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導入事例

 様に導入

  • クラウド
  • 見える化
  • 解析

日本テレビ放送網 株式会社

 様に導入

視聴者参加型サービス「JoinTV」を Microsoft Azure 上の Microsoft SQL Server 2014 に構築
クラウドならではの安定運用と、視聴者データを反映した番組制作を実現、新しいメディアのビジネス モデル創出への基盤を確立

写真:日本テレビ放送網 株式会社

日本テレビ放送網 株式会社

日本初の民放テレビ局として 1953 年の放送開始以来、わが国のテレビの歴史と共に歩んできた日本テレビ放送網株式会社。同社では「マスとパーソナルの融合」のスローガンの下、従来のテレビとインターネットなど IT の特性を活かした新たなメディアの可能性を探り続けています。2013 年 12 月には、テレビと SNS を組み合わせた視聴者参加型サービス「JoinTV」のプラットフォームに Azure を採用。同時に、SQL Server 2014 と Power BI for Office 365 を組み合わせ、番組視聴データの分析結果に基づいた、より視聴者のニーズや期待に応える番組制作のインフラ整備を進めています。

<導入の背景とねらい>
視聴者データの BI 分析と活用に向け
パワフルで高機能なデータベースの導入を決定

日本テレビ放送網株式会社
編成局メディアデザインセンター
メディアマネジメント部
主任
安藤 聖泰 氏

テレビ局は今、IT を活用した新たな可能性を探り続けています。その中で 2012 年 3 月、テレビと SNS を融合させたソーシャル視聴サービス「JoinTV」をスタートさせ、デジタル メディア企業との協働の下、さまざまな取り組みを続けているのが日本テレビ放送網株式会社 (以下、日本テレビ) です。

「当社では "マスとパーソナルの融合" をコンセプトに、従来のテレビと、インターネットなど IT メディアの長所を併せ持つコンテンツやサービスのあり方を探ってきました。JoinTV はその重要なプラットフォームとなるものです」と、日本テレビ放送網株式会社 編成局メディアデザインセンター メディアマネジメント部 主任 安藤 聖泰 氏は語ります。

JoinTV は、たとえば日本中のサッカー ファンとリアルタイムでサッカー中継の視聴体験を共有したり、クイズ番組に家族や友人と参加するといった、テレビと SNS 双方の特性を楽しめるサービスです。Facebook のサービスと連動しており、Facebook 上の「友だち」と番組を同時に見ながら「いいね!」を共有したり、各シーンの詳しい情報をクリッピングするといった、従来のテレビにはなかった新しい楽しみ方が可能です。こうした視聴者の参加行動は、すべてアクセス ログとして、バック エンドのデータベースに蓄積されていきます。2012 年のスタート以来、蓄積された膨大な量のデータ資産を視聴者へのサービス向上や、テレビの価値を向上させるために活用することが大きな課題だったと安藤 氏は明かします。

「JoinTV の開始当初から、視聴者データの収集、活用には取り組んできました。しかし、これまではデータ解析を外部に委託したり、結果分析も各人の経験や勘に頼ることが多かったのです。そこで、スピーディなデータ活用と番組制作への活用を実現するためにも、よりパワフルで精度の高いデータ分析機能を備えたデータベースを導入しようと考えたのです」。

JoinTV Anlytics は、視聴者データの分析結果をリアルタイム情報や企画資料として活用[拡大図] 新しいウィンドウ

<導入の経緯>
マイクロソフトの協働関係を背景に
SQL Server 2014 と Azure を採用

JoinTV のデータ活用に大きな転機が訪れたのは、2013 年 11 月でした。日本テレビでは現在、JoinTV のサービスを他の放送事業者が簡単に利用できるよう、オープン プラットフォーム化を推進しています。この取り組みを、日本マイクロソフトが支援することが決まったのです。具体的な内容としては、JoinTV のクラウド プラットフォームとしての Azure の開発支援や、SQL Server 2014 による視聴者データの分析技術の提供などが挙げられます。こうした総合的なパートナーシップの深まりを見ても、今回 JoinTV が SQL Server 2014 と Azure の組み合わせを選択するのは自然な流れでした。

今回の移行では、JoinTV の本体の大部分に加え、「JoinTV Heart Beat」と呼ばれるログ取得用システムを現在のプラットフォームから切り出して拡張を行った上で移植。この新システムは 2013 年 11 月 1 日にリリースされました。

「新しいプラットフォームを利用する際の基準として、やはりサポートの安心感は大きな判断要素です。JoinTV のような視聴者参加型のサービスでは、人気番組のオンエア時など予期しない大量アクセスが発生するため、いくらクラウドがスケーラブルだといっても、入念に設計しておかないといつ何が起こるかわかりません。その点、日本マイクロソフトは、営業体制、サポート体制に加えて、国内のデータセンター整備を推進するなど、クラウドの運用支援に十分な体制をとっているのも評価できます」。

