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導入事例

 様に導入

  • クラウド
  • 効率化
  • コスト
  • 販売管理

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社

 様に導入

全国各地に点在する店舗での情報共有課題を、Microsoft SharePoint Online で解決。
アルバイト募集業務の効率化や、資料配布のコストの削減に成功。

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社の「オリジナル・グレーズド」

クリスピー・クリーム・ドーナツジャパン株式会社 (上)
クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社の「オリジナル・グレーズド」(下)

全国 39 店舗 (2013 年 1 月末現在)でアメリカ発のドーナツ & コーヒー ストアを展開するクリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社は、2010 年 7 月に Microsoft Business Productivity Online Suite (BPOS) を導入し、電子メールと情報共有に活用してきました。この情報共有プラットフォームを毎日の業務にさらに役立てようと、同社は 2011 年夏から情報共有の活用拡大に着手。情報共有に関連した業務の中から「手作業で行っているために手間と時間がかかっているもの」を洗い出し、Microsoft Office 365 と Microsoft SharePoint Online でシステム化することによって業務改善によるコスト削減を実施しました。システム化の対象となったのは、新規出店や退職者補充のためのアルバイト募集とシーズンごとに改訂される商品マニュアル配布という 2 つの業務でした。電子メールに Excel ファイルを添付したり印刷物をトラック配送したりしていた従来と比べて、コストや作業工数は大幅に減少し、業務の品質も高まりました。

<導入の背景とねらい>
2010 年の BPOS 導入後、
各地の店舗とのさらなる情報共有が課題に

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社 (以下、クリスピー・クリーム・ドーナツ) は、Krispy Kreme Doughnut Corporation (本社 : 米国ノースカロライナ州ウィンストン=セーラム) のフランチャイズ加盟店として、2006 年 6 月に設立されたドーナツ&コーヒーストアです。主力商品は、米国での創業時 (1937 年) からの製法で作られているふわっと口の中でとろける食感が特長の「オリジナル・グレーズド」です。このほか、バラエティに富んだドーナツや期間限定で登場するシーズナル商品など、常時 12~14 種類のドーナツが店内のショーケースに並んでいます

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社
管理本部 総務人事
白石 涼子 氏

2013 年 1 月現在、店舗は関東、中部、近畿、中国、九州の各地方に計 39 か所。正社員とアルバイトのクルー、合計約 2,000 名がドーナツの製造と販売に携わっています。日本上陸以来、出店数の増加が続いていることから、採用も多く、現在の状況について、クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社 管理本部 総務人事 白石 涼子 氏は次のように語ります。

「今年度は 10 店舗強を目標に出店する予定です。初めてのエリアに進出する時はドーナツの製造工程をガラス越しに見ることができる『ドーナツシアター』併設の店舗 (ファクトリー) を最初に建てるケースが多いのですが、その場合製造の担当を含め、必要になるクルーの数は 70 ~ 100 名ほど。高校生や大学生のアルバイトも多いので、既存の店舗でも毎年春の卒業シーズンには新たに一緒に働く仲間を集めなければなりません」。

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社
管理本部 システム
川俣 隆之 氏

このような形でビジネスを展開していることから、同社では早い段階からオンプレミスとパブリック クラウドを併用することをシステム化の基本方針としてきました。全社の IT を統括するクリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社管理本部 システム 川俣 隆之 氏は、その理由を次のように語ります。

「本社オフィスには業務上必要な最小限のサーバーだけを設置し、店舗や工場など各拠点やモバイルから利用する販売管理システム、電子メール、情報共有などのしくみはすべて別システムにしています。複数の拠点からアクセスされる情報共有の環境はクラウドで構築したほうが使いやすく、また災害時を考えた情報の格納場所としてもクラウドのほうが安全です」。

そこで同社は、2010 年 7 月にマイクロソフト (当時) の Microsoft Business Productivity Online Suite (BPOS) を導入。電子メールや情報共有のためのツールとして使い始めていたのですが、情報共有については、まだ課題がありました。

「ただ、実際には Excel や Word のファイルを電子メールに添付してやり取りすることも多く、情報共有プラットフォームとしての活用はあまり進んでいませんでした」。

と川俣 氏は当時を振り返ります。

<導入の経緯>
手作業で行っていた業務を洗い出し、
情報共有と業務効率化を指針としてSharePoint Online でシステム化

すでに導入されている、BPOS で構築された情報共有プラットフォーム、毎日の業務にいかに役立てていくかという課題に取り組むにあたり、同社では情報共有の専門企業にシステムの構築を依頼することにしました。2011 年 8 月になって数社の中から選ばれたのは、Microsoft SharePoint テクノロジを活用した情報共有と業務効率化に詳しいディスカバリーズ株式会社 (以下、ディスカバリーズ)。BPOS には Microsoft SharePoint Online が含まれているので導入コストが発生しないとことと、共有情報に対するアクセス制御と電子メールのアカウントを共通のしくみで管理できることが委託の決め手となりました。
その上で、情報共有に関連した業務の中から「手作業で行っているために手間と時間がかかっているもの」を洗い出し、SharePoint Online でシステム化することにしました。
すぐにも効果が見込めそうなテーマは 2 つあった、と川俣 氏は語ります。

