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導入事例

 様に導入

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山形県

 様に導入

業務の効率化に貢献するソフトウェアとして Microsoft Office を再評価。2014 年度中に全庁的に導入を実施

山形県庁

山形県庁

肥沃な土壌と豊かな水に恵まれ、農産物が豊かに実る山形県は、2005 年に県独自の情報システム フレームワークを策定するなど、従来から ICT 活用に積極的に取り組んできました。「特定のベンダーやツールに依存しないこと」を第一とし、「システムからブラック ボックスをなくし、必要な情報を公開する」、「共通部品、共通サービスを利用および追加すること」という 3 つのルールを順守してきた同県では、PDF や xml などの汎用的なファイル形式に準拠した Microsoft Office を、2014 年度中に、全庁的に導入を進めていくこととしています。

<導入の背景とねらい>
業務の継続性と効率性を重視して、庁内の業務環境を改善

豊かな自然が生む米やさくらんぼ、蕎麦などの名産品や、35 市町村のすべてに湧き上がる温泉で広く知られる山形県は、舟形町西ノ前遺跡から出土した土偶「縄文の女神」が 2012 年 9 月に国宝に指定されたことでも注目を集めています。
美味しい食べ物と、豊かな自然、そして歴史ある文化に恵まれた山形県は、その一方で、ICT 活用への積極的な取り組みでも知られています。
同県では、国が情報システム調達に関する基本指針をまとめるよりも早く、2005 年には県独自の情報システム フレームワークを策定。下記 3 つのルールを守り、情報システムの調達を行ってきました。

1. 依存しないこと
2. 公開すること
3. 共通部品、共通サービスを利用および追加すること

そして今、2013 年度から始まる第三次山形県情報システム全体最適化計画が進められていると、山形県 企画振興部情報企画課 課長補佐 (電子県庁推進担当) 石澤 正教 氏は説明します。
「県の情報システム全体最適化は、第一次計画においては脱メイン フレームを掲げ、基幹システムのオープン化を図りました。仮想化によるサーバー統合なども行い、4 年間で約 5.5 億円のコスト削減を実現しています。続く第二次では、システムの共通化をさらに進め、Web 化を促進してきました。そして、今回の第三次においては、最新の ICT に対応したシステム構築ルールの策定と、情報システム運用に関する PDCA (Plan – Do – Check - Action) サイクルの強化、そして BCP 対策の推進を図ります。」

この第三次計画を前にして山形県では、職員の業務をフロントエンドで支えるテクノロジーの再評価による、もう 1 つの決定が行われました。それが、Microsoft Office の追加導入でした。

山形県は、2002 年に 1 人 1 台の PC を導入した際に、クライアント OS およびオフィス アプリケーションとして Windows XP と Office XP を採用しました。しかし、2011 年の Office XP のサポート終了に際し、山形県では前述の情報システム フレームワークに照らし、民間業者のコンサルティングを交えながら 1 つの試みを実施。一度は、Microsoft Office の利用を一部に限定する運用に切り替えました。当時の検討において主な論点となったのは、「公共機関として、業務で作成するドキュメントの永続性をいかに担保するか」ということであったと、同 企画振興部情報企画課 情報技術支援主幹 金内 秀志 氏は振り返ります。「県として重視したのは、ドキュメントを永続的に活用できるよう、汎用的なファイル形式を保つことでした。そこで、オープンなファイル形式にこだわり、ODT を標準サポートするオープンソース ソフトウェアのオフィスソフト を全面採用しました。また、1 人 1 台 PC を配布した際に外部交換用、長期保管用の文書形式として PDF の全面採用に踏み切ったことから、当該オフィスソフトに PDF エクスポート機能があったことは、大きな魅力でした。Microsoft Office に関しては、一部のライセンスだけを残し、それ以外の職員にはビューアーを配布して対応する運用に切り替えたのです。」

