612
導入事例

 様に導入

  • コミュニケーション
  • 効率化
  • 最適化
  • コスト

味の素株式会社

 様に導入

グローバル基準の働き方を達成するための「味の素流働き方改革」。Skype for Business と Surface Hub による会議の高度化、効率化によって、「どこでもオフィス」と「会議改革」を推進

味の素株式会社

味の素株式会社

世界 30 の国・地域で事業を展開する、味の素株式会社。「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」を目指し、同社は現在、「味の素流働き方改革」の名のもとで抜本的な働き方改革を進めています。この取り組みで同社が目指すのは、1 日 7 時間労働を前提としたグローバル スタンダードの働き方です。毎日オフィスに通勤して長時間残業する、こうした日本流の働き方から脱却することで、「グローバル基準の働き方に基づく時短」などを通じた社内外での多様なライフスタイルと育児、介護などキャリア ダイバーシティの応援により「一人一人の社会との接点の増加」、「やめない会社」を実現することが目標に掲げられています。


顔を合わせないと仕事ができないという既成概念を打破して、だれでも、いつでも、どこでも働ける環境を整備すべく、味の素株式会社では従業員の多様な働き方をサポートする「どこでもオフィス」、ゼロ ベースで会議を見直す「会議改革」などの取り組みが進められています。そこに向けて、同社は 2014 年より、メール (Exchange Server) と連携するマイクロソフト Skype for Business の活用を推進。2017 年 4 月現在、毎月、全社で 2,000 回以上の Skype 会議 (同社では Lync 会議と呼称) が開催されるという成果を生み出しています。

さらに、2016 年 10 月に発売されたばかりの Surface Hub も導入することで、在宅勤務などからの参加者と、お互いに顔の見える臨場感のある Skype 会議を実現。これによって、「どこでもオフィス」を推進するとともに、Skype 会議の活用拡大、それに伴う移動時間、出張費の削減、さらなる会議の高度化、効率化を目指しています。

<導入の背景とねらい>
グローバル基準の働き方へ転換すべく、「どこでもオフィス」「会議改革」を推進

グローバル化が加速し企業の競争力向上が求められる昨今、従業員の生産性をいかに高めるかが重要になっています。これを図るうえで多くの企業で課題化しているものに、会議時間の削減が挙げられます。

米国のオンライン調査会社ハリス・ポールが 2016 年に公開した報告書には、米国の会社員の勤務時間のうち、およそ 30% を会議時間が占めていることが記されています。会議はいまや、日本だけでなく多くの国、多くの企業における共通課題と化しているのです。こうした中、「どこでもオフィス」「会議改革」というアプローチによって、競争力向上を推し進めるのが、世界的食品メーカーである味の素株式会社 (以下、味の素社) です。

「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」を目指し、全世界で事業を展開する味の素社。同社は現在、性別、国籍、価値観などに関わらず、多様な「人財」が味の素社で活躍する環境づくりを進める「味の素流働き方改革」に取り組んでいます。同取り組みが目標とするのは、毎日オフィスに通勤する、また長時間残業することがあたり前となっている日本流の働き方から 1 日 7 時間労働を前提としたグローバル基準の働き方への転換です。

公益財団法人日本生産性本部がまとめた報告書では、日本の時間あたりの労働生産性が欧米と比較してわずか 6 割程度の水準であることを報告しています。多くの企業が労働生産性を高めてグローバル水準の働き方へ転換を図ろうとしている中で、「味の素流働き方改革」では、時間と場所の制約がないコミュニケーション手段を確保することによって新しいワーク スタイルを実現する「どこでもオフィス」の取り組みが進められています。同社で情報 IT を担当する、味の素株式会社 情報企画部 IT基盤グループ グループ長 山口 浩一 氏は、「どこでもオフィス」を推進すべく、ICT 環境の整備も推し進めていると語ります。

写真:味の素株式会 情報企画部 IT基盤グループ グループ長 山口 浩一 氏

味の素株式会社
情報企画部
IT基盤グループ
グループ長
山口 浩一 氏

「2017 年度より、"いつでも携行可能" な軽量モバイル PC の導入を開始しています。また、参加メンバーが同じ会議室に集まることを前提としない会議、たとえば自宅やサテライト オフィスからも参加可能な会議を実現するために、Skype 会議 の利用拡大を図っています。この Skype 会議をより臨場感あるものとするため、電子ホワイトボードと PC 画面の投影機能を併せ持つ『Surface Hub』の配備も、本社の会議室から開始しています」(山口 氏)。

「どこでもオフィス」の推進によって、時短などを通じた社内外での多様なライフスタイルとキャリア ダイバーシティの応援、1 人ひとりの社会との接点の増加などが実現されつつある味の素社。これと並行して、同社では「会議改革」という取り組みのもと、報告のための会議のゼロ ベースでの見直しも実施。ペーパーレス化や、Skype 会議による「会議のための『移動時間』『出張費』の削減」を推進しています。

