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興能信用金庫

 様に導入

金融機関向け情報系統合パッケージ BankNeo で業務効率の向上と提案販売力の強化を実現

興能信用金庫

興能信用金庫

石川県の興能信用金庫は、お客様中心の提案活動を行えるように、2010 年から営業体制を抜本的に改革することに挑戦してきました。これらの改革を実現するためには、求める機能を持った CRM (Customer Relationship Management) /SFA (Sales Force Automation) システムが必要だと考え、Microsoft Dynamics CRM 2011 をベースに日本システム技術株式会社が開発した金融機関向け情報系統合パッケージである「BankNeo」を 2012 年 12 月に採用。2013 年 2 月より全店舗に展開し、全営業および渉外職員の 105 台のタブレット端末と連携させることでさまざまな用途に活用しています。

<導入の背景とねらい>
抜本的な営業体制の改革に伴い
要望に柔軟に対応ができる CRM システムを求める

興能信用金庫
業務戦略部長
吉國 國彦 氏

創業 80 周年を迎える興能信用金庫は、地域に根付いた地道な営業活動をモットーとする石川県下に 31 店舗を構える金融機関です。2010 年からは、「お客様中心に動く、見る、考える」という基本方針を打ち出し、営業体制を抜本的に見直して新しい体制を整え、仕事のスキームを変えていくように改革を行ってきました。それまで興能信用金庫では、全員がすべてのサービスを受け持っていましたが、係別に営業体制を構成することで、お客様が期待する提案活動の時間を増やすようにしていきました。しかし、さらに効率的で適切な提案活動を行うためには、営業および渉外職員の業務を高いレベルで平準化させる CRM/SFA システムが必要であると、興能信用金庫 業務戦略部長 吉國 國彦 氏は考えました。

「信用金庫でのワークフローではお客様とフェイス トゥ フェイスで付き合うことが重要となります。さまざまな物を預かったり、入金や雑用などを代わりに行ったりすることも多く、これらの営業活動を帰店してから記録することは煩雑であり、記入漏れや重要な情報の欠落などが問題となっていました。新たな営業および渉外体制をより効果的に機能させるためには、機械化やシステム化で営業力を強化し、あらゆる情報を把握/管理することで合理化を進めていく必要がありました」 (吉國 氏) 。

吉國 氏がこだわったシステムは、タブレット端末と連携できて、預金集金、物品預かり、これらに対する事務手続きや入力を行うといった後方事務を統合管理できるものでした。また、それらの機能だけではなく、提案活動や営業、渉外職員の行動と実績の管理なども行えるシステムを求めていました。しかし、さまざまなシステムを探してみても、タブレット端末と連携できるシステムはなく、スマートフォンを活用している金融機関の事例を見ても、小さな画面では情報量が圧倒的に限られるという印象を持ったと言います。「タブレット端末で CRM システムを活用している地銀の事例も参考にしました。しかし、投資信託などの金融商品販売に特化したシステムで、我々が求めるような 1 台で複数の役割を果たすものではなかったため、導入することはできませんでした」と吉國 氏は当時を振り返ります。

このような模索を行っている中でマイクロソフトと話をする機会があった吉國 氏は、Microsoft Dynamics CRM 2011 をベースとした日本システム技術株式会社 (以下、JAST) の金融機関向け情報系統合パッケージ「BankNeo」の紹介を受け、1 つの手応えを感じたと言います。「カタログを見て、視覚的な管理ができ、タブレット端末と連携できるところが気に入りました。ワークフローの中で記録していく情報を Microsoft SQL Server を使うことで蓄積し、分析できるところにも注目しました。Microsoft Excel への出力も可能なので、BankNeo のシステムの中だけで完結するのではなく、データをさまざまに活用できるであろうと思いました」。

<導入の経緯>
拡張性が高く、管理画面の使い勝手がよい
Microsoft Dynamics CRM 2011 ベースの
BankNeo を採用

興能信用金庫
業務戦略部
桜井 泰一 氏

興能信用金庫は、2012 年 4 月から本格的にソリューションの比較を開始し、5 月後半には BankNeo の採用を決めています。吉國 氏は各社の提案について、次のように話します。「多くの提案は、金融機関専用に作り込んだシステムでした。このようなシステムでは、システムのワークフローに我々が合わせなければならず、我々がシステムに使われるだけで効率化はできないと感じました。また、BankNeo がパーツごとに柔軟に我々の要望に応えられるのに対し、他のシステムはシステム構築後の拡張が難しいと思いました。我々の求めていたのは、これまで紙で行っていたワークフローを違和感なくシステムに落とし込んだうえで、業務改革や情報の収集と活用を行うことです。BankNeo 以外では、かゆいところに手が届かず、お客様中心に動く、見る、考えるという基本方針を実現することができないと判断しました」。

