専門分野を越えた教育・研究グループを産み出すプロ組織「学際融合教育研究推進センター」

京都大学 学際融合教育研究推進センターについて教えてください。

宮野 : ユニットと呼ばれる学際融合教育研究推進センターが認定した組織が外部資金を得るなどの成果を上げると、その資金の一部をセンターが受け取り、さらなる別のグループやプロジェクトに投資して次なる"ユニット化"を促します。このようなサイクルを回すことで、京都大学において分野横断的な教育や研究が促進させる!これがセンターの運営モデルです。

その他、「他分野の研究者の意見を聞いて自分の研究に活かしたい!」という教員に対して、その望みの教員を紹介してお見合いさせる「共同研究相手相談所」サービスや、さまざまな領域の専門家を集めて"教育"や"研究"について議論し、何かしらの行動をする「学融合フェロー」の制度運営とコミュニティづくりも行なっています。センターは、教員2名・職員7名の少数精鋭で構成されています。

京都大学には、専門分野を越えた教育・研究グループを産み出す専門組織「学際融合研究推進センター」がある。ここにチャットワークが導入された。写真は学融合フェロー会議の様子。写真一番奥は松本総長。
チャットワークはいつ・どのような目的で導入したのでしょうか?

宮野 : チャットワークは2011年4月に私が個人単位で導入し、今では、センターでの教員と職員との情報疎通や、私個人が行なっていた企業との共同研究やプロジェクト運営に活用しています。導入目的は、「メール」というツールの不都合さから脱却することでした。メールは件名を入力する必要がありますし、その件名の8割は意味のない情報と言われています。それをわざわざ打ち込まないと送信できないのは面倒極まりない。

また、本文を書く際には得てして長文になってしまい、「お世話になっております。」といったお決まりのフレーズも入れないといけないなど、形式的なことにとらわれてしまいがちです。そう考えていた時、チャットワークを知人に紹介され、利用し始めました。

さまざまな領域の専門家を集めて"教育"や"研究"について議論し行動する「学融合フェロー制度」の運営に活用

センターでは、どのような用途にチャットワークを活用していますか?

宮野 : 先にお伝えした、さまざまな領域の専門家を集めて"教育"や"研究"について議論しその実践のために行動する「学融合フェロー」とのやり取りで活用しています。具体的には、毎月一度「フェロー会議」を開催するのですが、そこで議論したりないことを、チャットワークを使ってバーチャルでも議論しているのです。

特に、「今後、議論をどのように進めていったらいいか?」といった方針についてもざっくばらんに意見交換するのにチャットワークは適していますね。

企業との共同プロジェクトを進めるためのツールとして活用

研究面ではどのように活用をしているのですか?

宮野 : 企業との共同プロジェクトで活用し成果を上げました。某電機メーカーとのプロジェクトで、イノベーティブな商品を開発できる人材育成を目的として約半年間やり取りしていました。そのメーカーの開発部門の有志社員が約12名参加しており、「家電ネット班」・「バーチャル班」・「機能デザイン班」の3チームに分け、私を含む京都大学の教員2名がそれぞれに課題を出す形で人材育成をおこないました。

チャットワークは、チーム内での議論・タスク管理・ファイルの授受に活用しました。特にTV会議システムを使ったディスカッションの際には、参考資料のURLを送り合ったりするなど、"バーチャルなホワイトボード"として活用しました。それに、会議後にも他のグループの議論も閲覧することができますし、お互いのグループが刺激し合うという思いがけない効果もありました。

その企業とのプロジェクトでチャットワークを使うことになんらかの抵抗はありませんでしたか?

宮野 : 最初、企業の人たちには抵抗があったようです。「チャット」というサイトの見た目が、仕事をしているように見えなかったからです。でも、上司に「仕事のためのツール」と認識してもらうことで解決しました。また、セキュリティ面でも心配されましたが、その企業のシステム部に確認をおこない導入許可がおりました。最初は戸惑いながらの導入だったものの、共同プロジェクトが終わった今も、彼らはチャットワークを自主的に活用しているようです。

学内で最も教員と職員とがスムーズな情報交換をおこなう組織に変革

「学際融合教育研究推進センター」組織運営での活用法と成果を教えてください。

宮野 : 学際融合研究推進センターの教員と職員間の日常的な連絡手段として使っています。チャットワークを活用することで、センターは学内で最も教員と職員との情報交換がスムーズな組織に変革したと思います。その結果、感覚的ですが、センターでのメールでのやり取り量も半分に減りました。このような教員と職員間の情報のやり取りは、大学の中では重要な課題となっていることなのです。

大学では通常、教員と職員の組織体は明確に分かれており、「教職共同」で何かをおこなうとそれだけで"成果"として取りあげられる場合がある程です。これは、教員が狩猟民族的であり、職員は農耕民族的であることに起因しています。

たとえば、狩猟民族である教員は数億規模の大型予算の研究プロジェクトを獲得すると大喜びですが、農耕民族である職員にとっては、獲得した喜びもさることながら、年度計画にない想定外の億単位の資金処理をしなければならず、余分にハードな仕事が増えることになるのです。これが続くと、事前計画が台無しですよね。こういったことで教員と職員間には"ゆるい対立構造"が生じてしますが、これは日ごろからの意思疎通で充分解決できることなのです。

そしてまさに、チャットワークがこの問題を解決し、センターの教員と職員を見事につなげてくれました。明らかに教員と職員の壁を薄くしたと心から思います。組織運営とは、"ちょっとしたお願い"の積み重ねと言えます。チャットワークはその「ちょっと」を気軽に聞けるんです。メールでも電話でも聞きづらい「ほんのちょっとたずねたいこと」を補完的に補うツールとしてベストだと思います。

写真は、去年開催した「融合・連携の本質」をテーマとしたシンポジウムにおけるパネルディスカッションの様子。
ちょっと確認したいことを、お互い楽に聞くことができた実例

学際融合研究推進センターの業務がチャットワークによって活性化した案件

  • 学内向けのメールマガジン発行についてのコンセプトづくりから実施計画まで
  • 「共同研究相談所」についてのブレスト

このように、チャットワークは導入は教員と職員の壁をなくす・センターの業務をスピーディするかつクリエイティブさせるといった効果を上げています。

学内のコミュニケーション促進に期待

研究面ではどのように活用をしているのですか?

宮野 : 今回は私が所属する学際融合教育研究推進センターでの導入事例でしたが、ここで一定の成果が上がりましたので、今後、もっと学内での他組織に積極的に進めてみたいと考えています。最近は、講義出席管理や学生のレポート管理もWeb上でおこないますし、そのような大学のポータル的Webサービスにチャットワークが連携すれば素晴らしく学内でのコミュニケーションが進むと思います。大いに期待しています。