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導入事例

 様に導入

  • クラウド
  • コミュニケーション
  • 効率化

西松建設株式会社

 様に導入

社内のコミュニケーション環境を Office 365 で一新、情報共有にチームサイトや Yammer も活用

1874 年に設立された西松建設株式会社は、創業 140 年を超える歴史と世界にまたがる規模を持つ準大手ゼネコン (総合建設会社) です。日本全体が大きな変化を迎えようとしている現在、同社もまた持続的に発展し続ける魅力ある事業の確立をめざし、新たなチャレンジを始めています。そうした中、メール システムを始めとしたコミュニケーション/コラボレーション環境において、既存の IT インフラではビジネスの阻害要因になりかねない状況が生まれていました。その打開策として同社が選んだソリューションが、マイクロソフトのクラウド サービス Microsoft Office 365 でした。

<導入背景とねらい>
50 MB 程度しかない容量など、メール環境に対するさまざまな不安の声が

写真:西松建設株式会社 社長室 ICT 企画部長 古村 文平 氏

西松建設株式会社
社長室 ICT 企画部長 古村 文平 氏

写真:西松建設株式会社 社長室 ICT 企画部 ICT 戦略課 課長 角田 穣二 氏

西松建設株式会社
社長室 ICT 企画部 ICT 戦略課
課長 角田 穣二 氏

創業以来、国内外のインフラ構築に貢献してきた西松建設株式会社 (以下、西松建設)。現在、ゼネコン企業として持続的な成長を続けていくための重点戦略として、「コア事業のレベルアップ・基盤強化」を実現する ACTION 4 と、「事業構成の変革」を図る CHALLENGE 3 という 2 つの柱を軸に、ビジネスを展開しています。さらに、新たなコーポレート スローガン「未来を創る現場力」を掲げ、職員個々の人財育成にチカラを入れています。

東日本大震災の復興事業や東京オリンピックに向けた再開発事業など、建設業界を取り巻く環境は大きく動いており、事業を支える存在の IT 部門もまた変わっていく必要があります。そうした経営層の判断の下、西松建設では 2013 年度から IT 部門を社長室直属の組織に置き、2016 年度からは全社的な ICT 戦略に取り組む姿勢を明確にするため、発展的名称変更を行い ICT 企画部となりました。社長室 ICT 企画部長 古村 文平 氏は次のように語ります。

「基幹系にとどまらず、全社と将来を見据えたシステムを構想するとき、IT 部門 10 名ほどで全社 2,400 名の IT 基盤を支えていくには、よほど効率のよいシステムを目指さないといけない。そう考えると、従来のやり方ではさまざまな面で限界であることは明白でした。クラウドやスマート デバイス等の新たなテクノロジを積極的に活用していくために、まずは IT 部門自身の意識が変わることが必要でした。」 (古村 氏)

中でも、古村 氏が指摘する "既存のやり方による限界" が最も端的に現れていたのがコミュニケーション環境でした。当時の状況を、社長室 ICT 企画部 ICT 戦略課 課長 角田 穣二 氏は次のように振り返ります。

「2013 年当時まで、西松建設ではホスティング サービスを利用してメール サービスを運用していましたが、メールボックスの容量が 1 ユーザー 50 MB 程度と小さすぎる、パフォーマンスがよくない、グループごとにメール クライアントが異なる、外出先からメールをチェックができないなど、従業員からさまざまな不満の声が寄せられていました」 (角田 氏)

<導入の経緯>
セキュリティや有事の際の係争地、インターフェイスなどで総合的に判断し、Office 365 を選択

写真:株式会社テクノアート 濱野 芳臣 氏

西松建設株式会社
社長室 ICT企画部
情報システム課 主任
海谷 正徳 氏

利用していたホスティング サービスの契約が 2014 年 3 月で切れることもあり、角田 氏ら IT 戦略推進課のスタッフは、このままホスティングの契約を更新するか、オンプレミスで新たにメール サーバーを構築するか、その他の新しいサービスを導入するかの選択を迫られることになります。

「明らかに機能や要件が不十分になっていたホスティング サービスを更新すれば、ユーザーからの不満がさらに増すことは明らかでした。だからといってオンプレミスでゼロから構築するには時間がかかりすぎるし、費用的にも問題がある。ホスティング サービス契約が切れるまでの 1 年弱の期間でスピーディに導入できるメール環境を構築することを検討したとき、候補に上がったのがクラウド サービスでありマイクロソフトの Office 365 でした」 (角田 氏)

その後、部内および社内での検討を重ねた結果、2013 年 11 月にOffice 365 の Exchange Online への移行が決定、当初はメールだけの予定でしたが、「社内ポータル環境やオフィス アプリケーションも見直す」という古村 氏の提案により、SharePoint Online や Office スイートである Office 365 ProPlus も導入が決まりました。

最終的に Office 365 を選択した理由について、角田 氏はまず「増え続ける一方のメール データを、問題なく格納できるストレージ容量を持ったサービスであること」を挙げます。建設業界では建設現場の写真など、大きなファイルを添付して送ることも多く、以前のメール環境では、すぐ容量がいっぱいになってしまうことがユーザー最大の不満となっていました。Office 365 なら 1 ユーザー 50 GB まで、共有メールボックスでも 10 GB まで利用できる(現在は 50 GB まで利用可能)ため、サービス選定の大きな決め手となりました。

