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導入事例

 様に導入

  • クラウド
  • 効率化
  • コスト

株式会社カラー

 様に導入

"トラブル解消、インフラ ゼロ運用、コスト削減を同時に実現! "
日本を代表する映像/アニメ制作スタジオを支えるエンジニアたちのストーリー

アニメ ファンならずとも、誰もが一度は耳にしたことのある「エヴァンゲリオン」 (通称、エヴァ) 。この大ヒット アニメの『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズを製作しているのが、株式会社カラー (以下、カラー) です。同社は、多くのファンが熱望する『エヴァンゲリオン』シリーズの原作/脚本/総監督の庵野 秀明 氏が 2006 年に設立した会社です。今では「エヴァ」だけでなく、宇多田ヒカルのプロモーション ビデオから、実写映画の制作、スタジオジブリの劇場用アニメの制作協力など、幅広く事業展開しています。また、「アニメや特撮といった文化を後生に遺していきたい」という考えの下、Web 版の短編映像シリーズ『日本アニメ (ーター) 見本市』の企画も手掛けるなど、映像制作業界の牽引役も担っています。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』 © カラー

予期せぬシステム トラブルを経験

ある日突然、カラーのコーポレート サイトのレスポンスが悪くなり、メールまで送受信できなくなってしまったのは、2014 年 8 月のことでした。原因を調査したところ、地上波テレビで『新世紀エヴァンゲリオン劇場版』が初放映され、ファンがカラーのウェブ サイトに殺到したのが原因と判明しました。「エヴァ」の情報はカラーのコーポレート サイトとは別に、プロモーション用サイトを用意していたため、コーポレート サイトへの大量アクセスは想定していませんでした。コーポレート サイトは社内メールなどの業務サーバーと同一であったため、バック オフィス システムがすべて止まってしまったのです。「いきなりメールが使えなくなって、業務に支障が出てどうしようかと思いました」と語るのは、同社システム エンジニアの鏡 洋祐 氏。その時はシステムを無事に復旧させたものの、その後も「エヴァ」関連の Blu-ray/DVD 発売日を告知したり、さまざまな関連ニュースを掲載する度に、またいつかシステム トラブルが発生するのではないか、という不安をかかえていました。同社の制作スタッフは約 50 名ですが、プロジェクトごとに社外協力者と共同作業するので、常時 100 名を超す制作者のデータの管理が必要でした。これらの管理は、鏡 氏と高野 宏行 氏の 2 人のエンジニアに任されていましたが、ウェブ サイトの管理/運営に時間を割いている余裕はなく、アニメの制作業務やバック オフィスの運営に集中したいというニーズがありました。

株式会社カラー 総務部 システムエンジニア 高野 宏行 氏 (写真左)
株式会社カラー 総務部 システムエンジニア 鏡 洋祐 氏 (写真右)

Azure 移行によるシステムの安定化

鏡 氏と高野 氏がウェブ サイトのサーバー対策を検討し始めたとき、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの英訳担当の兼光 ダニエル 真 氏から紹介されたのが、佐藤 一毅 氏と田部 浩靖 氏でした。佐藤 氏と田部 氏は、延べ 59 万人の参加者が訪れるマンガ/アニメ/ゲームの展示会「コミックマーケット」 (通称、コミケ) のウェブ サイト全般を運営していました。「カラーさんとコミケのサイトは、アクセス数の跳ね上がり方がとても似ているので、課題を Azure で解決できるなと思いました」と語る佐藤 氏。コミケのウェブ サイトは閑散時と繁忙時期の差異は数百倍を軽く上回る非常に変動性のあるものですが、Microsoft Azure を利用することで問題なく運用できていました。カラーがそれまで運用していたレンタル サーバーの Linux 環境をそのまま Azure 上に移行しても良かったのですが、田邊 氏は中長期的な運用の手離れや、突発的なアクセス増加への対策を検討した結果、Azure の機能である Web Apps を選択します。「突発的なアクセスに対応するだけではなく、従来のサーバー運用の作業をゼロにすることが Azure 化の真の価値です」 (田部 氏) と語ります。Web Apps は、さまざまなオープン ソース系開発言語に対応しているだけでなく、WordPress や MySQL などの環境もひととおり必要なものがそろっています。田部 氏はカラーの新システム環境を数日で作り上げ、本番切り替え、コンテンツ移行、データ移行作業は高野 氏が行いました。Web Apps と連携するコンテンツ転送ツール「Microsoft WebMatrix」を利用して以降作業を無事に成功させた高野 氏は、「WebMatrix には驚きました。あんなに簡単に複数台のサーバーにコンテンツ展開できるなんて思ってもみませんでした」と語ります。インフラだけでなく、ソフトウェア ツールの充実も、Azure への信頼につながりました。

作業現場風景 1

アニメ制作現場を変えるクラウド テクノロジー

今ではカラーは Azure をはじめとしたさまざまなクラウド テクノロジーを試験的に使い始めています。制作サイドのデータのやり取りや情報共有について、「飛躍的に速くなり、簡単になった」と制作プロデューサーの岡島 隆敏 氏は語ります。最近の映像作品は、従来のフィルム撮影からデジタル作業の割合が多くなり、制作チーム間での大容量デジタル データの転送および共有は必須です。高野 氏は「Azure 導入後、トラブルが無くなっただけでなく、システム コストも下がったのには驚きました。これからは、いままで効率化できていなかった業務を徐々にクラウドで改善していきたいですね」と語ります。アニメ制作、映像制作において、クラウド化をすべきエリアは多数存在し、制作ワークフロー システム、3D 映像レンダリング演算処理やレタッチ処理、制作データ バックアップなど多岐にわたります。特に制作ワークフロー システムは、システム化することで制作工程のスピードアップだけでなく、機密性の担保や作業進捗の可視化などの効果も期待されます。「中には、クラウドに一気に持っていけないこともあります。どの技術を採用するか見きわめる力はエンジニアに求められますが、マイクロソフトの技術はオンプレミスとクラウドの移行が容易で、ハイブリット構成も作れるので、今後も期待しています」 (鏡 氏) 。

作業現場風景2

今後のビジネス展開

カラーでは、『エヴァンゲリオン』シリーズの新作はもちろんのこと、テレビ放送やネット、さまざまなデジタル チャネルに対して展開するメディア ミックスにも力を入れていて、実験的な取り組みをしやすい環境にあります。そして、映像制作の可能性を探る、『日本アニメ (ーター) 見本市』などにも精力的に取り組んでいます。拡大するアニメ ビジネスをサポートするシステム インフラにはクラウドのコンピューティング パワーは不可欠なものになるでしょう。しかし、何よりも Azure を活用し、ウェブサイトのトラブルや運用負荷がなくなったこと、ファン待望の『エヴァンゲリオン』シリーズや、『日本アニメ (ーター) 見本市』などの企画および制作面に集中できるようになったことは、今後のチャレンジングな事業展開をするための大きな後押しとなっています。

株式会社カラー 総務部 システムエンジニア 鏡 洋祐 氏 (写真左)
株式会社カラー 総務部 システムエンジニア 高野 宏行 氏 (写真中央)
株式会社コサット 代表取締役社長 佐藤 一毅 氏 (写真右)

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