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導入事例

 様に導入

  • 効率化
  • 最適化
  • コスト

沖縄県

 様に導入

継続可能なソフトウェア資産管理 を目指して、「機能」と「ナレッジ」と「サポート力」の 3 拍子が揃った管理体制を、System Center Configuration Manager と PerfectWatch for Asset-LifeCycle で実現

沖縄県庁

沖縄県庁

全国的にソフトウェア ライセンスに関する違反などの問題が注目された 2009 年から、沖縄県では、庁内のソフトウェア ライセンス管理を徹底させるため、ソフトウェア資産管理 (SAM) に関する取り組みに着手。従来から行っていた IT 資産管理を効率化するとともに、ソフトウェア資産管理評価認定協会 (SAMAC) の定める基準に沿った運用を継続的に可能にするシステムの導入を計画。県が既存活用していた Microsoft System Center Configuration Manager と、CSK Winテクノロジの提供するソリューション「PerfectWatch for Asset-LifeCycle」を連携活用するしくみを採用しました。

<導入の背景とねらい>
業界団体の定める管理基準に則して、効率よく、継続運用できるしくみを公募

美しいサンゴ礁の海に囲まれた常夏の島、沖縄では今、県庁業務を支える IT システムの全体最適化が進められています。そして、その前段として欠かせない、ある取り組みが 4 年前から進行していました。それが、ソフトウェア資産管理 (以下、SAM : Software Asset Management) の実践です。

沖縄県
企画部 情報政策課
行政ネットワーク整備班
主事
宜保 諒 氏

沖縄県
企画部 情報政策課
行政ネットワーク整備班
班長
奥野 英明 氏

沖縄県
企画部 情報政策課
主任
玉城 辰也 氏

SAM は、県庁内にあるすべての IT 資産を明確に把握し、ライセンス違反や無許可のソフトウェアなどが利用されないように管理する手法であると同時に、庁内の IT 資産に関する「遊休・余剰」という無駄を防ぎ、予算の最適化を図る上でも効果的なソリューションです。
沖縄県 企画部 情報政策課 行政ネットワーク整備班 主事 宜保 諒 氏は、同県が SAM に取り組んだ経緯について次のように振り返ります。
「2009 年にソフトウェア ベンダーの協力の下、庁内のソフトウェアの資産調査を行ったことが、プロジェクト開始のきっかけになっています。沖縄県庁では毎年 1 回 IT 資産の調査確認を行っていたのですが、2009 年の調査を行った時に、それまでの管理体制が不十分であったことが分かったのです。」

沖縄県で行っていた従来の IT 資産管理は、Excel ベースの台帳を作成して、各部署へ手入力を依頼することで行われてきました。そのため、毎年の作業量が膨大になってしまう上に、ミスなく、効率的に台帳を更新管理することが難しくなっていたと言います。
「結果、購入の証左として必要となる製品のパッケージやライセンス証書が失われてしまっているといった課題が見つかりました。PC などのハードウェアに関してはまったく問題なかったのですが、インストールされているソフトウェアの管理までは手が回っていなかったのです。万一、ライセンス違反が庁内にあれば、賠償金の支払いなど、大きな損失につながる可能性があります。そこで、将来にわたって、継続的に SAM を徹底していくしくみが必要となりました。」

2009 年の調査結果を受けて、2010 年度から SAM の管理システム構築プロジェクトが正式にスタート。構築パートナーの公募を行う際に、沖縄県が重視したのは、「コスト」ではなく、「ソフトウェア資産管理評価認定協会 (以下、SAMAC) の定める管理基準を確実に満たす」経験とスキルでした。

その理由について宜保 氏は、次のように話します。
「SAM について、詳しい知識と経験を持った IT パートナーは、当時はまだ少なかったと思います。そうした中、コスト面だけを重視した入札を行ってしまうと、単にインベントリー (ハードウェアやソフトウェアの利用状況) を収集するシステムを入れるだけで終ってしまいます。そのため、入札条件において、コストに関する条件のウェイトを下げて、SAMAC の管理基準に準拠することを最優先しました。」

