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株式会社NTTデータ

 様に導入

NTTデータ グループが、メール サービスを自社のクラウドプラットフォーム上に移行
System Center による集中管理で 370 台の仮想サーバーの管理工数を 92% 削減

写真:株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ

わが国におけるシステムインテグレーションの最大手企業として、多彩な IT サービスとシステム インテグレーションを提供している株式会社NTTデータ。同社では 2014 年、エンタープライズ向けクラウド アプリケーション サービス BizXaaS Office 上で提供してきた Microsoft Exchange Server によるメール サービスを自社およびグループ企業にも導入しました。希望グループ企業並びに本社を合わせて 370 台という大規模な仮想メール サーバーの集中管理に Microsoft System Center を導入し、システム監視とパッチ適用の自動化を実現。大幅な工数削減と標準化された高い管理品質を両立させると共に、ガバナンスとセキュリティの強化を可能にしています。

<導入の背景とねらい>
管理品質の向上と効率化を目指し
各社メール サーバーをクラウドに統合

株式会社NTTデータ
ビジネスソリューション事業本部
デジタルビジネスソリューション事業部
開発統括部
開発担当
部長
木幡 康弘 氏

クラウド化によって、ビジネスの成長やニーズに合わせた柔軟で迅速なサーバー構築が実現する一方で、大規模化するシステムの運用に管理者は大きな負担を感じています。とりわけシステム監視や構成管理、パッチ適用といった業務はシステムの安定稼働に欠かせないだけに、非常に高いレベルでの効率化と品質の両立が求められます。しかし従来の人手による運用管理には限界がある中、株式会社NTTデータ (以下、NTTデータ) では System Center を導入して、本社および各グループ子会社独自のドメインを構成する 370 台のメール サーバーの集中管理システムを構築。システム監視とパッチ適用の自動化を実現しました。

NTTデータのメール システムは、これまで同社 ITマネジメント室が構築・運用を実施していましたが、更改を契機に、グループ全体最適を目指し、本社と国内グループ会社のメール システムを集約して、共用メール システムを構築することとなりました。そこで ITマネジメント室とクラウド サービス事業の実績のある同社デジタルビジネスソリューション事業部が連携し、共創して導入を進めました。

今回、System Center が導入されたのは、同社が提供しているエンタープライズ向けクラウド サービス BizXaaS Office 上にある、自社グループ共通のメール サービスです。NTTデータ ビジネスソリューション事業本部 デジタルビジネスソリューション事業部 開発統括部 開発担当 部長 木幡 康弘 氏は導入の背景を語ります。

「これまでNTTデータ グループ会社のメール システムは、各社ごとにオンプレミスや外部クラウド サービスで構築・運用されており、そのセキュリティ水準やサービス品質が各社で異なっていました。今回、グループ会社を含めたメール システムの構築にあたり、ガバナンス向上とセキュリティ水準やサービス品質の底上げ、高い管理品質を実現する必要がありました。そこで当社の ITマネジメント室と検討を進めた結果、既に豊富な運用実績のあるクラウド サービスの BizXaaS Office 上に各社のメール システムを集約し、System Center で新たな統合管理体制を構築することが決まりました」。

「BizXaaS Office は、かねてからメール サービス以外に仮想デスクトップ サービスやファイル サーバー サービスをユーザー企業に提供して順調に増加を続けており、このままユーザー数が増えていくと、従来からの人手による作業が主体の運用体制では、満足のいく水準を維持することは難しくなると予測されていました。もちろんこれまでも、そのつどさまざまな工夫や対応策を図ってきましたが、今後はよりシステマティックで標準化された大規模運用を実現するための抜本的な改革が不可欠だと考えました。今後のサービスの展開を考えても、今回のメール システムでの System Center の導入は、またとない機会といえました」 (木幡 氏) 。

<導入の経緯>
大規模システム監視の実績に着目して
System Center を選択

株式会社NTTデータ
ビジネスソリューション事業本部
デジタルビジネスソリューション事業部
開発統括部 開発担当
西浦 史也 氏

株式会社NTTデータ
ビジネスソリューション事業本部
デジタルビジネスソリューション事業部
開発統括部
開発担当
課長代理
深沢 輝敬 氏

更改プロジェクトの開始は、2013 年の 10 月でした。スタートにあたっては、「自動化を徹底的に追及する」という方針の下、具体的なシステム企画の検討が行われました。ところがここで 1 つ大きな課題が浮上したと、株式会社NTTデータ ビジネスソリューション事業本部 デジタルビジネスソリューション事業部 開発担当 西浦 史也 氏は明かします。

