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札幌市 | 導入事例 | ウイングアーク1st

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札幌市
文字情報基盤を IPAmj明朝ベースの「札幌mj明朝」で構築
他の自治体との異体字を含むデータ交換も可能に
~帳票基盤にSVFを採用~
  • SVF

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Before
「自治体で使える印刷標準字体を、いかに標準化するかが非常に重要でした。一般的な文書では、それほど字形にこだわる必要はありませんが、氏名の表示を戸籍簿と一致させる必要のある住民票では字形へのこだわりは絶対に必要でした」
After
「『札幌mj明朝フォント』は、MJ図形番号をベースに補助私用領域(外字エリア)に体系化し、割り当てており、札幌市で使っている字形は、計算式で文字コードからMJ図形番号を求めることができます。これにより、ほかの自治体とのデータ交換も、容易に行うことができる工夫をしています」

札幌市

札幌市総務局情報化推進部
情報システム課 新基幹系情報システム構築プロジェクト
PMO 兼 福祉系/国保系システム開発チーム 統括プロジェクトマネージャ
小澤 秀弘 氏(写真左)
 
札幌市総務局情報化推進部
情報システム課 新基幹系情報システム構築プロジェクト
PMO 兼 システム基盤構築/インフラ整備/環境構築チーム 統括プロジェクトマネージャ
岩間 雅巳 氏(写真右)
導入背景

● 基幹システムのオープン化

● 帳票の変更がほかのシステムに与える影響をなくす帳票出力環境の基盤化

導入ポイント

● AIST包括フレームワークの帳票出力基盤としての実績

● 帳票出力基盤でシェアナンバーワン製品であること

導入効果

● 変化に柔軟かつ迅速に対応できる帳票基盤の実現

● 文字情報基盤に準拠した異体字を含む他の自治体、既存システムとのデータ交換の実現

導入製品

SVF for PDF / SVF for JavaPrint / SVF Connect SUITE

 

基幹システムのオープン化を推進する札幌市では、ビジネスロジック層とミドルウェア層、ハードウェアプラットフォームを疎結合にし、変化に応じて柔軟に組み替えられる基幹系情報システム基盤を構築。そのミドルウェア統合帳票基盤としてSVFを採用した。また、共通フレームワークの外字・文字基盤とも連携している

基幹システムのオープン化を目的に基幹系情報システム基盤を構築

札幌市の基幹システムは、ホストコンピュータをパーティションで区切り、それぞれの領域で複数のシステムが稼働する構成になっていた。たとえば、あるパーティションでは税系システムが稼働しており、別のパーティションでは住記システムが稼働しているといった具合だ。そのため、システム間のデータ連携については、連携するデータごとに複雑な連携機能を作り込むことが必要だった。しかしこの仕組みでは、例えば税制が変更になった場合に、税系システムを修正すると、その影響がどこまで及ぶのかを把握するのが非常に困難だった。

札幌市総務局情報化推進部 情報システム課プロジェクトマネージャである小澤 秀弘氏は、「自治体で行っている業務では、制度改正による業務の変更が頻繁にあります。例えば、税の制度が変わると、税システムを変更しなければならないのはもちろんですが、税情報を元にして給付決定や利用者負担の決定を行う多くの業務システムも、税システムとの連携機能を個別に作り込んでいるために変更が発生してしまいます。こうした場合の各システムの影響範囲の特定と改修には、膨大な時間とコストがかかっていました」と話す。

そこで札幌市では、基幹システムのオープン化を推進。ビジネスロジック層とミドルウェア層、ハードウェアプラットフォームを疎結合にし、変化に応じて柔軟に組み替えられる基幹系情報システム基盤を構築した(図)。小澤氏は、「ビジネスロジック層で稼働する各システムは、業務機能に特化しており、データベースや帳票出力、認証技術などの基本的な機能はシステム基盤に任せ、制度改正などの影響を最小化させています」と話す。

基幹系情報システム基盤では、統合データベースを個々のシステムが利用する個別システム領域と、各システムが共通に利用する共通領域に分けて、情報のやり取りを管理している。例えば、住記システムは、住記システムだけが使うデータベースを個別システム領域に持っており、住民税システムは、住民税システムだけが使うデータベースを個別システム領域に持っている。

一方、共通で利用する税の情報や個人の基本情報などは、共通領域に持っている。共通領域のデータを利用するためには、統合データ連携基盤を経由しなければならない仕組み。これにより制度改正があっても、共通領域を変更するだけで、他のシステムを改修することなく対応することができる。

