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導入事例

 様に導入

  • 効率化
  • 解析

明治安田生命保険相互会社

 様に導入

4 万ユーザーを擁する保険業務・事務処理基盤のデータベースを Microsoft SQL Server 2012 で更改
ログ監視による障害要因の追及や、システム ログ データを活用した BI にもチャレンジ

明治安田生命保険相互会社

明治安田生命保険相互会社

わが国有数の歴史を誇る生命保険会社 2 社の合併で誕生し、2014 年には創立 10 周年を迎える明治安田生命保険相互会社。同社では 1997 年から、全国の支社および営業所の保険業務、事務処理の根幹を担う営業拠点システム (マイリンクnet) をマイクロソフト製品で構築、展開してきました。2013 年にはこの最新バージョンとなる「マイリンクnet 3.0」へ移行し、データベースには SQL Server 2012 を採用。全国の営業職員 (MYライフプランアドバイザー) や事務スタッフなど、約 4 万名のユーザーの業務環境を最新のテクノロジーによって大幅に効率化、堅牢化し、お客さまにとってより高品質で迅速な保険サービスの提供基盤を確立しています。

<導入の背景とねらい>
最新鋭のデータベース導入で
業務効率 & お客さまサービスの向上を

明治安田生命保険相互会社
情報システム部
ITプランナー
橋田 和己 氏

人々のライフ スタイルのめまぐるしい変化を反映して、生命保険に対するニーズはますます多様化し、商品のアイテム数も急速に増え続けています。そうした中で保険セールスに携わる人々の業務効率を向上させ、より迅速かつ高品質なサービスを提供するため、業務システムの役割は大きくなるばかりです。そうした保険業務システムのデータベースに、早くから SQL Server を採用。2013 年のシステム更改では SQL Server 2012 にアップグレードし、将来的なデータ活用や仮想化を視野に入れた Windows Server 2012 との組み合わせで、さらなる業務効率アップとお客さまサービスの充実を目指しているのが、明治安田生命相互会社 (以下、明治安田生命) です。

今回、SQL Server 2012 が採用された営業拠点システム「マイリンクnet 3.0」は、1997 年に導入された最初のバージョンから数えて 4 世代目にあたる最新版です。明治安田生命では、この保険業務の根幹を担うシステムに、これまで 約 5 年に 1 度全面的なシステム更改を実施してきたと、プロジェクト責任者である明治安田生命 情報システム部 ITプランナー 橋田 和己 氏は語ります。「定期的なシステム更改は、サポート切れとなる資源を入れ替え、新しい機能を実装するのはもちろんですが、特に "マイリンクnet" の場合、お客さまサービスの質に直結する重要なポイントと捉えています。というのも、お客さまとの接点となる MYライフプランアドバイザーの業務を担うシステムにその時代の最新機能をいち早く採り入れることで、保険業務の効率化を実現し、お客さま満足度の向上につなげるねらいがあるからです」。

さらに橋田 氏は、保険という業務の特性を考えると、データベース選択にあたっては、可能な限りハイ レベルなものを選ぶ必要があると指摘します。生命保険は契約内容や個人情報など、膨大な量のデータを管理しなくてはなりません。当然それを委ねるデータベースには、高い可用性、信頼性、セキュリティ性能はもちろんのこと、将来にわたるサポートや製品のアップデートの保証が不可欠です。それだけにデータベース製品には、より安定して長く使える製品を選ぶ必要があります。今回同社が最新バージョンである SQL Server 2012 にこだわったのにも、そうした意図があったことは言うまでもありません。

「加えて、将来的にはデータ活用に積極的に取り組みたいという意図もありました。"マイリンクnet 3.0" には、MYライフプランアドバイザー 3 万名、事務スタッフ 1 万名という、合計 4 万名のユーザーからデータが集まってきます。この膨大なデータ資産の有効活用に向け、SQL Server 2012 の BI 機能を使い試行を重ね、価値のある分析例を積み上げていきたいと考えています」 (橋田 氏) 。

<導入の経緯>
安定稼働の実績とサポート体制で
SQL Server 2012 を採用

明治安田生命保険相互会社
情報システム部
システム化推進G
スタッフ
石原 尚 氏

明治安田システム・テクノロジー株式会社
IT ソリューション事業部門
MYソリューション統括本部
兼 ビジネスソリューション統括本部
兼 システム管理部
参事
IT アーキテクト
藤岡 涼介 氏

