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導入事例

 様に導入

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  • コミュニケーション
  • 最適化
  • コスト

日本電気株式会社

 様に導入

マイクロソフト製品をベースに全世界の情報共有基盤を刷新
グローバル経営とワーク スタイル変革を加速するエンジンを目指す

日本電気株式会社

日本電気株式会社

"人と地球にやさしい情報社会" の実現を目指し、グローバル ビジネス展開を積極化している日本電気株式会社 (NEC) 。ここでは新たなグローバル情報共有基盤 (GISP) が、マイクロソフト製品をベースに構築されています。製品選択で最も重視されたのは、グローバル スタンダードであること。また既存業務システムとの連携が容易なことや、パートナーとしてのマイクロソフトの信頼性も、高く評価されています。

GISP の導入は 2013 年 6 月に始まっており、2014 年度上半期までには全世界約 14 万人への展開を完了する予定。これによって世界規模でワーク スタイルが変革されることで、グローバル競争力がさらに高まると期待されています。

また GISP を自社ソリューションに組み込み、NEC グループ以外の企業や組織に提供することも計画されています。

<導入の背景とねらい>
グローバル化を拡大するため IT を刷新
その一環として情報共有基盤を再構築

日本電気株式会社
代表取締役 執行役員副社長 兼
CSO (チーフストラテジーオフィサー) 兼
CIO (チーフインフォメーションオフィサー)
新野 隆 氏

日本電気株式会社
経営システム本部長
小竹 毅志 氏

ビジネスのグローバル化が加速する中、企業の情報戦略は新たな課題に直面しています。現場から経営層に至るまで、グローバル規模で円滑で効率的なコミュニケーションを行い、適切な意思決定をスピーディに行える情報共有基盤が求められているのです。また社員の創造力を最大限に引き出し、それを企業競争力に結びつけていくには、仕事の進め方も変革していかなければなりません。そのためにはスマート デバイスの積極的な導入や、モバイル ワーク スタイルの確立、SNS などを活用したより軽快なコラボレーションも、視野に入れていく必要があります。

これらの課題に対応するため、グローバル情報共有基盤「GISP:Global Information Sharing Platform」を構築したのが日本電気株式会社 (以下、NEC) です。GISP は Microsoft Exchange 2010 や Microsoft SharePoint 2013、Microsoft Lync 2010 といったマイクロソフト製品をベースに、NEC 独自の付加機能とノウハウを統合したものです。これによって全世界で標準化かつ一元化された情報共有基盤を確立したのです。

GISP 構築の背景について、「NEC では 2015 年中期計画において、海外売上比率 25% と、営業利益率 5%、ROE 10% を達成することを目指しています」と説明するのは、日本電気株式会社 代表取締役 執行役員副社長 兼 CSO (チーフストラテジーオフィサー) 兼CIO (チーフインフォメーションオフィサー) を務める新野 隆 氏です。この目標達成を支えるため、IT 中期計画で 7 つの主要施策を策定 (図 1)。その 1 つに位置付けられたのが、グローバル情報共有基盤の構築および展開だと述べます。「最大のポイントは、グローバル ビジネスの "スピード最大化" です。そのためには最新テクノロジーを大胆に活用した、新たなコラボレーション/コミュニケーション基盤が不可欠だと判断しました」。

その一方で、「NEC 全体を見直した IT コストの最適化を目指すことも改革の 1 つです」と指摘するのは、日本電気株式会社 経営システム本部長 小竹 毅志 氏です。この基盤による情報共有は主として国内を対象にしており、海外拠点からの情報アクセスは決して手軽ではありませんでした。そのため海外の各拠点では個別の情報共有基盤が構築、利用されており、最適化のレベルも地域ごとに閉じていたのです。またコミュニケーション手段もメールが中心になっており、十分なスピード感を発揮できないという悩みもありました。さらにコンプライアンス対応を地域ごとで行うことで、IT コストが増大するという課題もあったと説明します。「10 年前と比較すると、グループ内でやり取りされる情報量は、たとえばメールだけでも 5.5 倍に増大しており、テレワークや遠隔会議などワーク スタイルも多様化しつつあります。またコンプライアンスに関しても、個人情報保護法や e-Discovery など、セキュリティ関連の法規制が強化されています。既存システムのままで効果的に対応することは困難でした」。