こうした「どこでもオフィス」「会議改革」のしくみづくりにおいて、味の素社は、Exchange Server、Skype for Business Server (旧 Lync Server) などマイクロソフト プラットフォームを全面的に採用。同取り組みを推進する中で、「Outlook での予定表共有」や Skype 会議をはじめとする多様なコミュニケーション ツールの利用拡大を図ってきました。Skype 会議の件数については、2014 年 3 月は月あたり 100 件ほどだったのが、3 年後の 2017 年 3 月には約 2,000 件まで増加するなど、コミュニケーションや会議体の劇的な変化をもたらしています。

写真:味の素株式会 情報企画部 IT基盤グループ 徳久 哲也 氏

味の素株式会社
情報企画部
IT基盤グループ
徳久 哲也 氏

味の素株式会社 情報企画部 IT基盤グループ 徳久 哲也 氏は、会議体の変化によって、従業員の工数を大きく削減することに成功したと語ります。

「日時調整や物理的な移動など、会議は始めるまでに多くの時間と工数を必要とします。Skype for Business を活用すれば場所を移動せずその場で会議ができますし、対象者の在席状況を確認してその場で即座に会議を開始することも可能です。当部門では『Skype 会議で削減できる移動時間とコスト』をみなし効果として試算していますが、これをユーザーへ公表したところ、自発的に Skype 会議の活用が広がりました。これは、会議の負荷が大きいという従業員の気持ちが表れたものだといえます。3 年前と比較すると、Skype 会議の件数は 20 倍に増加し、削減されたコストもおよそ 40 倍にまで達しています。これは大きな効果だといえるでしょう」(徳久 氏)。

<システムの概要>
Skype 会議を活用することで、「どこでもオフィス」のさらなる推進を計画

Skype 会議の増加によって大きな成果を生み出した味の素社。同社では同取り組みを次期フェーズに進める策として、「どこでもオフィス」のさらなる推進を計画します。

Skype 会議は、顔を合わせないと仕事ができないという既成概念の打破を目指す「どこでもオフィス」を推進するうえで、きわめて有効に機能することが期待されます。しかし、オフィスと Skype for Business の双方を参加者として会議を行う場合、通常はどうしても、臨場感のなさから Skype for Business での参加者が "参加" ではなく "観覧" という立場になりがちです。また、Skype 会議に最適化された設備がオフィスに設置されていなければ、Skype 会議を行うための会場準備 (AV 機器準備、接続など) に余計な時間を要することが懸念されます。
こうした課題に対して味の素社が注目したソリューションが、マイクロソフトの提供する Surface Hub です。Surface Hub は、Windows 10 を搭載した電子会議用のコラボレーション デバイス。ウェブ カメラ、マイク、スピーカー、モーション輝度センサーなど電子会議に必要な装備を備えるほか、タッチ入力とペン入力機能にも対応し、ホワイトボードとしても利用可能です。

写真.Surface Hub

Surface Hub。同デバイスを利用した会議では、終了後、書き込んだイメージをそのままデータとして保存、送信が可能。Exchange と連携した会議予約機能も備える

多彩な機能を持つ Surface Hub の導入は、Skype 会議による「どこでもオフィス」の推進に加えて、会議のさらなる高度化、効率化も期待できると話す山口 氏。その理由について、自ら所属する部門における会議を例に挙げて、次のように説明します。

「たとえばシステムの問題解決を協議する場合、通常、まずホワイトボードのある部屋に全員が集まり、システムの設定状況や構成情報をもとに問題点を洗い出します。それから会議で決定した検証事項を議事録化し、それに基づいて各メンバーが検証を実行。その後、検証結果を持ち寄って報告会議を行う、というプロセスとなります。Surface Hub を活用すれば、Surface Hub のホワイトボード上に貼り付けた設定状況、構成情報、そして議論した情報を見ながら、同時並行で検証メンバーとして Skype で参加する人員が検証、確認作業を進めることが可能です。事後の確認や検証がその場で行えるため、会議だけでなく、問題解決を図るプロセス自体が高度化、効率化できると考えています」(山口 氏)。

図.Surface Hub の導入前と後の、会議内容の比較イメージ

Surface Hub の導入前と後の、会議内容の比較イメージ

山口 氏が説明した会議体であれば、全員が一同に集まる必要がありません。また、議事録化や日程調整といった事前準備の作業も不要となり、同一時間でのアウトプット量を、飛躍的に高めることができるでしょう。

