IPメッセンジャーやメーリングリストからの脱却がきっかけ

チャットツールを使おうと思ったきっかけを教えてください。

中野:当時、社内のコミュニケーションツールとして、IPメッセンジャーとメーリングリストを駆使して業務をおこなっていました。ただ、それにはひとつ問題がありました。当時、コールセンターを内製していたのですが、そこでIP電話を使っていたこともあり、IPメッセンジャーで大容量のファイルを送ったりするとコールセンターのIP電話が圧迫されるなどの影響があったのです。

逆にIP電話の影響から、IPメッセンジャーでメッセージが届かなかったり、ファイルが送れなかったりといった問題もありました。こうした事態に対処するための工数を削減したかったのが1番の理由です。

メーリングリストも検討しましたが、やはり抜け漏れがありますし、誰に宛てたメールなのかがわかりにくいですよね。タイトルを「【中野】○○お願いします」のように工夫して、誰から誰に宛てたメールなのかをはっきりさせるなどの運用ルールが必要でした。

それに、メールは社内だけでなく社外からも届くので量が膨大です。社内の依頼事項などはメールではなく、別のツールで切り分けたかったのです。

ITが苦手な社員でも抵抗のないUIがポイントに

チャットワークを選んだポイントを教えてください。

中野:他のチャットツールも比較検討しましたが、社内にサービスが浸透するイメージができたのがチャットワークでした。

全社で導入するため、営業部門でも顧客サポート部門でも技術部門でも使えるサービスでなければなりません。チャットワークはUIが洗練されており、タスク機能やAPI連携も利用できることが決め手になりましたね。

技術部門からは他のチャットツールを使いたいという希望も出たのですが、そちらは英語メインのUIだったこともあり、全社的な導入は難しいです。部門ごとにわけることも考えましたが、コストを考えると現実的ではありませんでした。

機能面に関しては、チャットワークはAPI連携でさまざまなことができますから、技術部門がやりたいことも実現できると説明し、納得してもらいました。

実際、運用してみて反響はいかがでしたか。

中野:悪くなかったですよ。人によってはメッセンジャーもそうですが、リアルのコミュニケーションが発生しにくくなるんじゃないかと嫌がります。ですが、グループチャットなら逆にコミュニケーションを見える化できますから。

同社のテクニカルチームでは、各社員がAPIを駆使して自分専用の便利ツールを開発しているとのこと。

まず経営陣が使うことで、ログイン率を高めていった

導入時に気をつけたことなどはありますか。

中野:最初は経営陣が自ら積極的に使うようにしました。社内の制度規定などを閲覧専用のグループチャットに書き込むようにして、困ったら社員がそこを見るように誘導したのです。こうするとログイン率が高まっていき、次第にコミュニケーションもとるようになっていきましたね。

使う状況さえ作ることができれば、後はチャットワークの便利さに気づいて勝手に浸透していってくれます。

API連携を駆使してサービスの状況や障害などを報告

チャットワークの使い方について教えてください。

中野:弊社はシステム開発、サービス提供会社なので、APIを駆使して業務効率化しています。たとえばGoogle Analyticsのレポートもチャットワークで取得するようにしています。

具体的にはGoogle Appスクリプトと連携し、取得したデータの一部をレポートとしてチャットワークに飛ばすようにしています。運用しているサービスのセッション数や直帰率などがグループチャットに定期的に報告されるのです。

なぜそういうことをするのかというと、サービスの運用をしている部署の社員以外にもWebの数字に興味を持ってほしいからです。自分からGoogle Analyticsを見に行くのはハードルが高いのですが、普段使っているチャットワークに飛んでくると、見てくれる率がグッと上がるのです。

グループチャットに未読の数字が出ていると、何となく気になって見てしまいますよね。

中野:まさにそうした「横目で見られる状況」が大切なのです。

それから、弊社ではBacklogなどを使い、業務をチケット管理しているのですが、そのチケット状況をクローリングしてチャットワークに投げています。業務の状況確認が一元化できると、マネージャーも各ツールをいちいち見に行かなくてよくなるので効率がよくなりましたね。

サービスの監視もチャットワークとAPI連携しています。弊社ではZabbixというツールを使ってサービスの監視をおこなっており、障害レベルに応じて通知が飛ぶようになっています。急いで対応する必要があるレベルの障害が起きたら、チャットワークでお知らせしてくれるのです。また、お客様からのメールも、緊急性の高いものは自動的にチャットワークに流れてくるようにしています。

なぜチャットワークに投げるかというと、業務中はずっと開いており、1番ログイン率が高いツールだからです。

チャットワークだけ見ていればいいわけですね。

botを活用してチーム内の発言をチェックし、マネジメントに役立てた

中野:面白いところだと掃除当番表もチャットワーク連携で通知しています。Rubyでコードを書いて、掃除当番表をランダマイズして飛ばしています。テクニカルチームは皆、自分専用のAPI連携をどんどん作って自動化していますよ。

サービスの監視と掃除当番表の管理をひとつのツールでおこなっているというのがユニークです。

中野:チャットワークは、チームビルディングにも役立っています。チームを組んだばかりのころ、スクリプトを組んで、悲観的な表現がチャットで多発していないか、コミュニケーションの薄い人はいないかなど、APIを駆使してチェックしていました。

私自身がチャットに張り付いているわけにはいかないので、私のアカウントを使って発言する対話式のbotを作ったのです。このbotが私の普段の雰囲気を真似して発言し、それに対するメンバーの返答を分析して、悲観的な言葉やマイナスの印象の言葉があれば報告がくるようにしていました。

このbot、2014年にはさりげなく社内に入り込んでいたのですが、誰もbotだと気づきませんでしたね(笑)。

対話を分析するだけでなく、対話そのものも自動化していたのですね。

中野:マネージャーの仕事はさりげなくチームの状況を見て、聞いて、気にかけることです。しかし、ずっとやっている時間もない。それなら、チームのコミュニケーションツールであるチャットワークを分析すればいいというわけです。

オフショアメンバーともチャットワークで対話

テモナでは海外のオフショアメンバーともチャットワークでやり取りしているそうですね。

中野:はい、ベトナムの開発メンバーともチャットワークでやり取りしています。外国籍メンバーでもわかるように、アカウントの名前にローマ字を添えたり、アイコンは本人の写真を使うなどのルールを設けています。

チャットワーク内での会話は日本語、英語、ベトナム語が入り乱れています。どれかに統一すると話せない人の負担になり、業務に影響が出ます。それなら言語は自由に使っていいことにして、わからない部分は翻訳した方がいいと思いますね。

タスクをチャット上で管理することで作業漏れを防ぐ

チャットワークを使ってみて、よかった点を教えてください。

中野:今までに話したこと以外ですと、タスクをチャット上で管理できること。簡単な作業依頼はここで完結できますし、作業漏れを防ぐこともできます。

皆、想定以上に自己タスク管理ツールとして使いこなしていますし、私としてもAPIはこんなに使いこなせるとは思っていませんでした。

最後に、これからチャットワークを検討する企業へメッセージをお願いします。

中野:社内で使うツールは、IT職か非IT職かで分かれることが多いのですが、チャットワークでしたら幅広く対応できます。APIを使い倒すことで驚くほどいろいろなことができるので、ぜひ試してみていただきたいですね。