「今回のサービス提供においては、各種要件を満たすため Microsoft Exchange Server 2013 の導入が提案当初より決定していました。BizXaaS Office メール サービスでは、これまでも Microsoft Exchange Server を使用したメール サービスを提供していましたが、今回は NTTデータ グループのセキュリティ ポリシーに沿う形で実装する必要がありました。グループ会社集約の方法として期待していた、Exchange のマルチテナント機能による構成では、ルールへの準拠が難しいことがわかり、ITマネジメント室と検討を重ねた結果、グループ会社ごとに個別ドメインでサーバーを設置する構成に決めました」。

この結果、仮想サーバーの台数は数百台規模になり、この膨大なサーバー群をどのように集中管理するかが重要な課題となってきました。同社の ITマネジメント室でコンサルティング契約を結んでいた日本マイクロソフトを交えて解決案を協議したことが、System Center の採用を検討するきっかけになったと、株式会社NTTデータ ビジネスソリューション事業本部 デジタルビジネスソリューション事業部 開発統括部 開発担当 課長代理 深沢 輝敬 氏は振り返ります。

「2014 年 3 ~ 4 月にかけて提案をもらい比較検討を行った結果、6 月には採用を決定しました。製品選択には "5年間無停止"、"高いセキュリティ水準"、"快適に利用できる性能担保" といった非常に高い要件と、他社クラウド サービスと比べても競争力のあるコスト感といったハードルの高い課題が与えられていましたが、方式検討やフィージビリティ検証などを実施した結果、要件を満たせそうだと判断しました」。

「中でもSystem Center製品の決め手は、やはり大規模システムでの実績でした。NTTデータでは、かねてから大規模システム監視の効率化という点で System Center に注目していました。

今回の検証の過程で日本マイクロソフトから導入実績や裏付けとなる数値資料などを提供してもらったことで、System Center で問題ないと確信できました」と深沢 氏は語ります。

一方で西浦 氏は、マイクロソフト製品に統合するメリットについて高く評価します。

「今回のメール システムの構成は、Windows Server と Exchange Server が中心であり、System Center とは同じマイクロソフト製品同士の高い親和性がある、という点が大きな評価ポイントになりました。特にシステム監視において、既定で Exchange Server の管理パックが用意されている点はメリットでした」。

今回は大規模なシステム更改であると同時に、非常にタイトなスケジュールの中で高い品質を担保しなくてはならない難易度の高いプロジェクトでしたが、NTTデータならではの高いスキルを生かして、短期間で要件通りのクオリティを実現しています。中でも注目したいのは、構築および試験作業のフェイズにおいては、およそ 3 か月ですべての工程を完了したというスピード感です。

「私たち BizXaaS Office チームだけでなく、IT マネジメント室や他組織の技術部門の、惜しみない協力のおかげです。限られた時間の中で、社内の関係スタッフが緊密かつ迅速に連携しながら、お互いの知見を融通し合ってこそ実現できたプロジェクトだと考えています。また設計段階で日本マイクロソフト プレミアサポートから、System Center のパラメーター情報などの適切な資料提供があったことも、作業のスムーズな進行につながっています」 (深沢 氏) 。

2014 年 12 月には、NTTデータ本社の一部ユーザーでの先行利用がスタート。年が明けて 2015 年 2 月からは 本社での全ユーザーの利用が始まり、4 月にはグループ各社の利用も開始されました。本社およびグループ会社 31 社で約 6 万人の導入を計画しており、370 台の仮想サーバーが稼働しています。現時点で本社およびグループ会社 15 社約 4 万人が利用を開始しており、全体最適や情報管理レベルの底上げに向けて順調に滑り出しています。

<導入効果>
運用管理の自動化によって
定期のパッチ適用の工数を 92% 削減

今回の BizXaaS Office のメール システムでは、System Center の中から次の 3 つのコンポーネントが導入されています。「System Center Configuration Manager (SCCM) 構成管理とパッチの適用」、「System Center Operations Manager (SCOM) リソース管理と障害監視」、「System Center Orchestrator (SCO) 自動化と監査」です。

木幡 氏は、「今回の更改では、大きく 2 つの獲得目標が掲げられていました。工数削減と、自動化による品質向上です」と語ります。具体的には、パッチ適用の自動化が大きなテーマとなっていました。これまで BizXaaS Office を運用する中で痛感していたのが、パッチ適用工数の多さであり、本作業を SCO によって自動化できたことが大きな収穫の 1 つとなっています。この結果、作業工数の削減は言うまでもなく、作業の確実性も向上しました。仮想サーバーへのパッチ適用では、インスタンスを検証用のハードウェアに移動して動作を確認し、そのうえで本番稼働中の仮想環境にパッチを当てるといった非常に複雑な手順を要するため、人手による作業ではつねにミスが懸念されます。これを完全に自動化してミスを根絶できる点も、SCO による大きな改善ポイントです。

