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導入事例

 様に導入

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JXTGホールディングス株式会社

 様に導入

厳しい状況下にこそ求められる「攻めの IT」。マイクロソフトのクラウド サービスで定常運用とセキュリティ対策を高度化、効率化することで、ビジネス スピードを高める

写真:JXTGホールディングス株式会社

JXTGホールディングス株式会社

2014 年末に端を発した「逆オイル ショック」とも言われる原油価格の低迷によって、石油業界は今、世界規模の構造変革に迫られています。経営統合も相次ぐ中、日々変化する市場ニーズに応じることのできるビジネス スピードを獲得できるかどうかが、今後の企業経営を大きく左右すると言えるでしょう。

業界にとって逆風とも言える状況ながら、個々の企業には、ビジネス モデルの改革を進めて競合他社と大きな差別化を果たすチャンスにもなります。時勢を踏まえ、「挑戦」「変革」という理念のもと積極的な IT 投資を進めているのが、JXTGホールディングス株式会社です。

同グループは 2015 年よりマイクロソフトが提供する Office 365 の利用を開始。従来オンプレミスでの運用に要していた定常運用の工数、コストを大幅に削減し、そこで捻出した予算、リソースを「攻めの IT」に割り当てることで、新たな市場価値を生み出す取り組みを加速してきました。さらに 2017 年には、セキュリティの高度化と運用の簡素化も目指し、Windows 10 Enterprise と Office 365、Enterprise Mobility + Security (EMS) をパッケージ化したマイクロソフトの統合ライセンス サービス「Microsoft 365 Enterprise」を採用。マイクロソフトのクラウド テクノロジーを積極的に活用することで、ビジネス スピードを高めています。

<導入の背景とねらい>
厳しい状況下だからこそ、「攻めの IT」を推進しなければならない。そのためのリソース、予算を確保すべく、IT 運用の効率化と最適化に取り組む

2017 年 4 月に JXホールディングスと東燃ゼネラル石油が経営統合して誕生した JXTGホールディングス株式会社 (以下、JXTGグループ) は、エネルギー事業、石油・天然ガス開発事業、金属事業を 3 本柱とした事業展開によって、世界でも有数の売上規模を誇っています。業界内で高いプレゼンスを堅持する同グループは、現在、市場の変化に追従し続けるべく、「グローバル スタンダード化」、そして「先端 IT の活用」に取り組んでいます。

写真:JXTGホールディングス株式会社 IT戦略部長 下屋敷 武 氏

JXTGホールディングス株式会社
IT戦略部長
下屋敷 武 氏

JXTGホールディングス株式会社 IT戦略部長 下屋敷 武 氏は、業界が厳しい状況にある今だからこそ、IT への積極的な投資が必要となっていると語ります。

「従来、当社グループでは各事業部門が業務に合わせてシステムや機能を個別に設計し、構築してきました。しかしこの方法では、定期開発やバッチ処理といったプロセスで余計な時間を要するため、市場の変化に追従していくうえでどうしても IT がボトルネックになってしまいます。これを解消すべく、当社グループでは現在、IT 環境を世界基準の製品に統合して標準化するグローバル スタンダード化を推進しており、同時に AI や IoT といった最先端の技術がもつ可能性についても研究を重ねています。グローバル スタンダード化によってビジネスの『スピード』を確保し、そのスピードと先端 IT を組み合わせることでビジネスの『価値』を生み出していく。こうした取り組みは、業界の構造が変化しつつある今こそ、積極的に推し進める必要があると考えています」(下屋敷 氏)。

JXTGグループでは現在、3 年以内でのサービス インを目指して、新たな ERP の導入プロジェクトが進められています。基幹系システムの刷新や先端 IT の活用は、一般的に、経営戦略や事業戦略に基づいた「攻めの IT」と表現されますが、当然ながらそこには膨大な予算とリソースが必要となります。攻めの IT を進めていくうえでは、日々の IT 運用を効率化、最適化して先の予算とリソースを捻出することがまず求められるのです。

