612
導入事例

 様に導入

  • コミュニケーション
  • 効率化

特定非営利活動法人 @ リアス NPO サポートセンター

 様に導入

震災を経て「地元商店街活性化」から「釜石復興」へ
拡大する地域 NPO が Office 365 を選んだ理由とは?

特定非営利活動法人 @ リアス NPO サポート センター (以下、@ リアス) は、2004 年に認証を受けた NPO 法人。岩手県釜石市中心市街地の活性化と、商店街を含めた「まちなかの賑わい」創出を目的に、街の青年会有志によって立ち上げられました。2011 年 3 月の震災後は、行政や支援団体と被災した市民をつなぐハブとしても機能。"市街地の活性化" という枠を超えた大きな貢献をしています。そんな中、急務とされてきたのがスタッフ間の効率的な連携です。活動の規模が大きくなるにつれ、従来のシステムではプロジェクトを管理しきれないということが明らかになってきました。

<導入背景と経緯>
プロジェクト規模拡大に向けて Office 365 を導入決定

@ リアスが Office 365 を活用するに至った事例を紹介する前に、まずは 3 年前の釜石に何が起こったのかを知っておく必要があるでしょう。2011 年 3 月 11 日、釜石市は震度 6 弱の揺れと海水がビルの 2 階まで届くほどの大津波に襲われ、たくさんの命と生活の拠点を奪われました。当然ながら PC などの OA 機器、通信環境もほぼ全滅。釜石を含めた被災地全体が情報という点でも外部から遮断されてしまうという事態になりました。

そんな中、@ リアスは、スマートフォンなどわずかに残された手段で釜石の現状を外部へ発信する取り組みを始めます。「現地で撮った写真を "今日の釜石" と題して配信したところ、日本中からたいへんな反響がありました。釜石市はかつて製鉄業で栄えていたこともあって、全国各地にゆかりのある人がいらっしゃるんです。たくさんの励ましが心の支えになったことを今でもよく覚えています。」(@ リアス代表理事 鹿野 順一 氏) この経験をきっかけに、@ リアスは本格的に被災地コミュニケーションや情報発信などの復興活動を開始。気がつくと被災地を支援すべく活動を開始した企業や団体に対する窓口として認知されるようになっていました。

そしてそれとほぼ時を同じくして、マイクロソフトや PC メーカー、通信キャリア各社らが、被災地の NPO/NGO らに向け、PC とインターネット接続環境を提供する「ICT キャラバン隊」という活動を開始。もちろん @ リアスにも最新型のノート PC とモバイル Wi-Fi ルーターが提供されます。「ツールとしての PC 環境が整ったことで支援物資の管理や情報共有など、内外との連携がかなりスムーズになりました。同年 9 月にスタートした緊急雇用創出事業などは、助成金を申請するにせよ、事業委託を受けるにせよ、情報をきちんと記録していかねばなりません。最新型のノート PC、そしてなにより通信環境を提供してもらえたのは本当に助かりました。」(鹿野 氏)

@ リアスは岩手県釜石市中心市街地の活性化と
「まちなかの賑わい」創出を目的に立ち上げられました。

こうして徐々に復興活動を本格化させていった @ リアスですが、2013 年頃から業務の効率化に悩まされる事になります。活動の規模が大きくなるにつれ、プロジェクト間、チーム間での情報共有、連携が上手く行かなくなってきたのです。

「当時はいわゆる業務システム的なものを Evernote や Dropbox、Google カレンダーなどの既存サービスを組み合わせることで疑似的に実現していました。ところがこれらのサービスはそれぞれ別のものですし、そういった運用を前提に作られているわけではありません。管理部門だけで事業をコントロールしているうちはまだ何とかなったのですが、スタッフの数が 10 人、20 人となってくるとさすがに厳しい。いつまでも個人商店のような感覚では続けられないと考え始めました。」(鹿野 氏)

その頃には @ リアスのスタッフ数は 15 名に。外部関係者やプロジェクト単位でかかわる人も合わせると 100 名を超える規模となっていました。事務所も 3 箇所に分散しており、しかも事務所外で活動しているスタッフも少なくありません。毎日顔を合わせてその人の作業を指示、確認するというやり方は、もうできなくなっていました。