以降 2 年近く運用を続ける中で、ICT を巡る環境が、当時の予測と異なる場面が目立つようになってきたと、同課 基幹ネットワーク調整専門員 山口 功 氏は話します。
「民間、国、他県、市町村等から送付される Microsoft Office のファイルを、ビューアーやオープンソース ソフトウェアであるオフィスソフト で閲覧すると、書式やレイアウトなどが崩れてしまうことがあります。文書の書式が勝手に変わってしまうのは問題であり、編集する場合も手作業で細かな修正を行わなければなりません。そうした作業の発生する頻度が予想より多かったと言えます。Microsoft Office を必要とする職員には適宜インストールさせたほか、各所属に 1 台ずつ配置している共用 PC には Microsoft Office の環境も残しておきましたが、需要が多く順番待ちのときもあったと聞いています。」

<Microsoft Office 導入の効果>
業務効率を大幅に向上。多様なファイル形式との互換性も保持。

2012 年に再度 Microsoft Office の検討を行った山形県が高く評価したのが、その汎用性の高さでした。
「2007 以降の Microsoft Office では、PDF や xml、OpenDocument などの形式でファイルを保存することが可能です。さらには、jtd ファイルまで開くことが可能です。一般的に庁内で使用するファイル形式はすべて網羅されていたのです。Microsoft Office が業界標準のテクノロジーを取り入れながら、ユーザーが必要とする進化を遂げていることが良く分かりました。そこで、庁内の IT 環境を 現行のオフィスソフト と Microsoft Office の 2 本立てで整えることに決まりました。」(山口 氏)

現在 Microsoft Office の導入を開始しており、2 つのオフィスソフトを職員が併用している段階です。県では引き続き必要な Microsoft Office の導入を進め、最終的には全庁的にMicrosoft Office の利用が可能な環境を整えていきます。
また、クライアント OS のアップグレードも並行して進行。2013 年中には、県庁職員並びに高校教員が使用する PC の OS が Windows 7 に移行します。

こうした作業環境の変化によるメリットはすでに現れており、「職員の作業の効率化に寄与したのではないか」と山口 氏は言います。

同課 基幹ネットワーク調整主査 菊地 敏明 氏は、Microsoft Office の活用方法をより実用的な面から整理した解説集などがあれば、もっと業務の効率化が進むだろうと期待をしています。「Microsoft Office には非常にたくさんの機能があるのですが、私を含めて、そのすべてを使いこなしている者はまだあまりいないと思います。分かりやすい Tips 集など提供できれば、職員の活用も進み、もっと多くのメリットを得ることができるだろうと思っています。」

<今後の展望>
BCP のガイドライン策定にも影響

今回の Windows 7 および Microsoft Office 導入は、第三次山形県情報システム全体最適化計画における ICT-BCP (情報システムの業務継続計画) のガイドライン策定にも影響する可能性があると、石澤 氏は言います。
「現在、庁内にタブレット端末を 30 台ほど導入して、システムの外部利用の検証などを行っています。外部からの利用は、特に災害発生時、どうしても職員が登庁できない場合にも、自治体業務を止めないようにする上で重要な役割を果たすと思っています。その際、Microsoft Office が不自由なく使えるかどうかもポイントになるかもしれません。その意味ではマイクロソフトが発売した Surface Pro というデバイスにも注目しています。」

また、金内 氏は「数年先までロードマップが示されていることも安心材料になっている」と続けます。「タブレット端末に関しては、まだ試行検証の初期段階ですが、デバイス内にデータを残さない仕組みを整備すれば、庁内のペーパーレス化も促進できるのではないかと期待しています。オープンソースのコミュニティを母体とした開発と異なり、マイクロソフトの製品、サービスに関しては、数年単位で開発のロードマップが提示されていること、メジャー バージョン アップだけでなく、サービス パックの配布を通じてサポートが受けられること、最近ではグローバルで標準的とされる技術の採用が積極的に進んでいることなどを評価しています。こうした点は、長期的な視野で決定を行わなければならない公共機関にとっても、ありがたいことだと思っています。」

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