「まず、アルバイト募集業務では、応募者の情報を各店舗に送るまでの作業と、個人別面接の日程を店長の空き時間に合わせて調整する作業がシステム化できそうでした。電話にせよ弊社 Web サイトからにせよ、アルバイトの応募は管理本部で集中的に受け付け、名前や連絡先などの情報を店舗別にまとめてから Excel ファイル添付の電子メールで連絡していたのです。この作業はとても手間が多く時間がかかりますし、多くの応募者がいるため、より効率的に業務を進められる環境が必要でした」。

そして、各店舗への情報配信ツールとその作業です。

ディスカバリーズ
株式会社
代表取締役社長
島田 祐一朗 氏

「もう 1 つは、ドーナツの新メニューを各店舗に通知するための『プロモーションブック』でした。弊社ではシーズナルという期間限定の新商品を年 8 回のペースで発売しており、その時期になると、新しいドーナツのレシピや商品説明の資料をバインダーに綴じたプロモーションブックを店舗と工場に送っています。従来は本社のマーケティングと商品の担当者が社内で印刷して製本し、トラックの配送便に乗せていたのですが、この作業に非常に大きな手間がかかっていました。また、現場のオペレーション チェックやトレーニングの時間を考えると、店舗へ迅速に情報共有できる環境を整えることが大きな課題でした」(川俣 氏)。

このように業務効率化を求めた同社にディスカバリーズが提案したのは、SharePoint Online と入力フォームやビューを組み合わせた情報共有ソリューションでした。その提案の骨子を、ディスカバリーズ株式会社代表取締役社長 島田 祐一朗 氏は、次のように説明します。

「ポイントは 3 点ありました。まず、アルバイト募集業務については、個人情報を確実に保護するためにアクセス制御を徹底すること。SharePoint Online の電子メール用アカウントをうまく使うことにより、関係のない人、例えば他の店舗にも情報が漏れないしくみを作るというご提案です。
第 2 に、業務アプリケーションを新規に作るのではなく、SharePoint Online というプラットフォームを最大限に活用すること。それによって、業務アプリケーション開発に要する期間とコストを削減できるとご説明しました。
そして、最後に、なんらかのプログラミング言語を使わずに、SharePoint Online や Microsoft Office の基本機能だけで開発するため、システムの仕様への対応が柔軟に変更できることもアピールしました。設計~開発の過程でプロトタイピングをすることもできますし、お客さまの領収試験で見つかった要改善点にも短期かつ柔軟に対処できるのです」。

<システムの概要>
BPOS から Office 365 にアップグレードした上で
InfoPath と組み合わせた情報共有アプリを開発

このような方針に基づき、同社とディスカバリーズは情報共有の拡大を目指す取り組みを 2011 年秋にスタートさせました。まず行われたのは、BPOS から Microsoft Office 365 へのアップグレードです。その後、文書共有の対象を拡大したりポータル サイトを拡充したりしつつ、プロモーションブックをオンラインで共有するためのしくみと「アルバイト応募管理システム」の開発を進めていきました。

Office 365 は BPOS の後継となるクラウド サービスで、豊富な機能を多様なプランから選べるのが特長です。正社員 (店長、マネージャー、管理本部スタッフ) とクルー (店舗ごとの共用) のアカウントには Office 365 E1 (SharePoint Online + Exchange Online + Lync Online)、業務アプリケーションの開発、管理用には Office 365 E3 (E1 + Office Professional Plus + Office Web Apps + SharePoint と Exchange の追加の機能) のプランが選ばれました。

BPOS から Office 365 への移行にあたっては、それまで使われていた電子メールと情報共有を共有領域となる「チーム サイト」に乗せ換えるとともに、管理本部、店舗間で共有する文書の範囲も大幅に拡大。店舗運営に欠かせない接客用マニュアルなどの業務マニュアルを新たに作ったりアップデートしたりしてチーム サイトに登録し、全社で利用できるようにしました。プロモーションブックについても、Excel シートや画像データなどをチーム サイトに登録することで印刷、製本と配布の手間を省きました。