これらの一連の課題解決に加え、業務システムと情報共有基盤の連動も、重要テーマになりました。NEC では既に、Windows と Microsoft SQL Server の上で稼働する SAP ERP や、Microsoft Dynamics CRM、マイクロソフト テクノロジーをベースに構築された SCM が活用されています。これらのシステムと密接に連動することで、業務データを素早く意思決定に反映できるようにすることも、GISP には求められたのです。

図 1 :NEC グループ IT 推進方針とグローバル情報共有基盤の構築・展開計画

図 1 :NEC グループ IT 推進方針とグローバル情報共有基盤の構築・展開計画 [拡大図] 新しいウィンドウ

<導入の経緯>
世界標準であることを最も重視
他システム連携の容易さも評価

日本電気株式会社
金融サービスソリューション本部長
長谷川 淳 氏

それではなぜ GISP のベースとして、マイクロソフト製品が選ばれたのでしょうか。新野 氏は、「最も重視されたのは、グローバル スタンダードの採用です」と説明します。また、既に構築されている業務システムにもマイクロソフト製品を採用しており、これらとの連携が行いやすいことも評価ポイントだったと指摘します。「NEC はマイクロソフト製品をクラウドで提供するビジネスも展開しています。そのノウハウも活用することで、コスト低減や導入スケジュール短縮も可能になります。マイクロソフト製品の採用は、一石二鳥どころか、それ以上の大きな効果があると言えます」。

さらに小竹 氏は、「マイクロソフトとはこれまでにも協業を行っており、パートナーとして十分信頼できる存在であることを熟知しています」と付け加えます。「NEC グループ全体の情報共有基盤再構築を成功させるには、このようなパートナーと連携することが不可欠だと考えました」。

GISP 全体の機能構成は図 2 に示すとおりです。

GISP の中核に位置付けられるのは、メール/スケジューラ、コラボレーション、Unified Communication で構成された統合コミュニケーション機能です。メール/スケジューラには Exchange、コラボレーションには SharePoint、Unified Communication には Lync が採用されており、これらの機能が NEC のクラウド サービス「neo Station-BASE」によって提供されています。

「NEC 14 万ユーザーを支えるグローバル情報共有基盤の構築にあたっては、高い信頼性、セキュリティ レベルを確保しつつ、多様な業務/システム要件を限られた期間内で実現することが求められました。これら要件を実現するための最良の選択肢が neo Station-BASE の採用でした」と説明するのは、日本電気株式会社 金融サービスソリューション本部長 長谷川 淳 氏です。

「neo Station-BASE」はマイクロソフト製品をベースに大手企業様に求められる周辺機能をあらかじめアドオンした NEC の展開するプライベート型の商用クラウドサービスです。個社システムとの柔軟な接続性、各業界ガイドラインに対応した高いサービス品質といった特長を有し、レディメイド型サービスとしてお客様への提供を開始しています。

GISP では本サービスを中核に、個社固有の要件については NEC が取扱うその他製品/ソリューションなどとの連携により実現しています。例えば、Unified Communication では、Lync と NEC の音声技術である UNIVERGE SIP サーバーなどとの連携による堅牢な IP テレフォニー システムを実現しています。

これらの機能を安全に使うためには、セキュリティ確保も重要になります。GISP ではグローバル レベルで認証とアクセス管理の基盤を全世界で一元化しています。またマイクロソフトの IRM (Information Rights Management) テクノロジーをベースにした NEC 独自のセキュリティ機能によって、データの自動暗号化や文書ファイルへのアクセス履歴ログなどの機能も実装しています。

マルチ デバイスにも対応しています。スマートフォンやタブレットを活用し、移動中や外出先でも必要な情報や人にアクセス可能です。また BYOD (私物端末の企業内活用) にも対応できるようになっています。

図 2 : GISP ソリューションの機能構成図

図 2 : GISP ソリューションの機能構成図 [拡大図] 新しいウィンドウ

<導入効果>
グローバル ビジネスのスピードを最大化
業務のクオリティ向上にも大きな期待

「GISP の導入によって、NEC グループのコミュニケーションと情報活用は、これまで以上に加速するはずです。その結果、グローバル ビジネスのスピード最大化と、業務のクオリティ向上が実現されるはずです」と新野 氏は言います。

