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導入事例

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  • 効率化

株式会社NTT東日本-東京

 様に導入

Microsoft SharePoint Server 2010 を基盤にワークフロー機能を備えた文書管理システムを構築、
文書のライフ サイクル管理を自動化しセキュリティを強化、ユーザーの利便性も高める

株式会社NTT東日本-東京

株式会社NTT東日本-東京

東京都全域と神奈川県および山梨県の一部を事業エリアとし、NTT東日本の回線や各種製品、システム インテグレーションの提供を行っている株式会社NTT東日本-東京。ここではワークフロー機能を備えた文書管理システムが、SharePoint Server 2010 で構築されています。これによって文書のライフ サイクル管理を実現し、セキュリティを強化。また全文検索に Microsoft FAST Search Server for SharePoint を採用することで、文書へのアクセスが容易になり、ユーザーの利便性も高まっています。今後も汎用性と柔軟性が高いこの基盤の上で、ユーザーの利便性向上に向けた取り組みを継続。このシステムを NTT東日本本社に提案することも検討されています。

<導入の背景とねらい>
増大していたファイル サーバーの不要文書
セキュリティ強化も重要な課題に

株式会社NTT東日本-東京
企画部
システム推進部門長
荒井 政男 氏

株式会社NTT東日本-東京
企画部
システム推進部門
システムインテグレーション担当
担当課長
宇佐美 実 氏

株式会社NTT東日本-東京
企画部
システム推進部門
システムインテグレーション担当
今野 優 氏

ウェブシステムテクノロジー株式会社
ソリューション事業本部
ソリューション推進部
ソリューションスペシャリスト
平井 彰 氏

ウェブシステムテクノロジー株式会社
グローバル事業本部
グローバル営業推進部
シニアSE
篠原 真美 氏

企業内の情報共有手段として、ファイル サーバーは長年にわたって重要な役割を果たし続けてきました。現在では、ほとんどの企業がファイル サーバーに膨大な情報を蓄積しているはずです。その一方で、ファイル サーバー内の不要ファイルが増え続けている企業も少なくありません。ライフ サイクル管理が難しく、有効期限を超えたファイルもそのまま残されてしまうことが多いからです。またアクセス権限設定の徹底が困難なことや、ファイル数が増えると目的のファイルを見つけ出すことが難しくなることも、ファイル サーバーの問題として意識されるようになっています。

これらの問題を解決するために、SharePoint Server 2010 と FAST Search Server 2010 for SharePoint を組み合わせて文書管理システムを構築したのが、株式会社NTT東日本-東京 (以下、NTT東日本-東京) です。同社は東京都全域と神奈川県および山梨県の一部を事業エリアとする、NTT東日本の 100% 出資子会社。2010 年 7 月にNTT東日本-東京南が東京地域 5 会社を合併、統合する形で発足しました。

NTT東日本-東京 企画部 システム推進部門長の荒井 政男 氏は「ファイル サーバーから文書管理システムへと移行すべきだという発想はずいぶん前から持っていましたが、この統合をきっかけに本格的な検討をスタートしました」と説明します。統合によってファイル サーバーに蓄積された情報が一気に膨れあがり、管理上の問題が顕在化していったからです。

「従来のファイル サーバーには大きく 2 つの課題がありました」と荒井 氏。まず第 1 は、膨大な不要ファイルが存在しているにも関わらず、その有効な対応策が見つからないことだと言います。「当社では 1 年間で約 1,000 万ファイル、容量にして 10 TB 近くずつ増えていますが、そのうち実際に再利用されているものは 2 割程度に過ぎません。もちろん、制度的に一定期間保存しておかなければいけないファイルもありますが、その多くは、不要なファイルだと思われ、ファイル サーバーがいわば "情報のごみ箱" になっています」。

第 2 の問題は、アクセス権限の設定方法です。ファイル サーバーのアクセス権限はフォルダー単位/担当グループ単位で設定していましたが、担当グループのメンバーは 20 ~ 30 名程度になることが多く、アクセス可能な人の数が多すぎるのではないかと危惧されていたのです。情報セキュリティを高めるには、アクセス権限の設定をよりきめ細かく行う必要があります。文書単位/個人単位の設定が可能なシステムが求められていたのです。