明治安田システム・テクノロジー株式会社
IT ソリューション事業部門
リテール・システム開発部
営業フロントシステム開発室
システム化推進グループ
グループリーダー
東海林 平 氏

「マイリンクnet 3.0」への移行プロジェクトが本格的に始動したのは、基本計画が会社から承認された 2011 年 10 月でした。そこからすぐに要件定義、開発と、プロジェクトは順調かつ急ピッチで進められていきます。今回は、VB.NET や C# で開発された既存アプリケーションの単純マイグレーションが決定しており、データベースは SQL Server、OS は Windows Server を前提に、他社製品との比較検討は行わなかったと、明治安田生命 情報システム部 システム化推進G スタッフ 石原 尚 氏は振り返ります。「2001 年にセンター SV へシステムを集約してから SQL Server と Windows Server の組み合わせで安定稼働させてきた実績があり、不安はありませんでした。同様に、日本マイクロソフトのサポートに対しても、同様の信頼感を抱いていました」。

またシステムの機能面でも、2008 年から稼働してきた先代の "マイリンクnet 2.0" でほぼ完成されており、今回の移行ではそれらを確実に新しいプラットフォーム上に移すことに主眼が置かれていたため、安定稼働の実績は何よりの選択理由でした。

そのため、今回は当初 Microsoft SQL Server 2008 R2 による移行が予定されていたと言います。発表から既に 3 年を経て十分に成熟したデータベースは、安定稼働を期待するにはうってつけでした。それをあえて発表直後の SQL Server 2012 に変更した理由に、移行プロジェクトの技術アドバイザー的な役割を担った、明治安田システム・テクノロジー株式会社 IT ソリューション事業部門 MYソリューション統括本部 兼 ビジネスソリューション統括本部 兼システム管理部 参事 IT アーキテクト 藤岡 涼介 氏は、日本マイクロソフトのサポート体制を挙げます。

「データベースのソフトウェアだけを見れば、いろいろな評価や意見があります。しかし実際のデータベース運用では、どんなに注意して作っても必ず問題は出てくるものです。それならば、いざ問題や障害が起きたときの対応の方に、エンタープライズ システムの管理者は注目すべきでしょう。幸い日本マイクロソフトとの長年にわたる非常に緊密な信頼関係があったため、それなら SQL Server 2012 でやってみようと決心できたのが大きかったですね」。

明治安田生命では、「マイリンクnet」の運用、保守に 2001 年から MCS (マイクロソフト コンサルティング サービス) や、24 時間 365 日のテクニカル サポートと緊急オンサイト サポートを提供するマイクロソフト プレミア サポートを利用してきました。2012 年より開始したミッション クリティカル システム向けのメニューである、PMC (プレミア ミッション クリティカル) を他社に先駆け契約した現在も、変わらず積極的に活用されています。

ちなみに PMC ではいざ障害が起きた時だけでなく、システムの立ち上げ企画、開発から日々の運用に至るまで、システムのライフサイクル全般を通じて、多彩なアセスメントやアドバイスが提供されるのが大きな特長です。明治安田システム・テクノロジー株式会社 IT ソリューション事業部門 リテール・システム開発部 営業フロントシステム開発室 システム化推進グループ グループリーダー 東海林 平 氏は、「SQL Server 2012 の発表を受けて、当初の SQL Server 2008 R2 から急遽計画を変更できるかということになったのですが、新機能を始め新しいバージョンの技術情報がまだどこにもなくて判断できません。そこで PMC に依頼して、情報収集から計画変更の可否、実機での検証など一連の作業実施してもらった結果、OK という判断が下り、SQL Server 2012 への中途変更が実現できたのです」と明かします。

一方、石原 氏は、日本マイクロソフトのパートナーとして今回の実務を取り仕切った富士通株式会社 (以下、富士通) の存在も大きかったことを付け加えます。「この中途変更の話が持ち上がった時、実は既に SQL Server も Windows Server も 2008 R2 でのシステム設計、テスト環境の構築が進行していたのです。これを大急ぎで 2012 用に構成変更する、ものすごく大変な作業があったのですが、これは富士通の頑張りがなくてはとても難しかったと今でも思っています」。

