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株式会社良品計画

 様に導入

Power BI で 4 億件以上の POS データを Excel で分析
良品計画が実現するビッグ データの民主化

1980 年に西友のプライベート ブランドとして誕生した「無印良品」。その企画開発・製造から流通・販売までを行う株式会社良品計画は、実店舗やオンライン ストア、さらにはスマートフォン向けアプリ「MUJI passport」などから日々集まる膨大なデータを分析・活用するプラットフォームとして Microsoft Power BI と Microsoft Azure を採用。4 億件以上の POS データにアクセスし、Excel を使って簡単にデータ分析ができる環境を構築しました。

写真:無印良品 店舗外観

無印良品 店舗外観

写真:店舗イメージ

店舗イメージ

<導入背景とねらい>
MUJI passport リリース後、データが蓄積されたことで分析のニーズも高まる

写真:株式会社良品計画 WEB 事業部長 奥谷 孝司 氏

株式会社良品計画
WEB 事業部長
奥谷 孝司 氏

写真:株式会社良品計画 WEB 事業部 CMT 濱野 幸介 氏

株式会社良品計画
WEB 事業部 CMT
濱野 幸介 氏

株式会社良品計画 (以下、良品計画) は、1980 年に西友のプライベート ブランドとして誕生した無印良品を展開している企業です。衣料品から家庭用品、食品など日常生活全般にわたるオリジナル商品は、現在、約 7,000 品目を数えます。また同社では、実店舗だけでなくオンライン ストアの「無印良品ネットストア」やスマートフォン向けアプリ「MUJI passport」といったウェブ サービスを提供するなど、ネットとリアルをつなげるオムニチャネル化にも積極的に取り組んでいます。

同社が 2013 年からサービスを開始した MUJI passport は、いまやデジタル マーケティング戦略の中核を担っています。買い物時にアプリ画面を提示すると「MUJI マイル」というポイントが貯まり、段階に応じて買い物で使える「MUJI ショッピング ポイント」をもらえます。店舗の近くでのチェックインや口コミの投稿などでもマイルを貯められると好評で、2015 年 3 月時点でのダウンロード数は 351 万人を越え、国内有数の専門店アプリへと成長しました。MUJI passport が持つ役割について、株式会社良品計画 WEB 事業部長 奥谷 孝司 氏は次のように説明します。

「弊社では、購入時点だけでなく、購入前、購入後も含めて、お客様が無印良品について使っていただける時間を『顧客時間』と呼んで、マーケティング上の重要な概念と位置づけています。MUJI passport は、この顧客時間を可視化できる重要なツールなのです。当初はアプリの機能充実に努めてきましたが、2 年間でデータも蓄積されてくると、経営企画をはじめとするさまざまな部門から、得られたデータを見たい、あるいは活用したいといった声が高まってきました」 (奥谷氏)

そこで同社は、専用の BI ツールを導入し、社外データ サイエンティストも活用するなどしてデータ分析を行う体制を整えていきました。

<導入の経緯>
使い慣れたインターフェイスで データ分析ができる唯一の BI ツール

ところが、当初導入した BI ツールとデータ サイエンティストによる分析だけでは、限界が見えてきたといいます。

「当初導入した BI ツールを利用できる人間は限られていました。それまでは、我々が『こんなデータが見たい』とリクエストを受けたらダッシュボード化して提供してきたのですが、情報をタイムリーにみることはできませんし、手間もかかってしまいます。しばらくは問題なかったのですが、MUJI passport データが蓄積されたこともあり、1 年もすると各部署からデータを見たいというニーズが高まってきました。そこで、本社スタッフだけでなく、店長やエリア マネージャーなどの現場スタッフにも手軽にデータを見られるしくみが求められるようになったのです」 (奥谷氏)

当初導入した他社の BI ツールの性能に大きな問題があったわけではなく、データを深く掘り下げて分析するには非常に役立っていると、株式会社良品計画 WEB 事業部 CMT 濱野 幸介 氏は次のように説明します。

