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導入事例

 様に導入

  • 効率化
  • コスト

三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社(旧社名:三菱電機インフォメー

 様に導入

アフター サービスの品質向上とコスト削減を実現するために、
各地のコール センターを Microsoft Dynamics CRM で統合
短期かつ低コストでの導入を実現

写真:三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社

三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社

製品やサービスを販売する企業にとって、問い合わせや障害に対して迅速かつていねいに対応し、一貫したサポート品質を維持することは非常に大きな課題です。三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社 (三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社は、2014 年 10 月に三菱電機情報ネットワーク株式会社と経営統合を行い、三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社を設立しました)では、場所が分かれ、別々のシステムで運用していた 6 つのコール センターの内、まずメインの 2 つのコール センターを今回統合し、テクニカルサポートセンターを設立。2014 年 9 月までに残りの 4 つのコール センターも順次統合していく予定です。


※本事例記事中の登場人物の社名、所属、役職は、旧職制です。

<導入の背景とねらい>
古くなったインシデント管理システムの刷新と
コール センターの物理統合が課題

三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社
ネットワーク・プラットフォーム事業本部
ネットワーク・プラットフォーム技術統轄部 テクニカルサポート部長
小坂 典嗣 氏

三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社 (以下、MIND) は、IT プラットフォームやサービスを中心に、サーバーやネットワーク機器の選定から構築サービス、構築後の保守サービスを統合的に提供する企業です。ネットワーク カメラ用録画/配信サーバー「ネカ録」、統合 ID 管理「iDcenter」などのソリューションや、PC、PC サーバー、フォールトトレラント・サーバー、ストレージ、ネットワーク機器などの製品を厳選し、「DbM (Distributed by Mitsubishi Electric)」というブランドで独自の技術と併せた高品質なプラットフォーム製品を提供し、全国に展開する保守サービス網を交え、プロダクト販売、構築から保守までワンストップで対応しています。

MIND にとって、コール センターは顧客のアフター サービスを担う非常に重要な役割を果たしています。三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社 ネットワーク・プラットフォーム事業本部 ネットワーク・プラットフォーム技術統轄部 テクニカルサポート部長の小坂 典嗣 氏は、「一般的にコール センターと呼ばれる我々のテクニカルサポートセンターは、お客様からのメールや電話での問い合わせや障害状況を直接お聞きする一次窓口となり、会社の顔となる部門です。障害が発生した場合には、障害箇所の切り分けや、技術部門やベンダーへのエスカレーション、部品の手配や保守拠点への出動要請などを行う必要があります」と話します。

MIND のコール センターは、お客様や製品サービスに合わせて 6 つのセンターに分かれており、利用しているシステムも別々で、お客様ごとに業務フローも異なっていました。

2013 年 3 月には、これらのセンターの中から最も大規模な 2 つのセンターを統合することが検討されました。「統合のきっかけは、インシデント管理システムのサポート切れでした。また、現在のように Web ベースのユーザー インターフェイスが主流の中で、以前のインシデント管理システムは固定フォームで画面の大きさを変えられないなど、使いづらいという課題もありました」と小坂 氏は話します。

2014 年 1 月 1 日に 2 つのコール センターの統合を目指した MIND では、2013 年 4 月から、従来のシステムをマイグレーションするか、スクラッチで構築するか、パッケージ製品を利用するかを検討し始めます。

<導入の経緯>
短期間で構築でき、汎用性が高く
低コストで導入できる Microsoft Dynamics CRM を採用

三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社
ネットワーク・プラットフォーム事業本部
ネットワーク・プラットフォーム技術統轄部
テクニカルサポート部
第一グループマネージャ
門崎 晴宇 氏

三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社
ネットワーク・プラットフォーム事業本部
ネットワーク・プラットフォーム技術統轄部
テクニカルサポート部
システム開発プロジェクトグループマネージャ
片倉 大靖 氏

「従来のインシデント管理システムをマイグレーションすると、サーバー OS やデータベースをバージョンアップする必要があり、開発コストやライセンス コスト、ランニング コストがかかりすぎるという結論となりました」と三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社 ネットワーク・プラットフォーム事業本部 ネットワーク・プラットフォーム技術統轄部 テクニカルサポート部 第一グループマネージャの門崎 晴宇 氏は当時を振り返ります。また、開発期間やコストを考えるとスクラッチによる構築は現実的ではなかったと、三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社 ネットワーク・プラットフォーム事業本部 ネットワーク・プラットフォーム技術統轄部 テクニカルサポート部 システム開発プロジェクトグループマネージャの片倉 大靖 氏も話を続けます。「製品やサービスごとのサポートを突き詰めていった結果、多くの業務フローが存在するため、これらを自作していくのは期間的にも現実的ではありません。いくつかの製品候補の中からパッケージ製品である Microsoft Dynamics CRM を採用することで、コール センターとしての品質を維持しつつ、従来のシステムよりも初期導入コストを 3 割以上削減でき、なるべく標準機能を使うことで業務フローの共通化も目指そうと考えました」。

