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導入事例

 様に導入

  • クラウド
  • 効率化

三井不動産リアルティ株式会社

 様に導入

iPhone 端末 3,500 台の管理工数を最大 10 分の 1 に削減、
ワークスタイル多様化を見据え、Enterprise Mobility Suite を 2 か月でスピード導入

個人・法人向けの不動産仲介、コンサルティング事業や、駐車場事業などを手がける三井不動産リアルティ株式会社。「三井のリハウス」で知られる不動産仲介事業は、29 年連続で全国の仲介取り扱い件数ナンバーワンを誇る業界トップ ランナーです。同社は、モバイル端末の業務活用を進めるため、2013 年より iPhone 端末を 3,500 名の総合職社員に貸与しています。端末の新規入れ替えによって生じた端末管理負荷の軽減などの課題を解決し、今後のワークスタイルの多様化というニーズに応えていくため、同社は Enterprise Mobility Suite (EMS) の導入を決定しました。

<導入背景とねらい>
社員が利用する端末の管理ツールを統合、マルチデバイスで一元管理できるしくみの構築を検討

三井不動産リアルティ株式会社 (以下、三井不動産リアルティ) は、「三井のリハウス」で知られる不動産仲介事業と、「三井のリパーク」ブランドで展開する、時間貸し駐車場・月極駐車場の運営管理を主力事業とする不動産流通会社です。2015 年 3 月には、既存事業とのシナジーが期待できるカー シェアリング事業にも参入しました。

同社の社員数はグループ全体で 4,000 名を超え、そのうち 8 割以上の社員が営業職です。そのため、営業の戦力強化や効率を高めるためにモバイル活用を推進しており、2 年前から業務端末としてスマートフォンを利用してきました。この取り組みについて、三井不動産リアルティ株式会社 情報システム部 システムグループ グループリーダー 齊藤 宜史氏は次のように説明します。

三井不動産リアルティ株式会社
情報システム部 システムグループ グループリーダー
齊藤 宜史 氏

三井不動産リアルティ株式会社
情報システム部 システムグループ 主査
青木 健太郎 氏

「当社では 2013 年 3 月より、モバイル端末の業務活用を進める目的で、iPhone 4s を総合職社員 3,500 名に貸与しています。Exchange を使ったメールが利用できることから社員の業務効率化に大きく貢献してきました」 (齊藤氏)

しかし一定期間がたつと、バッテリ劣化の問題や、端末そのものの在庫枯渇の問題、そして、iOS のバージョンによってアプリケーションが使えないケースが発生するなど、最新端末である iPhone 6 へのバージョンアップが喫緊の課題になりました。

また、端末の管理にも課題があったと三井不動産リアルティ株式会社 情報システム部 システムグループ 主査 青木 健太郎氏は指摘します。

「不要なアプリ利用を制限するため、端末管理に使っていた MDM ツールの機能で AppStore を非表示にして運用していました。そのため、端末に業務上必要なアプリを導入する際には管理者側で AppStore を表示するポリシーを配信し、アプリのインストール完了後に再度非表示にするポリシーを配信しなければならず、運用が煩雑になっていました」 (青木氏)

さらに、端末管理の負荷軽減という課題に加え、ワークスタイルの多様化というニーズにも応えていく必要があるといいます。

「現在、当社は社員全員が 1 人 1 台のデスクトップ PC を貸与されています。しかし、従業員が使うデバイスはデスクトップ PC にノート PC、スマホ、タブレットと増えていくでしょう。仕事の役割に応じてデバイスも多様化する流れの中で、管理ツールを統合し、マルチデバイスを一元管理できるしくみを構築していかねばならないのです」 (齊藤氏)

これらの課題を総合的に解決できるソリューションが、モバイル デバイス管理の Microsoft Intune と、ID 管理やデータ保護のサービス Microsoft Azure Active Directory Premium (Azure AD Premium)、さらに Microsoft Azure Rights Management Service (Azure RMS) で構成されるEnterprise Mobility Suite (EMS) でした。

<導入の経緯>
運用上の管理者負荷の軽減や、使い勝手、将来を見据えた拡張性が導入の決め手に

iPhone 6 へのアップグレードに合わせて、同社が MDM ツールの検討を開始したのは 2015 年 1 月末からでした。もともと他社製の MDM ツールを導入していましたが、比較検討の結果、運用上の管理者負荷の軽減や、使い勝手、将来を見据えた拡張性といった点が決め手となり、機種変更された 3,500 台の iPhone 6 の管理ソリューションとして Intune の導入が決まりました。齊藤氏によれば、その評価ポイントは大きく 4 つあるといいます。

「1 つ目は、AppStore を非表示とした状態で管理者側からアプリの配信が行える点で、これは、アプリのインストールに関する管理者負荷の軽減という観点です。2 つ目が、会社管理領域の設定によるコンテンツ保護が可能という点です。将来的に BYOD の展開を検討する場合などに、個人所有端末に会社管理領域を設定してデータ保護できることを考慮しました。3 つ目が、ユーザー、部門ごとに管理ポリシーや利用可能なアプリを設定できる点で、これは職種や業務内容に応じて適材適所の運用が可能かどうかという観点です。そして、4 つ目が最大の決め手で、管理ポリシーを検討しながら導入を開始できる柔軟性です。導入後に管理ポリシーを変更しても容易に再配布できる柔軟性が一番の魅力です。従来の MDM ツールでもポリシーの変更、再適用は可能でしたが、UI が難解で運用が難しく、また、変更後のポリシーが正しく適用されているかどうかの確認が難しい課題がありました」 (齊藤氏)