コスト面でも他のシステムよりも優位だったうえ、Microsoft Dynamics CRM 2011 の管理画面の使い勝手が良かったことも選択の理由の 1 つだったと、吉國氏は話を続けます。「視覚的に見やすく、ナビゲーションバーを見れば誰でも何をすればよいかがわかり、普段使っている Microsoft Office ツールと同じような感覚で利用できます。私自身も説明書を見たことがなく、誰かに教えてもらわなくてもすぐに利用できたので、誰でも使えると感じました」。

「システム関連の人や本部の人だけでシステム構築を考えるのではなく、現場の人間が使いやすいシステムを作ることが重要だと思います」と話す吉國 氏は、現場の声をシステムに反映させるために、営業の第一線で活躍していた桜井 泰一 氏を専門担当者として指名しました。そのうえで、支店長経験のある吉國氏がマネージャー目線で意見を出し、桜井 氏は営業目線で意見を出す方法でやりたいことを 1 つ 1 つ検討していき、システムの精度を高めていったと言います。桜井 氏は、「これまでやってきたことがそのままシステム上で便利に行えるようになることと、さまざまな角度の切り口で情報を取り出すことができることを考えてシステム作りを行ってきました」と話します。

また、システムの検討段階で全 31 店舗の店長にアンケート調査を行い、要望を取り入れていったことも特筆すべきです。このため要件定義数は数百件にも渡り、さまざまな要求が興能信用金庫から提示されていきましたが、JAST は柔軟に対応してくれたと吉國 氏は評価しています。「JAST には常駐してもらい、システムを作りながら考えていく状態の中で機敏に対応してもらいました。より良いモノを一緒に作ろうという気持ちを感じましたね。さまざまな部分で、知恵を貸してもらい、技術を提供してもらいました」。

2012 年 12 月に中核となる 6 店舗に BankNeo を導入した興能信用金庫では、2013 年 1 月 23 日から徐々に各店舗に展開を広げ、2 月 4 日には全 31 店舗への展開が完了。すべての営業および渉外職員に 1 台ずつ、計 105 台のタブレット端末を提供しました。

BankNeo タブレット用 TOP メニュー

BankNeo タブレット用 TOP メニュー

<導入効果>
業務負担の軽減と効率化を実現し
効果的な提案型営業を目指す

BankNeo を導入した興能信用金庫では、営業および渉外職員がタブレット端末を使って活動を行い、その場で行動記録や交渉記録、日報などを書き込めるようにしています。また、ロール紙タイプのモバイル プリンターも持ち歩き、集金の受取書、通帳や証書の預かり書、現金などのお届け書などをその場で発行しています。これによって、基本的なワークフローや事務系の業務の負担が大幅に解消されました。桜井 氏は、「これまで紙で行って時間がかかっていた作業をシンプルにタブレットに入力できるようになりました。紙ベースでは、同じような内容を活動報告や見込み案件リストなどの複数の書類に書き込む必要がありましたが、BankNeo では 1 度入力するだけで複数の書類を作ることができます。また、タブレット端末の 1 画面で次回の訪問や交渉内容、見込み先、日報、物品管理などを行うことができるので、間違いなく作業が早くなっていますね」と話します。

また、お客様先で交渉などを行うたびに書き込むことで情報の精度が上がり、さまざまな情報活用が行えることが期待されています。「CRM を導入している金融機関は多いですが、その多くでは情報入力することが目的となってしまっていると感じます」と話す吉國 氏は、「行動が発生した瞬間に書き込むことができなければ、良くも悪くも入力する内容に修飾が入ってしまい、情報の精度や鮮度を失ってしまいます。これまで大した情報ではないと渉外職員が勝手に判断して入力されなかった情報も、直感的に簡単に書き込めるようになることでマネージャーや本部などの多くの人間が情報を目にすることができるようになるでしょう。これにより、看過されてきた情報が実は大切な情報であることに気付いたり、多方面から新たな情報を得たり、販売の機会損失を抑制したりすることができるのではないでしょうか」と説明します。

