「みんなが楽をするために」チャットワークを導入

チャットワークを導入したきっかけを教えてください。

田尻 : きっかけは、社内のIT化に取り組んだことでした。

というのも、以前は社内や社外との業務連絡は、口頭か電話で、私や現場監督には、日に100件もの電話がかかってきたり、帰社するとデスクに「付箋による伝言」が山のように貼られている状況でした。

伝達ミスや、情報の把握漏れがないか心配で、夜中にガバッと飛び起きて「あれやっといてくれたかな?」と不安になることもしばしばありました。

そこで、IT化を進め、きっちり仕事ができる仕組みを作り、社員みんなが楽をできるようにしようと考えました。その時、IT化コンサルタントに紹介されたのがチャットワークでした。2011年の11月のことでした。

田尻社長は、『日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方』を参考にIT化に取り組んだ。
どのようなチャットワークの使い方をしていますか?

田尻 : 大きく二つあります。ひとつ目は「社内の業務連絡が目的」のグループチャットです。社内の業務連絡をおこなうのですが、これまで付箋や口頭でおこなっていた伝言、現場からの施工内容確認、急がないけれど伝えておきたい件、ちょっとした質問などをこのグループチャットでやり取りします。

田尻 : 二つ目は、協力会社とのグループチャットです。建材屋さん・大工さん・電気屋さん・司法書士さん・水道屋さん・税理士さん・外構屋さんなど、各社とグループチャットを作っています。

日に100件以上かかる電話、付箋メモ・口頭連絡地獄から解放

「社内連絡」にチャットワークを活用した結果、どのような効果がありましたか?

田尻 : 最大の効果は、電話が激減したことです。社内の業務連絡にかかっていたさまざまな労力は半減し、電話の回数は30%以上減りました。

社内向けには電話をかけなくなり、電話代・通話時間・かかってき過ぎることによるイライラが減りました。

よくよく考えると、かかってくる電話の8割は、今すぐではなくても良い用件であったり、事前の情報伝達でなくせるものばかりです。これらの件をチャットワークでやり取りすることで、集中している時に手を止めなくてすむようになり、作業がいっそう進むようになりました。

現場監督を務める吉松さんはいかがですか?

吉松 : 自分の都合のよい時間に合わせて依頼・発注・問い合わせをできることが何より助かります。

電話のたびに仕事の手を止められることがなくなり、目の前の仕事に集中できるようになりました。電話のはずみで今しようとしたことを忘れたり、忙しい時にイライラすることもなくなりました。

現場監督 吉松様
飯田さんは入社間もないのですね。どんな効果を感じますか?

飯田 : やはり電話が少なくなることに価値を感じます。私は転職入社なのですが、以前勤めていた住宅の検査会社では、現場監督に電話連絡をしても監督はいつも通話中でした。

着信履歴が残るので、折り返しをくれると思いきや、監督の着信は日に100件ぐらいあるので、30件だけ残る着信履歴から消えて、折り返し電話も入らない状況でした。

そうしている間に伝えたかったことが何だったか分からなくなることもありました。チャットワークで電話の苦労がなくなるのはとてもうれしいです。

建築士 飯田様
他にはどんな効果がありましたか?

田尻 : 仕事内容を正確に把握できることです。依頼内容・責任の所在・自分が伝えた内容・依頼された内容・納期・締め切りがはっきりします。

納期に合わせて仕事に優先順位をつけられるようになりましたし、伝達ミスはほぼ「ゼロ」になり、それ以外のミスも50%以下になりました。また、伝わらなかったことで起こる不測の事態をカバーする仕事もなくなりました。

プロジェクト進行においても、関係者全員がひとつのグループチャットに入って必要なやり取りができるため、社長の私が見ている状態でありながら、各パートの担当者同士がどんどん仕事を進めることができます。おかげで私は特に気になることだけアドバイスをすれば良くなりました。

情報共有効果があるということでしょうか?

田尻 : はい。現場に出ているスタッフと内勤スタッフは時間は共有できませんが、チャットワークで情報を共有できるようになりました。ひとつのグループチャットを全員が見ることで情報が可視化されるので、仕事の流れが担当者ではなくても分かるようになりました。

飯田さんは情報共有ができることで学びがあったり、メリットを感じることはありますか?

飯田 : チャットのやり取りを見ているだけで、「こういう場合はこう答えればいいのだな」と分かります。

連絡網という認識で見ているので、そこから勉強しようとは思っていませんでしたが、仕事の一連の流れを見るだけで把握できますし、「職人さんはこう考えているのだな」など仕事相手の事情を把握できるようになりました。

吉松さんはいかがですか?

吉松 : 自分が直接関係ない情報も見えているので、仲間を自然にフォローできるし、フォローしてもらえるようになりました。スタッフの仕事量のバランスが取れるようになったと思います。

取引会社も楽になり、発注漏れによる時間のロスも撲滅

「取引会社」とチャットワークで業務連絡をおこなうことでどんな効果がありましたか?

田尻 : 頻繁に連絡をとりあう大工さんにはiPadを支給しました。iPhoneは大工さんが扱うのに少し小さいんですよ。だからiPadです。相談したい個所を写真で撮り、それを見ながら相談できますし、むやみに電話がかからないため作業に集中できるようです。

また、一番の取引先である建材屋さんとのグループチャットは、発注に関するミスを撲滅でき、特にメリットを感じています。建材屋さんは電話の回数が極めて多く、こちらがかけても通話中で用件を伝えられないという悩みがありました。

また彼らは車で移動が多いので、電話のたびに車をとめて注文のメモを取るそうで、この方法で連絡していると、一定量の伝達ミスが起こっていました。現場に材料が届かず、大工さんが来ても何もできないといった時間は、本当にもったいない。この大きな問題を解決できました。

今では建材屋さんも楽になり、「電話がなくてさびしい」と冗談が飛び出すほどです。水道屋さん・電気屋さん・司法書士さん・税理士さん・外構屋さんとも同じメリットを感じています。

成功の秘訣は、仕事の口頭依頼禁止などの「利用ルール」にあり

チャットワークを導入する際、困ったことはありましたか?

田尻 : 「タスク機能」を使って仕事を依頼する時に、仕事の期限をどう決めるかで悩みました。タスクは「完了ボタン」を押せば、仕事が終わったことがわかりますが、「期日を納期ギリギリに設定」すると、本当に仕事を終えていないといけないその日まで、着手したかどうかも分からないからです。

「納期に合わせたタスクはまずい」ので、解決策として「8月15日までにA様邸の図面をひくスケジュールを立ててください」という依頼のやり方を考えました。この方法なら、「図面スケジュールを立てること」がタスクなので、タスクが完了された時には、本当の納期までに図面を引くというスケジュールが部下に伝わったと分かります。

導入時に、作業効率アップと連絡忘れ防止のためにルールを作成した。
導入する時に、コツがあれば教えてください。

田尻 : 運用ルールを決めることですね。うちの場合は、仕事を口頭や付箋で依頼することを禁止しました。これで口頭連絡によるミス防止と、集中して仕事に取組める環境を手に入れました。

「IT化は金なり」工事部門のある工務店には神様のツール

チャットワークの導入を考えている工務店さんに一言お願いします。

田尻 : 自社に工事部門がある工務店は、特に導入するメリットがあると思います。

「時は金なり」と言いますが、「IT化も金なり」です。チャットワークを使うことで、業務効率化でき、それによるコスト削減も期待できます。精神的にも労働時間的にもめちゃくちゃ楽になります。ミスとそのフォローも激減します。チャットワークは工務店にとって「神様のツール」です。