同 情報政策課 行政ネットワーク整備班 班長 奥野 英明 氏も、次のように振り返ります。
「公募を行う前に、複数の IT パートナーに話を伺ったのですが、『インベントリーさえ集めれば SAM を満たせる』と誤解されているパートナーさんが多かったように思います。しかし継続的に運用できる SAM でなければ、導入する意義がなかったのです。」

実は、沖縄県でもインベントリーを収集するためのシステムが一部で試験的に導入されていたのですが、SAM 支援システムとしては有効に活用できていなかったと言います。収集したインベントリーは、いわば利用状況となるため、保有状況を記録している台帳との突合せが必要になります。台帳管理を効率的に運用するしくみを必要とする SAM において、インベントリー収集ツールは、ほんの一部の役割を担う存在にすぎなかったのです。

こうして沖縄県では、下記の 2 点を重視して、2011 年 5 月に公募を実施しました。

【重要条件】
1. SAM を深く理解している企業であること
2. 沖縄県にあって、迅速なサポートを提供できること

この条件を満たすものとして、7 月に選定されたのは、東京・新宿に本社を構える株式会社 CSK Winテクノロジ (以下、CSK Winテクノロジ) と、沖縄で長く IT に携わってきた株式会社オーシーシー (以下、オーシーシー) の 2 社による提案でした。

<導入の経緯とシステム概要>
システム基盤とのスムーズな連携で効率的に SAM 支援システムを導入

株式会社CSK Winテクノロジ
第二開発部
第二開発課
課長
大惠 傑 氏

株式会社オーシーシー
公共営業本部
新垣 豊 氏

沖縄県が導入した SAM のシステムは、ハードウェアおよびソフトウェア資産のインベントリーならびにコンプライアンスに関するレポートを提供する管理ツール、Microsoft System Center Configuration Manager と、CSK Winテクノロジが提供する SAM のソリューション「PerfectWatch for Asset-LifeCycle」が密接に連携。従来、手入力で行われていた年 1 回の IT 資産調査をほぼ自動化し、台帳を間違いなく更新管理することで、"継続可能な SAM" を実現するものです。

このシステム運用を支える CSK Winテクノロジとオーシーシーの 2 社連携は、ソフトウェア面とハードウェア面に分けた、明確な分業体制によってスムーズに運用されています。

沖縄県が既存活用していた Windows Server と System Centerに対し、PerfectWatch for Asset-LifeCycle は連携機能を標準装備しているため、構築もスムーズに進行。System Center Configuration Manager が提供する強力なインベントリー取得機能を活用することで、PC に導入されているソフトウェアのライセンス種別(OEM、ボリューム ライセンスなど) まで取得できる環境を実現しています。

このシステム運用に際し、ハードウェア面を担当しているオーシーシー 公共営業本部 新垣 豊 氏は、協業体制について次のように話します。
「当社には、SAM に対する特別なナレッジはありません。これから勉強すべきことがたくさんあるのですが、PerfectWatch for Asset-LifeCycle の運用に関しては、CSK Winテクノロジさんが全面的にサポートしてくれます。私たちは、日々のサーバー運用とパッチ適用などを担当しています。これだけ綺麗なパートナーシップと分業体制が築けたのは、私たちにとっても大きなメリットでした。」

このパートナーシップを沖縄県も高く評価。宜保、奥野 両氏も「非常に心強い」と声を揃えます。

「SAM に関する知識や経験を持ったパートナーと、何か障害などが発生した際にすぐに駆けつけてくれる地元のパートナーが密接に連携してくれているお陰で、私たちにとっても理想的な体制ができました。」(奥野 氏)

<導入効果>
ワークフローやインベントリー収集との連携で信頼性の高い IT 資産台帳を効率的に運用

こうして SAM の環境が整えられた沖縄県では、2012 年 2 月から 2013 年 2 月までの 1 年をかけて調査を完了。万全な台帳が作成され、今後の "継続可能な SAM" の基礎が固められました。

沖縄県 企画部 情報政策課 行政ネットワーク整備班 主任 玉城 辰也 氏は、次のように説明します。
「今回のシステム導入のメリットとして非常に強く実感したのが、インベントリーやワークフローと連携して、台帳が自動更新されることです。たとえば、従来は各部署に対する PC の配布や返却の手続きは、紙の申請書で行われていました。それを、人の目でチェックして Excel ベースの台帳に反映させていました。しかし、今は PerfectWatch for Asset-LifeCycle によって申請ワークフローが電子化され、受理された内容が間違いなく、台帳に即時反映されます。これは素晴らしいことだと思います。」

