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 様に導入

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ライオン株式会社

 様に導入

イノベーション達成に向けた第一歩。約 4,800 台の PC に BranchCache などの高機能を備えた Windows 7 Enterprise を採用し、System Center で効率管理

2011 年に創業 120 周年を迎え、さらなる成長へ向けた経営ビジョン「Vision 2020」を掲げているライオン株式会社。同社では、「グローバルへの対応」と、ビジョンの実現を促すイノベーションを推進するために ICT 戦略を整え、さまざまな施策に取り組んでいます。2011 年にはその第一歩として、クライアント OS と ICT 資産管理システムのリプレースを実施。長期的な視点で、ワーク スタイルの向上などに貢献するべく、Windows 7 の最上位エディションである "Enterprise" を採用。System Center Configuration Manager を活用して、効率的な運用管理を実現しています。

<導入の背景とねらい>
グローバル展開と "Knowledge Innovation" を支える情報環境構築へ向けた第一歩

ライオン株式会社 (以下、ライオン) は創業以来常に、「愛の精神の実践」を経営の基本としてオーラルケア事業から薬品事業、ファブリックケア事業など、人々の「清潔」、「健康」、「快適」、「環境」を支えるビジネスを展開し、発展を続けてきました。
そして、創業 120 周年を迎えた 2011 年 10 月、ライオンは、新たな経営ビジョン「Vision 2020」を発表。「くらしとこころの価値創造企業」を目指し、下記の 4 つの戦略を推進しています。

  戦略 1. 国内事業の質的成長
  戦略 2. 海外事業の量的成長
  戦略 3. 新しいビジネス価値の開発
  戦略 4. 組織学習能力の向上

ライオン株式会社
統合システム部
部長
宇都宮 真利 氏

ライオン株式会社
統合システム部
主任部員
足立 幸弘 氏

この戦略実現のために「3 つのイノベーションが重要になる」と、ライオン 統合システム部 部長 宇都宮 真利 氏は説明します。
「私たちライオンは今後、国内において、より質の高い製品やサービスをもってブランド力の強化を図ると共に、アジアを起点としたグローバル ビジネスを拡大し、さらに成長していくことを目指しています。そのために、生命科学・生活科学の新しい発見によって価値ある提案を行う『Life Innovation』、自然との共生社会に貢献する『Green Innovation』、そして当社自身が有機的に進化する企業へと変貌することを目指す『Knowledge Innovation』という、3 つのイノベーションを実現していくことが重要になっています。中でも、『Knowledge Innovation』のサポートは、ICT 活用と関連が深く、グルーバル対応と合わせて、国内外の情報基盤の強化、整備が欠かせないものとなっています」。

こうしてライオンの ICT 活用が「Knowledge Innovation」の実現に向けて大きく舵を切るのに先行して、社内の ICT インフラ整備がスタートしています。それが、クライアント OS の更新と、ICT 資産管理システムの刷新でした。宇都宮 氏は、次のように話します。
「"Knowledge Innovation" を実現するためには、業務アプリケーションやシステムの改修を行い、ワーク スタイルの変革を促す必要があるでしょう。しかしアプリケーションなどに取り組む前に、まずはインフラとなる部分をしっかりと固めていく必要があります。そこでより良い PC 環境を求めた結果、(Windows XP から) Windows 7 Enterprise に移行することを決定しました。さらに、同時期に基幹系システムのマイグレーションなどのプロジェクトも進行する中、限られた人員でスムーズに OS の入れ替えを完了させるために役立てられるように、ICT 資産管理ツールのリプレースも合わせて行いました」。

ライオングループでは、国内約 20 拠点で合計約 4,800 台の PC が活用されており、それぞれのデスクトップには、統合システム部が標準で提供しているデバイス ドライバやアプリケーションが約 20 個。さらに、業務ごとに作られた専用アプリケーションが、必要に応じてインストールされ、活用されています。
こうした環境を ICT 資産管理ツールで効率的に管理し、速やかに Windows 7 Enterprise への移行を果たすために、ICT パートナーに RFP (Request For Proposal) が提示されました。
数社からの提案を受け取った中から、「クオリティも、コストも最善」と評価したのが、Microsoft System Center Configuration Manager を活用して Windows 7 Enterprise の展開を行うというアルファテック・ソリューションズ株式会社 (以下、アルファテック・ソリューションズ) の提案でした。

