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日本生命保険相互会社

 様に導入

不動産テナント営業支援システムに Microsoft Dynamics CRM Online を採用
クラウド活用で代理店との情報連携を強化、多岐にわたる情報集約によって多様化するビジネス スキームへの対応も可能に

写真:日本生命保険相互会社

日本生命保険相互会社

2015 年 4 月から新 3 か年経営計画をスタートした日本生命保険相互会社。最近では、男性の育児休暇取得 100% を 2 年連続で達成するなど、働き方の変革にも注目が集まっています。日本生命は機関投資家として、資産運用にも力を入れていますが、その一環として行われている不動産事業のテナント営業支援に、Microsoft Dynamics CRM Online が活用されています。以前は社内の Microsoft Access 上で動いていたシステムをクラウドへと移行することで、営業担当者の情報共有をリアルタイム化。多様な情報を集約できる高い拡張性も実現しています。システム構築は約 1 か月で行われ、旧システムからのデータ移行もわずか 5 日で問題なく完了。多様化するビジネス スキームを支える情報基盤として、大きな期待が寄せられています。


<導入の背景とねらい>
多様化進む不動産事業のビジネス スキーム、
業務を支えるシステムにも刷新が必要に

日本生命保険相互会社
不動産部
部長
池田 宜之 氏

日本生命保険相互会社
不動産部
ビル業務推進課長
斎尾 正志 氏

経営環境の変化に伴い、ビジネス スキームも変化し多様化していくということは、多くの業種や業界で見られる現象です。このような状況に対応しながら成果を最大限に発揮するには、ビジネスを支える情報システムにも柔軟性が求められます。しかし長年にわたって同じシステムを使い続けている場合には、システムの陳腐化がビジネス スピードを阻害する要因になる危険性があります。時代の流れと共に情報システムも、変化していかなければならないのです。

この要求に対応するため、不動産事業のテナント営業活動に Microsoft Dynamics CRM Online を導入したのが、日本生命保険相互会社 (以下、日本生命) です。同社は国内最大手の生命保険会社。2014 年 3 月末の時点で、資産運用収益は 1 兆 6837 億円に上っています。

「生命保険会社にとって、不動産事業は重要な資産運用手法の 1 つです」と説明するのは、日本生命保険相互会社 不動産部 部長の池田 宜之 氏です。生命保険は契約期間が長くなるケースが多く、顧客との関係が 40 年以上続くことも珍しくありません。当然ながら顧客からの預かり資産の運用も、長期的な視野に基づく必要があります。「不動産投資はこのような長期投資に向いています。日本生命でも、2014 年 3 月末の時点で、339 棟、合計約 66 万坪の貸床を保有し、一般勘定資産の約 2% を不動産で運用しています」。

このように不動産投資は、長期的に安定しているという特長を持っていますが、最近では大きな変化も生じていると池田 氏は語ります。

まず注目すべきなのが、投資対象や投資手法の多様化です。最近では多くの不動産デベロッパーが、複雑な投資スキームを導入するようになっていると言うのです。「日本生命の不動産部では、これまでオフィスビル賃貸を主力業務にしていましたが、これからはそれだけでは不十分です。そのため昨年から今年にかけ、物流倉庫を投資対象に加えると共に、現物だけではなくエクイティ投資 (不動産ファンドへの投資) も始めています」。

その一方で「テナント営業のあり方も変わりつつあります」と指摘するのは、日本生命保険相互会社 不動産部 ビル業務推進課長の斎尾 正志 氏です。以前は建物を建ててテナントを募集すれば、ほとんどの場合、短期間で募集床が埋まるのがあたり前でしたが、リーマン ショック以降は必ずしもそうではないと言います。「テナント募集は日本生命社内の営業担当者に加え、一部社外委託もしています。営業力をさらに強化するには、両者のより緊密な連携が必要です。また日本生命には保険営業を通じたお客様とのチャネルもありますので、ここから得られた情報を活用した、 多角的な営業活動も行いたいと考えています」。

このような変化や多様化に伴い、これまでテナント募集の営業活動に使われてきたシステムも見直す必要が生じてきました。このシステムは Access 上で 15 年近く前に構築され、テナント募集営業に関する見込み案件情報や訪問履歴情報、物件/企業属性情報などを管理および共有するためのものです。しかしデータベースは社内のファイル サーバー上に置かれており、社外からのアクセスができなかったため、社外委託先とのスムーズな情報連携が難しいという問題を抱えていたのです。また 20 年間使い続けられているため、格納されているデータ量が数十万レコードと非常に多くなっており、動作が重くなっていたのも大きな問題でした。さらに、独自に作りこまれたシステムであるため、新たなデータ項目や機能の拡張も困難でした。

