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導入事例

 様に導入

  • 見える化
  • 効率化
  • 最適化
  • コスト

メルテックス株式会社

 様に導入

プロセス製造業における生産から販売・会計までのすべての業務の統合管理を目指して ERP を導入
多言語対応できる Microsoft Dynamics AX の採用でグローバル No.1 を目指す

メルテックス株式会社

メルテックス株式会社

製造業の多くの企業がアジアを中心としたグローバルな成長を目指している中、情報基盤を確立させて経営戦略や現状の把握および見える化を行うことは必要不可欠となっています。メルテックス株式会社は、業務の統合管理を目指して全社的な基幹システムとして Microsoft Dynamics AX を導入。カスタマイズを抑えてグローバルにも対応できるようにすることで、グローバル ニッチのプレイヤーとしてさらなるアジア諸国での成長を目指しています。

<導入の背景とねらい>
グローバル展開を目指す製造業にとって
ERP システムは必要不可欠

メルテックス株式会社
代表取締役社長
営業本部長
岩城 慶太郎 氏

メルテックス株式会社 (以下、メルテックス) は、プリント配線板やチップ コンデンサーなどのめっきに用いられる表面処理薬品の製造販売を中心とした事業を展開しており、最新の研究開発や品質管理によって表面処理薬品のトップ メーカーとして高い評価を受けています。アジアを中心とした海外ネットワークも広げ、チップ デバイス向けの外装錫めっきなどでグローバルでのトップ シェアを獲得するなど、この数年間はグローバルでの成長を果たしてきました。

「スマートフォンやハイブリッド カーなどに使われる基礎素材は、グローバルに見れば非常に伸び代のある領域ですが、日本国内のマーケットは縮小しています。今後は、エレクトロニクス分野のマーケットが移りつつあるアジアで事業を展開していかなければなりません。ただ単に展開するだけでなく、グローバル ニッチの中で No.1 を目指し、どんな小さなことでも世界一となることで技術力を向上させていくことが必要だと考えています」とメルテックス株式会社 代表取締役社長で営業本部長でもある岩城 慶太郎 氏は話します。

複数のホスト システムで受発注から生産、会計までを行ってきたメルテックスでは、グローバル展開のために 1,500 もの製品とそれに関連する書類を多言語にする必要がありました。しかし、そのためにマスターを増やすことは非現実的でした。また、システムの将来性や老朽化、複数システムによる運用管理の非効率性、業務の標準化、経営情報の見える化と共有も課題となっていたと言います。

コンサルティング会社で ERP の導入を手がけた経験を持つ岩城 氏は、2009 年に代表取締役社長に就任した当初から、「企業を運営するうえで ERP システムが導入されていることは常識」と考えていたと話します。「経営管理資料を作成するために、2 日くらいかけて手動でホスト システムからデータを Microsoft Excel に出力して加工していたので、すぐに情報を共有することができませんでした。リアルタイムに経営管理の指標が見えるようにしなければならないと思い、ERP を導入することを決めました」 (岩城 氏) 。

「ただし、ERP を入れたからといって、業務効率が劇的に良くなるとは考えていません。ERP はあくまでツールで、どう使うかが問題です」と、コンサルティング時代からコスト削減のために ERP を導入するのではないと感じていたことを明かします。グローバルでの成長が求められる中で、経営管理のスピードを上げ、ERP で業務を効率化することは必要最低限の条件であると岩城 氏は話します。「これまでは、海外のオペレーションが少なかったため手作業でも何とかなっていました。しかし、今後は ERP がなければ成長できないと思いますね」。

<導入の経緯>
使い慣れた GUI と多言語対応が魅力で採用した
Microsoft Dynamics AX をカスタマイズを抑えて導入

メルテックス株式会社
管理部 情報システム課
課長
渡辺 宣 氏

メルテックス株式会社
営業部 営業第2課
係長
加藤 勝明 氏

横河ソリューションサービス株式会社
情報ソリューション本部
第1エンジニアリングセンター
ERP1部2Gr長
前田 達広 氏

横河ソリューションサービス株式会社
情報ソリューション本部
第1エンジニアリングセンター
ERP1部2Gr
山田 貴之 氏

メルテックスの ERP 導入プロジェクトは 2011 年 9 月にスタートし、Microsoft Dynamics AX をカスタマイズせずに導入することが目指されました。複数の ERP システムの中から Microsoft Dynamics AX を採用した理由を岩城 氏は次のように話します。「一番の理由は、我々の規模に合っていたということです。大規模 ERP を導入する必要はなく、他の ERP はカスタマイズで投資総額が大きくなってしまうと考えました。国内の複数のメーカーの ERP も考えましたが、グローバル対応や多言語対応が弱いと感じていました」。

