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NTTラーニングシステムズ株式会社

 様に導入

新たな人材育成のモデルを自ら実証するため Yammer を積極活用
気付きをワーキング プロセスにつなげ競争力のさらなる強化へ

写真:NTTラーニングシステムズ株式会社

NTTラーニングシステムズ株式会社

人材育成をコア事業に、ICT 活用やコンテンツ制作に関するビジネスも展開する NTTラーニングシステムズ株式会社。ここでは新たな人材育成のモデルを自ら実証するため、一部の事業部で Yammer が活用されています。"学び" から得られた気付きを Yammer によって組織にフィードバックし、ワーキング プロセスへと昇華。これによって組織としてのパフォーマンス向上が、達成可能になると考えられているのです。同社では約 1 年の本格的な Yammer 活用を通じ、このモデルの有効性を確信。今後は全社に展開することも検討されています。また Yammer を短期間で浸透させるために、いくつかのユニークな施策が行われているのも特徴的。将来はこの経験を、顧客における "学びのプロデュース" に活かすことも視野に入っています。

<導入の背景とねらい>
"知識伝達型" だけでは不十分な人材育成
プロセスへの昇華こそが競争力強化の鍵

NTTラーニングシステムズ株式会社
取締役
インタラクティブコミュニケーション事業部長
伊藤 行正 氏

人材育成は多くの企業にとって、最も重要な経営課題の 1 つだと言えます。グローバル化の進展や急速に変化しつつある市場環境に対応し、さらなる成長を遂げていくには、新たな発想で価値を創造できる人材が欠かせないからです。しかし自社の人材育成に満足していない経営者は、決して少なくないはずです。効率向上が求められるビジネスの現場では、後輩の育成に十分な時間を割くことが難しくなっています。その一方で、単に知識を伝達するだけの研修では、得られた知識が必ずしもビジネス現場で活かせないというジレンマも抱えています。このような問題を解決できなければ、満足のいく人材育成を実現することは困難だと言えるでしょう。

このような悩みを解消するためのツールとして Yammer を活用しているのが、NTTラーニングシステムズ株式会社 (以下、NTTラーニングシステムズ) です。同社は 1987 年に設立され、NTTグループの人材育成をコア事業として、教材の作成からコンテンツ、インターネット、映像事業へと事業領域を拡大してきた企業。現在は、ICT などの先進技術を活用した「教育研修事業」、Web サイトの制作/運営やこれを活用した各種ソリューションを提供する「インタラクティブコミュニケーション事業」、そしてテレビ CM や各種プロモーション映像といったデジタル コンテンツの制作・配信を手がける「コンテンツ事業」を 3 本柱として、ビジネスを展開しています。

「私たちのミッションは "学びのプロデュース" です」と同社の事業テーマを説明するのは、NTTラーニングシステムズ株式会社 取締役 インタラクティブコミュニケーション事業部長の伊藤 行正 氏です。学びの効果を高めるには、人材育成の発想を大きく転換しなければならないと伊藤 氏は説きます。「これまでの人材育成プログラムでは、教室で知識を伝達するというスタイルが主流でした。しかしこのような "知識伝達型" の人材育成だけでは、企業競争力の強化という、本来の目的を十分に達成することは困難です。最近では ICT を人材教育に導入しようという動きも盛んになっていますが、単にコンテンツを制作して提供するだけでは、知識伝達型の延長に過ぎません」。

人材育成を企業競争力強化につなげていくには、学びとワーキング プロセスとの関係に着目すべきだと伊藤 氏は続けます。教室で行われるセミナーや e ラーニングのコンテンツを "社員が気付きを促すツール" と位置付け、その気付きをチームにフィードバックし、新たなワーキング プロセスへと昇華させていくことこそが、人材育成の効果を引き出すための鍵になるというのです。「このような取り組みを積み上げていくことで、組織のパフォーマンスは継続的に向上していくはずです。私は以前からこのような仮説を立てており、これを具体的な形にした新たな人材育成モデルを構築すべきだと考えていました」。

このモデルを支える基盤として同社が着目したのが、社内 SNS です。SNS を活用すれば、トップダウン型ではなく、ボトムアップ型でコンセンサスを作りながら、新たなワーキング プロセスの構築が可能になると考えられたのです。そして社内で活用する SNS として最適だと判断され、同社に導入されたのが Yammer なのです。

<導入の経緯>
ユニークな施策で Yammer 活用を拡大
エンゲージメント率は 70 ~ 80% に

NTTラーニングシステムズ株式会社
インタラクティブコミュニケーション事業部
担当部長
長田 正士 氏

NTTラーニングシステムズ株式会社
インタラクティブコミュニケーション事業部
酒井 奈々 氏

NTTラーニングシステムズが Yammer に着目したのは 2011 年 2 月。きっかけは、他のグループ会社から、Yammer 導入のための業務支援の依頼を受けたことでした。「このとき私たちが行ったのは、Yammer のセキュリティ評価などの導入サポートでした」と振り返るのは、NTTラーニングシステムズ株式会社 インタラクティブコミュニケーション事業部 担当部長の長田 正士 氏。現在この会社では、210 名が Yammer を活用していると言います。

