612
導入事例

 様に導入

  • クラウド
  • 効率化

学校法人 佐野日本大学学園

 様に導入

生徒が 1 人 1 台の Windows 8 タブレットを常に携帯することで、
通学時や家庭での学習時間を確保し、アクティブ ラーニングと反転授業で
自主創造を実現する教育を行う

写真:学校法人 佐野日本大学学園

学校法人 佐野日本大学学園

タブレット端末を導入し、効果的な教育を行う試みが多くの教育機関で始められています。佐野日本大学高等学校と中高一貫教育の佐野日本大学中等教育学校を運営する学校法人 佐野日本大学学園では、主体性と創造性のある人を育てることを目指し、反転学習やアクティブ ラーニング、ジグソー学習などを実現するため、教職員用に 214 台の Windows 8 タブレットを導入。2014 年 9 月から 10 月にかけて佐野日本大学高等学校の 1 ~ 2 年生および佐野日本大学中等教育学校の 4 ~ 5 年生の約 1,000 名にも 1 人 1 台の Windows 8 タブレットを導入することを計画しています。

<導入の背景とねらい>
自主創造の校訓を実現する教育のため
生徒全員のタブレット端末の導入を検討

学校法人 佐野日本大学学園
佐野日本大学高等学校
佐野日本大学中等教育学校
ICT教育推進室
室長
安藤 昇 氏

学校法人 佐野日本大学学園 (以下、佐野日本大学学園) は、「自主創造」「文武両道」「師弟同行」の 3 つの校訓を掲げ、「人づくりの佐野日大」をモットーに教育を行っています。有名大学への進学率も高く、スポーツにも力を入れ、甲子園に何度も出場している野球部をはじめ、多くの競技で栃木県トップの成績を収めています。そんな同学園の課題は、校訓にもある自主創造を実現し、社会に出てからも実践力のある人を育てることでした。「これまでの教授型授業では、難関校に合格できる生徒は育てられますが、主体性と創造性のある人を育てるには限界があると感じていました」と学校法人 佐野日本大学学園 佐野日本大学高等学校 佐野日本大学中等教育学校 ICT教育推進室 室長の安藤 昇 氏は話します。

安藤 氏が注目したのは、マサチューセッツ工科大学が実践している TEAL (Technology-Enabled Active Learning) プロジェクトです。TEAL とは、テクノロジーが新たなアクティブ ラーニングを可能とするという考え方のプロジェクト。「たとえば、物理学のクラスで紙などを使って理論的な説明をするだけでなく、大規模な実験をテクノロジーで実体験させることで、よりアクティブで創造性のある人を育てるものです」と説明する安藤 氏は、タブレット端末を導入することで、いつでもどこでも学べる環境を作り、授業を効率化できて、TEAL を実現できるのではないかと考えた、と言います。

また、隣接する他県や栃木県全域から生徒が集まっている佐野日本大学高等学校や佐野日本大学中等教育学校では、通学に片道 2 時間半かかるという生徒もいて、通学時間を有効利用することも課題の 1 つでした。さらに、クラブ活動で全国大会などに出場する生徒は、20 日以上も学校に来られないこともあり、真面目な生徒の中には 20 日分の荷物とすべての教科書を持って移動していると言います。そのような生徒が、学外にいる時間を有効利用できるよう、学外でも動画などで授業を受けられる環境を提供し、アクティブ ラーニングを進めるためにも、生徒 1 人 1 台のタブレット端末が必要だと考えられたのです。

<導入の経緯>
Windows 8.1 搭載の DELL Venue 8 Pro を採用
Office 製品との親和性、携帯性、バッテリを重視

2012 年に試験的に Android 端末 131 台を導入し、大手予備校に協力を得て、学校の授業外でもストリーミング動画で生徒が学習できるようにした佐野日本大学学園では、学力の大幅な向上という結果を得られたと言います。2013 年にタブレット端末の本格的な導入を検討し始め、他校を視察した安藤 氏は、生徒たちが生き生きと学習し、反転授業 (授業内容を動画で予習して、授業ではアクティブ ラーニングを行うこと) などを行うことで、自主創造を実現できると確信したといいます。