小澤氏は、「認証基盤や文字基盤、帳票出力なども、全てのシステムが利用する機能なので、データベースと同様に独立させています。各システムは帳票出力基盤に対し、帳票を出力したいという問い合わせをするだけで、実際の出力は帳票作成基盤であるSVFが行います」と話している。

「札幌mj明朝フォント」をベースに文字情報基盤を構築
異体字や未符号化文字を含む容易な文字交換を実現

基幹系情報システム基盤は、独立行政法人産業技術総合研究所が公開している包括的フレームワーク「AIST包括フレームワーク」に基づくアーキテクチャをベースに構築されている。AIST包括フレームワークは、標準技術を活用したソフトウェア開発を実現する枠組みを提供するもの。柔軟かつ信頼性の高いソフトウェア開発を、短期間で実現できる。

また、基幹系情報システム基盤は、マルチベンダー環境で構成されており、どのベンダー製品にも依存しない帳票出力基盤の採用は重要な要件だった。札幌市総務局情報化推進部 情報システム課の岩間 雅巳氏は、「独立系ソフトウェアベンダーであるウイングアーク1stのSVFは、機能毎にモジュールが部品化されており、必要最低限の製品で要件が実現できました。実際の帳票作成に関しても、数千種類のレイアウトを開発しましたが、SVFは使いやすい製品だと思います」と話している。

また今回、帳票作成にあたり、字形にこだわっている。小澤氏は、「自治体で使える印刷標準字体を、いかに標準化するかが非常に重要でした。一般的な文書では、それほど字形にこだわる必要はありませんが、氏名の表示を戸籍簿と一致させる必要のある住民票や、住民票と同じ表示が求められる他のシステムにおいても、字形へのこだわりは絶対に必要でした」と話す。

字形へのこだわりとは、例えば「斉藤」と「齋藤」の違いである。また、住所や氏名には、常用漢字以外の異体字も使われることから、異体字への対応も不可欠だった。そこで自治体のシステム基盤にもっとも適応するフォントを検討した結果、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が公開している「IPAmj明朝」の採用を決定した。

IPAmj明朝は、自治体の実務に必要な約6万文字の人名漢字などを収録したフォントで、札幌市をはじめ、すでにいくつかの自治体で実証実験が実施されている。札幌市では、基幹系情報システム基盤との連携をはじめ、文字の検索・入力の効率、不要な外字登録発生の抑制などを検証。IPAmj明朝をカスタマイズした「札幌mj明朝」を作成している。

札幌mj明朝では、IPAmj明朝で符号化されていない文字やIVSで符号化されている文字を補助私用領域にマッピングし、IPAmj明朝の全ての文字を容易に扱えるようにした。符号位置は、単純な計算式でMJ図形番号とUnicode文字符号を相互変換できるようにして登録。SVFでは、これらを含む文字をソフトフォントとして登録し、必要に応じて帳票に出力する。

小澤氏は、「未符号化文字やIVSで表現される異体字の文字コードを、MJ図形番号の数値部分にF0000を加算して算出するようにしているので、これらの文字についても札幌市で使っている文字コードからMJ図形番号を計算式で求めることができます。MJ図形番号は公開されていて、誰でも参照し、文字を確認することができます。これにより、他の自治体との文字データ交換においても、わざわざ札幌市の文字コード一覧の提供を受けなくても、文字の特定を容易に行うことができる工夫をしています」と話している。

※MJ図形番号:MJ文字情報一覧表内で一意に定めた文字図形の番号

札幌市が培った文字の経験やノウハウを他の自治体にも展開

今後、札幌市では、基幹系情報システム基盤の構築で培った帳票出力や文字情報の移行、体系化の経験や実績、ノウハウを、他の自治体に向けて、展開していくことを検討している。具体的な取り組みとして、他の自治体との文字データ交換や旧システムとの文字コード変換のための仕組みをすでに準備している。

今後について小澤氏は、「札幌市では、基幹系情報システム基盤構築において、他の自治体に先駆けて文字の問題に取り組んできました。自治体クラウドなど、自治体を取り巻く現在の状況からすると、今後他の自治体でも、文字情報基盤の整備などを進めて行くときに、同じ苦労をすることが予想されます。しかし札幌市が経験した苦労をそのまま繰り返す必要はないと考えています。我々が経験した苦労がノウハウとなり、他の自治体で利用できるようになることで、効率的に文字情報基盤の整備ができることを望んでいます」と話している。

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