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導入事例

 様に導入

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  • クラウド
  • コスト

NTTコミュニケーションズ株式会社

 様に導入

VDI の本格導入に約 5,000 台の Windows Thin PC を導入。ワーク ライフ バランスの見直しに貢献し、
時間外労働時間の削減や SCCM による全社トータルな IT 管理を実現する。

NTTコミュニケーションズ株式会社

NTTコミュニケーションズ株式会社

通信インフラからコンサルティングを含めたグローバルな ICT サービスを提供する NTTコミュニケーションズ株式会社は、従業員のワーク スタイル改革を確立するために 2011 年 4 月から「働き方改革」プロジェクトをスタートさせています。その一環として、外出の多い営業社員を中心に VDI (Virtual Desktop Infrastructure) 環境を提供し、Windows Thin PC を採用。セキュアでコスト メリットの高いシン クライアント環境を整備し、2009 年 4 月に導入した Microsoft System Center Configuration Manager 2007 R2 (以下、SCCM) によってシン クライアントとリッチ クライアントの両方を効率的に管理しています。また、社内に大規模展開したこのシン クライアント環境をサービス化し、顧客に提供することも計画しています。

<導入の背景とねらい>
シン クライアント化を推進して
ワーク スタイル改革を実現

NTTコミュニケーションズ株式会社
システム部
第三システム部門 第二システム担当
担当課長
稲田 竜也 氏

NTTコミュニケーションズ株式会社
システム部
第三システム部門 第二システム担当
主査
岩渕 誠 氏

NTTコミュニケーションズ株式会社
システム部
第三システム部門 第二システム担当
主査
大堀 利昭 氏

NTTコミュニケーションズ株式会社
システム部
第三システム部門 第二システム担当
銅直 峻志 氏

NTTコミュニケーションズ株式会社
アプリケーション & コンテンツサービス部
アプリケーションサービス部門
第二サービス企画担当
主査
宮崎 祐樹 氏

NTTコミュニケーションズ株式会社 (以下、NTTコミュニケーションズ) は、世界中の企業から最適なパートナーとして選ばれる真のリーディング グローバル プレーヤー (Global ICT Partner) となることを目指し、新たな事業ビジョンとして「ビジョン2015」を掲げています。また、2011 年 10 月には「グローバルクラウドビジョン」を策定し、Arcstar Universal One、Arcstar ユニファイド コミュニケーション サービス、Bizホスティング Cloudn や Enterprise Cloud など新たなクラウド時代をリードする ICT サービスを国内外にシームレスかつワン ストップで提供しています。

このような中、社内のインフラやシステムを整備するシステム部は、2015 年までに既存システム コストを半減する目標を掲げ、コストを削減しながら新たな分野や技術に挑戦するための新サービスを展開し続けています。今回導入されたシン クライアント環境も、コスト削減を行いつつ新たな技術を活用したソリューションを創造することを目的として構築され、社員のワーク スタイル改革や利便性の向上を実現するシステムとなりました。

NTTコミュニケーションズ株式会社 システム部 第三システム部門 第二システム担当 担当課長の稲田 竜也 氏は次のように話します。「NTTコミュニケーションズでは、新しいシステムを社内で利用してからお客様にご提供することを積極的に進めるようにしています。シン クライアント化も、まず社内で利用して、そのノウハウをお客様に提供することを考えています」。

NTTコミュニケーションズが、VDI をベースとしたシン クライアント化を一気に加速させた理由の 1 つに、東京都が推進する「働き方の改革『東京モデル』事業」に参画したことにより、働き方改革を推進する社内プロジェクト体制が立ち上がったことが背景にありました。仕事と生活の調和した雇用環境の実現を目指し、働く環境の整備やワーク ライフ バランスの見直しに先進的な取り組みを行う企業として、NTTコミュニケーションズは、2011 年 4 月から 2 年間のプロジェクトとして取り組んでいます。「働き方を改革するためには制度やセキュリティなどのさまざまな要素が関連するため、経営層の施策に対する理解と、ヒューマンリソース部、総務部、システム部、セキュリティマネジメント室が連携した部門横断的なプロジェクト体制で推進する必要がありました」と NTTコミュニケーションズ株式会社 システム部 第三システム部門 第二システム担当 主査の岩渕 誠 氏は話します。具体的には、社内 ICT のリモート環境整備、社員研修や e ワーク制度 (週 2 日までの在宅勤務) の対象者拡大、社内からのアイデア募集の充実などを行い、ICT カンパニーとして先進的な取り組みを自ら実践することで多くの企業にも新たなワーク スタイルを普及させていきたいと考えています。