日本生命 不動産部はこれらの問題を解決するため、新システムの基盤として Microsoft Dynamics CRM を採用。わずか 2 か月でシステム構築とデータ移行を完了し、2015 年 3 月 9 日から新システムでの業務を開始しているのです。

<導入の経緯>
使いやすさを重視し Microsoft Dynamics CRM を採用、
コスト パフォーマンスやマイクロソフトの対応も高く評価

日本生命保険相互会社
不動産部
課長
草野 雅晶 氏

日本生命保険相互会社
不動産部
ビル業務推進グループ
課長補佐
松本 尚樹 氏

新システムへの移行に関する検討が始まったのは 2014 年 3 月。「大きな要件は 3 つありました」と説明するのは、日本生命保険相互会社 不動産部 課長の草野 雅晶 氏です。第 1 は社外委託先も含め、リアルタイムで情報共有できること。第 2 は営業活動の情報だけではなく、ビルの属性情報や入居企業情報も取り込み、これらを相互参照できるようにすること。そして第 3 が、これまでのシステムと同等以上の操作性を確保することです。

これらの要件を満たすためのアプローチとして、日本生命 不動産部が着目したのが、クラウド サービスの活用でした。最初は 他の SFA サービスを視野に入れ、説明やデモ、提案を受けながら検討が進められていきましたが、最終的にこれが導入に至ることはありませんでした。「機能面は問題なかったのですが、システムの中で使われている用語やユーザー インターフェイスが独特だったこともあり、導入の決断を下すことができませんでした。他にもっと良い選択肢があるはずだと考えたのです」 (草野 氏) 。

その後、ある偶然によって "より良い選択肢" が見つかることになります。2014 年 7 月に、草野 氏が、Dynamics CRM Online による販売拠点の営業改革の事例を偶然知る機会がありました。「それまで Microsoft Dynamics CRM の存在は知りませんでしたが、その導入事例を確認したところ、十分検討に値すると感じました」と草野 氏。その後すぐにマイクロソフトのホームページ経由で問い合わせを行い、導入検討を進めていったと振り返ります。その結果 2014 年 10 月には、Microsoft Dynamics CRM の導入決定に至るのです。

この決断の理由の 1 つが、操作性の高さです。日本生命保険相互会社 不動産部 ビル業務推進グループ 課長補佐の松本 尚樹 氏は「Microsoft Dynamics CRM で定義されている用語は日本語としてよくこなれており、私どもが普段使っている用語ともほとんど齟齬がありません」と語ります。また画面構成も、日ごろ使い慣れている Microsoft Office との共通点が多く、IT に詳しくない人でも直感的に操作できると指摘します。

またカスタマイズを行うことなく実用的なシステムを構築できる点も、大きなメリットだと言います。「長期的に使い続けるには、独自のカスタマイズをできるだけ避ける必要があります」と松本 氏。働き方・システムは時代と共に変化し続けるものであり、一度カスタマイズしてしまうと、変化の度にカスタマイズ部分の修正が必要になるからだと説明します。「カスタマイズ部分の修正は大きなコスト要因になり、カスタマイズ内容を知っている担当者が異動してしまえば、その後の対応が困難になります。しかし今回は Microsoft Dynamics CRM の標準機能だけでシステムを構築できたため、その心配はありません」。

さらに「コスト パフォーマンスの高さも導入決定の決め手になりました」と草野 氏は付け加えます。トータル コストで比較すると、当初検討していたサービスよりも低コストで導入および運用できると言います。

導入決定時のマイクロソフトの姿勢も、高く評価されています。日本生命にはクラウド導入に関するセキュリティ、個人情報保護、業務委託管理などの社内規程が存在し、これら全てを満たしていることを示すためリスク管理部門の承認を得る必要がありますが、マイクロソフトはそのプロセスを円滑に進めるため、また信頼できるクラウド サービスのご提供という観点からも、マイクロソフトの法務部門や管理部門をも交えるなどして、きめ細かい説明と対応を行っています。

「クラウド利用に関しては、"これなら OK" という明確な判断が難しい部分もあるため、この稟議を通すことは意外と大きな壁になりました」と草野 氏。「しかしマイクロソフトは粘り強く誠実に対応してくれたため、この壁も難なく乗り越えることができました」。

<導入効果>
ユーザーから「使いやすい」と高い評価、
代理店との情報共有も円滑化

社内稟議を通した後、システム構築に着手。日本ビジネスシステムズ株式会社 (以下、JBS) の Live Support for Dynamics CRM を活用。ユーザー部門が主体となってシステム構築を進めるというプロジェクト体制を採用し、非常に短期間で本番環境を整備しています。今回のシステム構築を、コンサルタント兼エンジニアとしての立場で担当した JBS の岡本 耕昌 氏は、「お客様の目標が明確であったうえ、要件に対して標準機能のみで柔軟に対応できるシステム構築だったため、スピード感を持ってスムーズに作業を進めることができました」と振り返ります。今後のメンテナンスもユーザー部門が中心になり進めていくとのことで、ユーザー操作性が重要視され、きめ細やかなメンテナンスが必要なユーザー部門主導のアプリケーションの移行プロジェクトの 1 つの成功例といえます。

