612
導入事例

 様に導入

  • コミュニケーション
  • 最適化
  • コスト

みずほ信託銀行 株式会社

 様に導入

不動産仲介システムを Microsoft Dynamics CRM で刷新
サイロ化したファイル サーバーやメールを集約/一元化して、
情報活用の迅速化 & 柔軟なシステム連携の基盤を確立

写真:みずほ信託銀行 株式会社

みずほ信託銀行 株式会社

リーマン ショック以降、金融業界ではビジネス モデルの大幅な見直しと、ガバナンスのいっそうの強化に向けた取り組みが進められてきています。そうした中でみずほ信託銀行株式会社は、「One Mizuho」のスローガンの下、銀行、信託、証券の連携によるスピード感あふれる経営と強力なガバナンスを目指す、みずほフィナンシャルグループの三本柱の 1 つとなっています。同行では業務効率向上のための基幹システム改革の一環として 2014 年 4 月、不動産仲介業務システムを Microsoft Dynamics CRM によって刷新。行内に分散していたさまざまなデータの集約、一元管理を実現して、顧客対応のアジリティ向上と今後のさらなる成長への布石を進めています。

<導入の背景とねらい>
サイロ化したファイル サーバーやメールを統合して
営業力強化のためのシステム構築を目指す

みずほ信託銀行株式会社
IT ・システム統括部
プロジェクト総括チーム
次長
内藤 浩之 氏

現代のマーケットにおいてスピード化と顧客ニーズへの柔軟な対応が求められるのは、不動産取引でも例外ではありません。とりわけ不動産仲介業務では、市場の動向を見据えながら、顧客の希望に最適化されたマッチング提案を行うため、情報活用におけるアジリティの強化が不可欠です。その軸となる不動産仲介システムを Microsoft Dynamics CRM によって全面的に刷新。サイロ化したこれまでのファイル サーバーや電子メールを 1 つの CRM システム上に集約、統合し、新たな情報活用のインフラ整備を急ピッチで進めているのが、みずほ信託銀行株式会社 (以下、みずほ信託銀行) です。

「現在、みずほフィナンシャルグループでは、お客様へのさらなるサービス向上を目指し、"One Mizuho" のスローガンの下、基幹システム刷新の大プロジェクトが進行中です。また一方ではリーマン ショック以降、リスク ガバナンスの一層の強化が強く求められています。当行の不動産仲介システムの刷新も、そうした取り組みの延長上に位置付けられています」と、みずほ信託銀行株式会社 IT ・システム統括部 プロジェクト総括チーム 次長 内藤 浩之 氏は語ります。

みずほフィナンシャルグループでは、かねてから銀行、信託、証券が一体となった「銀・信・証連携」を掲げており、この実現に向けた体制作りという点でも、膨大な顧客情報を相互に連携できるシステムインフラの整備は急務でした。

同行ではこれまでも自社でスクラッチ開発した不動産仲介システムが稼動していましたが、さまざまな課題を抱えていたことが、今回の Microsoft Dynamics CRM による刷新につながったと、みずほ信託銀行株式会社 IT ・システム統括部 プロジェクト総括チーム 調査役 山登 友彦 氏は明かします。

「刷新の直接のきっかけはハードウェアの老朽化と保守への懸念でしたが、それ以前に旧システムは入力項目が多すぎるなどユーザビリティに問題が多く、現場のユーザーから敬遠されていました。その結果、各人が自分の持つ情報をグループウェアやファイル サーバー上にため込んでしまい、行内に散在したまま効率的に活用されずにいたのです」。

そもそも不動産仲介業務では、お客様からの「売りたい/買いたい」という物件情報がシステムに登録されていないと、営業担当者が欲しい物件の検索もできません。このため、これまでは必要になるたびに自分でファイル サーバーの中を探したり、他の営業担当者にメールで尋ねたりといった非効率的な状態が続いていました。そこで同行ではこの機会に、営業力の強化に貢献できる新たなシステムの構築を決意したのです。

