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オリックス グループ

 様に導入

Office 365をグループ全体の新たなコミュニケーション基盤として採用
働き方を変革しながらグループ経営のさらなる強化を目指す

写真:オリックス グループ

オリックス グループ

融資、投資、生命保険、銀行、資産運用、自動車関連、不動産、環境エネルギー関連など、さまざまな事業を数多くのグループ会社によって展開しているオリックス グループ。グループ経営をさらに強化するため、グループ全体のコミュニケーション改革が進められています。その基盤として採用されているのが、Microsoft Office 365 です。採用の理由としては、1 万人を超える大規模環境での実績や、グローバル展開への対応、特定のデバイスに依存しないことなどが挙げられていますが、最大の決め手になったのは、金融機関でも安心して活用できるセキュリティの高さでした。2015 年 11 月にはオリックス生命保険株式会社とオリックス・システム株式会社への展開を開始。2016 年 5 月には他のグループ企業への展開も始まる予定です。

<導入の背景とねらい>
複数企業が連携した “グループ経営” をさらに強化するため、
グループ全体のコミュニケーション改革に着手

写真:飯島 正純 氏

オリックス株式会社
業務改革室長
飯島 正純 氏

写真:井上 みゆき 氏

オリックス株式会社
業務改革室
課長
井上 みゆき 氏

個人が持つ知恵を組織的に共有し、それをビジネスに最大限に活かしていくことは、強い企業をつくるうえで避けて通れない課題だと言えます。この課題に対応するため、新たなコミュニケーション基盤として Office 365 を導入したのが、オリックス グループです

同社は東京オリンピックが開催された 1964 年に、日本にリースという新しい産業を普及させるために、わずか 13 名の社員で設立された企業です。その後、顧客の多様化するニーズや経済環境の変化に対応するため、さまざまなビジネス領域へと進出していきます。現在は、融資、投資、生命保険、銀行、資産運用、自動車関連、不動産、環境エネルギー関連などへ事業を広げ、世界 36 の国と地域で展開しています。

「オリックスのビジネスの進め方で最も大きな特長は、複数のグループ会社が緊密に連携した “グループ経営” を行っている点にあります」と語るのは、オリックス 業務改革室長の飯島 正純 氏です。「私は以前オリックスの営業部門にいましたが、1 人の営業の背後にはオリックス不動産やオリックス環境などの専門部隊が存在し、常に 10 名以上のグループ会社社員とコワーク (Co-work) していました。営業担当者 1 人で考えられることには限りがありますが、複数の専門部隊と一緒に仕事をすることで、多様な提案が可能になるのです」。

オリックスでは現在、Office 365 を活用したコミュニケーション改革が進められていますが、これもこのようなコワークを加速するためのものです。そのきっかけとなったのは「それまで使っていた Lotus Notes のサービス終了でした」と、オリックス 業務改革室 課長の井上 みゆき 氏は振り返ります。

「オリックスでは Notes を 1994 年に導入し、20 年以上にわたって使い続けてきました」と井上 氏。しかし、最近ではユーザーの新たなニーズに、対応できるものではなくなっていたと言います。「情報共有に使われてきた Notes DB は部門単位で運用することを前提としており、3,000 もの DB があったにも関わらず、全社規模での情報検索や共有は難しい状況でした。その結果、部門間の情報交換はメールに依存する結果となり、膨大な数のファイルがメールに添付されてやり取りされていたのです」。

メールが主要な情報交換手段になっていたにも関わらず、1 人あたりのメールボックス サイズが小さかったことも、大きな問題だったと飯島氏は指摘します。そのため、すぐにメールボックスがいっぱいになり、1 週間に平均 30 分もの時間が、メールボックス空き容量確保のためのメール削除作業に費やされていたと言います。「操作ミスで必要なメールまで削除してしまうこともあり、フォルダーの振り分け機能がないため対応すべきメールを見逃しやすいという問題もありました。社内アンケートを実施したところ、部長職の 75% が、対応すべきメールを見逃した経験を持っていました」。

もちろん社内に置かれたオンプレミス システムだったため、社外からの利用もできませんでした。自分の机から離れてしまうと、メールすら見ることができなかったのです。

このような問題を根本から解決するため、オリックスは 2013 年 5 月にグループ全体のコミュニケーション改革に向けた取り組みに着手。その結果選ばれたのが、Office 365 だったのです。