放送中の参加者数遷移 (Power Map)[拡大図] 新しいウィンドウ


視聴者の番組への平均滞在時間もすぐにグラフで確認できる[拡大図] 新しいウィンドウ


視聴者の性別、年齢層、居住エリアなどが一目でわかる[拡大図] 新しいウィンドウ

<導入効果>
データの見える化、共有化を通じて
制作スタッフの間に新しい議論が生まれた

日本テレビ放送網株式会社
編成局メディアデザインセンター
メディアマネジメント部
寺本 紀子 氏

JoinTV が新環境に移行してまだ 5 か月ですが、早くも制作現場には良い変化が生まれてきていると安藤 氏は評価します。

「SQL Server 2014 と Power BI の組み合わせによる分析結果を制作現場の 1 人 1 人が見るようになった結果、制作スタッフの間に自然と議論が生まれるようになりました。自分たち番組の問題や成果が "見える化" されてきたことが、大きな刺激になったのだと思います」。

1 つ 1 つの番組放映後の効果測定や視聴者の属性分析など、リアルで正確なデータを基に番組作りを考える習慣がつき、制作スタッフの間では「企画を打ったら、結果を毎回必ず分析する」というのが当たり前になったと安藤 氏は評価します。こうした膨大な視聴者データの迅速な集計、分析、提供のフローを支えているのは、SQL Server 2014 のインメモリ OLTP 機能の強力なデータ分析パフォーマンスです。

制作現場でのデータ活用が急速に進んだ背景には、SQL Server 2014 の標準ツールである Power BI の存在も大きいと、日本テレビ放送網株式会社 編成局メディアデザインセンター メディアマネジメント部 寺本 紀子 氏は指摘します。寺本 氏は、SQL Server 2014 に蓄積されたデータの解析ツールを日本マイクロソフトのサポートを受けながら開発しています。この解析結果を番組制作の現場にスムーズに展開するうえで、非常に有効なのが Power BI です。

「Power BI の分析結果の出力を利用する際、フロント ツールに Excel 2013 を使えるのが大きな魅力です。制作を始め業務の現場では、誰もが PC の操作に精通しているわけではありません。しかし Excel ならば、普段の業務でも使い慣れている人が多く、抵抗感なく使えます。また、そのつど特別なマクロなどを組む必要もなく、ボタン 1 つでいろいろな分析が可能です」。

既に社内では Excel 2013 の導入が順次進められており、近い将来には誰もが簡単に視聴者データの解析や利用が可能になると寺本 氏は確信しています。

「従来は、大まかな視聴者の属性しかわかりませんでした。新システムでは視聴者の詳細な属性が視覚的に表現されるので、ひとめで "この層にアピールできている" 、 "この番組に、この年齢層の反応が大きい" といったことがわかるようになり、データを活用した番組作りに反映されてきました。今後さらに、この改善傾向は加速していくと予測しています」。

番組ごとに分析用の操作インターフェイスが提供されている[拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
本格的なビッグ データ活用を実現して新しい時代のテレビ像と新しいメディアのビジネス モデル創出を追求
経営トップから現場まで全社一丸の情報活用環境を目指す

安藤 氏は、将来的にはリアルタイムで視聴者のデータを分析できるレベルを目指すと意気込みを語ります。たとえば生放送などでは、その場で視聴者の反応が見えるような番組作りが、より視聴者の気持ちを盛り上げ、内容を充実させることにつながります。その実現に、インメモリ OLTP 機能のスケーラブルで強力なデータ処理機能は強い味方となるでしょう。加えて、Power BI が制作現場でのデータ活用の可能性を大きく拡げる点も見逃せません。

「これまで制作の現場は、私たちデジタル統括部門が提供する以外に何かほしいデータがあっても、自分たちで取り出せない以上、それはないものと最初からあきらめていました。それがこれからは、自分で自由にデータを抽出、加工できるように変わっていくはずです」 (安藤 氏) 。

また同じデータでも、企画担当者と現場のディレクターでは、見たいものも切り口も変わってきます。そうしたユーザーのニーズに合わせて、データの提供の仕方を変えることも可能になってくると、安藤 氏は期待を語ります。

より容易に、より高精度に、そしてよりスピード感に満ちた視聴者データ分析によって、新しい時代のテレビ像と新しいメディアのビジネス モデル創出を追求し続ける日本テレビに、SQL Server 2014 と Azure が、強力で柔軟なプラットフォームを提供していきます。

JoinTV 関連ソリューションは、日本テレビ内で開催された「デジテク2014」でも注目を集めた

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