また、多くの場合、システム移行で最大の難所となるのがデータ移行ですが、これもスムーズに終えることができたと、松本 氏は語ります。「情報管理を徹底するためデータ移行作業だけは社内で作業を行うことになっており、私どもにとってはこれが最大のハードルになるとある程度の覚悟はしていたのですが、移行時に発生した課題は JBS の Live Support に適宜相談しクリアしていったので、実際にはそれほど苦労することなく作業を完了できました。当初の想定通り、Access 時代のデータ構造をほとんど変えることなく、Microsoft Dynamics CRM に移行しています」。

新システムには旧システムで管理されていたテナント営業に関する情報に加え、ビルに関する情報の一部や、入居企業の情報も格納され、これらの情報を横断的に参照できるようになっています。ユーザー数は約 110 名。社内が 7 割、社外委託先が 3 割という割合になっており、約 10 拠点で利用されています。

「まだ使い始めてから 1 週間程度ですが、ユーザーからは "使いやすい" と好評です」と草野 氏。近年は個人向け の IT 製品や IT サービスが飛躍的に進歩したこともあり、企業内 IT の方が遅れていると感じることも多々ありますが、今回導入したシステムは個人向けサービスよりも一歩進んでいる印象だと語ります。「特に便利なのが、画面上部のリボン表示です」と言うのは松本 氏です。これによって、業務プロセス全体の中のどの画面を表示しているのか、直感的にわかるからだと説明します。

システムをクラウド化したことで、社外委託先との情報共有も円滑になりました。以前は委託先と情報共有を行うために、まず社内の Access から Microsoft Excel にデータを抽出して委託先にメール送信し、そこに委託先側の情報を追加して返送してもらい、さらに日本生命側の情報と突き合わせたうえで Access に戻すという、非常に手間のかかる作業が行われていました。しかし現在では委託先からも、営業状況のデータを Microsoft Dynamics CRM に直接入力できます。これによって情報のリアルタイム性が向上し、営業活動のフットワークがこれまで以上に軽快になると期待されています。

また、プログラミングやシステム開発の専門知識を持たない人が、表示内容などを簡単に変更できる点も、利点の 1 つだと松本 氏は指摘します。「ユーザーが実際に使いはじめると、細かい追加要望が数多く出てきます。私自身もシステム開発の専門家ではありませんが、Microsoft Dynamics CRM なら専門家の手を借りることなく、これらの要望にすぐに対応できます」。

新しいシステムを導入した時には、「使い慣れた以前のシステムの方が良かった」といった意見が出てくることも少なくありません。しかし今回は、そのようなネガティブなコメントはまったく出てこなかったと言います。

旧システムと新システムの比較。以前は社外委託先からシステムにアクセスできなかったため、日本生命側でのデータ抽出および加工とメール添付による送付といった煩雑な作業が必要となり、情報のタイムラグも生じていました。しかし現在では、クラウド上の Microsoft Dynamics CRM にアクセスできるため、リアルタイム性の高い円滑な情報共有が可能になっています。 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>

ビルに関する多様な情報も集約し、修繕や投資判断の
迅速化、新規サービスの実現へ

この新システムは、まずテナント営業を中心に利用を進めていきますが、今後は段階的に適用領域を拡大していく計画です。その 1 つとして既に検討されているのが、ビルに関する情報の集約だと草野 氏は語ります。

「ビルは "生き物" であり、毎日のように何らかの事象が発生しています。現在ではこれらの情報を、ビル管理会社から Excel を添付したメールで報告してもらっていますが、情報を Microsoft Dynamics CRM に直接入力してもらうことで、状況の確認をより迅速に行えます。ビルの状況確認を迅速化できれば、ビルの修繕や新規投資に関する判断も、より迅速かつ的確に行えるようになるはずです」 (草野 氏) 。

「これから重視すべきことは、これまで個別に管理されていた情報を集約し、プラットフォームとして一元的に利用できる環境を作り上げ、働き方の変革を進め生産性を向上させていかなければならない」と池田 氏。そのためにはシステムの構造も、これまで以上の拡張性が求められると指摘します。「Microsoft Dynamics CRM はこれを実現しており、多様化するビジネス スキームの基盤になり得るものです。またサービスを稼働させているデータセンターの設備にも安心感があり、マイクロソフトの企業としての対応にもたいへん満足しています。今後も JBS と共に、継続的なサポートをお願いしたいと考えています」。

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