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導入事例

 様に導入

  • 効率化
  • 最適化
  • コスト

岡山大学

 様に導入

教育機関向け総合ライセンス契約「EES」を活用し、最新のソフトウェアを全学生に提供。全学の研究・学習環境を整えるとともに、学内のライセンス コストを可視化し、長期にわたるコストの最適化とコンプライアンス強化を両立

岡山大学では、学内にある事務用 PC 約 1,000 台と、岡山大学病院の電子カルテ端末約 2,500 台がリプレースの時期を迎えた 2013 年度に、マイクロソフトの教育機関向け総合ライセンス契約「EES」を活用し、全学生および全教職員が使用する Windows および Microsoft Office、Core CAL を一括調達することを決断しました。しかし、ライセンス コストの削減や、コンプライアンスの徹底など複数のメリットをもたらすこの包括ライセンス契約は、別の側面から見れば、翌年度以降の予算配分にもかかわる難しい課題であったと言います。議論を繰り返した末に、岡山大学が EES を契約するに至った最大の理由が「学生たちの主体的な研究・学習を支援するために、最善の環境を提供すること」でした。

<EES 締結のねらいと運用の実際>
学生サービスを最優先に考え、
大学全体の ICT 環境をボリューム ライセンスで "公平に" 整備

写真: 稗田 隆 氏

岡山大学
情報統括センター
副センター長 教授
稗田 隆 氏

写真: 中尾 実 氏

岡山大学
情報統括センター
事務室長
中尾 実 氏

母体である旧制岡山医科大学、旧制第六高等学校、岡山師範学校、岡山農業専門学校等の誇るべき歴史を継承し、さらなる発展を目指す岡山大学では、"国際的な研究・教育拠点としての「美しい学都」" という将来像を掲げ、学生が主体的に研究・学習に取り組み、豊かな人間性を醸成できる環境づくりを積極的に推進しています。

この理想の実現に向けて岡山大学では、大学が地域の人々と連携し、地域の人々が世界の人々と連帯するという活動理念の下、「内外に広く開かれた美しいキャンパスの創造」や「大学内のガバナンスの徹底」などさまざまな課題に取り組んでいます。

こうした取り組みの一環として、2014 年 2 月から、マイクロソフトの提供する教育機関向け総合ライセンス契約「Enrollment for Education Solutions (以下、EES)」に、学生オプションを追加して契約。学生および教職員全員が、常に最新バージョンの Windows および Microsoft Office、Core CAL を活用できる環境を整えています。

この EES 締結により、岡山大学では在学中の学生が所有する、私物の PC にマイクロソフト製品のライセンスを無償で提供。在学中は、ネットワーク経由で最新バージョンにアップデートが可能です。そのため、大学の PC と学生個人の PC 間で Office のバージョンが異なるという不便さが生じることもありません。
さらに、卒業前に「学生使用許諾契約書」を提出した学生は、卒業後も Windows および Microsoft Office を継続利用できるなど、学生にとってもメリットの大きいライセンス提供を実現しています。

PC へのインストールは、学生の個人 PC については、マイクロソフトが提供する学生メディアと ESD (Electronic Software Delivery=デジタル頒布)を学生が選択できるように、受付システムを独自に作成 (図 1 参照)し、ニーズに応じた提供を行うとともに、ライセンスを適正に管理しています。また、大学の PC については、岡山大学 情報統括センターが運営する学内限定のダウンロード サイトで、ID・パスワードの認証後にダウンロードできるようにするなど、セキュアに運用しています。

図 1

図 1 学生受付システム[拡大図] 新しいウィンドウ

こうした環境整備は、すべて「学生サービスの充実が目的」であると、岡山大学 情報統括センター 副センター長 教授 稗田 隆 氏は言います。
「部局ごとにライセンスを調達するよりも、EES で一括してライセンスを調達する方が、コストや管理面において大きなメリットがあります。しかし、年単位での包括契約を結ぶとなれば、期初に計上される費用も高額になります。そのため、本学でも議論が繰り返されました。その中で予算を最小化するために、EES の対象を教職員に限定する案も出たのですが、『学生にこそ、最新の環境を提供すべき』という学長の一声で、学生オプションまで含めた契約を行い、EES のメリットを最大限に享受することに決めたのです。」

岡山大学では、この EES 活用によって、すべての PC において最新の環境で研究・学習を行えるようになりました。

<活用促進に向けた周知徹底>
入学から卒業まで、全学生に
最新の Windows と Microsoft Office を
無償提供することを Web やポスターで告知

写真: 吉田 満 氏

岡山大学
情報統括センター
総務グループ
総括主査
吉田 満 氏

写真: 岡田 俊明 氏

岡山大学
情報統括センター
情報企画グループ
運用チーム
主任専門職員
岡田 俊明 氏

森田 潔 学長の決断によって、岡山大学では EES の学生オプションを契約し、Windows および Microsoft Office を、全学生に対して "無償" で提供しています (インストール時にメディアを使用する場合は、別途購入が必要)。
この学生サービスを、少しでも多くの学生に提供するために、岡山大学では「新年度開始の 4 月ではなく、2013 年度の卒業生がまだ在籍中の 2 月 1 日からの契約を行い、運用を開始した」(稗田 氏) と言います。