<導入の経緯>
SharePoint で柔軟性の高いシステムを構築
全文検索は FAST Search Server で実現

文書管理システム構築の検討が本格的に始まったのは 2010 年 10 月でした。当初からその基盤として、SharePoint Server の採用を前提にしていたと荒井 氏。その理由は 3 つあったと説明します。

まず第 1 の理由はワークフロー機能が装備されていることです。文書のライフ サイクル管理を適切に行うには、文書作成者が文書を登録できるだけではなく、上長の承認も登録プロセスに組み込む必要があります。これを効率化するにはワークフローの実装が欠かせません。

第 2 はセキュリティ機能が充実していることです。SharePoint Server なら、文書単位/個人単位でのアクセス制御を簡単に実現できます。

そして第 3 が汎用性と柔軟性の高さです。カスタマイズを行うことで、必要な機能を追加したり、ユーザー インターフェイスを改善するといったことが、継続的に行えるのです。

NTT東日本-東京では文書管理システムの構築に先立ち、社内申請業務のためのシステムを構築します。このシステムは 2011 年 4 月に構築がスタートし、2011 年 7 月に稼働開始しています。(この事例の詳細は http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/ntt-east.aspx をご参照ください) 。

このシステムの構築がうまくいったことを確認したうえで、2011 年 7 月から文書管理システムの設計に着手。2011 年 10 月に企画部の約 50 ユーザーを対象にしたパイロット導入を行い、導入効果を確認します (ステップ 1) 。そして 2012 年 3 月に、約 9,000 ユーザーを対象にした全社導入を実施しているのです (ステップ 2) 。

文書管理システムのワークフローは図に示すとおりです。まず文書作成者が、文書管理システムの Web サイトにアクセスし、文書を登録します。この時、文書の機密ランク (最も高いものは個人情報等を含む "A 情報文書" と呼ばれる)、保存期限、ユーザーごとのアクセス権限リストなどの属性情報も、同時に設定します。

情報ランクに "A 情報文書" か "無期限保存" が設定されている場合には、上長に承認依頼メールが送られます。ここで上長は承認/否認を選択し、承認された場合には SharePoint Server のフォルダーに格納されます。属性情報に "A 情報文書" "無期限保存" のいずれも設定されていない場合には、そのまま SharePoint Server のフォルダーに格納されます。文書格納時には情報ランクによって、自動的に格納先が振り分けられます。

SharePoint Server に格納された文書は、FAST Search Server で全文検索できます。もちろん検索結果には、アクセス権限のある文書だけがリストアップされます。なお既存ファイル サーバー上のファイルも、SharePoint 上の文書と同様に、FAST Search Server で検索できるようになっています。

"無期限保存" 以外の保存期間が設定された文書は、期限の 3 日前に文書作成者にメール通知が送られ、再設定を行わなければごみ箱へと移動されます。ごみ箱に入ってからさらに 30 日が経過すると、その文書は自動的に抹消されます。保存期間の設定は、7 日/1 か月/2 か月/3 か月/半年/1 年/7 年/無期限の 8 種類から選べます。

文書作成者が異動する場合には、文書を後任者に引き渡すことができます。全文書の一括引き渡しはもちろんのこと、文書ごとの引き渡しもサポートしているため、複数の後任者に分散して文書を引き渡すことも可能です。

「SharePoint で文書管理システムを構築したことで、ライフ サイクル管理を自動化できました」と荒井 氏。「FAST によって文書の再利用も容易になっています」。

ワークフロー

ワークフロー [拡大図] 新しいウィンドウ

文書管理システム トップ ページ

文書管理システム トップ ページ [拡大図] 新しいウィンドウ

管理責任譲渡画面

管理責任譲渡画面 [拡大図] 新しいウィンドウ

<導入効果>
容易になったライフ サイクル管理
セキュリティと利便性も向上

「以前はファイル サーバーに格納された "A 情報文書" のライフ サイクルおよびアクセス権限を手作業で管理していましたが、文書管理システムの構築によってその必要がなくなりました」。このように語るのは、NTT東日本-東京 企画部 システム推進部門 システムインテグレーション担当の今野 優 氏です。これによって機密ランクの高い情報の管理を、省力化できるようになったと説明します。

"無期限保存" には上長の承認が必要になるため、不要になった文書がいつまでも残るといったことも避けられます。また文書作成者が異動になった場合でも、簡単に後任者に引き渡せるため、その後の文書管理が曖昧になることもなくなりました。