また、GUI が Windows ライクであることも導入後の展開で役に立ちます。「ビジネス ユースで Windows の GUI に慣れていない人はいない」と話す岩城 氏は、これから初めて ERP を利用する人に親しみやすく、今後アジア進出したときにも現地採用の社員などに説明しやすいと考えました。

カスタマイズを抑えた導入を目指したねらいについては、導入コストや導入後のトラブルを抑えることが考えられたほか、将来的な拡張や日本語や英語、中国語以外の新たな言語に対応させるためだったと言います。岩城 氏は、「カスタマイズ率が高いとトラブルが発生しやすく、その原因も追究しにくくなってしまいます。その結果、お客様に迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。また、最初にカスタマイズしないと宣言しておけば、どんどん現業に引っ張られてカスタマイズ率が高くなってしまうことを避けることができます」と話してくれました。

導入のパートナーとしては、横河ソリューションサービス株式会社 (以下、横河ソリューションサービス) が選ばれました。メルテックス株式会社 管理部情報システム課課長 渡辺 宣 氏は、パートナーの選択理由を、「プロセス製造業向けのシステム開発に強く、Microsoft Dynamics AX の導入実績が高いことを評価しました」と話します。

横河ソリューションサービス株式会社 情報ソリューション本部第1エンジニアリングセンター 前田 達広 氏は、Microsoft Dynamics AX がメルテックスに合っている理由を次のように話してくれました。「グローバル対応できる点や使い慣れた GUI で操作できる点が要件に合っていると思いました。また、カスタマイズを抑えたいという点でも、標準でプロセス製造業向けのビジネス モデルが用意されている Microsoft Dynamics AX が良いのではないかと考えました」。

2011 年 10 月にフィット & ギャップの分析を開始したメルテックスでは、2012 年 12 月に Microsoft Dynamics AX を本格稼働させ、販売、生産・在庫、購買を 1 つのシステムに集約し、約 100 ユーザーで利用しています。開発当時、メルテックス熊谷工場の品質保証部で業務の見直しなどを行っていたメルテックス株式会社 営業部営業第2課係長 加藤 勝明 氏は、「パッケージの機能で実装することを指示されていたため、パッケージに業務を合わせるように見直していきましたが、始めてみると製品のバリエーションが多く非常に難しかったですね。結果的に、どうしても残さなければならない帳票などもあり、カスタマイズが増えてしまったことは反省点です」と振り返ります。しかし、カスタマイズ率が 3 割に抑えられたのは、最初にカスタマイズしない方針を決め、真剣に業務を見直した結果にほかなりません。

また、複数のシステムで使われていたデータベースをまとめるため、マスターを集約して登録する作業も必要でした。渡辺 氏は、「製造系の各品目をまとめるのも大変でしたが、販売系では新たに販売チャネル別に価格のマスターを作成し、導入後のオペレーションをスムーズにすることを目指しました。非常に苦労しましたが、結果的には効果が上がっていると感じています」と話します。

横河ソリューションサービス株式会社 情報ソリューション本部第1エンジニアリングセンター 山田 貴之 氏も、「複数のマスターを集約する際に粒度を合わせることに苦労しました」と話し、品目を見直してコードを一新し、新しいコード体系でマスターを作り直す作業も行ったことを明かしてくれました。これについて加藤 氏は、「これまでのコードは 5 桁しかなく、分類のために各桁に意味合いを持たせて空けていたため、既にパンク寸前の状態でした。システムの変更に合わせて 8 桁に増やし、運用基準も変えたので、今後はコード採番がシステム管理部門でランダムに行うことが可能で、現状の事業形態ではパンクの心配はないだろう」と説明します。

開発を振り返って渡辺 氏は、「初めての ERP 導入で、導入前はそれほど柔軟にカスタマイズすることはできないというイメージを持っていましたが、横河ソリューションサービスがフットワークよく動いて対応してくれました。現場でも評判が高く、フィット & ギャップを始めてすぐに、大丈夫だという印象を受けました。横河ソリューションサービスは、業務を整理して理解し、図示して見せるというプロセスが非常に優れていて、我々がやりたいことを論理的に整理する能力が高いと思いましたね。トラブルシュートの面でも、基礎的な能力の高さを感じました」と、横河ソリューションサービスによる Microsoft Dynamics AX 導入を高く評価していることを明かしてくれました。

<導入効果>
使いこなすことによって現場のニーズが生まれ
さらなる活用で経営と業務を最適化していく

パートナーとして山田 氏は、「今回の導入が成功したのは、現場の人たちと良い関係を築くことができ、信頼関係を築くことができたことが大きな要因だと感じています。導入によって決まった要件などを現場の人たちにブレーク ダウンして納得してもらうことも、担当の方々に協力してもらってスムーズに進めることができたことがスムーズな導入につながったと思います」と、今後もその信頼関係のうえでサポートしていくと話しています。

