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導入事例

 様に導入

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沖縄県国民健康保険団体連合会

 様に導入

Excel をフロントとして「誰でも活用できる BI」を実現。従来半年以上かかっていた統計データ抽出を、わずか 3 日に短縮。レセプト データを活用し、沖縄県内の国保事業等の活性化に貢献

沖縄県国民健康保険団体連合会

沖縄県国民健康保険団体連合会

レセプト電算処理システムの普及など電子化が進む中、沖縄県国民健康保険団体連合会は、従来から積極的に IT 化に取り組んできました。そして、保険者のニーズにより迅速に応えていくために、2012 年 7 月から新たに「国保連合会ポータル サイト」をスタート。Microsoft SharePoint Server と Microsoft SQL Server を活用した BI (Business Intelligence) 環境を、保険者に提供し、個別のニーズに応え、わずか 3 日で統計データのテンプレートを提供できるようになりました。

<導入の背景とねらい>
沖縄県内 43 保険者の国保事業等をより充実させるために、レセプト データの徹底活用へ

沖縄県国民健康保険団体連合会 (以下、沖縄県国保連合会) は、全国有数の長寿県として知られる美しき島 (美ら島) 沖縄県で、県民の健康的な生活を支えるため、沖縄県内に 43 ある保険者と共に国保事業等に従事する団体です。

沖縄県国民健康保険団体連合会
情報・介護課
課長
福地 健一 氏

沖縄県国民健康保険団体連合会
情報・介護課
課長補佐
川満 達也 氏

国保連合会の主な業務には、保険医療機関に支払われる「診療報酬の審査支払」のほか、「保険者事務電算共同処理」が挙げられます。
「保険者事務電算共同処理」は、保険者に共通する事務を国保連合会で一元的に電算共同処理し、事務の合理化や経費の節減を図り、各種の行政に対応する情報などを提供するものです。

沖縄県国保連合会の保険者事務電算共同処理業務では、平成 12 年 4 月に連合会と保険者をオンラインでつなぐ「国保ネットおきなわ」が開設されるなど、従来から業務の効率化が図られてきました。
しかし、それでも「43 保険者ごとに異なるニーズに完全に対応するには至っていなかった」と、沖縄県国保連合会 情報・介護課 課長 福地 健一 氏は説明します。

「国保連合会は、保険者が議会に提出する帳票やデータを提供する役割も担っているのですが、保険者ごとに必要なデータが異なり、そのニーズも毎年変化します。ところが、電算処理のシステムでは定型のデータしか抽出できません。新たなデータ抽出は、運用委託先の電算会社にカスタマイズを依頼しなければならず、当然コストが発生します。そのため、開発交渉にも時間がかかり、実際に提供できるまで、半年以上の時間が必要でした。」

さらに、平成 18 年 5 月に、全国標準の新・保険者事務共同電算処理システムが導入されたことが転機になったと福地 氏は続けます。
「新・保険者事務共同電算処理システムの導入により、効率化も進みました。
しかし一方で委託先の電算会社が自社で開発したものではないため、新システムをすべて把握することは困難であり、単に『システムのことは委託電算会社に任せておけば大丈夫』という従来の考えではなく、本会が自らシステムの中身を把握して、対等な立場で委託先とコミュニケーションしなければならないと考えました。」

そこで、沖縄県国保連合会では IT に精通した人材を採用し、電算処理に関する「専任者」として、委託先とのコミュニケーションの改善に着手。「非常に大きな成果があった」と情報・介護課 課長補佐 川満 達也 氏は説明します。

「委託電算会社との窓口に IT 専任者を据えたことで、状況は 180 度変わりました。今までは保険者の要望にどうやって応えるかを相談する際に、もどかしい点が多々あったのですが、今は『何ができて、何ができないか。それはなぜなのか』ということを、技術的な知識を背景に、委託先と交渉できるようになりました。」

このように保険者の要望に積極的に応える環境作りを推し進めてきた沖縄県国保連合会は、2012 年にさらに新しい試みに着手しました。それが、沖縄県国保連合会の「国保連合会ポータル サイト」上での、Excel を活用した BI (Business Intelligence) の実践です。

<システム概要>
Excel で自由に分析・活用できる統計データと多彩なレポートのテンプレートをポータル サイトで提供

沖縄県国保連合会では、2012 年 2 月頃から、新しい「国保連合会ポータル サイト」の構築を開始。同年 7 月からサービスインしています。

この「国保連合会ポータル サイト」は、沖縄県下 43 の保険者向けのサイトとして公開しており、「保険者人口ピラミッド」、「疾病大分類別グラフ」や「生活習慣病別グラフ」などのさまざまな統計データを提供しています (図 2 参照)。ポータル サイトは、「ご意見・ご要望」を寄せていただくためのアンケート機能や「予定表」、「掲示板」などの標準的な機能も備えており、保険者と連合会の双方向コミュニケーションに役立っています。

沖縄県国民健康保険団体連合会
情報・介護課
情報管理係
係長
稲嶺 安洋 氏

沖縄県国民健康保険団体連合会
情報・介護課
情報管理係
比嘉 章 氏

最大のポイントは、5 年分のレセプト データ約 4,000 万件の統計情報を CSV 形式でダウンロードして、Excel で加工できることです。保険者が、それぞれのニーズに応じて、データを自由に加工できるようになりました。
さらに、保険者からの新たなデータの抽出依頼に対して、データを格納したキューブから、すぐに要望に沿った統計情報が抽出できるように、BI 環境が整えられています。