このプロジェクトの中でシステム部は、シン クライアント化を推し進め、在宅勤務、顧客訪問および出張時のモバイル勤務などを組み合わせた場所やデバイスにとらわれないワーク プレイスを作ることを計画しました。「たとえば、外出の多い営業社員に外からでも安全に利用できる環境を提供すれば、移動時間を有効に活用して外出先で全ての業務を完了させることも可能となり、所定時間外労働も抑えることができます。外出時の 10 分のすきま時間を有効活用することで、従来会社に事務処理や報告のために帰社して対応していた時間を個人のプライベートな時間として過ごしてもらうことも、シン クライアント化の目的の 1 つです」と岩渕 氏は話します。

これまで NTTコミュニケーションズでは、外出で PC を利用する場合は、デスクにある個人用 PC とは別に共用 PC を貸し出すことで情報漏えいなどのリスクを回避していました。しかし、これではデスクで利用する PC と共用 PC の二重投資を行わなければならず、無駄なコストが発生してしまいます。営業社員や SE の業務用 PC をシン クライアント化し、社内外で同じ PC を利用させることでコスト削減を実現することも目的の 1 つです。

<導入の経緯>
包括的な EA 契約を有効活用して
導入コストを削減し、技術サポートを活用

NTTコミュニケーションズでは、これまでも社内 PC のシン クライアント化を行ってきており、今回の導入は第 3 世代目となります。第 2 世代までのシン クライアントは、一部の人しか利用しておらず、サーバーベースド コンピューティング (Server-Based Computing、SBC) であるためアプリケーションの制限があり、社内で開発したアプリケーションなどがマルチ ユーザー環境に対応しきれず、導入に時間がかかるものだったと言います。また、ユーザーが増えると物理サーバーを増強する必要があるため、展開に時間がかかるという問題もありました。そのため、今回導入した第 3 世代のシン クライアント化では、物理サーバーのコストを低減し、ユーザーの増加にスピーディな対応ができ、アプリケーションに柔軟に対応できるように仮想化技術を利用した VDI ベースで構築することが考えられました。

利用するシン クライアントについては、Linux ベースのものも検討されましたが、独自の機能を搭載させるための開発などにコストがかかることが問題となりました。また、従来からクライアント PC として活用していた Windows Embedded 端末を活用することも考えられましたが、その場合もハードウェア メーカーのサポートを通さなければならず、開発時に重要な技術サポートを十分に受けられない可能性も出てきます。

ここで考えられたのが、NTTコミュニケーションズとマイクロソフトとの間で結ばれている包括的な EA 契約 (Microsoft Enterprise Agreement) を有効活用することでした。マイクロソフトのソフトウェア アシュアランスを利用している企業は、既存の PC を Windows Thin PC に入れ替えてシン クライアントとして再利用することができ、新たなハードウェアを調達する必要がありません。また、マイクロソフトの Premiere サポートを利用して、ワン ストップでサポートを受けられるようになりました。NTTコムテクノロジー株式会社に依頼して Windows Thin PC のマスター イメージを試行錯誤しながら作っていったと話す NTTコミュニケーションズ株式会社 システム部 第三システム部門 第二システム担当 主査の大堀 利昭 氏は、「書き込み制限を行う Write Filter が利いていることを表示させたほうが端末として安心なので、独自に作り込んだりしました。Windows ベースなので開発面は楽でしたが、Windows Thin PC はリリースされたばかりの製品なので技術情報が足りず、直接サポートを受けられたことは非常に助かりました」と話します。

また、稲田 氏も「Windows Thin PC は英語版しかリリースされていないため、導入前には多少不安がありましたが、エンド ユーザーから英語版で困ったという問い合わせはまったくありません。すぐに仮想デスクトップ環境にログインするため、英語版でも不自由はありませんね」と話します。

2011 年 8 月から構築が着手されたシン クライアント化は、2012 年 3 月にカット オーバー。約 5,000 台の Windows Thin PC が導入され、外出の多い営業社員や SE、e ワークを行う社員などのモバイル ワーカーを中心に展開されています。

<導入効果>
Windows Thin PC でセキュリティを確保し
さまざまなワーク スタイルを実現

Windows Thin PC 導入前の NTTコミュニケーションズでは、営業社員が外出するときに必要な情報だけを入れた PC を貸し出し、返却時にまっさらな状態で戻し、盗難や紛失などがあったときにどんな情報が入っていたかを明確にすることでセキュリティを担保していました。Windows Thin PC 導入後は、状況に応じて必要な資料を取り出すことができるようになり、顧客に新たな提案を行うなどのビジネス チャンスも拡がり、移動時間や外出先で時間を有効利用して他の仕事を行うこともできるようになっています。外部からは、NTTコミュニケーションの「モバイルコネクト」の SSL-VPN が使われ、Windows Thin PC 側にはデータが残らないため、盗難や紛失時のリスクがありません。