佐野日本大学学園では、まず教職員用に Windows 8.1 を搭載した Dell Venue 11 Pro を 214 台導入。今後は、無線 LAN などのタブレットを活用できる新校舎が完成する 2014 年 10 月に合わせて、佐野日本大学高等学校の 1 ~ 2 年生および佐野日本大学中等教育学校の 4 ~ 5 年生の約 1,000 名に Windows 8.1 を搭載した Dell Venue 8 Pro を導入する予定です。平成 27 年度には新 1 年生 (中等教育学校 4 年生) 500 人に Dell Venue 8 Pro を提供することで、2 つの学校の高校生全員が 1 人 1 台のタブレット端末を持つ環境が整えられることになります。

「Windows を選択したのは、マルチ タスクで作業できることが最も大きな理由です」と話す安藤 氏。教師が Microsoft Word や Microsoft Excel で問題を作り、その他のアプリなどを動かしながら録画して教材などを作成するためには Windows 以外には考えられなかったと説明します。また、生徒に対しても、これまで Microsoft Office 製品で作られた教材をスムーズに利用するには、Windows が最適であり、将来的に大学生や社会人となって PC を利用することを考えても、高校生のころから Windows に慣れ親しむようにしたほうが、教育的にも正しいと考えたことを明かします。

端末として Dell の Venue シリーズを選択した理由としては、これまで使ってきた PC も Dell 製で、故障もなく、信頼性が高かったことが挙げられます。そのうえで、教職員に向けては作業しやすいように 10.8 インチの Venue 11 Pro を提供し、生徒用には携帯性とバッテリ寿命を考えて Venue 8 Pro にしました。「生徒は、スマートフォンや携帯ゲーム端末などに慣れており、大きな画面でなくても十分に利用できるのではないかと考えています。また、スマートフォンでフリック入力に慣れていて、予測変換などを使って長い文章も難なく入力できるので、キーボードにこだわるよりも携帯性を重視し、バッテリ寿命の長い 8 インチ タブレットを選択しました。本体カラーも赤と黒を選択できるのもいいですね」 (安藤 氏) 。

生徒に 1 人 1 台のタブレット端末を持たせることに対して気になるのは、セキュリティの問題です。これに対して安藤 氏は、「最低限のセキュリティ以外は必要ない」と答えています。「学校でセキュリティや環境をガチガチに固めても、社会に出てしまえば誰も守ってくれません。それよりも、生徒たちが自分たちでセキュリティやモラルについて考えるようにし、チャレンジすることで、社会に出てもモラルを守れるように教育していくほうがよいでしょう」と話す安藤 氏は、先進的な ICT 活用を行っているオーストラリアのコルベカトリックカレッジを例にあげます。「コルベカトリックカレッジでは、ICT 活用のルールを生徒たちに決めさせ、生徒が自主的にセキュリティ マニュアルを作って提示し、新入生には先輩達が教えるようにしています。これまで日本の教育ではネットやモラルの問題に規制ばかりをかけてきましたが、我々もコルベカトリックカレッジを目指して、セキュリティやモラルを教えたいと考えています」。

Windows 8.1 が搭載された、教職員用の DELL Venue 11 Pro と生徒用の DELL Venue 8 Pro。

<導入効果>
動画を教材として活用して家庭や通学での学習を進め
アクティブ ラーニングを推進していく

学校法人 佐野日本大学学園
佐野日本大学中等教育学校
教諭
津久井 薫 氏

佐野日本大学学園では、動画を活用して既にアクティブ ラーニングへの取り組みが進められています。「最初は受験対策のために世界史の授業から動画を活用し、基礎的な内容を生徒が動画で予習しておき、授業では問題を解いて解説を行うようにしました。これによって家庭学習の時間を確保して生徒が積極的に勉強するようになりました。動画の効果だけでなく、生徒たちの頑張りもありますが、進研模試での偏差値が 4 ポイント以上上がったという効果が出ています」と学校法人 佐野日本大学学園 佐野日本大学中等教育学校 教諭の津久井 薫 氏は話します。

また、家庭や通学中に動画で学習を行い、授業では確認問題を解かせることで学習意欲と基礎学力の向上にも取り組んできました。現在は、アクティブ ラーニングと反転授業を組み合わせた 21 世紀型スキルを目指した取り組みを行っています。お互いに異なる動画を家庭で見てきて、授業で相手に対して動画の内容を説明するという学習を行うという対面型のジグソー学習を行うことで、生徒はしっかりと動画を見ておかなければならないという責任感や目的意識を持って勉強に取り組むことができ、能動的な授業で情報伝達と情報受容の能力を高められると言います。「動画はいつでもどこでも、好きなときに見られるという、実際の授業にはないメリットがあります。聞き逃したり、板書を書ききれなかったりしても、巻き戻しや一時停止で確認できます」と話す津久井 氏は、2014 年 9 月以降の生徒用のタブレット端末導入によって、より柔軟性の高い教育ができることを期待しています。