奥野 氏も「おかげで作業量が激減した」と声を揃えます。
「今年の 4 月。システム導入後初めての人事異動対応を行ったのですが、PC の配布や返却に関する作業量が激減しました。以前ですと、かなりの残業を必要としたのですが、今年は大幅に時間を短縮できました。ワークフローが整ったことで、入力ミスもその場で指摘され、修正できるようになりましたので、データの信頼性も向上しています。」

さらに、SAM を徹底したことによって、ライセンスの余剰なども判明したと宜保 氏は話します。
「各部署でボリューム ライセンスの契約も行ってきたのですが、人事異動の影響で、過去の契約内容がわからなくなっていたり、他の部署で余っている資産があるのに新規調達を行ってしまうなど、コスト的な無駄があったことも分かりました。今後、私たち情報政策課から各部署へ情報をプッシュしていくことで、庁内のソフトウェア ライセンスも最適化されていくと思います。」

こうしてさまざまなメリットを達成した SAM システムの導入において、沖縄県が System Center と Perfect Watch for Asset-Lifecycle の連携を選択した背景には、パッケージをなるべく、カスタマイズしないで導入するねらいがあったと奥野 氏は話します。

「沖縄県でも、Windows をはじめ、Microsoft Office など多数のマイクロソフト製品を導入、活用しています。同じくマイクロソフト製品である System Center であればそうしたライセンス群の管理にも不足はないでしょう。さらに、もう 1 つのねらいとして『SAMAC に準拠したパッケージをカスタマイズせずに導入したい』という思いがありました。SAM の成熟度評価は、年度ごとに見直されます。今後パッケージに改良が加えられた時に、独自にカスタマイズしたために沖縄県のシステムに反映できないのでは、継続的な SAM の運用にも影響が出てしまいますから。」

沖縄県庁 システム構成イメージ

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<今後の展望>
ポータルを活用した情報開示などを含め "継続可能な SAM" のさらなる充実へ

こうして沖縄県の SAM 運用に向けたしくみ作りは、ほぼ整いました。しかし、より多くの人を巻き込んでいく運用体制の構築という課題が、まだ残っていると宜保 氏は言います。

「今後はポータル活用を含め、人的な運用体制が重要になります。
しかし、PerfectWatch for Asset-LifeCycle というソリューションは、フロントエンドの部分を組織ごとのニーズに合わせて調整できるように設計されていますので、将来的に庁内の運用体制が変わっても、まったく問題はありません。」

PerfectWatch for Asset-Lifecycle を活用したしくみを進化させるために、もう 1 つ、CSK Winテクノロジが推奨しているしくみが、Microsoft SharePoint Server などのポータル製品の活用です。
CSK Winテクノロジ 第二開発部 第二開発課 課長 大惠 傑 氏はその意義について、次のように説明します。

「SAM を継続運用していく上では『情報の開示』が、非常に大きな意味を持っています。今回で言えば、情報政策課の皆様や各部署のリーダーとなる方々が SAM の情報を把握するだけではなく、庁内にいるすべてのエンドユーザーが、PC やソフトウェアのコンプライアンスに関する知識を得ることが重要です。そのために、SAM に関する各種ドキュメントをポータルに整理するだけでも意味があります。SharePoint Server を活用することで、ドキュメント類の共有だけでなく、台帳のダイジェスト表示等、エンドユーザーにわかりやすいシステムを実現することができました。また、アンケート機能を利用して SAM に関する簡易な教育を行うことも可能です。」

最後に、宜保 氏は次のように締めくくります。

「今回、SAM の体制構築に際して、各部署へお願いした資産調査など、県庁全体で多大な作業負荷が発生しました。しかし、SAM は IT システムを活用する組織にとって、避けては通れない課題です。今後、長期にわたって、より少ない労力でコンプライアンスを徹底し、ライセンスの無駄を省くことができる体制が構築できたことは、本当に良かったと思っています。」

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