2012 年 12 月のカット オーバーから半年間経って岩城 氏は、「3 割のカスタマイズを余儀なくされたにもかかわらず、トラブルなしに運用できていることは十分な成果だと思っています。オペレーションが速くなってきたかどうかはこれから計測する段階ですが、集計や資料作成は速くなってきていると思います。経営側が月次の業績を伝えなくても、現場の人たちがしっかりと把握できているようになるといいですね。使っていく中で経営側や現場からニーズが出てきて、必要なデータを出せるように使う側が成長していくことで、ERP の効果が生まれていくのだと思っています」と話します。これらのさらなる効果を得るために、メルテックスは横河ソリューションサービスのサポートを受けながら、たとえば会計グループではワーキング グループを立ち上げ、月に数回の活用検討会なども行っています。

生産部門では、通常業務を優先させていたためしっかりと使いこなせるようになったのは最近である、と話す加藤 氏は、使い続けることによって使いやすさなどが浸透して現場の評価が高くなっていることを明かし、「複数の業務を 1 つのシステムで行えることで業務が楽になることも実感されるようになり、データベースのメンテナンスも軽減されています」と話します。また、セクションごとに操作マニュアルやマスター管理のマニュアルなどを作成するようになり、これらが整備されることで会社全体の標準ツールとして確立され、業務効率が向上するほか、特定の人しか行えなかった業務を誰でも行えるようになることが期待されています。それらの中で、「今後半年は、現場から Microsoft Dynamics AX に対する要望やニーズが出てくるフェーズになると思います」と加藤 氏は説明してくれました。

また、今後は業務だけでなく、さまざまな面で Microsoft Dynamics AX を中心とした ERP システムを活用していくことに岩城 氏は期待を寄せています。「景気動向に左右されやすい業界であるため、これまでは生産計画を立てるのが非常に大変でした。フォーキャストを立ててもそのとおりには進まず、大量のデータを見ながら経験則で予測していくしか方法がありませんでした。Microsoft Dynamics AX を導入することによって、品目ごと、期間ごと、お客様ごとの売上などのデータを簡単に取り出せるようになれば、生産計画を立てやすくなるのではないかと期待しています。さらに、お客様の業種ごとの出荷動向をチェックできれば、マーケティングにも活用でき、売上減少などに対する施策を立てることができると思いますね。システムによって経営管理と実務を軽くできることによって、財務戦略などの ERP 以外の部分でも効果が出るよう、現場でしっかり使ってもらいたいと思っています」。

システム構成図

システム構成図 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
今後もグローバル No.1 を目指し続け
グローバル ニッチのプレイヤーとして成長していく

代表取締役社長である岩城 氏が先頭に立って Microsoft Dynamics AX の導入を進めてきたメルテックスですが、今後のシステム導入は違う形で行うことが期待されています。「Microsoft Dynamics AX の効果が出てくることによって、基幹となる ERP を中心にさまざまなシステムへのニーズが現場から出てくることに期待したいですね。システム導入ありきでは、導入することが目的となってしまうため、現場のニーズと目的がはっきりとした段階で新たなシステム導入を検討したいと思います」と岩城 氏は話してくれました。

また、そぎ落とすことで効率的なシステムを導入することも目指さなければならない、と岩城 氏は話を続けます。「国内の製造業がグローバルで競争力を失っているのは、良品率 99.9% を追求するなどをやり過ぎた結果、コストをかけ過ぎてしまったことも原因の 1 つです。グローバルでは、欠品率が高くでもトータルのコストを下げることが優先されています。同じように、システム導入も完璧を目指すために少しの機能向上に膨大な投資を行うのではなく、カバレッジが 7 ~ 8 割であっても標準ツールとして使えるシステムを導入することが重要で、特に海外での事業で求められていると思います。今後ビジネスをグローバルに成長させるために海外で Microsoft Dynamics AX を使う場合も、日本のシステムを 100% コピーするのではなく、必要な機能だけを標準で持っていくようにしたいと考えています」。

「第一歩のプラットフォームとして Microsoft Dynamics AX を導入したので、同じマイクロソフトのテクノロジーを使った他のシステムや連携の提案にも興味を持っています」と話す岩城 氏は、「今後もグローバル No.1 を掲げ、グローバル ニッチのプレイヤーとして成長を目指したい」と話します。経営の見える化や業務効率向上のツールとして ERP を導入したメルテックスは、Microsoft Dynamics AX を使いこなすことによってさらに課題解決や業務見直しを行うことができるようになり、アジア諸国への展開を加速させていきます。

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