この経験を通じて Yammer のポテンシャルを感じ取った NTTラーニングシステムズは、2011 年 4 月に自社にも Yammer を導入。インタラクティブコミュニケーション事業部の有志メンバーによって、小規模な試行が約 1 年間行われました。その結果、Yammer には高いポテンシャルがあると判断。2012 年 4 月には伊藤 氏が指示を出し、事業部全体での本格的な活用が始まります。

「Yammer に初めて触れたとき、ユーザー インターフェイスが Facebook に近いので親しみやすいうえ、企業でのユーザー ニーズに対応しやすいよう工夫されていると感じました。また Yammer 社がシリコンバレー的な自由な雰囲気を持っており、彼ら自身も Yammer のヘビー ユーザーであることも評価しました。これなら "学びをワーキング プロセスにつなげる" というモデルを、実現できると考えたのです」 (伊藤 氏) 。

ここで大きな課題になったのが、事業部内での活用をどのように広げていくかということでした。社内 SNS を導入しても、日常的に使われるツールにならなければ、十分な効果を得ることはできません。「新しいツールに慣れてもらうには、社員による活用が "安定期" に入るまで、だれかが積極的にリードするしくみを作る必要があります」と長田 氏。そのために NTTラーニングシステムズが立ち上げたのが、「Yammer 社内利用推進事務局」でした。メンバーは若手社員 11 名。2012 年 4 月中旬には活動を開始し、利用促進の施策立案やその実施、利用ポリシーの策定などが進められていきました。

事務局がまず最初に着手したのは、業務とは直接関係のない "コミュニケーション系" の利用例を作ることでした。本社オフィス周辺の飲食店情報を投稿する「麻布ランチ マップ」や、「スキーの会」「月間ヘタゴルフ」「野球好き集まれ」といった趣味のグループ、朝のあいさつを爽やかに交わそうという主旨の「OHAYO-GOZAIMASU」というグループなどを、矢継ぎ早に立ち上げていったのです。その後すぐに、業務に役立てるためのグループも立ち上げていきます。ニュースの共有やアイデア募集、案件紹介などを行う「事業部社員グループ」や、事業部内の各担当部門別のグループが、2012 年 4 ~ 5 月にかけて作られています。

このような活動に加え、Yammer 活用を盛り上げるための、独自の工夫も行われています。その一環として生み出されたのが、「やまーちゃん」という "ゆるキャラ" です。

やまーちゃん

「Yammer への敷居を低くするにはどうすればいいのかを考えていたのですが、当時はちょうどゆるキャラが流行っていたので、私たちもゆるキャラを作ろうという話になりました」と説明するのは事務局のメンバーの 1 人、NTTラーニングシステムズ株式会社 インタラクティブコミュニケーション事業部の酒井 奈々 氏です。デザイナー経験がある事務局のメンバーにイラストを依頼し、「山」をモチーフにしたイラストを作成。2012 年 5 月から 3 名のスタッフで「やまーちゃん」のアカウントを使用し、お知らせや周知の掲載、コメントや、いいね ! の投稿を行っているのだと言います。「自分のポストへの反応が少ないと寂しくなりますが、この場合にはやまーちゃんがコメントやいいね ! をすることで、ポストを盛り上げています」と酒井 氏。逆にコメント チェーンでの議論が熱くなりすぎた場合には、やまーちゃんが冷静なコメントを投稿することで、議論を沈静化させるようにしているとも語ります。「生の人ではなくゆるキャラによる発言が、利用者同士のクッションの役割を果たしているようです」。

このような形で場の雰囲気を盛り上げる一方で、Yammer へのポストを強制する施策も実施されています。それが「やまーちゃんバトン」です。これは厚紙で作られた黄色い三角柱に、やまーちゃんのイラストを貼り付けたもの。このバトンを受け取った人は、その日のうちに好きな格言や熱い想いなどを、自己紹介とともにポストすることが義務づけられます。ポストした後はこのバトンを次の人に回すのですが、回す相手は普段あまり話したことがない人にすること、というルールが設けられています。このような施策によって、事業部社員の全員が必ず 1 度は Yammer に触れる機会を作るとともに、事業部内の知り合いの和を広げていけるように配慮しているのです。

やまーちゃんは Yammer のヘッダー ページにも登場しています。このヘッダー ページはシーズンごとにデザインが変更されており、アクセスして楽しいページ作りが目指されています。「デザインが変更された日には、いつもよりもアクセス数が増えるようです」 (酒井 氏) 。

このような工夫を重ねることで、Yammer の活用は着実に定着しつつあります。事務局が活動を初めてから 1 年半が経過した 2013 年 10 月現在、210 名の登録者に対し、1 か月の平均投稿数は約 1,200 件に上っています。また利用者によるグループ立ち上げも増えており、現在までに 83 のグループが作成されています。SNS におけるコミュニケーション密度の指標となるエンゲージメント率も、通常は 30 ~ 40% あれば十分活性化しているといえるところを、実に 70 ~ 80% にも達しているのです。

