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「見える化エンジン」を使用したら、お客様の声が見えるようになった│見える化エ

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「見える化エンジン」を使用したら、お客様の声が見えるようになった

株式会社モリタ 市場企画戦略室
室長: 石川 拓哉 氏
CRM推進グループ: 中澤 健 氏
CRM推進グループ: 安田 佳代 氏

1.どのようにして「お客様の声」を処理するのか

製品の製造・販売を業務とする企業あるいは取り扱うことを業務とする企業にとっては、製品に関する「お客様の声」を分類し、また優先順位を明確にして、自社の業務に効率的に反映させることが不可欠な活動であるといえる。

しかし、膨大な情報量に達した「お客様の声」を、効率的に処理することは容易な作業ではない。

そこで、ここでは「見える化エンジン」を導入することで、「お客様の声」の「見える化」を達成した株式会社モリタ(以下、モリタ社)の事例を紹介しよう。

同社は、主に歯科医療の機器や材料を扱う商社で、同社にとっての「お客様」とは、歯科医療従事者であるが、「見える化エンジン」を導入することによって、「今までわれわれが聞き落としていたものを、実際に目で見えるようになった」「見える化エンジンを使用したら、お客様の声が見えるようになった」と評価している。

2.モリタ社の企業理念と「見える化エンジン」の導入

市場企画戦略室 CRM推進グループ 中澤氏

モリタ社が「見える化エンジン」を導入したのは、その企業理念によるところが大きいという。

同社によれば、創始者である森田純一氏の「日常より恩を思い、感謝の気持ちを持って良心的な商いをせよ」「恩を与えるものと、その恩を知り感じることによって生まれる感謝の気持ちが出発点です。衆生の恩を大切にしてこそ生じる社会貢献の真の意義」とする遺訓が、モリタ社のDNAになっているという。

また、同社の「お客様相談センター」は、「あなたと共に(always with you)」を基本方針として、「傾聴」「共感」「安心」を心がけ、Because you are my guest.を理念として開設されたとのこと。ここで、customerやclientではなくguestとしたのは、会社のお客様ではなく「私のお客様」という気持ちを込めるためという。

そして、同社が「見える化エンジン」を導入したのは、このような理念を達成するためには、お客様センターにて、お客様の話を聞き、内容を登録し、終わりとするのではなく、問い合わせ内容の傾向や変化を察知し、自社のサービスや商品の改善に結びつけることはできないか、という観点から「見える化エンジン」の検討を開始したとのこと。

その上で、「自由記述の文章を分析できること」「社員が容易に分析できること」「分析結果を全社員が閲覧できること」「操作において支援を受けることができること」などの要件を設定し、ツールの選定に至った。

3.「見える化エンジン」導入の効果

「見える化エンジン」導入前に、1か月1万件分のコール内容を2人が人力にて分析したところ20日の時間を要し、2人からは「とにかくきつかった、メンタル的におかしくなりそうでした」という感想が漏らされたとのこと。

しかし、「見える化エンジン」を導入した後は、状況が一変する。お客様センターに集められたデータを「見える化エンジン」に読み込ませるのは10分とかからず、また商品群ごとや月ごとに「1か月において特定の語彙が1日当たりどれだけの数発生しているか」といった複雑なデータの整理やグラフ化も、やはり1分とかからない。導入後は、担当者にいつもの笑顔が戻ったとのこと。

また、同社は、「見える化エンジン」の導入によって、このような複雑な分析が容易になったことに加え、従来であれば見落としていたと思われる課題の発見も可能になったことを指摘している。

例えば、「見える化エンジン」によって集計されたデータに、特定の製品やサービスに対して上位にランキングされているワードを発見した。直ちにそのインシデントを洗い出し、問題が顕在化する前に策を講ずることができたとのこと。テキストマイニングツールなので当然の機能ではあるが、簡単な操作で瞬時にキーワードを抽出・整理し問題提起する力、的確性、及び視認性は、リスク管理や顧客満足度の向上に確実に貢献していると話す。

そして、「見える化エンジン」により得られた様々なデータは、当初は一部の社員間でのみ公開していたのを、現在では社内サイトに公開し、社員全体で共有しているとのこと。

4.「見える化エンジン」の今後の活用

モリタ社は、「見える化エンジン」の今後の活用方針として「迅速分析」「仮説の立案」「仮説の検証」の三点を指摘している。

「迅速分析」とは、何が起こっているかを短時間で調査しデータを自由に加工することで見えてなかった課題を「見える化」することであり、またEvidence-based Improvement(証拠に基づいた改善)の観点から、PDCAサイクルを回す上で、「見える化エンジン」を「仮説の立案」「仮説の検証」に使用したいとしている。

現在、同社は「見える化エンジン」による解決が期待される具体的な課題として、応答率の低下の原因となっている「呼量の増大」を指摘しているが、呼量を増加させている原因を調べるため、「見える化エンジン」によって年度ごとのインシデントを分析し、年度の傾向についての仮説を立てているとのこと。

その上で、仮説に基づいたPDCAサイクルを回すことで、呼量の減少を目指しているという。

5.「見える化エンジン」の位置づけ

市場企画戦略室 CRM推進グループ(左から)安田氏,石川室長,中澤氏

モリタ社は、このように「見える化エンジン」の有効性を認め今後も活用していくとしつつも、「見える化エンジン」は、あくまでも課題を解決するための「手段」にすぎず、それを「目的」にしてはいけないと戒める。

つまり、「見える化エンジン」は自然に言語を分析する上で有効なツールであり、エクセルなどの従来のツールを組みあわせることが必要であるとしている。また、あくまでも「手段」であることから、分析結果として得られた数値にどのような意味があるのか、数値が何を語っているのかについて、人は真剣に考える必要があるとしている。

6.「見える化エンジン」のメリットと限界

顧客の要求・苦情・コメント、市場の変化による顧客のニーズなどを分析した上で、企業活動の戦略を立てることVOC(Voice of the Customer)は、企業活動にとって不可欠な要素であり、またコンピュータの処理能力向上により、企業活動に伴い発生する諸問題についての「見える化」も容易になりつつある。

「見える化エンジン」によって、問題点を早期に発見できたとするモリタ社の事例は、「見える化エンジン」の導入によって、VOC活用としての「見える化」を達成することができた成功事例といえる。

これらは企業活動一般にとっての大きなメリットであると思われるが、同社は「見える化エンジン」の限界や位置づけも明らかにしている点において示唆的である。

前記したように、同社の理念は「日常より恩を思い、感謝の気持ちを持って良心的な商いをせよ」にある。そうだとすれば、「見える化エンジン」というツールを導入したことにより、どれだけ業務効率が向上しようとも、どれだけ問題点を発見できようとも、企業活動全体から見ればそれは一つの「手段」に過ぎないのであって、「良心的な商い」という同社の「目的」に向け、評価し決定を下すのはやはり「人」でなければならないのだ。

モリタ社の事例は、利便性のみに注目をしていては見落としてしまう、役割分担あるいはテリトリーについて強く意識させるものといえる。

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