<導入の経緯>
パッケージの標準機能で要件をカバー
さらに開発コストと期間の大幅な圧縮効果に注目

みずほ信託銀行株式会社
IT ・システム統括部
プロジェクト総括チーム
調査役
山登 友彦 氏

システム刷新に向けたデザイン工程 (予備検討) が始まったのは、2012 年 6 月。開発目標や要件の洗い出し、そして開発方針の策定と並行して、当初はフル スクラッチ開発やパッケージ製品などさまざまな開発、導入の手法が検討されました。同年 7 月以降は、営業のマネージャーや担当者を対象にしたヒアリングも始まり、「データ管理の適正化」、「効率的なコミュニケーション方法の確立」といった具体的な開発方針が固まっていきました。12 月からは、Microsoft Dynamics CRM の活用を前提とした基本計画に着手しました。

最終的に Microsoft Dynamics CRM を採用した理由として、山登 氏は主な開発要件がパッケージの基本機能でカバーできることに加え、導入実績の豊富さや、Microsoft Office との連携が容易でユーザー フレンドリーであることといったポイントを挙げます。

「加えてプロトタイプの作成が容易なので、営業担当者の要望に対してすぐに具体的な提案を示せるのも魅力でした。これを活用したスパイラル アプローチによって要件定義を短期間化できるうえ、運用後の改修や機能追加の要望にも迅速に応えるといった、システム利用のアジリティ向上に期待したのです」。

また今回のプロジェクトをサポートしてきた株式会社みずほトラストシステムズ 信託システム第一部 次長 浅岡 伸一郎 氏は、さまざまなデータ形式の情報を集約、一元管理できる点に大きな可能性を感じたと言います。

「旧システムでは、電子ファイルや電子メールはシステムとは切り離されていました。しかし、 "銀・信・証連携" の深化につれて情報量が膨大になり、特にファイルやメールのデータが急増した結果、営業担当者の欲しい情報がすぐに見つからないという問題が出てきました」。

そこで予備検討の段階でさまざまな手法や製品を比較検討した結果、電子メールを始め多様なファイル形式を包括的に扱える Microsoft Dynamics CRM が最適との判断が下されました。

加えて、開発におけるコストと期間短縮も重要な採用のポイントとなったと、内藤 氏はマネージメントの立場から指摘します。

「当行の業務に最適化するという点で、当初はスクラッチ開発を念頭に置いていましたが、やはり開発期間とコストが大きい。そこで、基本的な機能が既に搭載されているパッケージを採用することで、機能要件を満たしながら期間短縮とコスト圧縮を実現できるという判断をしたのです」。

ちなみに CRM のパッケージ製品導入は初めての試みでしたが、同行では以前、別のシステム導入でサポートを受けたマイクロソフト コンサルティング サービス (MCS) を高く評価していました。これを踏まえて、今回も MCS によるサポートが採用を決める一助になったと言います。こうして 2013 年 6 月には正式採用が決定し、具体的な設計工程がスタート。開発は順調に進み、2014 年 4 月に予定どおりサービスインを果たしました。

<導入効果>
必要な情報をすぐにシステムから検索可能に
改修や機能追加への対応も大幅にスピードアップ

株式会社みずほトラストシステムズ
信託システム第一部
次長
浅岡 伸一郎 氏

今回の新しい不動産仲介システムには、Microsoft Dynamics CRM の標準搭載機能を活かしたメリットが多数盛り込まれていると浅岡 氏は指摘します。

「まず、情報管理の一元化です。Microsoft Dynamics CRM では情報にさまざまな形式のファイルを添付できます。このため、以前は物件情報とは別個にファイル サーバーで管理していた書類などを、その物件のデータと紐づけてシームレスに管理できるようになりました」。

また画面のカスタマイズが容易なので、旧システムの入力画面を新システム上でも再現できます。このためエンド ユーザーにとってストレスのないシステム移行が実現するといった、ユーザー フレンドリーな点も新システムの特長の 1 つです。

検索の柔軟性も、大きなメリットです。従来は各人が手持ちの情報をあちこちのファイル サーバーにため込んでいたため、お互いに欲しい情報がある時はメールで周囲にたずねる手間が避けられませんでした。それが新システムではキーワード検索を始め、細かな条件検索の機能が実装されたため、人海戦術に訴えなくともすぐに欲しい情報が探し出せるようになりました。