<導入効果>
社員同士の距離が縮まりアイデア共有も促進
プロセス改善でミス発生をゼロにした事例も

NTTラーニングシステムズ株式会社
インタラクティブコミュニケーション事業部
副事業部長
蓑輪 研二 氏

「まずは気楽に楽しんでもらうことからスタートしましたが、お互いに気付きを与えあう場を作るという目的は、かなりのレベルで達成しつつあると感じています」と伊藤 氏。2012 年 6 月ごろからは、プロジェクト案件ごとの情報共有を目的としたグループも数多く立ち上がっており、これによってワーキング プロセスが改革された事例も登場していると語ります。その一例が、Web サイトの企画運用業務における活用事例です。この事例について長田 氏は、次のように説明します。

「Web の企画運用では、お客様とのコミュニケーションが不十分なために、更新時にミスが生じるケースが少なくありません。プロジェクトによっては、年に数回のミスが発生したケースもあります。この問題を解決するために、あるプロジェクトでは Yammer 上にチェック プロセスを創り上げ、関係者全員がチェックに参加できるようにしました。このプロジェクトは昨年立ち上がったものですが、約 1 年間、ミスの発生をゼロにすることに成功しています」。

Yammer はノウハウの共有でも効果を発揮しています。Yammer のノートを Wiki のように使い、複数の利用者から寄せられた情報をまとめ上げることで、ノウハウ集が作られているのです。「営業電話対応について」というノートはその一例です。ここには、社外からかかってくる勧誘などの営業電話に対し、どのように対応すべきなのかに関するノウハウが集められています。これによって営業電話を誤って取り次いでしまう回数が減り、業務が効率化されています。

Yammer の活用の広がりは、社内の勉強会の活性化にもつながっています。勉強会開催の通知を Yammer で行うことで、勉強会の開催が手軽になったからです。「勉強会の数は以前の約 3 倍になりました」と酒井 氏。その一方で定例的な情報伝達を Yammer で行うことで、会議の数は逆に減っているとも指摘します。

新入社員や転入者が、短時間で会社に馴染めるようになったのも、大きな成果の 1 つだといえます。特に新入社員に対しては、Yammer の社外ネットワークを利用することで、入社前の内定段階から若手社員と交流できるようにしています。これによって入社前の不安が解消でき、事前に若手社員と仲良くなることができます。

「私は 2013 年 7 月にこの会社に転入し、Yammer も使い始めたばかりですが、Yammer には大きな可能性を感じています」と語るのは、NTTラーニングシステムズ株式会社 インタラクティブコミュニケーション事業部 副事業部長の蓑輪 研二 氏です。通常のレポート ラインは形式が決まっており、ある程度のレベルまで固まった情報だけを報告するのが一般的なのに対し、Yammer 上ではその背景となる状況や経緯を "生の状態" で把握できると指摘します。

「以前の会社でもグループウェアや掲示板を使っていましたが、Yammer にはこれらとは大きく異なる情報の豊かさとダイナミズムがあります。ここにポストすれば、まるで水面に石を投げ込んだときのように波紋が広がり、多くの人々のフィルターを通した多様な情報がコメントとして集まってきます。つまり社内の人々が、お互いのエージェントとしての役割を果たせるのです。もちろんほかのメンバーと親しくなるためのツールとしても役立っています」 (蓑輪 氏) 。

このほかにも利用者からは、だれが何に関するスペシャリストなのかわかりやすくなった、これまで交流のなかった社員の顔と名前が一致するようになった、上司や部下のパーソナリティが把握しやすくなりお互いの距離が近くなった、という声も寄せられています。

やまーちゃんからのお知らせ
[拡大図] 新しいウィンドウ

事業部社員グループ
[拡大図] 新しいウィンドウ

麻布ランチマップ
[拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
新たな "学びのモデル" の有効性を確信
全社展開も検討、さらに大きな成果を目指す

NTTラーニングシステムズでは、今後もさらに Yammer の活用を広げ、ワーキング プロセスの改善につなげていくことが目指されています。また Yammer をマイクロソフトのほかの製品群と連携させ、活用効果をさらに高めていくことも視野に入っています。「Yammer はアイデアの拡散に大きな威力を発揮しますが、拡散したアイデアをどのように集約するかも重要です」と蓑輪 氏。Yammer にはノートやファイルの貼り付け機能もあるため、これらの機能でアイデアを結晶化することも可能ですが、結晶化したものを Microsoft SharePoint に蓄積していくことで、さらに大きな成果につながるはずだと指摘します。

その一方で、ほかの事業部への展開も検討されています。「Yammer を全社で活用することで、事業部間の横のつながりが強くなり、会社全体としてより大きなパワーを発揮できるはずです」と伊藤 氏。会社全体で新しい "学びのモデル" を確立し、これをテンプレート化できれば、他社にも提供できるものになると言います。「約 1 年間の Yammer 活用によって、このモデルが有効であるという確かな手応えを感じています。将来はぜひこの経験を、お客様における "学びのプロデュース" に活かしていきたいと考えています」。

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