福地 氏は、このような仕組みをスピーディーに実現できたのは「自由度の高い BI 環境があったからこそ」と振り返ります。
「保険者から、疾病に関する統計情報などを求められるのですが、ニーズはそれぞれ異なります。そのため、保険者間の意見を総括して、1 つのシステムを作り上げるというのは、大変な時間と労力を要します。しかし、今回のポータルでは、元々保険者の持ち物であるレセプト データを、Excel などを使って保険者が自由に加工して、分析できるようになっています。この自由度の高さこそが最大のポイントです。」

そして、このポータル サイトと BI 環境の実現を支えているのが、Microsoft SharePoint Server と Microsoft SQL Server です。

これらの製品を採用した理由について、沖縄県国保連合会 情報・介護課 情報管理係 係長 稲嶺 安洋 氏は次の 3 点を挙げています。

  1. Microsoft Excel という、容易に操作できる使い慣れたアプリケーションが利用できる
  2. SharePoint Server では、ブラウザ上で Excel ファイルを閲覧することが可能である
  3. SQL Server には、Excel からのデータ分析やレポーティング サービスなど、BI に必要な機能がオールインワンで整っており、SharePoint Server 上に表示することが可能である

「保険者が不便なく活用できることが大切です。他の BI 製品も検討しましたが、やはりオプションのツールの購入が必要で、さらに、専用ツールに、自分でデータを入れる必要がありました。SQL Server であれば、必要な機能が初めから揃っている上に、Excel で『誰にでも使えるデータ活用』が可能だったのです」と稲嶺 氏。
さらに、「SharePoint Server と Excel の親和性の高さも魅力でした。」と続けます。
「SharePoint Server が魅力的だったのは、Excel のファイルをブラウザ上で表示できることです (図 3 ~ 4 参照)。ポータルに Excel を公開しても、ダウンロードして開かなければ分からないのでは、ユーザーにとってストレスでしょう。しかし、ブラウザ上で Web ページと変わらない感覚で確認できれば手間がかかりません。保険者の方々に便利と感じていただくシステムを構築する上で、これは重要なポイントでした。」

図 1 システム構成図

図 1 システム構成図 [拡大する] 新しいウィンドウ

誰でもデータの分析、活用が行える BI 環境の実現を目指した沖縄県国保連合会の「国保連合会ポータル サイト」は、実質 4 か月程度の短期間で構築が完了しました。構築を担当した沖縄県国保連合会 情報・介護課 情報管理係 比嘉 章 氏は、「開発期間を短く抑えられる開発生産性の高さも魅力的だった」と振り返ります。
「開発の当初は、ポータルの画面や、Excel 帳票などをいかに使いやすく整理するかに苦心しましたが、SharePoint Server は作り込みがしやすく、途中から開発スピードが上がりました。SharePoint Server は、SQL Server との親和性が高く、ユーザー認証の連携が容易である点などはとても助かりました。」

<導入効果>
保険者が求める統計データをわずか 3 日で作成。新規のレポートは、ポータルを通じて保険者間で共有

こうして 2012 年 7 月から活用が始まった「国保連合会ポータル サイト」の成果は、顕著に現れていると、稲嶺 氏は話します。
「以前は、保険者からの要望を、断らざるを得ないケースも何度かありました。データを抽出するためのカスタマイズにかかる期間とコストが折り合わなかったのです。しかし、今は『分かりました、3 日待ってください』と即答できます。この変化は大きいです。保険者にも喜んでいただいていますし、本会としても、保険者が必要としているデータの傾向が把握でき、内部のナレッジとして蓄積できます。まさに一石二鳥です。」

「国保連合会ポータル サイト」には、CSV 形式のデータをダウンロードできる「エクセル ライブラリ」と、保険者のリクエストによって作成された帳票を共有する「レポート ライブラリ」の 2 つが備わっています。
ポータルに新しく追加された機能やレポートは、トップページのお知らせ機能で告知されるため、保険者側でも、他の保険者が作成したシートを参照しながら、次の資料作成に活かせるように工夫されています。こうして、データ活用が進むことで、保険者事務電算共同処理の効率化がさらに進み、医療費の適正化や保健事業活動の充実といった大きな目標に貢献していけるものと期待されています。

福地 氏は次のように説明します。
「被保険者の情報のほか、疾病統計に関するリクエストも多く、帳票のバリエーションが増えてきています。また、ジェネリック医薬品に関する統計情報のニーズも高く、ジェネリック医薬品の利用率だけではなく、ジェネリックに切り替え可能な医薬品の金額など、細かく状況を把握できるようになっています。今後のデータ活用に非常に可能性を感じています。」

図 2 トップページ

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図 3 レポート ライブラリ

図 3 レポート ライブラリ [拡大する] 新しいウィンドウ

図 4 エクセル ライブラリ

図 4 エクセル ライブラリ [拡大する] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
保険者とのデータ共有をさらに前進させ、より強固な信頼関係を

「国保連合会ポータル サイト」の技術的な可能性について、比嘉 氏は次のように説明します。
「今後、保険者との間をつなぐネットワークを刷新して、Active Directory による認証基盤の中で統合管理できるようになれば、現在よりもさらに詳細な権限設定を行なえるようになります。そうなれば、統計情報だけではなく、地区コードに従って詳細なデータを公開することも可能になるでしょう。そうやって、保険者が自由にデータを活用できれば、より効果的に住民向けサービスの充実に結びつくのではないかと期待しています。」

福地 氏もまた、今後の展望について、次のように話します。
「今回、この BI 環境が実現したことで、保険者とのデータ共有が一歩前進したことは、非常に大きな意味を持っていると思います。本会は、そもそも保険者を支えるために存在しています。皆様の要望に、きめ細かく、迅速に応えられるようになったことで、より一層の信頼関係を築いていけるものと期待しています。そのためにも、今後は保険者に対しての周知を徹底し、機能説明なども積極的に行っていきたいと思います。」

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