写真:JXアイティソリューション株式会社 執行役員 システム基盤部長 松本 隆二 氏

JXアイティソリューション株式会社
執行役員
システム基盤部長
松本 隆二 氏

JXTG グループではこうした考えに基づき、かねてより、IT 環境の最適化や業務効率化に取り組んできました。JXアイティソリューション株式会社 執行役員 システム基盤部長 松本 隆二 氏は、2015 年に同グループが取り組んだ Office 365 への移行を例に、この点を説明します。

「本社ビルを現在の場所へ移転した 2015 年に、定常運用の削減と日々の業務の変革を目指して、IT 基盤を大幅に見直しました。同タイミングでクラウドの積極的な活用も開始し、コミュニケーション基盤を Exchange Server から Office 365 へと移行しています。16,000 人もの従業員が環境を利用する背景から、当時、Exchange Server の定常運用には相当な工数を要していました。これを Office 365 によってクラウド化したことで、ハードウェアの管理負荷の削減や、容量管理の柔軟化、スケーラビリティの確保など、リソース、コスト、ビジネスの俊敏性といった側面で大きなメリットを生み出しています。Office 365 自体がデファクト スタンダードな製品であるため、この取り組みでグローバル スタンダード化を推進できたこともポイントだと言えるでしょう」(松本 氏)。

<システム概要と導入の経緯>
増加の一途をたどるセキュリティの管理負荷。セキュリティ水準を高めつつ工数負荷を軽減するために、Microsoft 365 Enterprise による多層防御のしくみを構築

コストとリソースを確保することで攻めの IT を進めてきた JXTGグループ。しかし、下屋敷 氏は「高いスピード感で攻めの IT を進めていくには、セキュリティ対策を最適化する必要があった」と、そこに存在していた課題を挙げます。

セキュリティに対する社会的責任が高まる昨今、たった 1 度のインシデントの発生が、企業の信頼を崩して経営を揺るがす問題となります。しかし、標的型攻撃やランサムウェア、ゼロ デイ攻撃など、脅威が複雑化する中、高水準なセキュリティを確保することもまた、大きな投資とリソースが必要となります。

写真:JXアイティソリューション株式会社 統括部 共通サービス統括グループマネージャー兼 技術研究グループマネージャー 磯 直行 氏

JXアイティソリューション株式会社
統括部
共通サービス統括グループマネージャー兼
技術研究グループマネージャー
磯 直行 氏

JXアイティソリューション株式会社 統括部 共通サービス統括グループマネージャー兼 技術研究グループマネージャー 磯 直行 氏は、セキュリティ リスクの最小化と攻めの IT を両立するには、いかにして効率的にセキュリティ対策を行うかが求められたと語ります。

「JXTGグループではサーバーやクライアント端末だけでなく、たとえば Windows Server が備える『Rights Management Services (RMS)』でドキュメントの保護を行うなど、多層的にセキュリティ対策を講じてきました。しかし、セキュリティには『ここまでやれば大丈夫』というゴールが存在しません。脅威は依然として複雑化しているため、セキュリティに要するコストや工数負荷は、今後も増加の一途をたどるでしょう。攻めの IT に高いスピード感で取り組むには、定常運用だけでなくセキュリティについても、限りある予算、リソースの中で担保することが求められたのです」 (磯 氏)。

セキュリティ リスクの最小化と攻めの IT を両立するには、高性能な機能をもち、なおかつコスト、工数の負荷を抑えて利用可能なセキュリティ ソリューションを選定する必要があります。この要件を満たすソリューションとして同グループが注目したのが、マイクロソフトの提供する「Microsoft 365 Enterprise」です。

Microsoft 365 Enterprise は、Windows 10 Enterprise と Office 365、モバイル セキュリティ スイート製品である Enterprise Mobility + Security をパッケージ化した、マイクロソフトの統合ライセンス サービスです。これを利用することで、企業は OS とデバイス、情報系アプリケーションのすべてを、単一のユーザー アカウントによって統合的に管理することが可能となります。

