弁護士業界は、訴訟などスポットでの依頼が中心で「顧問サービス」の提供には関心が低い

中西弁護士が「企業との顧問契約」に力を入れるようになったきっかけを教えてください。

中西 : 多くの企業法務に携わるなかで、「トラブル発生後に裁判で時間と費用をかけて争うよりも、トラブルを未然に防ぐほうがはるかに依頼者のためになる」と考えるようになりました。実際、弁護士事務所にご相談にいらっしゃる方の多くは、トラブル発生後にご自身では処理できなくなり、お尻に火がついて、火だるまの状態で駆けこまれます。 「早めにご相談していただければ、いくらでも防げたのに...」ということがほとんどです。できれば、火が小さいうちに、弁護士にご相談に来てもらいたい!

そのためには 「トラブルが発生する前に気軽に相談できる環境」が必要です。それには「弁護士顧問」を活用していただくことが重要だと考えました。

尼崎にあるスタッフ8名の弁護士事務所。代表の中西弁護士は企業法務の経験が豊富。
もともと顧問契約には積極的ではなかったのですね。

中西 : はい。一般的に、 弁護士は裁判業務が中心でスポットでの依頼を受任することが多く、顧問契約にはまだ関心が低いです。顧問先企業のない弁護士もいますし、20社以上の顧問先企業を抱えている弁護士は業界全体では少数です。

また、 企業側にとっても「弁護士顧問」は、まだ一般的ではありません。「うちでは、トラブルはそんなにない。」と考えており、熱心に顧問弁護士を探されていないのが現状です。

「弁護士顧問」を始める時、どのような課題がありましたか?

顧問契約の最大の課題は、お客様が「弁護士に気軽に相談できない、弁護士が忙しくて連絡がとれない」こと

中西 : 以前より、弁護士に、 ちょっとした日ごろのご相談を『気軽に』『スピーディーに』できる環境が必要と考えていました。通常、お客様にとって弁護士は「気軽に相談できない、声をかけにくい」存在です。相談したいと思っても「こんなこと聞いていいのかな?」と聞く時にハードルを感じて躊躇されます。また、 経営者にとって、判断のスピードは命です。すぐ聞ける、気軽に聞けることが必須。この解決に、チャットワークが使えると思いました。

コンサルを受ける立場でチャットワークを利用。「便利さ」から自社サービスに応用

チャットワークが弁護士顧問サービスに使えると思った理由を教えてください。

中西 : 私がチャットワークを使い始めたきっかけは、あるコンサルティングを受けたときでした。コンサルタントに「チャットワークを入れてください。」と言われ、「メールではダメなの?」と思いながらも使ってみました。すると、「何これ!便利!このサービスいい!」と驚きました。その後は、チャットワークを使って昼夜を問わずコンサルタントとやり取りをしました。

実は、 私はITには苦手意識があります。最近まで、スマートフォンも電話機能しか使っていないほどだったのですが、 チャットワークは「顧客の立場」で簡単に利用できました。「これなら自分のクライアントにも喜ばれるはず!」と感じ、数社の顧問先に導入をお願いしました。

結果、チャットワークは顧問先にとても好評でした。

それまでは、顧問契約をしていても毎月ご相談があるわけではなく、どう顧問サービスの良さをお伝えしようかと悩んでいましたが、今では相談件数が一気に増えて 顧問契約が「活用されるサービス」になりました。現在は、顧問先は、不動産、医療・介護、製薬、美容外科、製造、飲食、建設、ITなど、幅広い業界におよび、 20社以上と契約しています。 すべてチャットワークを導入する前提でご利用していただいています。

顧問契約を結ぶ時はチャットワークの説明書を渡し、利用を前提に顧問契約をすすめている。

顧問先では「弁護士が捕まらない問題」の解消など、効果絶大!