「文書の自動削除機能は当初考えていた以上に利便性が高い」と指摘するのは、NTT東日本-東京 企画部 システム推進部門 システムインテグレーション担当 担当課長の宇佐美 実 氏です。チーム メンバーと文書を一時的に共有する場合、以前はそれらをファイル サーバーに格納し、そのまま消し忘れてしまうことがあったと振り返ります。「しかし文書管理システムで共有すれば、そのようなことは起きません。登録時に保存期間を設定するだけで、消し忘れの心配から解放されます」。

セキュリティも強化されています。アクセス権限の設定がきめ細かく行えるうえ、文書の管理情報やアクセス ログの取得も容易になったからです。「2011 年 11 月には電気通信事業法が改正されて情報管理への要求が厳しくなりましたが、この文書管理システムを構築したことで、問題なく対応できました」 (荒井 氏) 。

文書単位で属性情報、アクセス権が設定されるのも見逃せない特徴です。「文書に設定された属性情報に基づき、適切な格納場所をシステムが自動判別するしくみとなっています」と説明するのは、システム構築を担当したウェブシステムテクノロジー株式会社の平井 彰 氏です。また、ファイル サーバーに慣れているユーザーにも使いやすいように、ファイル サーバーのフォルダーと同じような機能も用意していると言います。同じく構築担当のウェブシステムテクノロジー株式会社 グローバル事業本部 グローバル営業推進部 シニアSE 篠原 真美 氏も次のように説明します。「複数のファイルをひとまとまりの文書として保管する場合、ファイル サーバーではフォルダーを作成し、アクセス権を与え、その中に複数のファイルを格納していました。今回構築した文書管理システムでは、複数の文書に一括で同一の属性、アクセス権を付けることができます。これによって従来の概念を大きく変えずに、文書管理システムへと移行できるように配慮しています」。

検索エンジンに FAST Search Server を採用したことも、ユーザーの利便性を高めています。FAST Search Server は SharePoint Server と統合されており、SharePoint の Web ページに検索窓を設置し、その場で検索することが可能です。また検索結果にはドキュメント イメージのサムネイルも表示でき、ファイル内容のプレビュー表示も行えます。さらに、検索窓に追加のキーワードを入れることなく、 "ナビゲーション パネル" からファイルの様々な属性情報で検索結果を絞り込むことができるため、欲しい情報を素早く見つけ出すことができます。「FAST の活用はまだ始まったばかりですが、かなり使える検索エンジンだと感じています」と今野 氏。「これからさらに使い込んでいけば、より高い効果が得られると期待しています」。

上長承認画面

上長承認画面 [拡大図] 新しいウィンドウ

属性設定画面

属性設定画面 [拡大図] 新しいウィンドウ

文書一覧画面

文書一覧画面 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
ユーザーの利便性を継続的に改善
NTT東日本本社への提案も検討

現在はおもに新規作成文書が文書管理システムに登録されていますが、今後はファイル サーバーに格納されたファイルも、順次文書管理システムへと移行していく予定です。この取り組みによって、最終的にはファイル サーバーを縮小する方針です。

ユーザーの利便性向上やセキュリティ強化に向けた取り組みも継続して進めていく計画です。その 1 つとして検討されているのが、ライツ マネジメント サービス (ADRMS) の導入です。現在既に機能検証が進められており、将来はこれによって印刷制御などを実装することも視野に入っています。また FAST Search Server のナビゲーション機能の活用によって、属性情報による検索をよりスピーディに行えるようにすることも検討されています。

その一方で荒井 氏は「この文書管理システムを本社にも提案したいと考えています」と語ります。NTT東日本本社でも文書のライフサイクル管理システム構築に向けた動きが始まっており、その基盤として SharePoint による検証が進んでいると言います。「当社で今回構築したシステムは、本社のプロジェクトでも有効活用できるはずです」。

適切に構築された文書管理システムは、ファイル サーバーが抱える課題を根本から解決できます。ライフ サイクルやセキュリティの問題を解消し、不要な文書も大幅に減らせるからです。またそれだけではなく、ユーザーの利便性を大きく向上させる可能性もあります。NTT東日本-東京の取り組みは、そのことを明確に示すケーススタディだと言えるでしょう。

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