写真:JXTGホールディングス株式会社 IT戦略部 ITインフラグループ 松井 善輝 氏

JXTGホールディングス株式会社
IT戦略部
ITインフラグループ
松井 善輝 氏

写真:JXアイティソリューション株式会社 統括部 共通サービス統括グループ 石川 麗子 氏

JXアイティソリューション株式会社
統括部
共通サービス統括グループ
石川 麗子 氏

JXTGホールディングス株式会社 IT戦略部 ITインフラグループ 松井 善輝 氏は、Microsoft 365 Enterprise に注目した理由について次のように説明します。

「セキュリティ水準を下げるという選択肢はないため、コスト、リソースを削減するには管理業務を簡素化する、もしくは複数にまたがったシステムを統合する、という方向しかないと考えていました。OS、デバイス、アプリケーションのセキュリティを統合的に提供するという Microsoft 365 Enterprise の優位性は、まさにこの考えと合致していました。2018 年に控えていた標準 PC の Windows 10 移行を検討した際に Microsoft 365 Enterprise について知ったのですが、Windows 10 単体でみても、認証情報を保護する『Credential Guard』や、生体認証機能できる『Windows Hello for Business』など、サード パーティ製品を必要とする機能を統合できる点に魅力を感じていました。この (統合する) 領域を EMS などによってさらに拡大できることが、管理工数の削減につながると期待したのです」(松井 氏)。

Microsoft 365 Enterprise E3 で統合化が期待できたセキュリティ機能 (一部)
Windows 10 E3 EMS E3
機能 概要 機能 概要
Windows Hello 生体認証 Azure Active Directory Premium ID およびアクセス管理
Credential Guard 認証情報の保護 Microsoft Intune モバイル デバイス マネジメント (MDM)
Device Guard 実行アプリケーションの制御 Azure Information Protection ドキュメント保護
Windows Defender アンチウイルス Advanced Threat Analytics 脅威の検知

Microsoft 365 Enterprise は管理の簡素化、工数削減だけでなく、セキュリティ水準の向上、コスト削減という側面でも高い効果が期待できたと、JXアイティソリューション株式会社 統括部 共通サービス統括グループ 石川 麗子 氏は続けます。

「従来オンプレミス環境で利用し、昨年オンラインへの移行を完了させた RMS についても、Microsoft 365 Enterprise によって EMS へ移行、統合することが可能でした。EMS は RMS の機能を発展させた『Azure Information Protection (AIP)』を提供します。単に RMS を EMS 環境へ移行するのではなく、セキュリティ水準を高める形で RMS の機能が統合できると期待しました。Office 365 とオンプレミスの RMS ライセンスを合わせた額とほぼ同等のコストでこれが利用できたため、Microsoft 365 Enterprise 契約のもとで Windows 10 移行を進めることは、メリット以外にないと考えました」(石川 氏)。

<導入の効果>
システム単位でユーザー管理や運用が必要だった環境を統合することで、セキュリティの高度化と運用の簡素化を実現

従来、別の企業として事業運営されてきた JXホールディングスと東燃ゼネラル石油が経営統合することは、管理対象となる従業員が増加することを意味します。Microsoft 365 Enterprise によって、多層防御によるセキュリティ対策を簡素化された管理体制のもとで実現することは、JXTGグループが今後も攻めの IT を継続していくうえで、必然の選択だと言えました。

同グループでは、経営統合を経た 2017 年 5 月より、Microsoft 365 Enterprise の利用を開始しています。Windows 10 は現在検証段階、展開は翌年を予定しており、まだ EMS の機能も一部のみの限定的な利用である状況ながら、既に Microsoft 365 Enterprise の導入には大きな意義を感じていると、下屋敷 氏 は語ります。

「Microsoft 365 Enterprise の優位性は、管理形態がシステム単位ではなくユーザー単位であること、そしてクラウドを主として提供されることにあると考えています。従来はシステムごとに対象ユーザーを管理し、そのシステム自体のセキュリティ対策や運用も行わなければなりませんでした。Microsoft 365 Enterprise 上では全システムのユーザー管理を 1 つのダッシュボードに統合することができ、またシステム自体の運用に配慮する必要もありません。これは、今後 Windows 10 を展開し、また検証作業中の EMS の機能を実装して既存システムの機能を Microsoft 365 Enterprise に置き換えていくことによって、コストと工数の大幅な削減につながるでしょう」(下屋敷 氏)。