「当初導入した BI ツールは、事前にデータを集計すれば高速に表示可能で、データを深く分析するのには向いています。ただし、部門によってデータの見方は異なるため、部門ごとにデータを集計し、異なるデータの集合体を用意する必要があったのです」 (濱野氏)

データ分析に求められる粒度によって BI ツールを使い分けるという選択をした同社。そして、社員が気軽にデータ分析ができるよう選択されたソリューションが、Microsoft Azure と Microsoft Power BI の組み合わせでした。「だれもが使い慣れている Excel を使ってビッグ データ分析ができる唯一のソリューションでした」と、奥谷氏はその選択理由を語ります。

<導入の成果>
レポート表示時間が 1/30 に短縮、4 億件の POS データを Excel で表示・分析できる環境を実現

同社は現在、Azure 上の仮想サーバーで SQL Server と Analysis Services を動かし、約 4 億件の POS データを、毎日、オンプレミスからメモリ上に読み込んでアクセス可能にしています。つまり、普段利用している Excel を使って、メモリ上に展開された 4 億件の最新データを表示・分析できる環境が整備されました。そしてその成果は、既に現れています。

「これまでは、『カレーを購入されたお客様の性別・年齢を出してほしい』とリクエストを受けたら、担当者が時間のあるときに分析し、結果をメールで返していました。データを提供するまでに長いと 1 日かかっていましたのが Power BI を導入してからは、Excel を使ってすぐに調べることが可能になりました。日本のビジネス パーソンにとって使い慣れた Excel のユーザー インターフェイスで提供される Power BI によって、データ分析の敷居は圧倒的に低くなったのです」 (濱野氏)

また、従来の BI ツールでは、レポートを表示するだけで約 5 分かっていたのが、約 10 秒に短縮されるなど、パフォーマンス面でも劇的な効果が得られました。

さらに奥谷氏は、最大の効果を「同じデータを Excel 上で全員が見られる環境が構築できたこと」と強調します。その結果、店長、エリア マネージャー、販売部、商品部などの現場で、データを参照・活用したいという気運が高まっています。

「たとえば、店舗別の MUJI passport ユーザーの訪問データを Power BI で集計し、お客様の年齢層や男女比などのデータをまとめた定型帳票をポータル サイトからダウンロードし、印刷して活用しています」 (奥谷氏)

図:システム構成図

システム構成図 [拡大図]新しいウィンドウ

<今後の展開>
データを元にアクションできる社員を増やすため、新たなテクノロジー導入も検討

Excel を使ってだれもがビッグ データを分析できる環境を整えた同社ですが、「全員がデータ サイエンティストになる必要はない」と奥谷氏は説明します。

「現在は、店舗スタッフが Excel を使って店舗でビッグ データ分析をしているわけではありません。店舗には、製品の陳列や接客など、もっと大切な業務があるからです。しかし、現場で感じたことをその場でデータを使って確認したり、現場で思いついた仮説をすぐに検証できたりする環境は必要だと考えています。データの定型帳票化はその第一歩ですが、今後はこうした環境をさらに整備したいと思います」 (奥谷氏)

さらに奥谷氏は「データを見て感じることのできる社員を増やすことが大切」と強調します。30 代の女性に売りたかった化粧品は本当に 30 代の女性に売れたのか。空気清浄機が男性に売れているように感じるのは本当なのか。あるいは、レジ脇のチョコレートを飲料に変えた方が売上は上がるのではないか。現場が皮膚感覚で感じていることをデータで確認し、仮説を立て、それに基づいて行動し、結果を検証できる環境。こうした "一見すごく見えないが、すごい環境" を作るのが、次の目標です。

Azure と Power BI は、この目標実現に不可欠のツールだといえます。同社では今後、機械学習機能の Azure Machine Learning をお客様向けマーケティング施策の予測に活用することも検討しています。 "一見すごく見えないが、すごい" データ分析環境の実現に向けて、同社での Azure 活用は、さらに加速していくでしょう。

写真:集合写真

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