具体的な活用イメージとしては、次のようなシナリオが想定されています。

まず営業現場では、商談中でも製品担当者と手軽に連絡を取れるようになり、顧客からの質問にもその場で回答可能になります。Lync の IM や Web 会議によって、リアルタイム コミュニケーションの手段が拡大するからです。また SharePoint の SNS 機能を活用すれば、リアルタイムではない社員同士のやり取りも、これまで以上に軽快に行えるようになります。離れた拠点間でも質問や回答といった情報交換を活性化でき、顧客に対するクイック レスポンスも実現できます。

海外法人のマネージメントでは、業務システム連携や SharePoint による情報共有が威力を発揮するはずです。業務システムの情報と海外からの共有情報を同時に検索かつ収集できるため、的確な意思決定を迅速に下せるようになるからです。また海外法人の社員にとっても、日本の担当者との連絡を密に取ることができるため、現地顧客との商談をテンポよく進めることが可能になります。

製品開発や研究の現場では、SNS と Web 会議の組み合わせが、社員のフットワークを軽くするでしょう。全世界の関係者が SNS サイトで情報交換することで、顧客ニーズや製品トラブル、問題解決策に関する情報を全世界から収集でき、新たな開発や研究テーマも見つけ出しやすくなります。またこれらの情報の中で特に重要なものがあれば、Web 会議によって直接対話することも容易です。距離を意識することなく、多様な人々のナレッジを集約、活用できるようになるのです。そして、ナレッジの共有や Know-Who 検索などのコラボレーションによって新たなビジネス、新たな顧客価値の創発につながっていくことを期待しています。

「重要なことは個々のツールをバラバラに使うのではなく、これらを統合された 1 つの基盤として活用することです」と小竹 氏。これによって初めて、ワーク スタイルの変革も可能になるのだと説明します。また全世界を単一ドメインとすることで運用コストの低減が可能になり、情報セキュリティの要件に対して統一的な対応が行えるようになることでリスク回避しやすくなることも、重要なメリットだと指摘します。

また新野 氏も「組織や地域の枠を超えたコミュニケーションや情報共有が可能になれば、必要な人や情報にすぐにアクセスでき、市場ニーズの把握が容易になり、新たな発想も生まれやすくなります」と言います。「マイクロソフト製品は継続的に進化を続けており、信頼性やセキュリティ対応も十分なレベルに達しています。これを GISP の基盤に採用したことで、ワーク スタイル変革が加速し、グローバル競争力も高まると期待しています」。

<今後の展望>
2014 年度上半期までに全世界の NEC に導入
最終的なユーザー数は約 14 万人に

日本電気株式会社
取締役 執行役員常務 兼
CMO (チーフマーケティングオフィサー)
清水 隆明 氏

GISP の構築は既に完了しており、2013 年 6 月には全社導入がスタートしています。導入対象となるのは、NEC 本体、国内グループ会社、海外グループ会社です。国内への導入は 2013 年度中に実施予定。海外グループ会社への展開も、2014 年度前半には完了する計画になっています。最終的なユーザー数は、約 14 万人に達すると見込まれています。「既に先日、5,000 ユーザーの移行を実施しました。わずか 1 日での作業でしたが、問題もなくスムーズに完了できました」 (小竹 氏) 。

さらに GISP を、社外に提供することも計画されています。NEC は 2012 年 4 月、企業全体の業務プロセスのやり方やワークスタイルを変革する「ワーク スタイル変革ソリューション」を発表しました。スマート デバイス、モバイル、クラウドなどの ICT 技術も駆使し、信頼性および柔軟性の高い、コミュニケーション/コラボレーション環境を構築するものです。。ここに GISP の設計、構築、導入で培われた経験やノウハウを付加機能として盛り込み、お客様のニーズやシステム環境に応じて、SI サービス (オンプレミス) 、プライベート クラウド、パブリック クラウドとの連携など、さまざまな形態で提供をしています。「このソリューションは NEC の自社製品や業種 SI 構築ノウハウと、マイクロソフト製品とを組み合わせて開発したものです。今後とも両社は共同で本ソリューションの強化拡充を図り、全社ワーク スタイルの変革やグローバル コミュニケーション基盤の導入や刷新をご検討されているお客様に、最適な形でご提供してまいります」と日本電気株式会社 取締役 執行役員常務 兼 CMO 清水 隆明 氏は、今後の展望について語っています。

「NEC は自ら GISP を活用することで、このソリューションが大きな効果を生むことを実証していきます。これによって机上の空論ではない、お客様にとって "リアリティのあるソリューション" になるはずです」 (新野 氏) 。

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