写真:Microsoft 365 Enterprise のアカウントのもとで Office 365 を利用する様子

Microsoft 365 Enterprise のアカウントのもとで Office 365 を利用する様子。JXTGグループでは今後、Azure Active Directory Premium (AADP) による SSO 環境の構築や、Microsoft Intune でのデバイス管理など、Microsoft 365 Enterprise が備える各種機能の実装を計画している

JXTGグループでは、標準 PC を Windows 10 搭載機へリプレースする 2018 年以降で、Microsoft 365 Enterprise が備える各種機能の実装も本格化することを計画しています。そこでは、下屋敷 氏が触れた側面だけでなく、現在同グループが進めている働き方改革を推進するうえでも Microsoft 365 Enterprise が大きな効果を果たすことが期待されています。

「JXTGグループでは経営戦略の 1 つとして働き方改革を掲げていますが、そこではモバイル ワークの環境整備が必須となるでしょう。それに向けて、22,000 ユーザーを対象とした Windows 10 搭載機の展開と並行し、従業員向けに配付しているモバイル デバイスで Office 365 を利用するための準備も進めています。Windows 10 が備える優れたセキュリティ、EMS によるモバイル デバイス管理などを活用すれば、モバイル ワークに欠かせないクライアント セキュリティを担保することができるでしょう。今後、働き方改革を推し進めるための業務基盤、セキュリティ基盤としても、Microsoft 365 Enterprise が備える機能を最大限に活用していきたいと考えています」(松本 氏)。

<今後の展望>
周辺システムのクラウド化によって、ビジネス スピードのさらなる向上を目指す

JXTGグループが進めるグローバル スタンダード化、先端 IT の活用といった攻めの IT は、効率的かつ高水準なセキュリティ対策を実現する Microsoft 365 Enterprise を採用したことで、今後いっそうスピードを高めていくでしょう。

磯 氏は、Microsoft 365 Enterprise に続いて、まだオンプレミスにあるシステムのクラウド移行も進めることで、このスピードを高めていきたいと構想を語ります。

「今年 4 月に東燃ゼネラル側の 4,000 名の従業員環境を Exchange Server から Office 365 へ移行した際、クラウドの優位性を改めて実感しました。オンプレミスでの移行と比べると、きわめて短期間で、しかもまったくのノン トラブルのもと進めることができたのです。今後、世の中がクラウド ネイティブになることを確信しました。基幹系システムについては、ミッション クリティカル性の高さからオンプレミスで構築することを考えていますが、周辺システムはクラウドを積極的に採用することで、標準化を進めていきたいと考えています。現在はまだ、グローバル スタンダード化の取り組みは国内のみの展開ですが、近い将来、海外支店の標準化も進めていくでしょう。既に SharePoint Online を利用した海外支店との情報共有は開始しているため、Office 365 のようなグローバルでスタンダードになっているクラウド サービスを活用することで、攻めの IT を実践していきます」(磯 氏)。

石油業界に限らず、あらゆる市場がめまぐるしく変化している今日では、「状況を打破するための IT 活用」にばかり注目が集まりがちです。しかし、JXTGグループのように戦略的な IT 投資を進めるうえでは、日々の定常運用、そしてセキュリティ対策を高度化かつ効率化することが不可欠となることを忘れてはなりません。

JXTGグループでは現在、2020 年における東京オリンピックの開催を見据え、CSIRT (Computer Security Incident Response Team) を構築するなどセキュリティ対策のさらなる強化を進めています。また、Microsoft 365 Enterprise の採用など、クラウド テクノロジーを積極的に採用することで、ビジネス スピードもいっそう高めていくことでしょう。JXTGグループの取り組みは、戦略的な IT 投資を実現するための 1 つのモデル ケースとなるはずです。

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