Microsoft Dynamics CRM を採用した後、開発パートナーを探していた MIND では、日本ビジネスシステムズ株式会社 (以下、JBS) を選択しています。「自分たちで開発していくことや他社も検討しました。しかし、複雑なワークフローがある一方で構築する時間は短く、Microsoft Dynamics CRM の構築経験がある開発会社でなければ難しいということになり、実績が豊富な JBS に決めました」 (小坂 氏) 。

日本ビジネスシステムズ株式会社 営業本部 営業3部 営業1課 主任の熊澤 謙市 氏は、「期間が短かったので、プロジェクトが始まってからも連絡を密にすることを重視していました。また、自社のコールセンターでも Microsoft Dynamics CRM を利用しており、実際に見ていただいたうえで要件定義を話し合えたことも良かったと思います」と振り返ります。また、JBSソリューションズ株式会社 UxD事業部 AmbientOffice CRD部 アシスタントマネージャーの小野寺 美緒 氏も「かなりシビアなスケジュールの中で、業務をイチから理解し理想の姿に持っていくことをイメージすることがたいへんでした。最終的なゴールを共有するためにグランド デザインを作り、両者の意識を合わせることから始めて、実装できるところと後から追加開発できるところを切り分け、スケジュールどおりに最適解が得られるように進めるようにしました」と話します。

グランド デザインから約 6 か月で構築し、2013 年 10 月にはテクニカルサポートセンターで新システムをリリースし、2014 年 1 月 1 日に 2 つのコールセンターの統合が行われています。Microsoft Dynamics CRM の標準機能をできるだけ利用するような開発を行っていきましたが、業務フローのパターンが多いため、MIND と JBS でカスタマイズする部分を話し合いながら決めていく作業も行われました。「2 つのセンターでは、別々の業務フローやチケットの画面レイアウトを使っていたので、実際にオペレーターに使ってもらいながら細かなフィードバックをもらい、両者が使いやすい操作性を求めてカスタマイズしていきました」と片倉 氏は話します。

新システムでは、全部で 116 の Microsoft Dynamics CRM ライセンスを使用しています。その内、テクニカルサポートセンターでは 72 の、営業部門や全国の保守拠点用には 44 のライセンスを利用しています。これは、営業社員や保守エンジニアがインシデント情報の閲覧や、顧客向けのレポート資料の作成、障害内容の傾向分析などにシステムを利用するためです。「保守エンジニアが、障害が発生した場所に向かう前に詳細なインシデント情報を確認したり、営業部門がお客様ごとのインシデント情報を分析してセールスに結びつけるなど、さまざまな部門がシステムを利活用しています。お客様の保守契約が適正かを分析し、製品ごとの障害傾向などを品質部門が分析することで、お客様へのご提案や次の製品作りに役立てています。できるだけ早くモバイルで社外でも情報を閲覧できるしくみを作りたいですね」 (片倉 氏) 。

また、小野寺 氏は、Microsoft Dynamics CRM のカスタマイズ性と汎用性を次のように評価しています。「今後の利用範囲を拡大していく中で、自身で保守運用をしたいという要望もあったので、メンテナンス性や汎用性を高くする構成になるように心掛けて開発していました。Microsoft Dynamics CRM のプラットフォームはカスタマイズの幅が広く、.NET のような汎用的な開発環境を持っているので、これらの要望に応えられたと思います」。

さらに、「仕様も十分に固まっていない中で構築を開始してもらい、実際にかなり苦労しながらやっていただきました」と JBS を評価する小坂 氏は、「できないことはできない、と明確に答えてくれるところがよかったですね。回答があいまいだとできるかもしれない、と変な期待が膨らんでしまいます。実現可否を明確に提示していただけることで、我々も、無理するところと諦めるところをしっかりと判断できたと思います」と話してくれました。