<システム概要と導入の経緯>
「BranchCache」と「DirectAccess」で将来にわたる情報環境整備にも対応

ライオンが、クライアント OS に Windows 7 の最上位エディションである "Enterprise" を選択した最大の理由は、遠隔からのアクセス時間を削減する「BranchCache」と、社外から社内ネットワークへのシームレスなアクセスを可能にする「DirectAccess」の 2 つの機能にある、とライオン 統合システム部 主任部員 足立 幸弘 氏は説明します。

「今後、ICT に関する各拠点の負担を減らしていくことを考えています。たとえば、各拠点にファイル サーバーがあるのですが、これをデータセンターに集約すれば、各拠点でサーバーの運用に苦労する必要がなくなります。セキュリティの面でも、バックアップなどのデータ保全の面でも、その方がメリットは大きいでしょう。ただ 1 点懸念されるのがレスポンスの問題です。遠隔地にあるファイル サ―バーへのアクセスに時間がかかれば、ユーザーは不便と感じます。しかし BranchCache 機能があれば、コンテンツを拠点内のローカルにキャッシュできるため、拠点から本社にあるファイル サーバーへのアクセスの高速化が期待できます」。

もう 1 つの機能「DirectAccess」によって、大幅なコスト削減が見込めると、足立 氏は続けます。
「社内にある PC のうち約 800 台は、常に携帯され、社外から社内システムへ VPN 接続しています。しかし、相当数の VPN アカウントにコストがかかるだけではなく、接続時の操作が面倒だという課題もあります。一方 DirectAccess は、Windows Server と Windows 7 があれば実現できるリモート アクセスの機能です。VPN のように接続時の煩雑な操作も不要で、セキュリティも VPN と同等以上と聞いています。こうした機能が、将来にわたって当社の情報環境を支えるに適していると判断しました」。

使いやすい GUI と充実の機能で、長期的に利用されるべき資産管理ツールとしてのニーズを満たす

アルファテック・ソリューションズ株式会社
ソリューション事業部 第 2 部
第 1 チーム
杉山 文孝 氏

アルファテック・ソリューションズ株式会社
ソリューション事業部 第 1 部
流通・サービスグループ
鈴木 宏則 氏

そして Windows 7 Enterprise の展開に際しては、System Center Configuration Manager 特有の機能が大きなポイントになっていたと、アルファテック・ソリューションズ ソリューション事業部 第 2 部 第 1 チーム 杉山 文孝 氏は説明します。
「ライオン様で利用されているすべてのクライアント PC は Active Directory で管理されたドメインに参加し、セキュアに管理されています。OS の展開機能は他の資産管理ツールにもありますが、ドメイン参加まで一緒に設定していける機能は、System Center Configuration Manager 特有のものになります。今回の OS 展開に際しては、この機能が非常に有効に働きました」。

従来ライオンでは、ICT 資産管理のために別のソリューションを利用していましたが、実際には「資産の棚卸でも、思うようには活用されなかった」と宇都宮 氏は振り返ります。
「棚卸は各部所ごとに行います。しかし、各地に ICT の専任担当者がいるわけではないため、簡便な方法として、Excel シートに情報を入力してもらい、回収後に手作業により集計していました」。

アルファテック・ソリューションズ ソリューション事業部 第 1 部 流通・サービスグループ 鈴木 宏則 氏は、「当社が提案させていただく上で、過去のツールと同じ轍を踏まないことが重要だった」と話します。
「資産管理ツールは、運用に慣れていただくまでに労力がかかります。どんなツールでも、導入して終わりではなく、長く活用していただくことが肝要です。そこで、当社としても Windows 7 Enterprise を展開していただくまでの最初の数か月は、System Center Configuration Manager の運用をかなり手厚くサポートさせていただくプランを作りました。そして月次の定例会を開催させていただき、課題の洗い出しなどを徹底して行いました。また、旧製品である Microsoft Systems Management Server 2003 に比べ、System Center Configuration Manager は GUI (Graphical User Interface) ベースで非常に使いやすくなっています。OS のイメージ作成も、比較的簡易な操作で行える点など、今回の提案において非常に適していたと思います」。

