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導入事例

 様に導入

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  • 効率化
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  • iPad

株式会社モリサワ

 様に導入

セキュリティとユーザーの利便性のバランスを重視したシステムを採用、社員が OS やデバイスを自由に選べる環境を Enterprise Mobility Suite と Office 365 で実現

写真:株式会社モリサワ

株式会社モリサワ

フォントを中心に編集、印刷関連アプリケーションを提供する株式会社モリサワでは、2008 年ごろからクラウド メール サービスを利用してきました。その後、Google Apps の全社導入に向けて、試験運用をしてきましたが、セキュリティやユーザビリティ、利用中の他のマイクロソフト製品との親和性などの観点から最終的に Office 365 の導入を決めました。同社はフォントの提供という事業の特性もあり、PC は Windows と Macintosh、モバイル デバイスは iPhone、iPad、Android スマートフォンなど多岐に渡るデバイスを利用しており、その自由度を維持しながら、セキュリティを高めることが大きな課題でした。そこで、同社ではマイクロソフトの Enterprise Mobility Suite (EMS) を導入、社員が自分で選んだデバイスを使いながら、アクセス制御とデバイス管理を行うことにしました。株式会社モリサワでは、クラウド サービスを中心にしたマイクロソフトのプラットフォームを活用して、コミュニケーションを活発化させ、創業 100 周年に向けた、次のイノベーションを起こしていく考えです。

<導入の背景とねらい>
いつでもどこでも社内情報にアクセスできる環境が基本方針。
セキュリティを確保しながら、スマートフォンやタブレットもフル活用できる環境を目指す

写真:株式会社モリサワ 情報システム課 課長代理 酒井 信宏 氏

株式会社モリサワ
情報システム課
課長代理
酒井 信宏 氏

写真:株式会社モリサワ 情報システム課 担当課長 谷 正博 氏

株式会社モリサワ
情報システム課
担当課長
谷 正博 氏

株式会社モリサワ (以下、モリサワ) は、1924 年創業のフォントを中心に編集、印刷関連アプリケーションを提供する企業です。同社は 1924 年、世界で初めて「写真植字」を発明して以来、デジタル フォントや、「組版」処理の自動編集ソフトなど、時代に対応した製品を開発。印刷やデザイン業界における DTP 化の大きな流れを作り出しました。2014 年には海外に 3 か所の拠点を設置、多国語をキーワードにした製品サービスの提供を始めています。

モリサワでは、2008 年ごろにオンプレミスだったメール システムをクラウドに切り替え、クラウド メール サービスを利用してきました。また、現在、300 人ほどの社員が 500 台あまりの Windows PC と Macintosh を利用しています。それに加えて営業部門では 100 台強の iPhone と 60 台ほどの Android スマートフォン、40 台ほどの iPad を使っています。株式会社モリサワ 情報システム課 課長代理 酒井 信宏 氏が語ります。

「もともと、DTP が Macintosh で始まったこともあり、取引先のデザイン事務所や印刷業者の多くは Macintosh を使っています。そのため、社内の PC も Macintosh が 3 割ほどを占めています。また、パフォーマンスが必要な仕事はデスクトップ、会議や外出時にはノート PC と 2 台を使い分ける社員もいます。近年ではスマート デバイス対応の電子書籍を取り扱っているので、スマートフォンやタブレットもいち早く導入しました」。

モリサワでは社員が利用する PC を、仕事のスタイルに合わせて部門単位または各自で選べるようになっています。その結果、さまざまな PC が使われており、メーラーも Outlook やその他のメーラー、Macintosh 用のものなどがあります。株式会社モリサワ 情報システム課 担当課長 谷 正博 氏が語ります。

「業務の効率が上がるよう、社員自身が使いやすいと考える PC やアプリケーションには、安全性を考えつつある程度自由度を与えています。モリサワの製品を、いろいろなタイプの PC やデバイスで動作評価するためにも必要なことです」(谷 氏)。