「従来は人手で行っていた作業が極端に減りました。定期パッチ業務を例にとると、すべて手作業の旧システムでは、1 テナントあたりのパッチ適用作業に、2 人体制で "34 人時" かかっていたのに対し、今回のシステムでは 2 人体制で ”2.5 人時” まで削減できました。なおかつ自動化により 6 テナントを同時に実行できるようになったため、トータルの工数としては 92% という劇的な削減効果が確認されています」 (西浦 氏)。

正式サービスの開始からわずか 3 か月でこれだけの成果が実現できたことを踏まえ、BizXaaS Officeでは今後、この SCO による自動化をさまざまな業務に展開していきたいと考えています。たとえば従来は、コマンド入力作業は 2 人体制で行い、クロス チェックで入力ミスを発見してきました。しかし確率的に人的ミスがゼロになることはありえませんでした。そこを SCO によるツールに代替することでリスクを極小化しようという試みです。木幡 氏はこうした姿勢を、将来のビジネス規模の拡大を先取りしたリスク マネジメントの布石と位置付けています。

「幸いこれまでも大きなミスは発生していませんが、今後、BizXaaS Office サービスを利用するテナントの増加に伴い、人的ミスのリスクも当然増大していきます。SCO の導入による自動化は、そうした将来のリスク削減に向けたプロアクティブな取り組みであるべきだと考えているのです」。

人手による構成管理の作業負担が減ったことは、システム担当者の業務の質も変えつつあります。これまでのルーティン ワークから解放された結果、今後はより自社ビジネスへの貢献度が高い、新たなシステム企画などに注力できる可能性が出てきたと、木幡 氏は語ります。

「グループ全体の管理品質の底上げを図っていきたいと考えています。そうした提案をグループ内に行っていくうえで、今回の System Center 導入の成功は大きな裏付けとなります。経営層からの業務貢献の期待に応えるという意味でも、今回の成果を大いに活かしていければと願っています」。

こうした省力化や品質向上の他にも、System Center のもたらした新しいメリットの 1 つに「可視化」が挙げられます。SCOM のレポート機能を使って、リソースの使用状況などを定量的に見られるようになった結果、運用状況を正確に把握し、的確な対応を取れるようになりました。たとえばユーザーの利用状況の変化に応じたサイジングの適正化は難易度の高い課題の 1 つですが、「この可視化によって今後改善できる見込みがついてきた」と木幡 氏は期待を語ります。

Windows Server OS 約 370 台 (31 社分) の運用コスト増を解決するため、Microsoft System Center を導入。システム監視とパッチ適用の自動化で、仮想サーバーの管理工数を 92% 削減した。 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
クラウドの進化を見据え
新時代の運用管理の可能性を探る

深沢 氏は、今後の意気込みを語ります。

「今後は ITマネジメント室と連携して、メール システムの海外グループ会社へのグローバル展開を進めたいと考えています。また、今回の案件を通じて培われた最新Exchange製品とSystem Center製品の大規模システム導入実績やノウハウをNTTデータグループの事業拡大に向けたビジネスに繋げていきたいです」。

「将来に向けてBizXaaS Office事業を拡大していくうえで、従来のような人手に依存した運用は限界に来ています。これからは優れた運用管理製品やツールを活用して、大規模運用にも耐えうる管理品質と作業の効率化を図っていくべきだと考えています」。

とりわけ BizXaaS Office を始めとしたクラウド プラットフォームにおける運用管理ツールの可能性を、これからは追求していきたいと深沢 氏は強調します。

「System Center もそうしたクラウドの進化に応える方向で、機能を加えながら成長していくことを期待しています」。

一方、西浦 氏は今回導入した System Center の可能性をより追求したいと語ります。

「今回のサービス提供において、監視とパッチ管理の効率化を高いレベルで実現できました。今後はこの成果を応用して、グループ内の他の案件に横展開していける企画を提案していきたいと考えています」。

将来の成長に向けた布石として導入した System Center の利用が日々本格化しつつある状況を見て、木幡 氏は、「今後の BizXaaS Office の拡大に向けて、十分な用意はできた」と語ります。

「今後さらに事業規模や分野が拡大していったときに、この System Center による運用管理のしくみがどのように展開、貢献してくれるのか楽しみです。その可能性を拡げるためにも、日本マイクロソフトからのさらなる提案や機能改善に期待しています」。

システム運用管理の新しい地平を目指す BizXaaS Officeのチャレンジを、System Center は力強くサポートしていきます。

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