効果は、実際に営業および渉外職員が書き込む交渉記録の件数にも表れています。全店舗導入直後の 2013 年 3 月は全体で 3 万件でしたが、操作に慣れてきた 5 月には 6 万件と倍増しています。「ここまで細かく書いてくれていることに非常に驚いています。現場で何が起きているかがすぐに把握できることもすばらしいと思いました」と桜井 氏が話すように、書き込まれる内容も非常に細かく、ダイレクトに返ってくるお客様の声を今後の商品開発などにも役立てていく予定です。これらの交渉件数の増加には満足しているという吉國氏は、今後は交渉の中身を高めていく必要があると考え、2013 年 5 月からは営業店長のマネージメント方法や渉外の活動基準などを組織として決めていきました。

この他、渉外職員がタブレット端末を使い、行動をリアルタイムに把握することができるようになったことで、正当な評価やモチベーションの向上、成績を上げるための営業手法の浸透なども目指せるようになりました。たとえば、これまでは渉外職員が「がんばったけど結果が出なかった」と言っても、なぜ結果が出なかったかを分析することはできませんでした。しかし、現在は渉外職員の行動を役員や本部が把握できるため、職員に直接声を掛けてモチベーションを上げることもできるようになります。また、成績の良い渉外職員の活動を本部が把握することによって、営業成績を上げるノウハウを蓄積することができ、すべての渉外職員で共有できることも期待されています。さらに、融資関係で訪問しているブロック渉外職員が、引継ぎ書などを作成する必要なくこれまでの交渉を共有でき、適切な交渉を行えるようになったことも大きな効果といえるでしょう。

BankNeo をプラットフォームにさまざまな機能を追加し、さらなる業務改革を行おうとしている興能信用金庫では、2013 年 4 月にはライフ シミュレーションとローン シミュレーションの機能を追加し、ライフ イベントごとにお客様の相談を記録して適切な提案ができるような体制も整えています。個人営業向けに開発されたこのシミュレーション機能をさらに拡張させ、法人営業にも使えるしくみにグレードアップすることも検討しています。

システム構成図

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<今後の展望>
どこの金融機関もやっていないことに挑戦し
地域に根付いたサービスを展開する

今後の展開について、「どこの金融機関もやっていないことに挑戦したいですね」と話す吉國 氏は、今後金融商品のコンプライアンス チェックや書類を自動作成する機能や FAX サーバーを利用したローンの簡易申込などの機能を 2013 年中に実現していくことを明かしてくれました。また、2014 年は、GPS 機能を活用した地図連携で地域別戦略を策定することも計画しているとのことです。

BankNeo のファースト ユーザーとして導入を行った興能信用金庫は、全国の金融機関から注目を集め、いくつかの金融機関は実際にシステムを視察に来ています。「今回のシステムができあがった当初は、自分たちのワークフローに当てはめてやりたいことを実現したシステムなので、先進的な良いシステムであるという自信はありませんでした。しかし、他の金融機関の方々に注目され、現場での活用をご覧いただき興味を示してくださることで、自分たちのやってきたことは間違っていなかったという確信を持てるようになりました」と話す吉國 氏。「マイクロソフトには、引き続き良い製品を作ってもらいたいと思います。今回、Microsoft Dynamics CRM 2011 を使ったシステムを構築することによって、他の金融機関がどのような方法でシステムを活用しているかを知ることができました。Microsoft Dynamics CRM の活用方法や事例情報をもっとマイクロソフトが開示すれば、業務の展開に役立つと思います。また、他の金融機関とも情報交換して、それぞれの企業文化を吸収しながらもっと効果的に使えるような広がりが生まれれば良いですね」と、Microsoft Dynamics CRM や BankNeo がさまざまな金融機関で使われることで、より洗練され効果的な使い方が生まれてくることを期待しています。

「我々は、地域の信用金庫として、地域の人たちを見守る役割も果たさなければならないと考えています。そのためには、1 人暮らしのお年寄りの安否確認を行って、都会に行った息子さんと Skype? で話せるようなことも重要なサービスとなるはずです。これまでの金融業務だけでなく、いろいろなサービスを展開できる基盤として、今回のシステムを導入して良かったと思っています」と吉國 氏。興能信用金庫は、今回導入した BankNeo を地域に根付いたサービスを展開する基盤として活用し、これからも地域にまっすぐ向き合った金融機関としてお客様と歩んでいきます。

タブレットを活用した営業活動

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