この取り組みは功を奏し、岡山大学 情報統括センター 総務グループ 総括主査 吉田 満 氏は、2013 年度卒業生から直接「新しい Office が手に入って良かった」と感謝されたと話します。
「私は、情報統括センターに異動する前は広報担当の職にあり、学生と接する機会も多くありました。そのため、学生の多くはノートであったり、デスクトップであったり何らかの個人所有のPC を使用していることも知っていました。そうした PC にも EES のライセンスを活用してもらうため最新の Windows と Office を無償でインストールできることを学内のポータル サイトで案内することはもちろん、チラシやポスターを学内の掲示板や生協に掲示するなど、積極的な周知活動を行いました。その甲斐もあって、卒業していく学生の手にも新しい Office が届き、喜んでもらえた時は嬉しかったです。」

岡山大学 情報統括センターが作成した告知のポスターやチラシは、学内の随所に掲示され、多くの学生たちの目を引いたと言います。さらに、新入生たちが、このメリットを逃さないように「合格発表通知にも同封した」と、岡山大学 情報統括センター 事務室長 中尾 実 氏は説明を続けます。
「岡山大学生協では、新入生の合格発表の時から学生向けノート PC の販売受付を行っています。例年の販売実績では、ノート PC が約 1,000 台となっていました。今年度からは EES のおかげで Office などのライセンス料がかかりませんので、さらにお得に購入できると思います。学内サイトからのダウンロードに関しては、きちんとマニュアルも作成してありますし、生協では、販売員が Office のインストールまで行ってくれます。」

稗田 氏も学生たちに「1 日でも早く、このメリットを享受して欲しい」と話します。
「在学中は、何の問題もなく Office を最新版にアップデートして利用できますから、1 日でも早くインストールした方が得なのは確かです。しかし、新年度開始と同時に、全学生に周知徹底できるはずもありません。4 月以降も継続して学内への告知を図り、活用を促していきたいと思います。Windows も 32 bit 版と 64 bit 版が揃っていますし、Mac 版の Microsoft Office も無償提供しています。」

<導入効果>
大学内のライセンス コストの可視化を促進すると同時に
PC 約 3,500 台のリプレースにかかるコストを低減

学生へのライセンス無償提供という、大きなメリットを実現した岡山大学ですが、EES のメリットはそれだけには留まらず、いくつかの課題を同時に解消するものになっていると、中尾 氏は言います。
「大学内のコンプライアンスおよびガバナンスの徹底は重要な課題です。Windows XP のサポート切れに対応し、学内のセキュリティを保つためにも、学内にある事務用 PC 約 1,000 台のリプレースが控えていましたし、岡山大学病院の電子カルテ端末約 2,500 台のリプレースも急がれていたのです。これらを EES で一括契約することで、かなりのコストを抑えることができました。」

また、ソフトウェア資産管理 (Software Asset Management、以下『SAM』) を効率化することにも役立っていると話すのは、岡山大学 情報統括センター 情報企画グループ 運用チーム 主任専門職員 岡田 俊明 氏です。
「本学では 2005 年度から SAM を徹底してきました。ネットワーク上の PC 端末から収集したインベントリをソフトウェア台帳と紐づけて管理するのですが、Windows と Office に関してはライセンスが端末ではなく "組織の人数" で管理されますので、紐づけする手間がなくなりました。その分、効率化できたと思います。」

そして、「学内 ICT 環境に関するコストの可視化が進むことも、大きなポイント」であると、稗田 氏は説明します。

「従来、大学内の ICT 関連予算は部局ごとに策定される研究費の中に埋もれており、"見えないコスト" になっていましたが、EES によってソフトウェア ライセンスのコストが可視化されました。この意義は大きいと思います。」

今後、岡山大学内で都度行われているシステム構築に関連して PC の台数が増えたとしても、追加ライセンスのコストが発生することはありません。このメリットを最大化するためには、教職員にも周知を徹底し、業者からの見積を精査し続けてもらうことが肝要になります。
「教職員を含め、学内に EES の周知徹底を図ることで、コスト削減効果は最大化されるでしょう。今までは見えなかったコストが削減され、教育・研究予算に充てられるようになれば理想的です。」(稗田 氏)

<今後の展望>
充実したサポート体制と最新環境を活かし
大学全体の情報戦略策定へ

EES 活用のメリットを最大化するために、学内への告知活動にも余念のない岡山大学。稗田 氏と中尾 氏は、コスト削減効果に加えて「大学全体の ICT 環境のベースを整えることができて、安心している」と声を揃えます。

「Microsoft Office は、日常の学習や研究論文の作成などに欠かせないツールです。これまでは学生間、あるいは学生と教職員との間でバージョンが異なるために不便が生じることもありましたが、今後はそのようなことがなくなります。さらに、卒業後、企業において最新バージョンの Office を使用することを考えても、学内環境が "最新" であるメリットは大きいでしょう。」(中尾 氏)

「今、私たちは岡山大学全体の環境をさらに高めていくための『情報戦略』の策定を、一歩ずつ進めている段階にあります。その意味では、まだまだ道半ばですが、Windows XP のリプレースからガバナンスの徹底、そして学生への最新 PC 環境の提供まで、今後の情報戦略の前段階となるフェーズは、EES のおかげで非常にスムーズに完了しました。マイクロソフトの EES を契約した一番のメリットは、この安心感にあるのかもしれません。ライセンスのサポートも充実しており、最新の環境が、少ない手間とコストで整ったのですから、私としては肩の荷が下りた想いです。」(稗田 氏)

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