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導入事例

 様に導入

  • クラウド
  • コスト

株式会社シーエスアイ

 様に導入

電子カルテのクラウド サービス化で Azure を採用
中小規模の医療機関の電子カルテ導入を促し、地域医療連携や医療介護連携を目指す

株式会社シーエスアイ

株式会社シーエスアイ

電子カルテ システム「MI・RA・Isシリーズ」を提供している株式会社シーエスアイでは、中小規模の医療機関を中心にクラウド型の電子カルテ システムの需要が高まる中で、自社製品のクラウド化が急務となっていました。プライベート クラウドやデータ センターを利用したクラウド サービスを構築するのは、初期投資コストや 5 年ごとの更新コストの面で非現実的と判断し、パブリック クラウドをインフラとしたクラウド サービスを展開することを決意。医療向けのガイドラインを遵守してセキュリティ面で信頼性が高く、国内に東西 2 か所のデータ センターを持つ Microsoft Azure を採用し、「MI・RA・Is/PX For Cloud」としてサービスを開始しています。

<導入の背景とねらい>
クラウド型のサービスを提供して
中小規模の医療機関の電子カルテ システム普及を目指す

写真:株式会社シーエスアイ 常務取締役 宮崎 寛和 氏

株式会社シーエスアイ
常務取締役
宮崎 寛和 氏

写真:株式会社シーエスアイ 事業企画推進部 係長 長田 直樹 氏

株式会社シーエスアイ
事業企画推進部
係長
長田 直樹 氏

株式会社シーエスアイ (以下、CSI) は、北海道札幌市に本社を構え、東京支社、大阪支店、九州支店の 4 拠点で全国 750 ユーザーに電子カルテ システム「MI・RA・Isシリーズ」をはじめとする医療システムを展開しています。「東日本大震災以降、BCP 対応も含めてクラウド型の電子カルテ システムが注目されており、問い合わせも多くなってきていました」と、株式会社シーエスアイ 常務取締役 宮崎 寛和 氏は、電子カルテ システムのクラウド化が求められていたと話します。また、株式会社シーエスアイ 事業企画推進部 係長の長田 直樹 氏も、クラウド型の電子カルテの需要を次のように説明します。「MI・RA・Is/PX のメイン ターゲットのお客様は中小規模の医療機関が多く、サーバー室を整備できないことなどが、電子カルテ システム導入の課題となっていました。設置場所、空調、電気代、専任のシステム管理者といった問題を気にしなくても導入できる電子カルテ システムとして、クラウド サービスを提供する必要がありました」。病院側にとって、コストの面でも、クラウド サービスであれば初期投資を抑えて導入しやすくなるというメリットがあります。オンプレミスのシステムの場合は、ハードウェアを購入する必要があり、減価償却する必要がある一方で、クラウドの場合は財務会計上、経費扱いにすることができ、これまで電子 カルテ導入に踏み切れなかった医療機関も導入しやすくなります。

しかし、新たにプライベート クラウドを構築するとコストがかかりすぎると、宮崎 氏は話を続けます。「データ センターを使って電子カルテをクラウド化するためには、5 年ごとに 1 ~ 2 千万円のコストがかかることがわかりました。複数のお客様にすぐに利用していただけるのであればコストに見合った運用ができますが、これからクラウド ビジネスを展開するには、初期投資が膨大であることは問題でした。一方で、パブリック クラウドであれば、お客様の数や規模に合わせて初期投資を抑えて導入でき、5 年ごとに 1 ~ 2 千万円の更新コストがかかることがありません。お客様に、一定の金額で安心してご利用いただけるサービスを作るためには、パブリック クラウドを使ったサービスが最適だと判断しました」。