「弁護士顧問サービス」におけるチャットワークの効果を詳しく教えてください。

顧問先との「遠慮し合いながら」のコミュニケーションが活発に

中西 : ある顧問先の不動産会社さんのお話です。その不動産会社さんは、任意売却を専門に扱っていらっしゃって、お客様の破産や離婚などの法律相談で一緒によく事務所に来られていました。しかし、面談をしたものの案件にならないことも多く、「お忙しいのに時間をとって頂いて申し訳ない。」と遠慮されて、 あまり顧問契約が利用されていませんでした。

そんな時にチャットワークを導入しました。すると、いつでも気軽にご相談をいただけるようになり、 事務所にお越しいただく前に内容の精査と的確な提案ができ、お互いにとって無駄な面談をすることもなくなりました。このチャットワークによる事前相談の使い勝手がよかったのか、そこからはとても紹介が増え、多くの案件が発生しています。

担当窓口との「伝言相談」から社員すべてが相談できる環境へ

中西 : 一般的には、顧問先からの相談は社長や担当窓口の方から来ることが多いです。会社によっては「社長しか弁護士には相談してはいけないのでは?」という雰囲気すらあります。この場合、窓口の人が代表で弁護士に相談し、内容を社内に報告するという手間が発生します。一方、チャットワークでは、社長・社員・弁護士がひとつのグループチャットに入ってやり取りします。グループチャットの中の発言は社長や上司も見ていて、 常に情報共有されている状態なので窓口の方の報告の手間も減りました。

また、グループチャットは気軽に相談できる場として捉えられるようになり、 困っている方は役職に関係なく直接弁護士に相談ができるようになりました。現場で働く方ともモバイルでやり取りができるのでスムーズに相談ができるようになりました。

また、社員のかたのやり取りを社長がみることができます。記録に残ることが大きいですね。

顧客の最大の不満、「弁護士が捕まらない問題」が解消

中西 : 顧問弁護士に対する一番の不満は「弁護士がつかまらない」ことです。弁護士は、裁判を一日数件抱え、10時~17時までは各裁判所をめぐって外出していることが多く、その間に事務所で受けた連絡への折り返しは夕方以降になってしまうことがあります。この問題もチャットワークで解消できました。 チャットワークはモバイルデバイスで外出先でも確認できますし、ファイルも閲覧できるので、ご質問に対する回答を隙間時間に送れるようになったからです。結果、 弁護士が格段につかまりやすくなり、お客様に対するサービス力も向上しました。

紛争を未然に防ぐような仕事が可能に!

中西 : サービスを活用しやすくすることで、トラブルを未然に防ぐことが可能になりました。たとえば、顧問先から問題社員に関するご相談を受けたケースで、社長さんは、「社員を早く解雇したい!」という考えでした。解雇すれば明らかに無効な事案です。事前にご相談いただいたことで、社長さんに、いきなり解雇することのリスクを伝え、「まずは注意・指導から始めましょう!」とお伝えし、具体的な方法をアドバイスしました。これにより、対象の社員さんは最終的に自主退職されました。事前にご相談いただかずに解雇していたら、裁判になって大きな時間と費用をロスしていたことでしょう。このように、チャットワークの活用ですぐ気軽に相談をしていただけ、より 紛争を未然に防ぐ仕事ができるようになりました。

顧問先から「問題社員に関する相談」を受けているグループチャット。

契約書の作成・交渉のバックアップなど攻めの仕事ができる

中西 : また、チャットワークをはじめると、顧問先と頻繁に連絡をとって日常的に接し、 日ごろの不安や悩みをご相談いただくので、顧問先の会社の状況がよく分かるようになりました。事業内容やよくある困りごと、今後やりたいことが分かるので、契約書などを作る際は会社の個々の事情を十分考慮してオーダーメイドのより良い契約書を用意することができます。契約書を納品する時には、その後の相手方との交渉のポイントをアドバイスすることも可能です。このように、 ビジネス拡大のお手伝いができるようになりました。これは顧問サービスの利用価値を高めるもので大変うれしいです。

「操作が簡単」・「スマートフォンOK」だから、ITが苦手・PCがない場合も使える

多くの効果が出ていますが、導入にあたっての障壁はありませんでしたか?

ITが苦手なお客様への導入は、設定を手伝うことで解決

中西 : あえて挙げるなら、 高齢の方やほとんどネットを使っていない方に導入していただく時です。この場合、 最初の設定をお手伝いし、使い方を説明しています。するとちゃんと使っていただけるようになります。使いはじめると、ほとんどの場合「こんな便利なものがあるのなら使いますよ!」と言っていただけます。中には「ITが苦手」「PCをほぼ使わない」という方もありますが、「スマートフォンで使えます。」と伝えると「それなら便利だね!」と解決します。 チャットワークは操作が簡単な上、スマートフォンでも使えるので利用のハードルは低いですね。

士業仲間に積極的に「ギブ」を行い、信頼と紹介アップ

顧問契約以外ではチャットワークを利用していますか?