そのため、多岐に渡るデバイスの自由度を維持しながら、セキュリティを高めることも大きな課題でした。

「フォントの開発と提供という仕事を、効率よく進めることができるようにするために、IT インフラはいつでもどこでも社内情報にアクセスできるようにすることを基本方針にしています。そのために、セキュリティを確保しながら、クラウドを活用して、社員は PC だけでなく、スマート フォンやタブレット端末をフルに活用できるような環境を目指しました」。

<システム導入の経緯>
試験運用していた Google Apps を Office 365 に変更。デバイス管理には、モバイル デバイスも管理できる Enterprise Mobility Suite を選択

そこで、モリサワではメール サービスとスケジュール管理、ネットワーク ストレージについて、管理とデバイスの自由度を両立できる基盤共通化を計画しました。当初は Google Apps を導入しようと、2013 年ごろから情報システム課で試験運用してきましたが、その中で Office 365 も候補に浮上しました。株式会社モリサワ 情報システム課 南谷 晃律 氏が語ります。

写真:株式会社モリサワ 情報システム課 南谷 晃律 氏

株式会社モリサワ
情報システム課
南谷 晃律 氏

「Google カレンダーを使っている社員が多いので、Google Apps を導入しようとしていました。ところが、Google Apps のセミナーでは何かと Office 365 と比較されていることから、Office 365 という製品が気になり、マイクロソフト本社で開催された Office 365 のセミナーに参加したことがきっかけでした。時間をかけて比較検討した結果、普段ユーザーが使い慣れている Office アプリケーションのためユーザビリティが高く利用上の混乱も少ないと考えられること、堅牢なセキュリティ、マイクロソフトのサポート体制、Google Apps より会社規模に合わせたプランが豊富に用意されていたことなどを総合的に判断し、Office 365 を導入することにしました」。

同時に、モリサワでは、デバイス利用の自由度を維持しつつ、さらに進んだデバイスの管理も実現できるように、iPhone、iPad、Android スマートフォンも含めたデバイス管理を可能にする製品について検討を始め、比較検討の結果、マイクロソフトの Enterprise Mobility Suite (EMS) を採用することにしました。EMS はクラウド型の ID 認証基盤である Microsoft Azure Active Directory Premium、デバイスを統合管理する Microsoft Intune、企業データの保護を行う Microsoft Azure Rights Management Service (RMS) の 3 つの製品を包括的に提供するクラウド ソリューションです。
EMS を選んだのは、Office 365 との親和性があることと、ユーザー管理だけでなく、モバイル デバイスも管理できることが大きな理由でした。

「今までの端末管理は自社開発した Web ベースの管理台帳で行っていましたが、登録や廃棄などは手作業で更新しなければならず非効率でした。EMS であれば、この管理業務も大幅に効率化できると考えています」(酒井 氏)。

<システム概要と構築>
まずは Intune でデバイス管理を実行、Azure AD Premium で Office 365 以外の SaaS アプリケーションの ID 統合も視野に

モリサワでは Office 365 を 300 ユーザー契約し、2015 年 1 月の開発部門への導入を皮切りに、順次利用を始めています。定着させるために、Office Online、Exchange Online、Skype for Business、OneDrive、Yammer、SharePoint Online の 6 つについて、それぞれワーキング グループを作り、使い方を学ぶと共に、業務に合った使い方を工夫しています。

現在、デバイス管理については、デバイスの種類により管理する環境が異なっていますが、EMS で統一された環境で管理できるようになれば管理業務の効率化が期待できます。
その EMS で最初に活用しようと考えているのが Intune です。Intune は iPhone や iPad に対して、アプリの配布や構成情報の収集、ポリシーによる一括設定などのモバイル デバイス管理機能を提供します。モリサワでは Intune を 2015 年夏ごろまでに展開完了し、モバイル デバイスを管理すると共に、その後導入予定の Microsoft System Center Configuration Manager (SCCM) と連携させて、Macintosh を含めた PC も併せた管理を行っていく計画です。