Intune の柔軟性という利点は、短期間でのシステム導入にも遺憾なく発揮されました。マイクロソフトのオフィスで Intune のデモを見たのが 2015 年 1 月 30 日のこと。2 月初旬には 検討の選択肢に加え、なんと数日後には社内で検証環境が構築できたといいます。

「このあたりのスピード感はクラウド サービスだからこそ可能です。その後、検証結果を踏まえた課題整理を、当社とマイクロソフト、端末キャリアの KDDI株式会社 (以下、KDDI) の間で行い、2 月中旬には各社で対応策を持ち寄り、3 月 2 日には iPhone 6 のキッティング内容が確定するというスピード感でした」 (齊藤氏)

キッティングが開始された 3,500 台の iPhone 6 は、3 回に分けて全国の拠点に配布されました。そして、ツール検討からわずか 2 か月後の 3 月 30 日に、iPhone 6 と Intune の導入は無事に完了したのです。

「端末の最終セッティングはユーザー側で行うのですが、SIM の切り替えは KDDI の専用サイト上で行え、回線の確立後は、ユーザーは メール (ActiveSync) の設定を端末側で行えば利用開始できます。大きなトラブルもなく、約 2 週間で 3,500 台の iPhone が全国に配布できたのは、クラウド サービスである Intune でなければ不可能だったと思います」 (青木氏)

<導入の成果>
従来の MDM ツールに比べ、アプリ配信に関する運用工数を最大 10 分の 1 まで軽減

新端末による利便性の向上や、端末管理の効率化が図られた結果、社員の仕事の継続性が高まったと齊藤氏は語ります。現在は主にメールとスケジューラの利用が中心ですが、いくつかの部門では、外出先から業務アプリ (Web アプリ) を利用しています。

また、情報システム部門の運用効率化にも効果を発揮しました。まずは、キッティング手順の簡略化が挙げられます。従来は KDDI のキッティング担当者が AppStore から 1 つずつ手作業でアプリのインストールを行っていましたが、Intune の管理下では、あらかじめ指定した複数のアプリを自動的にインストールすることが可能になりました。

「将来的には、ユーザーが端末を受け取り、ID、パスワードでログインしたら、メール アカウントと業務に必要なアプリをクラウド上からセットアップするという運用も可能になるでしょう」 (齊藤氏)

また、追加アプリの配信手順が大幅に簡略化されたと青木氏は語ってくれました。

「今までは AppStore の再表示からインストール完了まで、最低でも 1 週間程度かかっていましたが、Intune 導入後には翌日配信が可能になりました。新しいアプリの追加や、誤って業務に必要なアプリを削除した際の復旧も迅速に行えるのはありがたいです。アプリ配信に関する運用工数は、従来利用していた MDM ツールに比べ、5 分の 1 から 10 分の 1 程度にまで軽減されました」 (青木氏)

同社情報システム部門のインフラ チーム人員は 4 名と少なく、1 人あたり 1,000 人近くのユーザーの運用を担当する計算になります。ツールを使って効率的にアウトソーシングする必要があった同社のニーズに、Intune が見事に合致していたのです。

加えて齊藤氏は、マイクロソフトの手厚いサポート体制のおかげで、安心して運用できるというメリットを挙げています。

「マイクロソフトとは毎週、ミーティングの機会を持っており、サポート体制の手厚さも、導入の後押しになりました。導入当初は、検証環境から本番への移行で、細かいバグが発生することもありましたが、問題点の修正スピードもきわめて早く、非常に満足しています」 (齊藤氏)

<今後の展開>
業務アプリの安全な公開や、重要データの安全な利活用のための基盤として今後に期待

写真:集合写真

Intune による運用は軌道に乗りつつあり、今後は EMS が提供する Azure AD Premium や Azure RMS を活用した、さらなる IT サービスの拡張に取り組んでいる段階です。

「今後も、合理的かつ品質を落とさずに社員に対して IT サービスを提供していきたいです。たとえば、『Azure Active Directory Application Proxy』の機能を用い、社内の業務システムを外部に安全に公開し、さらなるモバイル端末の業務利用を進めていくことを、この上半期の課題として検討しています。業務システムの多くは Web アプリとして構築されているので、これが安全かつ容易に公開できることが検証できれば、業務アプリの公開が進んでいくと期待しています」 (齊藤氏)

また、Azure Active Directory に関連する機能としては、シングル サインオンの機能にも期待しています。「将来的には他のクラウド サービスとの ID 連携が実現できれば、従業員へのさらなる利便性を提供できる」と齊藤氏は展望を語ります。

さらに、会社の中の重要データを保護するしくみとしては、Azure RMS も検討していきたいということです。

「お客様の個人情報はもちろん、事業計画情報、営業マニュアルといった業務上の重要データを、いかに安全に保管し、適切に利用権限を制御していくかという問題意識を持っています。今後はファイル サーバーや SharePoint Server などとの連携のあり方について、さらに検討を進めていきたいです」 (齊藤氏)

最後に青木氏は、「必要な機能をアップデートし、より良い IT サービスを提供する基盤として、EMS をさらに良いものにしていってほしい」とマイクロソフトに対する期待をコメントしてくれました。

System Center Configuration Manager と Intune で PC とモバイル デバイス管理の統合も視野に入れるなど、ワークスタイル多様化を見据えた同社のモバイル活用がどのように進んでいくのか、今後も目が離せません。

図:システム構成図

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