<導入の経緯>
4 つの理由から Office 365 を選択、
決め手になったのはセキュリティの高さ

写真:久米 功二郎 氏

オリックス株式会社
業務改革室
業務改革第一チーム長
久米 功二郎 氏

オリックスにおけるコミュニケーション改革への取り組みは、徹底したリサーチから始まりました。まずは、他社の先行事例から学ぶ必要があると考え、導入事例の調査を進めていったのです。対象となった企業数は約 50 社。文書として公開されている事例情報の調査ではなく、直接訪問してヒアリングを行いました。

このようなプロセスを経ることで、目的意識は次第に変わっていったと井上 氏は振り返ります。「当初は Notes からの離脱が大きなテーマでしたが、先行事例の調査を進めていくことで、着目すべき問題はそこではないと分かってきました。成功事例の多くは最初から “働き方改革” を目指しています。オリックスでの取り組みも、もっと視点を上げていくべきだと感じたのです」 (井上 氏) 。

これと並行して社内ユーザーへのインタビューも実施。ビジネスの現場でも、働き方改革への意欲が強いことが判明します。メール依存度が高いコミュニケーションや、システム的な制約がある情報共有を変え、より効率的な働き方をしたいという意見が数多く出てきたと言います。

2015 年 1 月にはユーザー参加型の実証実験も開始。オリックスの法人金融営業部門から 130 名、非営業部門から 17 名が参画する形で、Office 365 と Google Apps の試用を進めていきます。この経験に基づき、2015 年 5 月には Office 365 の採用を決定。同年 6 月には投資案件として、正式に承認されることになります。

それではなぜ Office 365 が選ばれたのでしょうか。大きく 4 つの理由があったと井上 氏は説明します。

第 1 は、1 万ユーザー以上の規模での実績があることです。オリックスがグループ全体で活用するのであれば、ユーザー数は 3 万人を超えることになります。これに十分耐え得るスケーラビリティが必要です。

第 2 は、グローバル対応可能なことです。オリックスは日本国内だけではなく、36 の国と地域でビジネスを展開しているため、これも必須条件です。

第 3 は、特定のデバイスに依存しないことです。「オリックス グループでは、現在、同一機種のノート PC を社員に配布していますが、将来は利用シーンに合わせて、複数のデバイスを選べるようにしたいと考えています」と言うのは、オリックス 業務改革室 業務改革第一チーム長の久米 功二郎 氏です。最適なデバイスを活用することで、業務効率をさらに高めていくことを目指しているのです。

そして第 4 がセキュリティです。グループ全体で同じ基盤を使うことになれば、銀行や生命保険といった、厳しいセキュリティが求められるグループ会社のニーズも満たす必要があります。もちろん金融情報システム センター (FISC) の「金融機関等コンピューター システムの安全対策基準・解説書 (FISC 安全対策基準) 」への対応も不可欠です。

「これらの理由のうち、最大の決め手になったのはセキュリティです」と井上 氏。2014 年にデータセンターが日本国内に開設されたこと、抜け穴からの情報漏えいリスクに対応できる Rights Management Services (RMS) やデバイスのセキュリティを強化する Enterprise Mobility Suite が提供されていること、閉域網でアクセスできる ExpressRoute が利用可能になること、そして FISC 安全対策基準への対応状況リストが公開されていることなどから、Office 365 であれば十分なセキュリティが確保できると説明します。「経営トップの最大の関心事もセキュリティ確保でしたが、Office365なら大丈夫だと判断されました。また、金融庁に規制や監督されるオリックス生命を含むいくつかのグループ会社からは、マイクロソフト以外の選択肢は考えられないとまで言われました」。

2015 年 6 月には、グループ全体に展開するためのインフラ設計と構築に着手します。環境を整備した上で、2015 年 11 月にオリックス生命とオリックス・システムを対象にした約 3,300 名への展開を開始。2016 年 5 月にはグループ全体への展開も始まる計画です。

<導入効果>
まずはメール移行で無駄な時間を排除しグループ全体で年間 36 万時間の削減、
多様なデバイスの活用で顧客のために使う「外向き時間」の増大にも期待

オリックスにおける Office 365 の活用は、まずメールやスケジュール管理を Exchange Online へと移行するところからスタートしました。これによってメール削除といった無駄な作業の排除や、会議開催などのためのスケジュール調整の簡素化が実現されています。