<導入の経緯>
セキュリティ レベルや信頼性が高く
医療情報を扱うのにふさわしい Azure を採用

「MI・RA・Is/PX」のインフラとなるパブリック クラウドを検討した CSI では、最終的に Azure を選択しています。「電子カルテなどの医療情報は、日本国内に置く必要があるため、日本のデータ センターを指定できる Azure が選択肢となりました。また、日本マイクロソフトが "3省4ガイドライン" (電子化された医療情報を外部保存する際に遵守する必要がある、厚生労働省、経済産業省、総務省の 3 省が出している 4 つのガイドライン) に沿ったデータ センターを運営しており、実際にデータ センターを見学したところ、トップレベルのセキュリティを確保していることも安心できました」と宮崎 氏は話します。また、日本マイクロソフトでは、東と西の 2 つのデータセンターで Azure を運用しており、医療機関の場所によってどちらかを選択できデータのバックアップも東西で取れるなど、安心な設計でした。十分な速度を確保できることも、CSI が Azure を選択した理由の 1 つです。

また、長田 氏は、「グローバルでビジネスを展開しているマイクロソフトのサポートを得られることや、.NET で構築されている MI・RA・Is/PX と Azure の親和性が高いということも決め手でした。オンプレミスを前提に作られたシステムがクラウドでどれだけ快適に動作できるか、といった点が唯一心配でしたが、マイクロソフトに親身に対応していただいた結果、その心配はなくなっていきました」と話します。

Azure を採用して以降は、適切なコストでサービスを提供できるようにマイクロソフトと検証を行ったと長田 氏は話を続けます。「オンプレミスで利用している物理サーバーを Azure でどのように集約するか、などの相談に乗ってもらいました。また、オンプレミスでは、5 ~ 7 年先を見越してストレージを準備しておく必要があり、多大なコストがかかっていましたが、必要に応じて領域を拡張していくことができるため、初期費用を抑えることができました」。

写真:株式会社シーエスアイ 東京支社 第二システム課 主任 中館 浩昭 氏

株式会社シーエスアイ
東京支社
第二システム課
主任
中館 浩昭 氏

写真:株式会社シーエスアイ システム開発本部 第一システム部 第三課 原田 寛己 氏

株式会社シーエスアイ
システム開発本部
第一システム部 第三課
原田 寛己 氏

一方で、株式会社シーエスアイ 東京支社 第二システム課 主任の中館 浩昭 氏は、初めて Azure を使うにあたってわからないことが多く、不安が大きかったと当時を振り返ります。「わからないことは、どんどんマイクロソフトに聞いていこうと考え、マイクロソフトの Premier サポートを活用しました。何度も同じような質問をしていきましたが、親身になって聞いてくれて、こちらの立場になって答えてくれたので、非常に助かりました。質問を繰り返してわかることが増えていけば、不安も消えていきました。特に、ネットワーク周りの構築で悩むことが多かったのですが、病院との接続における Azure の設定などを教えてもらいました」。

さらに、株式会社シーエスアイ システム開発本部 第一システム部 第三課の原田 寛己 氏も次のように話を続けます。「Azure 上に MI・RA・Is/PX を構築すると聞いたときには、敷居が高いというイメージがありました。仮想マシンの管理を PowerShell のコマンドで行うことが不安でしたが、検証で仮想マシンに OS がインストールされている状態からスタートしたところ、オンプレミスと変わりなく構築していくことができました。1 か月ほどの検証期間で、特に特別な手順を使うことなく進められることがわかり、動作についても問題なく、本番環境の構築に進むことができました」。

<導入効果>
電子カルテで情報共有が進み
要望に合わせた設定変更などを即座に行える

Azure をインフラとした「MI・RA・Is/PX For Cloud」を医療機関が利用するメリットは、前述のように、サーバー室や空調を準備できない、電気代などのコストがかかる、ハードウェアなどの初期投資コスト、財務上の導入しづらさ、といった課題を解決できることです。実際に、「MI・RA・Is/PX For Cloud」は、東京都日野市の康明会病院にも導入しており、紙のカルテから電子カルテへの移行を成功させています。「康明会病院様も、サーバー室を設けられないという課題からクラウド型の電子カルテを求めていました。これまで紙と電話を使ってカルテの情報をやり取りしていたのが、電子カルテを導入することでさまざまな場所から情報を見ることができ、情報を共有できるというメリットが生まれています。実際に、問題なくシステムは稼動しており、電話確認する回数が減ったと聞いていますね」と中館 氏は話します。今後は、在宅医療の専門医がノート PC などを使って患者宅から電子カルテを利用するなど、利用を広げる予定となっていると言います。

