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導入事例

 様に導入

  • 見える化
  • 効率化
  • 生産管理

株式会社ケーヒン

 様に導入

運用業務効率化に向けて、Premier サポートの「運用コンサルティング」活用により、68.8% のアカウント管理業務工数削減可能領域を抽出

株式会社ケーヒン

株式会社ケーヒン

株式会社ケーヒンでは、グローバルに展開するケーヒングループの目指す姿として「2020年ビジョン」を提唱。「地球環境に貢献する商品・技術でメガ サプライヤーと競合できる真の自立したシステム部品メーカーとなる」を目指す中、ICT 活用においても「世界全拠点を結ぶ情報基盤の整備」など、さまざまな取り組みを推進しています。しかし、一方において、基幹系から情報系まで増え続けるシステムの運用保守に負荷がかかり、情報システム部として新しい取り組みに向けた企画、開発に十分なリソースを割き難いという課題があったと言います。そこで、国内システムの運用管理負荷を軽減するべく、法人向け技術サポートを提供する、マイクロソフト Premier サポートの「運用コンサルティング」を活用。業務上の課題を明確にし、次のアクションに向けた突破口としています。

<導入の背景とねらい>
既存システムの運用管理負荷を軽減し、グローバルベストオペレーションの確立に注力

「小さな部品が世界を変える」をスローガンとして、常に新しい価値を創造するモノづくりに挑戦している株式会社ケーヒン (以下、ケーヒン)。同社では現在、「地球環境に貢献する商品・技術でメガ サプライヤーと競合できる真の自立したシステム部品メーカーとなる」ことをゴールとする「2020年ビジョン」を掲げています。
そのファースト ステップにあたる第 11 次中期経営計画 (2011 年 4 月 ~ 2014 年 3 月) において「グローバル競争に打勝つ事業体質の確立」を目指す主要施策として下記の 3 つの取り組みを進めています。

  1. ニーズの多様化への対応力強化
  2. グローバルベストオペレーションの確立
  3. 自主自立に向けた意識改革と行動

株式会社ケーヒン
管理本部
情報システム部
第一情報システム課
課長
大羽賀 雅行 氏

株式会社ケーヒン
管理本部
情報システム部 第二情報システム課 第一係
係長
内山 喜代枝 氏

この「2020年ビジョン」実現に向けて、日本国内に 7 社、米州 8 社、アジア 11 社、中国に 4 社、そしてヨーロッパ 3 社と拡大しているケーヒングループをつなぐ情報基盤の標準化や生産管理の効率化など、ICT 活用における取り組みも進行していると、ケーヒン 管理本部 情報システム部 第一情報システム課 課長 大羽賀 雅行 氏は説明します。
「グローバルでの競争に打ち勝つためには、世界に展開している各拠点にあるさまざまな情報の『見える化と共有化』を、今まで以上に強化していかなければなりません。そしてこの重要な課題に対して私たち情報システム部もいろいろな施策に取り組んでいます」。

こうして新しいミッションに向けた企画、開発が大きなウェイトを占め始める一方で、「既存システムの運用管理負荷」をいかに軽減させていくかということが重要な課題になっていたと、大羽賀 氏は続けます。
「大切なことは『2020年ビジョン』の実現に向けた企画や開発にかける労力と、既存システムの運用、保守にかかる労力のバランスをうまくとることにあります。しかし、年々業務システムが増えていく中、運用管理負荷も増しており、余裕をもって新しい企画に取り組めないという課題がありました」。

そこで、2011 年夏に、ケーヒンではシステムの運用効率を改善するための一策として、国内のアカウント管理業務を対象としてマイクロソフトの Premier サポートが新しく提供を開始した「運用コンサルティング」を採用することを決定しました。