こうした各担当者の奮闘の甲斐あって、2012 年 10 月からはテスト、2013 年 6 月からは先行 1 支社にて先行稼動がスタート。この成果を踏まえていよいよ同年 9 月から全国 74 支社で全面展開が始まり、10 月までにすべての支社への展開を完了する予定です。

<導入効果>
イベント ログの収集、分析による
障害原因の究明なども可能に

全面展開を約 3 か月後に控えて、現在社内では着々と新しいシステムの立ち上げに向けた最終確認や移行準備が進んでいます。今回は、前バージョンの機能がほぼ完成のレベルに達していたため、それらの機能の完全な移行、そして速やかな定着と安定稼働が最重要課題とされています。その中でも橋田 氏は、データベースの安定稼働については特に入念な下準備を行ったと強調します。「やはり当社 4 万名の業務処理を支えるシステムであり、データベースはその根幹となる部分とあって、可用性の確保については、特に神経を使って開発、構築に当たってきました。特に障害対応の部分では、インシデント発生時の迅速な対応を確保することはもちろん、その原因を徹底的に究明して根本的な改善を行えるようなしくみを整えました」。

その有力なツールとなったのが、SQL Server 2012 の「SQL Server 拡張イベント」です。これは SQL Server 2012 で標準提供されているパフォーマンス監視システムで、SQL Server の動作ログを逐一監視、記録できます。

「このため、もし障害などが起こった場合も、記録されたイベント ログをさかのぼって検証していくことにより、システムの異常な振る舞いや障害の発生した箇所を特定して、根本的な原因が詳細に補捉できるようになっています」 (東海林 氏) 。

もちろん単純に動作ログを収集するだけでは、こうした効率的な原因究明は不可能です。この成功の背後にも、明治安田生命と富士通、そして日本マイクロソフトの 3 者がノウハウやナレッジを提供し合う緊密な協力関係がありました。

「障害対応に有効な情報の精査やログの出力、分析を迅速に行うためにログをあらかじめ収集する方式といったことを、システム構築の段階で何度も話し合いました。パフォーマンスや安定運用とのトレードオフの関係から、これまでのシステムでは詳細なログの取得、収集に踏み切れないこともありました。今回のシステムでは、本番環境の安定運用とログ収集、分析を両立できたと思っています」 (石原 氏) 。

システム構成図

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<今後の展望>
BI などの活用を進め
全社的な業務基盤を目指す

橋田氏は、SQL Server 2012 に標準搭載された Analysis Services や PowerView などの BI 機能を使って、今後さらに BI 分野でのデータベース活用を進めたいと抱負を語ります。「現在もシステム ログの収集は続けているので、これを監査系業務に応用していきたいと考えています。また動作ログを詳細に解析することで、業務の現場でシステムがどのように使われているのか、どんな機能がよく活用されているのかといった傾向を見つけ出し、その利用スタイルから逆算したビジネスの新しいアイデア探しなどにも役立てていければ嬉しいですね」。

こうした BI の活用がもたらすメリットの 1 つに、「気付き」があります。通常のデータ分析では、あらかじめ得られる結果や期待できる内容を想定していますが、長期間のログや大量のデータを分析することで、まったく予想もしなかった傾向や事実が見えてくることがあります。橋田 氏も、「ログは貯めているだけでなく、使わないと意味がありません。ぜひそこから、新しい気付きを得たいと願っています」と、そうした「気付き」の発見に意欲を見せます。

明治安田生命では今後、「マイリンクnet 3.0」を同社の保険業務の情報基盤として、他の業務システムなどをさらに広範囲に取り込んでいくためのプラットフォーム的な存在に育てたいと考えています。今回、「マイリンクnet 3.0」のデータベース部分は従来通り物理サーバー上に構築されていますが、他のアプリケーション サーバーなどを含む「マイリンクnet 3.0」全体は仮想環境上に構築されており、将来的なシステム拡張やスケールアウト、他システムとの連携などを容易に実現するアーキテクチャを備えています。

「マイリンクnet を、ビジネスや市場の変化に柔軟かつ迅速に対応できる業務基盤に育て、業務スタッフにとってさらに仕事のしやすい環境と、ひいてはお客さまに満足いただける保険サービスを実現していきたいと願っています」と語る橋田 氏。会社設立 10 年目のマイルストーンを目前に、明治安田生命は新たな情報活用とサービス環境創造の高みに向けて、また一歩大きく踏み出しました。

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