クラウド サービスへの移行そのものへの不安は社内になかったのでしょうか。この点について、社長室 ICT 企画部 情報システム課 主任 海谷 正徳 氏は以下のように説明します。

「セキュリティ面など、クラウドに対する不安があったことは事実ですが、それよりも従来のホスティング システムに対する不満のほうが大きかった。当初導入前に抱いていた不安に対しては、今ではほとんどが解消できています。」 (海谷 氏)

たとえば、日本の企業が、外資系企業が運営する海外のデータセンターに自社データを預けた場合、日本の国内法が適用されるのか、といった日本の企業にとっては大きな問題も、「マイクロソフトのクラウドであれば "日本の法律が適用される"ことも、導入判断のひとつです」 (海谷 氏) とのこと。

Google Apps など、他社のクラウド オファリング メニューも候補に上がりましたが、最終的に Office 365 を選択した理由について角田 氏は次のように語ります。

「Google はインターフェイスの変更が多いという話を聞いていて、ビジネス ユーズとして弊社には向かないと考えました。先に挙げた国内法の適用なども含め、Office 365 が最も弊社のニーズに適していると判断しました」 (角田 氏)

<導入効果>
容量不足を解消し、いつでもどこからでもアクセス可能に。情報共有ツールにチームサイトや Yammer も活用

決定から導入までに要した期間は約 3 か月。2014 年 1 月には西松建設の新しいメール システムとして Office 365 が稼働しています。単に移行しただけではなく、社内の基幹システム (人事情報) と Active Directory を連携し ADFS 環境を構築、アカウント管理を効率化して、シングル サインオンも実現しています。また、ActiveSync によりスマートフォンやタブレットなど従業員のモバイル デバイスとも連携、「いつでもどこからでもメールにアクセスできるようになったとユーザーからも好評です」と海谷 氏。

角田 氏は「最大の懸念だった容量に関しても、50 GB と大容量になったことで、職員からのクレームはありません。もっと柔軟にクラウド サービスを活用していきたいですね」とその導入効果を語ります。

メールのインターフェイスに関しては、現在 Web メールと Outlook の二本立てで運用しています。「基本的にはWeb メール を利用していますが、より高度なパフォーマンスを求めるユーザーに対しては、メール クライアントに Outlook を導入して併用しています。もっとも、いろいろなクライアントが混合していた状態に比べるとずいぶん統一された感はあります」 (角田 氏)

西松建設ではメール以外にも、SharePoint Online で社内ポータルを刷新するなど、Office 365 の各種サービスの活用を始めています。たとえば、チームサイトや社内 SNS を実現する Yammer のサービス提供により、建設現場との情報共有ツールとしても大きく役立っているとのこと。

Yammer 上で建設現場の写真をアップロードし、定点観測するようなアイデアも検討中で、新しいコミュニケーション方法を試行錯誤しています。

「Yammer の機能を使ってユーザーが自分自身でアンケートを作成するなど、これまで情報システム部門に依頼していた業務を、少しずつではありますが、ユーザーがセルフサービスで行うようになっています。これはクラウドによるよい変化の兆候だと受けとめています」 (角田 氏)

<今後の展望>
Skype for Business でのWeb会議を利用、リモートでリアルタイムに打ち合わせ

メール・ポータルに続き Web 会議の利用も開始しています。現場の従業員や営業スタッフが利用する 1,200 台以上のタブレットに Skype を導入し、現場状況をモニタリングしながら、図面やデータを確認しリモートでもリアルタイムに打ち合わせする環境を整えていくことを目指しています。

「スマートフォンやタブレットの普及は本当に建設業界にとっても大きな変化だと思います。これまで拠点間のテレビ会議システムで確認されていた利便性を、 Web 会議システムで遠方の現場にまで提供できます。まずは現場事務所と管轄部署間の会話に利用してもらい、移動時間と経費の削減を図ります。次に、スマート デバイスを工事現場に持ち出して、確認指示の精度とスピード向上を計画しています。現在はまだ検証段階で、現場内ネットワークのパフォーマンスなどに課題もありますが、なるべく早期に環境を作っていきたいと考えています」 (古村 氏)

クラウドやスマート デバイスという新しいツールによる変化を確実に体感している西松建設。古村 氏は「クラウドの魅力はテスト環境を作りやすいということにあると思っています」と指摘します。大きな変化を迎えようとしている日本の建設業界にあって、西松建設もまた、試行錯誤を重ねながら、新たな IT 環境を構築していかなければなりません。いち早く目標に到達するためトライ & エラーを行えるクラウドは、企業にとって良き伴走パートナーになれるポテンシャルを持っています。

「正直、次々と新しいテクノロジが登場する ICT 環境の変化には追いつけない。そんな中で、経営戦略を実践する各プロジェクトに ICT を落とし込み、見極めるためには、クラウドはなくてはならないものになっています。我々と一緒に、クラウドもまた進化と成長を遂げていってほしいと願っています」という古村 氏の言葉とおり、Office 365 はお客様と一緒に成長していくクラウド サービスとしてあり続けていきます。

集合写真

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