My チャートの画面例

My チャート [拡大図] 新しいウィンドウ

電子カルテの画面例

カルテ画面 [拡大図] 新しいウィンドウ

クリティカル パスの画面例

クリティカル パス [拡大図] 新しいウィンドウ

温度板の画面例

温度板 [拡大図] 新しいウィンドウ

※画面はそれぞれ MI・RA・Is/AZ の例です。

一方、「お客様のところへ出向くことができない場合などでも、セキュリティを確保したインターネットを経由して、どこからでも Azure に接続して要望に合わせて設定変更やメンテナンスが行えることも大きなメリットですね」と、中館 氏は CSI 社内でも Azure を活用したいと話します。「今回、Azure を使ってみて、サーバーを非常に簡単に構築できることに驚きました。これまで、社内システム構築のプロジェクトを始める際には、ハードウェア ベンダーに依頼して見積もりを取り、機器を納品してもらって、セットアップしてもらうという手間がかかっていましたが、Azure であれば機器を購入する必要がなく、自分でセットアップすることができます。業務システムを作る期間を短縮できるのは、大きなメリットとなりますね」。

「MI・RA・Is/PX for Cloud」のシステム概要図:Azure をインフラとし採用した「MI・RA・Is/PX for Cloud」は、これまで電子カルテを導入できなかった中小規模の医療機関も導入しやすくなった。

「MI・RA・Is/PX for Cloud」のシステム概要図 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
医療機関のクラウド ニーズを満たし
医療介護連携などにも注力していく

2025 年に向けて、病床再編が加速する中、病院は柔軟なコスト コントロールを求められ、資産としてサーバーなどを持ちたくないと考え、クラウドの需要が増えてくると CSI では考えています。そのため、CSI では「MI・RA・Is/PX For Cloud」の事業を広げ、クラウド サービスを拡大していきたいと考えています。

また、現在は IaaS として Azure を使っていますが、将来的には DaaS として使ったり、分析ツールなどを活用したいと長田 氏は話します。「現在は、サーバーを Azure 側に置き、お客様側でクライアント アプリケーションを使うという形にしていますが、DaaS として利用して一歩踏み込んだ SBC (Server-Based Computing) としてクライアントも Azure に置けるようになれば、レスポンスを劇的に向上させられると思います。また、将来的には、すでに全社で利用している Office 365, Dynamics 365 などのクラウド サービスと弊社電子カルテを連携させ、クラウド上の診療データをマシン ラーニングなどで分析し、院内外と情報共有をしたり、診療や病院経営に活用することを考えられればいいですね」。

宮崎 氏も、将来的に病院のクラウドに対するニーズを満たすために、ビッグ データや AI を使った医療システムの可能性を考えていきたいと明かし、将来展望を次のように話してくれました。「医療システムとして必要不可欠な一番のポイントは、安心安全な環境を提供することであり、Azure の利用は大変マッチしていると考えています。今後は、医療機関の規模やニーズに合わせて Azure の構成を組み替えて幅広い料金体系とし、クリニックなどの小規模な医療機関でも電子カルテを導入しやすいようにしていきたいですね。また、電子カルテだけでなく部門システムも Azure 上に展開できれば、さらにクラウドの利用が進み、病院側のメリットも広がると考えています。少子高齢化の中、地域医療連携や医療介護連携の議論が進んでいますが、これらの患者情報の共有を進めるためにもクラウドが重要で、クラウド システム間の接続ネットワークが発展することによって、連携や共有が進むと考えています。我々も、今後は地域医療連携や医療介護連携に注力し、クラウド ビジネスを拡大していきたいと考えています」。

CSI は今後も、オンプレミスやクラウドなどの幅広い医療情報システムの提供を続け、医療の課題を解決するサービスを展開していくことで、医療業界に貢献していくことでしょう。

写真:株式会社シーエスアイの皆様

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