そこで鹿野 氏は、こういった問題を解決する方法を支援活動を通じて知り合ったマイクロソフトの担当者に相談。そこで提案されたのが「Office 365」を活用した業務システムの構築だったのです。

<導入効果>
適切な情報の共有でスタッフに自主性とリーダーシップが芽生えた

@ リアスの業務が Office 365 へ移行し始めたのは、今年頭頃から。スタッフ全体のリテラシーを考え、段階的に移行させることにしました。まずは Gmail と Google カレンダーで行なっていたメール、スケジュール管理を Outlook に変更することから開始。当初は両者を併用する形で使っていましたが、今年 3 月末には完全移行しています。その後、SharePoint のチーム サイト機能や OneDrive、Lync Online なども段階的に投入、ファイル共有やコミュニケーションなども Office 365 で効率的に行なえるようにしました。

図版: Office 365 を導入したことで、様々なサービスを 1 つの ID で利用できるように [拡大図]新しいウィンドウ

「いきなり全部を変えるとついてこられない人もいるので、少しずつ段階的に移行させるよう心がけました。特に重要度が高いと考えるメール環境については、移行マニュアルを作成し、時間をかけて乗り換えてもらうようにしています。それでも最初はみんなからブーブー言われましたね (笑)。でも、慣れてくるとその便利さがわかり始めるのでしょう。まだ本格導入してから数か月程度なのですが、最近はあたり前のように Outlook でスケジュール調整の連絡が来たり、Lync Online で話しかけられたりするようになりました。これにはちょっと驚いています。」(鹿野 氏)

その上で鹿野 氏は、Office 365 導入にはもう 1 つ狙いがあったと言います。それが、現場の意識変化。プロジェクト数が増え、規模も大きくなっていく中で鹿野 氏は、「現場のスタッフに判断を任せたい」と思い始めたのだそうです。活動の規模が小さいうちはトップダウンでも問題なかったのですが、今後はボトムアップ型の組織へと目指したい。そして、そのためにも効率のよい情報共有のしくみが必要だったのです。

「実際、Office 365 を導入し始めてから、スタッフの意識が変わってきたと感じます。情報共有のしくみを整えることで、これまでは管理部門しか把握していなかったプロジェクトの全体像を、現場スタッフにまで浸透させることができたのがその理由。適切な情報を元に自ら考え行動する自主性、リーダーシップが育ち始めています。」(鹿野 氏)

ほか、個別のサービスを束ねて使っていた時期と比べ、スタッフのアカウント管理が楽になったことも Office 365 導入の大きなメリットだったそうです。これまではスタッフが参加したり、辞めるたびに、それぞれのサービスのアカウントを作成/削除したりする必要があったのですが、Office 365 はシングル アカウントで利用可能。気になるセキュリティについても「厳重すぎるほど厳重。これなら安心して情報を共有できます。」(鹿野 氏)

また、PC やタブレット、スマホなど、使うデバイスを選ばないこと、個人のデバイスがない場所でも Web ブラウザーとインターネット回線さえ用意できれば情報にアクセスできる点も、さまざまな場所で活動する NPO にピッタリでした。インターネット回線も、一般的なモバイル データ通信環境で充分。外出や出張の多い鹿野 氏もストレスなく利用できているとのことでした。

<今後の展望>
CRM の活用でさらなる業務効率アップを目指したい

特定非営利活動法人
@ リアス NPO
サポート センター
代表理事
鹿野 順一 氏

鹿野 氏曰く、@ リアスのシステム効率化は目標の 7 割を達成。今後は、これまでシステム化してこなかったことを組み込んでいこうと考えています。

その 1 つが「CRM (Customer Relationship Management)」。これまでは業務上関わった個人、団体、企業の情報を、それぞれがスタッフ独自の方法で管理していたのですが、これを NPO 共有のリソースとして一元管理できるようにすることを目指しています。

「従来は担当者レベルで留まってしまっていた情報を全体で活用できるようにし、より戦略的な事業計画を立てられるようにするのが次の目的。マイクロソフトの CRM パッケージ Microsoft Dynamics CRM なら、Office 365 との連携が容易なので、スタッフの負担を増やすことなくさらなる効率化を実現できるのではないかと期待しています。それによって我々とかかわるすべての皆さんの満足度が高めていけるようにするのが最終的な目標ですね。」(鹿野 氏)

コメント