図.Surface Hub を活用した会議のようす

Surface Hub を活用した会議のようす

こうした効果は、IT 部門以外が日々行う会議、業務にもメリットをもたらすことが期待されました。「製品などのパッケージ デザインを制作する場合であれば、Surface Hub に表示したデザインにその場で赤入れを行う。そのデータを Surface Hub から参加者、外部委託業者へ送付することで、従来紙に印刷して確認し、赤入れ後にスキャン、メール送付するといった一連の工程が削減できます」と山口 氏が続けるように、市場に多く存在する電子黒板システムの中、既存のコミュニケーション基盤と有効に連携できる点は、Surface Hub ならではの優位性といえたのです。

徳久 氏は、Surface Hub の導入を検討する過程で日本マイクロソフトのデモ環境を訪問した際、「どこでもオフィス」の推進に向けた手ごたえも感じたと語ります。

「Surface Hub では情報を書き込んでいる最中にも常に画面上で Skype for Business 参加者を表示できるうえ、高精度のマイクによって Surface Hub から離れた参加者の発言もクリアに届きます。在宅勤務者を含む Skype for Business での参加者にも現地にいるような臨場感を与えることは、"参加者" として会議に臨んでもらううえで有効だと感じました。また、ホワイトボード機能の高い利便性にも惹かれました。Surface Hub ではホワイトボードの領域に、従来できなかった PC 画面のコピーを貼り付けることができ、その場でペンによる修正や情報の書き足しも可能です。また、領域を無限にまで拡張することができるため、スペースが情報で埋まるたび議論を中断して情報を消す手間がなく、会議の高度化、効率化に貢献すると感じました」(徳久 氏)。

<導入効果>
Surface Hub の浸透が、会議に対する意識変革につながる

味の素社は Surface Hub の導入を正式に決定。2016 年 10 月に 3 台を調達し、同年度内ではさらに 6 台を追加調達しています。

Surface Hub の導入により、「どこでもオフィス」と「会議改革」のさらなる推進が期待されます。そこでは、「味の素流働き方改革」もいっそう発展していくことでしょう。山口 氏は、Surface Hub への期待について笑顔で語ります。

「Skype for Business によって電子会議が普及した際にも感じましたが、新たな IT によって従来の "あたり前" が変化した時の効果はすさまじいものです。Skype 会議の普及では、それまで要していた移動時間や経費の大幅な削減につながりました。今回の取り組みも、Surface Hub が新たな IT として浸透すれば、1 つひとつの会議に対する意識も変わり、『どこでもオフィス』と『会議改革』をいっそう推進していけると信じています」(山口 氏)。

<今後の展望>
2017 年度以降、全国にまで Surface Hub の設置範囲を拡大していく

味の素社では 2017 年 6 月、Surface Hub をさらに追加で 6 台調達、現在 15 台の Surface Hub を設置しています。この調達で味の素社では京橋本社以外にも設置範囲を広げ、2017 年 7 月以降には、支社、研究所、工場など、全国にまで設置範囲を拡大することを計画しています。

「当社では拠点間、部門間を横断した会議が数多くあります。各地での設置を早期に完了すれば、Surface Hub を既に活用している本社と、これから活用する支社、研究所、工場などで横断的な会議が行われます。Surface Hub を利用した会議の体験機会が生まれることで、活用自体はスムーズに浸透していくでしょう。ですが、端末が増えるにつれて今度は『遠隔にある端末をいかにして最適に管理するか』が課題となります。リモートでの設定管理や制御策について協議を進めることで、会議体の全社的な変革を、迅速かつスムーズに進めていきたいと考えています」(徳久 氏)。

Surface Hub を活用した会議体が全社的に浸透すれば、会議に対する従業員の意識も変化するでしょう。その先では、同社が目指すグローバル基準の働き方に基づく生産性の向上と、「時短などを通じた社内外での多様なライフスタイルとキャリア ダイバーシティの応援」、「一人一人の社会との接点の増加」が実現されていくはずです。

山口 氏は、こうした未来の実現に向けて、マイクロソフトにはいっそう密な支援を期待したいと語ります。

「現在はまだ海外への設置は計画していませんが、今後それを進めるとなった場合、いかにして国をまたいだコミュニケーションを簡素化するかが課題となるでしょう。そこに向けて、Skype for Business への翻訳機能の実装を期待したいですね。また、現在、Surface Hub のホワイトボード機能について、遠隔参加者が PC 側から書き込むことはできません。細かな要望かもしれませんが、こうした機能が実装されると、Skype 会議を従業員がいっそう活用するようになるため、ぜひ対応いただき、『味の素流働き方改革』を支援いただきたいですね」(山口 氏)。

「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」を目指し、働き方改革を推し進める味の素社。同社は形骸的にこれに取り組むのではなく、積極的な IT 投資と制度改正を進めることで、着実に成果を挙げています。Surface Hub の展開を本格化する 2017 年 7 月以降は、同社の働き方改革がいっそう加速することが期待されます。

写真.味の素株式会 情報企画部 IT基盤グループ グループ長 山口 浩一 氏、味の素株式会 情報企画部 IT基盤グループ 徳久 哲也 氏

コメント