また、同時に Azure AD Premium の活用も予定しています。Azure AD Premium は社内のオンプレミスの Active Directory サーバーとの間で ID を同期、統合することで、Office 365 へのログインはもちろん、そのほかの SaaS アプリケーションと社内業務システムをひとつの ID で利用でき、ユーザーの生産性を大きく向上させることができます。さらに、ユーザー自身がセルフ サービスでパスワードをリセット、再設定することができるので、システム部門のパスワードの設定のための時間と手間の削減にも役立ちます。

「社員は業務や所属する部署で必要な複数の SaaS アプリケーションを利用しています。今回、Office 365 を社員全員が使うようになったため、そのままでは ID とパスワードがさらに増えることになります。そこで、Azure AD Premium を利用して、ID とパスワードを統合し、シングル サインオンで Office 365 や SaaS アプリケーションを使うことができるようにして、利便性を向上させたいと考えています」(南谷 氏)。

また、顧客に応じたきめ細かな営業活動を展開するために、Microsoft Dynamics CRM を一部の営業部門で試験導入を開始しており、それを利用する上でも、Azure AD Premium による ID 統合は大きな力を発揮します。

<導入効果と今後の展望>
クラウドを軸としたマイクロソフトのプラットフォームを活用してコミュニケーションを活性化し、次のイノベーションの実現を目指す

モリサワでは、Office 365 の導入によって、従来使っていたクラウド メール サービスと比べて、運用コストが約 30% 下がるという大きな成果を挙げることができました。

「若手社員が Yammer を使って、お互いに書き込む中で、今まで以上の活発なやり取りが行われるようになっており、仕事のやり方がより自由で闊達なものに変化しているように感じています」(南谷 氏)。

そして、今後、OneDrive や SharePoint を活用することで、オンプレミスのファイル サーバーの削減も進めることができると期待しています。さらに、海外拠点とのコミュニケーションには、Skype for Business を積極的に利用していく考えです。

また、現在は会社が営業担当者を中心に業務用の iPhone を配布していますが、社員からは個人用のスマートフォンと会社支給の iPhone の 2 台を持ち歩くことが負担だという声が上がっていました。
今回、Office 365 と EMS が導入されたことで、セキュリティ レベルが強固になり、全社的な統一インフラ基盤が構築されました。それを踏まえて、スマートフォン 2 台持ちの不便さを解消するために、BYOD の可能性を検討していく考えです。また、在宅勤務についても、現在、一部で導入していますが、今後どのような環境に整備していくかを検討していきます。

モリサワでは Office 365 そして EMS と、マイクロソフトのクラウド サービスへのシフトが進んできています。その理由は、どこの国でも接続でき、データ センターが国内にあるなど、マイクロソフトのクラウド サービスが信頼できることにあります。加えて、営業やサポートもきめ細かく、安心できる点も評価しています。

「マイクロソフトの営業担当者の方が直接、来社してくれて、いろいろな相談に乗ってくれますし、サポートに問い合わせをしても的確な返答がすぐに返ってきます。サービス リクエストには、早い時で、問い合わせをしてから 5 分後くらいに連絡がありますし、こちらが不在でも、連絡が取れるまでフォローしてくれるので、たいへん便利に活用しています」(南谷 氏)。

このようにして、モリサワでは、EMS の導入で会社が承認したデバイスで Office 365 や他の SaaS アプリケーションにアクセスできるようにすることで、社員の端末利用の自由度を高めながら、高いセキュリティのコミュニケーション基盤を実現しようとしています。
そして、写植機を軸としたハードウェア メーカーとしての最初の 30 年、電算写植機を中心としたハードウェアにソフトウェアを加えた次の 30 年、DTP を柱にしたソフトウェア メーカーとしての現在までの 30 年の次に来るイノベーションを、マイクロソフトのプラットフォームを活用して実現し、創業 100 周年を迎えようとしています。

図.システム概要図

システム概要図 [拡大図] 新しいウィンドウ

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