システム構成図[拡大図]新しいウィンドウ

<導入効果>
物理統合で時間短縮や効率化を実現し
サポート品質を向上していく

テクニカルサポートセンターのシステム統合と物理統合を行うことで、MIND では、お客様へのサービス品質を維持しつつ、システムのランニング コストを削減することができます。たとえば場所が異なるコール センター間で打合せのための移動が不要になり、時間の短縮と効率化が行えるようになりました。システムを統合したことにより、インシデント情報の一元化、オペレーターの共有化、システム管理の簡素化が実現できました。また、統合したことで、統一された品質目標に基づいてアフター サービスを行うことができるようになったこともメリットの 1 つとなります。

以前のインシデント管理システムで慣れていた操作や利用価値の高い機能は、Microsoft Dynamics CRM のユーザー インターフェイスをカスタマイズすることで対応し、オペレーターの操作性をできるだけ損なわないようしています。その中で、門崎 氏は「ビューを個人がカスタマイズして、欲しい情報を集めてまとめることができ、それをメンバー全員で共有できるのがいいですね」と Microsoft Dynamics CRM のビューを使いやすいようにカスタマイズでき、作業の効率化が行えていることを高く評価しています。インシデントの項目が多く、リアルタイムに入力できずに忘れてしまった場合も、後でビューを確認して項目が埋まっているかどうかを確認し、情報を入れ直すことができる点も、オペレーターからの評価が高いと言います。また、ダッシュボードの検索条件もすぐに使いこなし、自分で使いやすいようにカスタマイズしているオペレーターもいて、これまで気づかなかった使い方を積極的に行っていることに驚いたと門崎 氏は話を続けます。「コールの受け付け直後や対応待ち状態などのステータスごとのビューをうまく組み合わせてダッシュボードに一覧表示させることで、ステータス管理を上手に行っている人もいて驚きました。また、インシデント情報を Microsoft Excel に出力し、自動マクロで報告書を瞬時に作成することで資料を作成する時間がかなりスピードアップしました。我々の業務は、決められたフローに沿って対応する業務と、自分で臨機応変に対応する業務の 2 つがあり、異なる考え方をしなければならないので、ビューを調整して見え方を工夫できることは非常に役立ちますね。ビューのコンテストを行って、わかりやすいビューを作っている人を表彰して、さらに使いこなせるようにすることも考えています」。

保守サービス プロセス フロー[拡大図]新しいウィンドウ

<今後の展望>
残りのセンターを統合しながら
CTI の実装やデータの活用も行っていく

日本ビジネス
システムズ株式会社
営業本部 営業3部
営業1課
主任
熊澤 謙市 氏

JBSソリューションズ
株式会社
UxD事業部
AmbientOffice CRD部
アシスタントマネージャー
小野寺 美緒 氏

Microsoft Dynamics CRM の構築は 2014 年 1 月 1 日で終わりではなく、社内の意見を取り入れながらカスタマイズを進め、残り 4 つのコール センターの統合も行っていきます。引き続き CTI (Computer Telephony Integration) システムの導入を進めており、電話の呼量や応答率、オペレーターの稼働率や処理時間などのコール センターの評価にかかわる統計を取ることで、サポート品質のさらなる向上を進めています。それらの作業でも MIND は JBS をパートナーとし、より良いシステムとなるように構築を進めていきます。「パートナーには我々の基幹業務の構築を託すことになるので、安定稼動や将来にわたって使えるしくみを提案し、構築できる力を持つパートナーを選ぶ必要があります。どうしても、開発コストや見積もりが安いパートナーに目が行きがちですが、しっかりとビジネスを理解してシステムを構築できるという重要なポイントを見逃してはなりません」 (小坂 氏) 。

「アフター サービスは付加価値が高く、これらの品質や評価が次の製品販売につながるものだと我々は考えています。単なるユーザー サポートに留まらず、次の製品販売に生かすことで事業の拡大に貢献していかなければなりません」と話す小坂 氏は、マイクロソフト製品を販売している企業として、今回 Microsoft Dynamics CRM でシステム構築し、ユーザーとしても効果的な使い方を提示することも重要な目的の 1 つであることを明かしてくれました。「三菱電機グループ内やお客様でも我々と同じようなニーズがあると思うので、ノウハウを提供できればと思っています。24 時間 365 日のテクニカル サポート業務を支えるソフトウェアとして Microsoft Dynamics CRM を採用し、我々の DbM 製品 の 1 つであるフォールトトレラント・サーバー ftServer をサーバーに採用していることをアピールし、我々がさまざまな製品を組み合わせた技術を柔軟に提供できることを自らのシステムで示していきたいと思います」。

テクニカルサポートセンターの統合と新たなシステム導入によって、MIND は顧客へのサポート品質を高め、製品技術の選定から構築、アフター サービスを統合的に提供する企業として、さらなる成長を続けていきます。

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