「2016 年 5 月から始まる Office 365 の展開では、約 15,000 名の社員が対象になる計画ですが、週平均 30 分のメール削除作業がなくなることで、全体では月間約 3 万時間、年間では 36 万時間 (= 4.5 万人日) の無駄が削減されることになります。スケジュール調整も、以前は個々人のスケジュールを画面表示し、それをメモに写しながら調整作業を行う必要がありましたが、Exchange Online なら複数ユーザーのスケジュールを 1 つの画面に表示できるため、関係者全員の空き時間を確認しやすくなる」と井上 氏は語ります。

「今後は既存の Notes DB をどうするのかも検討する必要がありますが、3,000 ある DB のうち 550 はスケジュール関連のものです」と指摘するのは久米 氏です。そのためスケジュール管理を Exchange Online へと移行した段階で、Notes DB の多くが不要になるはずだと言います。

次のステップとして考えられているのは、Microsoft SharePoint Online による社内ポータルの立ち上げや、OneDrive for Business によるファイル共有、Skype for Business によるコミュニケーション手段の多様化です。目的や状況に応じた最適な手段を選択できるようにし、過度なメール依存から脱却、コミュニケーションのスピードアップを図っていく予定です。「ポータルや One Drive でファイル共有を行えば、メール添付でのファイル交換は不要になります。また Skype for Business ならリモートで資料を共有して Web 会議を行うことができ、プレゼンス機能で相手の状況を把握したうえでコミュニケーション手段を選ぶことも可能になります」 (井上 氏) 。

ポータル立ち上げに向けた取り組みは既に始まっており、2016 年 5 月にはグループ共通のポータルをオープンし、 Skype for Business の活用も段階的に広げていく予定です。このような取り組みによって、メールの量は 50 ~ 60% 削減する計画です。

Office 365 のグループ全体への展開に伴い、新たなデバイスによるモビリティ向上も計画されています。「いつでもどこでも」働ける環境を整備することで、顧客のために使う「外向きの時間」を増やすことを目指しているのです。

モビリティ向上の取り組みについて、井上 氏は、「2014 年 11 月に試験的に営業部門に iPad を導入しており、オリックスの標準的な端末の 1 つにしようという動きもありました」と振り返ります。しかし、iOS 上で利用できるアプリケーションが限られていることや、営業担当者の多くが外出先でもキーボードやマウスを必要としていることから、機種を再検討していると言います。「今後導入するとなれば、2 in 1 タイプの Windows タブレットが有力な候補になるでしょう。また役職者からは手のひらに収まる端末がよいという声もあり、このようなニーズには Windows Phone で対応することも考えられます。デバイスの多様化でモビリティを高めることで、外向きの時間を高めたいと考えています」。

オリックスにおける業務改革のフェーズ プラン。無駄の排除やセキュリティ強化、アクセシビリティ向上、スピード化を段階的に進め、働き方を変革していくことが目指されています。[拡大図]新しいウィンドウ

<今後の展望>
Office 365 の活用機能を段階的に拡大、
RMS や EMS の導入も計画

今後は前述のように、Exchange Online から SharePoint Online、OneDrive、さらに Skype for Business へと、Office 365 の活用機能を段階的に広げていく計画です。Yammer に関しては、「まだグループ展開は難しいのではないか」という声もありますが、飯島 氏は、「ぜひ活用したい」とコメント。これによってより手軽かつ自然な形で情報を伝達でき、知恵の共有が加速するからだと説明します。

その一方で、セキュリティをさらに強化するため、RMS や EMS の導入も計画されています。RMS に関しては 2016 年 6 月に導入することが既に決定しています。

「グループ内の経験値や知恵を共有・融合していくことで、個社を超えた関係がより深まり、グループ経営の強みをさらに高めることができます」と飯島 氏。そのための基盤が Office 365 であり、多様な機能を積極的に活用することで、変革のスピードやレベルも上がっていくはずだと言います。「これによって社員の生産性や利便性をさらに高め、お客様にも新たな価値を提供し続けたいと考えています」。

取材にご対応くださったオリックス 業務改革室の皆様。向かって左から、業務改革室 業務改革第一チーム 佐藤 憲太郎 氏、業務改革室 業務改革第一チーム 土井 由美子 氏、業務改革室 業務改革第一チーム 熊坂 美葉 氏、業務改革室 井上 みゆき 氏、業務改革室長 飯島 正純 氏、業務改革室 業務改革第一チーム長 久米 功二郎 氏、業務改革室 業務改革第二チーム 棚山 慎一郎 氏。

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