当初ライオンでは、ユーザーが「デスクトップ上に用意されたボタンを押すだけ」で、Windows 7 の展開ができるよう予定していましたが、事前検証の結果、予想されるアクセス集中に対し、社内ネットワークが十分なパフォーマンスを維持できるか懸念があったため、結果的に USB メモリを使用して Windows 7 Enterprise の展開を行うことになりました。
しかし、「Active Directory のドメイン参加まで自動的に行うソリューションなどが有効に働き、限られた人数での展開を期間内にきちんと終えることができた」と足立 氏は評価しています。

<システム導入の効果>
過去、最も "スムーズ" に OS の移行を完了。
電源管理からインベントリ収集まで詳細な管理を実現し、ガバナンスも徹底

宇都宮 氏は、今回の OS 移行について「過去、最もスムーズに事が運んだ事例」だと断言しています。
「今まで、Windows 3.1 から 98。98 から XP。そして、今回の Windows 7 へと OS 移行を 3 回経験していますが、今回の移行が一番スムーズでした。業務アプリケーションの数も多いので、期間を十分に確保して検証を行いましたが、その結果、どうしても移行できないアプリケーションは 1 点しかありませんでした。これは、仮想化することで継続利用しています。そのほかは、比較的軽微な改修だけで済みました。これは予想外でした」。

さらに、ユーザー側にも混乱なく受け入れられたと、足立 氏が続けます。
「OS の移行に際して、イントラネットを活用したマニュアル提供や情報公開等、極力情報を発信するようにはしていましたが、操作研修などは行っていません。業務アプリケーションに関する検証は Windows 7 Enterprise の評価版を配布して実施しましたが、ここまでスムーズに新しい PC 環境が受け入れられたのは、個人的には非常にうれしかったです」。

さらに、System Center Configuration Manager によるクライアント PC の運用管理においても、「既にメリットが出ている」と足立 氏は続けます。
「System Center の構築は 2011 年 5 月から 6 月末にかけて行ったのですが、この間に急に節電対応が必要になりました。しかし、当時最新バージョンの System Center Configuration Manager ならば PC の電源管理ができるということで、急遽アルファテック・ソリューションズさんに環境を構築していただき、要望を満たすことができました。これは、アルファテック・ソリューションズさんの柔軟な対応と、System Center の機能があったおかげです。
しかも、アプリケーションや更新プログラムをリモートで自動的にインストールする『プッシュ型配布』も行えますので、イメージの展開終了後に何か不具合があっても、ユーザーが気づく前に修正することも可能です。非常に便利になりました」。

また、ライセンスの管理も厳密に実施できるようになったと、宇都宮 氏は言います。
「以前は結局、紙ベースで社内のソフトウェア ライセンスを管理していました。しかし、約 4,800 台ある PC の中身を紙ベースで正確に把握するのは不可能です。しかし今は PC のインベントリをすべて、オンラインで収集できるようになっています。以前、あるソフトウェア会社からライセンス数の調査依頼が来たことがあり、非常に苦労した思い出がありますが、今なら即座に対応できるでしょう」。

<今後の展望>
さらなるワーク スタイルの改善に向け、Windows 8 でのモバイル活用も

ライオンでの Windows 7 Enterprise 活用はまだ始まったばかりですが、宇都宮 氏は今後の展開として Windows 8 搭載タブレットの活用も検討していると話します。
「今後の活用としては、まず BranchCache と DirectAccess をきちんと活用して、社員のワーク スタイル向上に貢献していきたいということが挙げられます。そして社員のワーク スタイルを変えるという意味ではもう 1 点、社内の PC 利用と社外でのモバイル活用をシームレスに連携できるといいと思っています。しかし、本格的に社内でスマート デバイスを展開する際に Windows 搭載の社内 PC との 2 重活用になってしまうと、ICT 運用のサポートにも手間がかかります。これが Windows 8 になり、ノート PC とタブレットの環境が統一されれば非常に楽になるでしょう。キーボード部分が取り外し可能になっていて、移動するときは液晶部分だけを持ってタブレットとして使える端末があれば、皆喜ぶと思います」。

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