併せて、管理本部からの全店舗に迅速に行きわたらせる目的で、ポータル サイトの整備も行われています。もっとも大がかりな作業になったのは、アルバイト応募管理システムの開発でした。システムの目的は、電話や Web サイトなどの多数の経路から入ってくる応募データを SharePoint Online のデータベースに登録して一元的に管理することでした。フィルターを設定したリストのビューを駆使することにより、複製や二次加工なしで応募者データを活用できるようにすることもねらいました。

画面 2 面接リスト 店舗別カレンダービュー (SharePoint)

画面 2 面接リスト 店舗別カレンダービュー (SharePoint)[拡大図]新しいウィンドウ

画面 1 求人募集依頼申請書 (InfoPath)

画面 1 求人募集依頼申請書 (InfoPath)[拡大図]新しいウィンドウ

ディスカバリーズ
株式会社
サービスマネージャー
大江 明子 氏

まず、応募者データの入力処理です。ここでは、従来は Excel ファイルで作られていた応募者台帳を直接共有するのではなく、Microsoft InfoPath と Access Services を活用して統一形式のデータベースに登録するようにしました (画面 1)。実装を担当したディスカバリーズ株式会社 大江 明子 氏は、その詳細を次のように説明します。

「手作業で入力する申請書については、従来と同じフォーマットの入力画面を InfoPath で開発しました。また、すでに CSV ファイルになっているデータについては、最新の SharePoint で登場した Access Services を使って半自動的に SharePoint Online のデータベースにインポートできるようにしています」。

また、データベースに登録された応募者データについては、用途別のさまざまなリストとビューを用意して情報の一元管理と多様な活用の両立を図りました (画面 2)。

「それぞれのリストは店長およびクルー共用の電子メール アカウントにひも付けされていますから、他の店舗から中身を見ることはできません。また、面接日程を店長の空き時間に合わせて調整するための仕組みとして、『店長の空き時間』カレンダー ビューに『面接日時が決まっていない応募者』リストを結び付けたビューも作りました。店長は、このビューさえ見ていれば、何日の何時に誰を面接すればよいかが一目瞭然で分かります」 (大江 氏)。

<導入の効果>
業務効率の向上と手作業によるミスの減少により、
コスト削減とともに業務の品質も向上

同社が Office 365 を使い始めたのは、2011 年 12 月のこと。プロモーションブックを含むファイル共有とポータル サイトは 2012 年秋までに完成し、アルバイト募集管理システムも 2013 年 1 月に稼働を開始しました。
もっとも大きな導入効果として、川俣 氏は業務遂行に要する工数と費用を削減できたことを挙げます。

「プロモーションブックについては、冊子の印刷に紙を使う必要がなくなったほか、トラック配送の費用もゼロになりました。マーケティングや商品の担当者が印刷や製本をしなくても済むので、作業工数はぐんと小さくなっています。アルバイト募集の業務では、店舗別にデータを分けて Excel ファイルに保存し、個別に電子メールで送るという作業から解放されました。業務の一部をアウトソースしたこともあって、担当者にかかる負荷を大幅に減らすことができました」。

また、白石 氏は業務品質を高めるという定性効果にも着目しています。

「情報共有が SharePoint で可能になったことで、店舗と管理本部の情報共有の品質が向上しました。具体的には、面接の出欠席や採用結果の情報が洩れなく共有することができるようになったということ。また、その情報を集計することで募集広告に対する反響を知ることができ、今後の広告媒体の選定、掲載時期の動向をつかみやすくなるといった効果も得られました」。

一方、店舗の側でも、Office 365 へのアップグレードと情報共有対象の拡大を好意的に受け止めていると川俣 氏は見ています。

<今後の展開>
SharePoint Online による承認フローのシステム化や
Lync Online を使った店長会議実施の構想も

プロモーションブックとアルバイト募集のシステム化が成功裏に終わった今、同社は SharePoint Online のさらなる活用を目指して検討を進めています。
たとえば、SharePoint Online のワークフロー機能を利用して承認ワークフローをシステム化しようという構想があります。社内手続きに関わる業務ですのですぐにシステム化できるとは限りませんが、少人数の組織が全国各地に点在するようなビジネス形態に適した活用法となるに違いありません。
また、より実現性の高い構想として、川俣 氏は Office 365 に含まれている Lync Online を使って店長会議をオンライン化したいと考えています。

「弊社は各地に拠点があるため、会議に人を集めるには多額の費用がかかります。規模が小さかったころは店長を都内に集めて会議をするのも容易だったのですが、今ではきわめて難しくなりました。これを Lync Online に置き換えていくことができれば、コストを抑えつつ情報共有の場を確保できるのではないかと思います」。

このほか、店舗側からは、店舗間の情報共有ツールとして SharePoint Online を使いたいという要望も上がっているとのこと。進化を続ける Office 365/SharePoint Online の機能をフル活用すれば、現場からのそうした声にもすばやく応えられることでしょう。

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