティック インデックス、パターン分類なども実施できるようになりました。これらの機能を活用できるのは Hadoop のおかげです。」

このような機能を多数提供する HDInsight Service が、今後も業務に貢献し続けることは、間違いないと言っていいでしょう。Vayman は次のように述べています。「Windows Azure の Hadoop でデータをマイニングすれば、これまでにない方法でユーザーを理解できるようになります。これはまさに、未来の BI ソリューションです。」

Windows Azure

Windows Azure を利用すると、マイクロソフトが管理するデータセンターのグローバル ネットワーク上で、アプリケーションを簡単に作成、デプロイ、および管理できます。アプリケーションの作成には、任意のオペレーティング システム、言語、またはツールを使用できます。

詳細については、www.windowsazure.comを参照してください。

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