タブレットの活用を普及させるためにも動画を活用しているのも、佐野日本大学学園の特長の 1 つです。タブレットの使い方、スタイラス ペンなどの周辺機器の使い方、動画の転送方法など多くの説明動画をグループウェアに掲載することによって、先行導入した教職員の講習はほとんど行う必要がなく、2 回行った講習会では説明動画で使い方を予習して、わからないところを皆で教え合っていたと言います。また、佐野日本大学高等学校デジタル放映部がタブレット導入を巡る 4 話構成の CM 動画を制作。2014 年 5 月時点で、教師に向けたタブレットの有効性を伝える「デジタルキャンパス物語 第 1 話~教師編~」と、PTA 総会に向けてタブレットとグループウェアの活用を示した「デジタルキャンパス物語第 2 話~女子高生編~」が公開されています。これらの動画を教師が見て、動画の有効性を知ることによって、積極的に教材として動画を作成する動きが出てきているという効果も生まれていると安藤 氏は説明します。また、グループウェアでこれらの動画に触れ、教材の配布やチャットなどを利用している生徒は、タブレットの導入を心待ちにしているそうです。

デジタル放映部が制作した動画
「デジタルキャンパス物語 第 1 話~教師編~」
http://youtu.be/dRvxxK6q4o8外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きます


デジタル放映部が制作した動画
「デジタルキャンパス物語 第2話~女子高生編~」
http://youtu.be/webNLKgUBME外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きます


グループウェアを使って生徒への情報発信や交流のためのチャット、教材の配信などが行われています。2014 年 9 月の Windows 8 タブレット導入以降は、生徒がいつでもどこでもこれらのコンテンツを利用できることになります。 [拡大図]新しいウィンドウ

<今後の展望>
Windows 8 タブレットを有効活用するには
クラウドの活用が必要不可欠

佐野日本大学学園では、高校生 1,500 人への 1 人 1 台の Windows 8 タブレット配布が完了した後は、順次、佐野日本大学中等教育学校の 1 ~ 3 年生 300 人にも提供を予定しています。その際に不可欠となるのは、クラウドの力です。「タブレットを普及させるために自前のサーバーを使うと非常に負荷がかかり、維持費とセキュリティに膨大な費用がかかってしまって、結局は何もできないということになりかねません。やはり、Microsoft Azure や Microsoft Office 365 も含めたクラウドを活用することを考えていく必要があると思います」と話す安藤 氏は、Venue シリーズに標準で搭載されている Microsoft OneNote や Microsoft OneDrive にも大きな期待を寄せています。「これまで、さまざまなファイル共有サービスを利用してきましたが、オンラインで資料を表示させるとレイアウトがずれてしまうのが問題でした。OneNote では、閲覧する側が文書の種類を意識しなくても適切なレイアウトで文書を閲覧でき、教材の配布や課題の回収を行う基盤として非常に有用だと考えています」 (安藤 氏) 。

授業で教師がタブレットを使うときには、画面転送のしくみを利用してワイヤレス接続システムでプロジェクターに投影しており、タブレットを使った新たな活用も考えています。「職員室のタブレットからボタンを押すだけで、各教室のプロジェクターに動画を配信できるので、朝の連絡事項は教師から生徒に伝えるのではなくプロジェクターで確認してもらって、教師はその時間を利用して講話などを行えるのではないかと考えています。また、教師が職員室に戻ることなく教室に残ったままで、教師どうしの連絡や会議を行うことも考えられます」と安藤 氏は話します。

2014 年 9 月の本格的な生徒 1 人 1 台の Windows 8 タブレット導入によって、佐野日本大学学園では自主創造の教育をさらに推し進め、社会においても創造力と実践力のある人を育てていくために先進的な取り組みを続けていきます。

佐野日本大学学園では、既に Windows 8 タブレットを使って、電子教科書や教材を大型プロジェクターに投影しながら授業が行われています。

家庭や通学時に Windows 8 タブレットで動画を見て予習し、実際の授業では解説や発表などのアクティブ ラーニングを行う反転授業に取り組むことができます。

コメント