中西 :司法書士や税理士、社労士の方との情報交換や連携に利用しています。チャットワークは顧問契約で使って良かったので、関与先とも良いのではないかと考えてつながりを持つようになりました。

たとえば、交流会で知り合った士業の方とチャットワークでつながり、ご質問にお答えするなど積極的に情報提供などの「ギブ」をしていると、信頼していただきご紹介をいただくことがあります。現在の顧問企業は、これらのつながりから発生したものもあり、顧問先の増加につながっています。

社内では事務員に好評。全員の生産性が上がり、売上もアップ

社内の活用について教えてください。

「これだけ見ておけばOK」のグループチャットを作成

中西 : 弁護士・事務員など、人によって集中すべき仕事が違うので、 自分にとって一番大切な部分だけを見ておけば仕事が回るようにグループチャットを作っています。たとえば、事務員は「電話・受発信」「業務連絡」「書面チェック・提出」「入出金」の4つのグループチャットだけを見ればいいようにしています。 余計な情報を全部そぎ落とす効果は大きく、このやり方は事務員に特に好評です。

たとえば、「お客様からの電話を弁護士に取り次ぐ仕事」は、事務員の重要な仕事ですが、この業務の手間を大幅に削減することができました。事務所には、毎日、裁判所、相手方弁護士、顧客などから、とても多くの電話がかかってくるので、メール連絡ではその都度、Ccに入れる手間などが大変でしたが、 チャットワークでは「電話・受発信」のグループチャットに用件を書き込むだけで完了です。これで事務の仕事がとても楽になり、負担が軽くなりました。

事務員は「電話の取り次ぎ」が格段に楽になりとても喜んでいる。また、浮いた時間で高度な仕事に取り組めるようになった。
電話連絡などを同僚に取り次ぐためのグループチャット。電話連絡の手間が激減し、浮いた時間で高度な業務に取り組めるようになった。

作業効率が上がり、 高度な業務に取り組む時間も

中西 : 「タスク機能」で指示を出せるようになり、聞いた指示を忘れてしまうなどのミスはなくなりました。急いでいない用件は社内でもチャットで済ませることで、お互い時間を合わせて話し合わなくて済むので 集中できる時間が増えました。このおかげで、「弁護士の補助」などの より高度な業務に取り組んでもらえるようになりました。

中西弁護士の時間が増え、より経営に取り組めるように

中西 : 私自身は、 他の弁護士に仕事の割り振りなど指示しやすくなりましたし、安心して外出できるようになりました。 経営に専念し、新規顧客の開拓に時間もかけられるので、顧問先が増えて売上も上がりました。顧問契約件数を積み上げていけば、固定収入になりますので事務所の経営が安定します。経営に専念できるようになったことは大きな成果です。

弁護士市場のパイを「自ら広げることができる」ツール

最後にメッセージをお願いします。

中西 : チャットワークはお客様との距離を縮めてくれる、 スピーディーな対応を可能にしてくれる便利なツールです。

チャットワークがあれば、 弁護士はもっと多様な働き方ができるようになります。弁護士の数も増えている中で、今までの働き方にとらわれているとパイの取り合いになります。一方、チャットワークを使えば、「自分でパイを広げる」ことができます。業務効率を飛躍的に上げ、新規分野を開拓し、新しいサービスメニューを作ることができるからです。「トラブル処理」だけではなく「トラブル前の関与」もターゲットにできるようになります。現段階では法人のお客様が主なターゲットですが、今後は個人のお客様にも導入していきたいと思います。

お客様がトラブルに巻き込まれないようにすることが、私たち顧問弁護士の仕事であり、そのためにも『気軽に』『スピーディーに』相談できる顧問サービスを用意することが使命だと常々思っています。

「弁護士顧問」は、これからクラウドシステムであるチャットワークを活用することが当たり前になるでしょう。 チャットワークを活用してパイを広げ、より幅広い分野でお客様に充実したサービスを提供していきましょう!

「弁護士顧問市場は成長余地が大きい。IT活用がサービス力の向上になる。」と中西弁護士は語る。