「さらに、自分の関心のある情報をフォローしておくと、価格更新のたびにリアルタイムでフィードしてくれる機能も標準で提供されています。これを応用したシステムを開発中ですが、お客様の欲しい物件がすぐに提案できるようになれば、営業の機動力向上に貢献できると考えています」 (山登 氏) 。

一方、運用面でも大きな改善がもたらされました。システム全体をデータセンター内にホスティングしているため (システム図参照) 、安定性や可用性が飛躍的に向上。さらに不動産仲介業務には不可欠の、きわめて堅牢な情報セキュリティが担保されています。

サービスインからまだ半年ですが、既に現場のユーザーからはさまざまな改善、新規要望が出てきています。こうした声にも、旧システムのころに比べ、はるかにスピーディに対応できるようになりました。山登 氏は、「たとえば、スクラッチ開発のシステムなら年末までかかっていた改修が 10 月には完了できるなど、ビジネスの要求に追いつけるスピード感が出てきました」と改善の実感を語ります。

浅岡 氏も、「パッケージの標準機能を最大限活用し、構築されているので、システム品質の面でも非常に安定しています。またエンド ユーザーからは、 "検索しやすい" 、 "検索が速い" という声をいただいています。新たに検索結果をダウンロードできる機能が加わったため、以前より柔軟に情報確認が行えるようになったという評価も聞いています」と語ります。

さらに Microsoft Dynamics CRM の充実した基本機能は、今後の改修、機能追加といった作業の効率も大きく上げると期待されています。「プログラミングをほとんど行わず、設定変更だけで十分に対応できるといったパッケージならではのメリットは大きいですね」 (山登 氏) 。

なお今回の新システムには、旧システムで提供されていた地図との連携サービスも再構築されています。旧システムと連携されていた地図サービスにユーザーの不満は無かったものの、地図サービスの高い利用コストが以前は問題になっていました。それを今回は Microsoft Dynamics CRM と、コストの安い別の地図サービスを組み合わせることで、旧システムの機能やユーザビリティを維持したまま、新システムでも同様のサービスを提供できました。

システム構成図 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
Microsoft Dynamics CRM の機能をフル活用して
今後に向けた営業力の強化に貢献

山登 氏は、今回の不動産仲介システムでの実績を踏まえ、Microsoft Dynamics CRM をさらに広い範囲のシステムに応用、展開していきたいと考えています。行内には、他にも不動産業務にかかわるさまざまなシステムがサイロ型に構築されています。これらを Microsoft Dynamics CRM に集約、再構築することで管理の一元化とさらなるコストの低減を図るのがねらいです。

「Microsoft Dynamics CRM の豊富な機能の中で、当行が活用しているのはごく一部にすぎません。今後はこれらをフル活用することで、不動産業務における効率と利便性向上はもとより、その他のさまざまなユーザー ニーズを満たしていきたいと考えています」。

これに応えて浅岡 氏も、「今回の不動産仲介システム構築を通じて、さまざまな経験や知見を得ることができました。今後さまざまなユーザーからの要望が上がってきた際にも、この蓄積を活用して求められる機能をよりスピーディに、高い品質で提供できたらと願っています」と期待を語ります。

今回の Microsoft Dynamics CRM による新しい不動産仲介システムを、内藤 氏はみずほフィナンシャルグループにおける「銀・信・証連携」に貢献していくための、情報基盤として育てていきたいと抱負を語ります。同グループにおいてみずほ信託銀行は、その信託機能を活用してさまざまなスキームを解決する商品を提供するのが大切な役割と位置付けられます。

「具体的には、みずほ銀行の顧客基盤を活かし、さまざまなお客様のニーズに最適な商品をオーダーメイドで提供していくことが重要なミッションです。そこにはやはり、スピードと柔軟性が欠かせません。初の CRM パッケージ製品導入となった今回の Microsoft Dynamics CRM によるシステム刷新は、そうした営業力のさらなる強化に向けた可能性を探るうえで、新しく、また有効な試みとなったのではないかと自負しています」。

Microsoft Dynamics CRM によってまったく新しく生まれ変わった不動産仲介システムが、みずほ信託銀行の「営業力強化」へのチャレンジを力強く支えています。

コメント