また、e ワークを実施するうえで、仮想化ベースのシン クライアントなので、自宅 PC からも簡単に利用、開始できるようになったため、今後 e ワーク実施者の拡大など、働き方改革の推進に貢献できると考えています。

さらに、「以前は、複数フロアがある拠点では、PC を持って他のフロアに行くことができなかった」と大堀 氏は意外な効果を話します。NTTコミュニケーションズでは、無線で端末を監視し、部屋から廊下に出ただけで社外にデータを持ち出したとみなされてアラームが鳴るようになっていますが、Windows Thin PC はデータを持っていないため、アラームの対象外となります。「自由に PC を持ってフロアを行き来して会議や打ち合わせを行うことができるようになったのは便利です。以前は、紙に印刷していましたから。会議などの生産性は非常に向上したと思います」 (大堀 氏)。

働き方改革でねらった前述の時間を有効利用することも、Windows Thin PC によって実現できるようになりました。外出先での時間を利用して帰社しなくても仕事を終えられるようになったほか、1 つの拠点で仕事をした後、他の拠点で別の Windows Thin PC を使って仕事を続けるなど、端末にこだわらずにさまざまなワーク スタイルを実現することが考えられています。また、時間外労働時間の削減にも貢献しています。

2009 年 4 月に導入した SCCM を活用して、仮想上のデスクトップ環境と従来のリッチ クライアントをトータルに管理できることもメリットの 1 つです。NTTコミュニケーションズ株式会社 第三システム部門 第二システム担当の銅直 峻志 氏は「ホスト側にドライバーをインストールする場合や、利用状況の確認にも役立てられる」と話します。

SCCM はこれまで、すべてのドメインのデバイスを管理し、ソフトウェア配信やインベントリ情報の管理を行うために利用されてきました。これらの管理についても、リッチ クライアントに比べてシン クライアントはサーバー側で一元管理できるので、管理効率が向上できると銅直 氏は手応えを感じています。そのうえで、Microsoft System Center 2012 にも期待を寄せていると話します。

「System Center はこれまで個別製品に分かれていたため、SCCM のみを利用していました。しかし、2012 では各製品がモジュール化されるため、Microsoft System Center Virtual Machine Manager で仮想マシンを監視したり、Microsoft System Center Service Manager を使って ITIL (IT Infrastructure Library) を実践して構成管理やインシデント管理を行ってナレッジを蓄積するなどの機会が得られることが楽しみです。また、OS 単位ではなく、ユーザー プロファイル単位で管理できるようになるため、リッチ クライアントとシン クライアントの棲み分けをしっかりと行いながら管理ができることに期待しています」

システム構成図

システム構成図 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
社内運用のノウハウを製品化して
DaaS として提供

NTTコミュニケーションズでは、今回のシン クライアント化をソリューション化して DaaS (Desktop as a Service) として提供し、「BizデスクトップProエンタープライズ (仮称) 」 として年度内のリリースを目指しています。このソリューションについて NTTコミュニケーションズ株式会社 アプリケーションサービス部門 第二サービス企画担当 主査の宮崎 祐樹 氏は、次のように話します。「ファースト ユーザーとして社内で大規模展開したノウハウを元に企画、開発したソリューションとして展開する予定です。基本的にはさまざまなデバイスからアクセス可能にし、個人の PC やスマート デバイスで利用するなどの BYOD (Bring Your Own Device) も想定しています。料金体系をわかりやすくし、短期間にスモール スタートできるほか、将来的には、カスタマー コントローラーを提供してユーザーが自由にサービスを提供できるようにしたり、グローバル展開も考えていきたいですね」。

Windows Thin PC に対しては、Windows 8 の登場によって大幅な機能強化が行われることを NTTコミュニケーションズでは期待しています。「タッチ パネルのドライバー強化などが行われれば、タブレット型の Windows Thin PC も使うことができ、携帯性の向上で利用シーンが広がるほか、軽くて持ち運びが容易と言う点で女性のニーズにも応えられます」と話す大堀 氏。Windows To Go を活用して 1 つの端末でシン クライアントとリッチ クライアントの両方を使い分けたり、Microsoft Lync を活用してシン クライアントをソフトフォンのように利用して音声通話やテレビ電話会議を行うなど、将来的な利用シーンは大きく広がっていきそうです。

「営業社員を中心に始めたシン クライアント化の施策ですが、今年度中に全社展開も考えていきたいですね。すべてをシン クライアントにすることで、運用を統一することができ、コストも含めた大きなメリットが生まれると考えています。また、グループ展開して、グループ会社も同じ環境で仕事できるようにしたい。現在は、Microsoft SharePoint Server を使って同じ情報に各社からアクセスできる環境を構築しているところです」と話す稲田 氏。今後も NTTコミュニケーションズでは、社内でニーズと利便性の高いソリューションを構築し、実際に利用したノウハウをベースに優れたソリューションを提供していきます。

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