<導入の経緯と概要>
運用管理負荷の高いアカウント管理業務を、可能な限り自動化して効率化

運用コンサルティングの対象となったのは、ケーヒングループの国内拠点を支える 12 システムでした。モノづくりの一翼を担うケーヒングループとしては、当然、情報漏えいへの対策が厳しく、紙ベースでの申請を基本として厳重なセキュリティ管理が行われています。そのため、完全に自動化されている処理も少なく人事異動などによっても定期的に大量の処理が発生するなど課題が多く残されていました。

株式会社ケーヒン
管理本部
情報システム部 第二情報システム課 第一係
髙橋 和也 氏

株式会社ケーヒン
管理本部
情報システム部 第一情報システム課 第三係
渡部 大輔 氏

それらの数多くの課題を内包しながらも、それが「当たり前」であるかのように認識され、運用が続けられてきたと、同情報システム部 第二情報システム課 第一係 髙橋 和也 氏は話します。
「ケーヒンのシステムを担当して最初に感じたのが、『紙が多い』ということでした。改善する余地は多いと思ったのですが、セキュリティ厳守のために運用されてきたフローであり、見直しは容易ではありませんでした。また、業務を続けるうちに自分でも慣れてしまい、『これが当たり前』と感じるようになってしまっていました」。

こうしたアカウント管理業務の運用について、負荷のかかっている業務を特定し、さらに、その業務の詳細をひも解き、改善の糸口をつかむことが、Premier サポートの「運用コンサルティング」のミッションでした。

ただし、「当初、Premier サポートに対して運用コンサルティングというイメージは抱いていなかった」と大羽賀 氏は振り返ります。
「約 8 年にわたりマイクロソフトの Premier サポートを契約し、製品、テクノロジーに関する発生型問題の解決に力を借りていました。しかし、マイクロソフトから『運用コンサルティングも行っており、新しいメニューがある』と聞き、しかも契約している Premier サポートの範囲内で対応してもらえるということで、依頼することになりました。ただ、認証システムとして活用している Active Directory だけを対象とした運用コンサルティングになるのかな、というイメージでした」。

この心象はすぐに「覆された」と、同情報システム部 第二情報システム課 第一係 係長 内山 喜代枝 氏は話します。
「運用コンサルティングをお願いしたのは、Active Directory だけではありません。ERP (Enterprise Resource Planning) のパッケージやその他のしくみも含まれています。当初は、Active Directory の部分に関して深く掘り下げてこられるかと思ったのですが、実際には違いました。それ以外の部分もきちんと掘り下げて提案してもらうことができました。本当に、製品ベースではなく、業務視点での分析がされていました」。

日本マイクロソフト株式会社
エンタープライズ&パートナーサポート統括本部
シニアコンサルタント ITIL v.3 Expert
内田 快美 のコメント

「今回の最終目標は、認証システムにかかわる全体の効率化にありました。
そのため、システムごとの部分最適の積み重ねで培われてきた現状を十二分に把握し、作業の類似性や作業間の関係性を明確にすることが、このプロジェクトの成否を左右する大きな要素となっていました。
Active Directory に関しては当社内に十分な経験とノウハウがありますが、それだけでは、全体最適、効率化に効果を発揮することはできません。
そのため、運用コンサルティングの実施に際しては、それ以外の部分に関してのヒアリングにより多くの時間を使いました」。

<導入の効果>
徹底した「業務視点」のヒアリングで、アカウント管理業務工数を約 7 割削減へ

現在の ID 管理 → ID 管理自動化案

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作業負荷分析結果 成果物イメージ 一部抽出

作業負荷分析結果 成果物イメージ 一部抽出 [拡大する]新しいウィンドウ

Premier サポートの運用コンサルティングでは、まず、認証システムに関する作業間の類似性や関係性を把握するために、ユーザー情報作成規則の整理や作業ステップの類似性について分析を行い、共通化および一括処理可能な作業の洗い出しを実施しています。
ヒアリングを行うに当たり、Premier サポートでは「Microsoft Operations Framework で定義されているプロセスや、Active Directory に関する運用のベスト プラクティスなどをベースに、抜けや漏れなくヒアリングを行い、提案のポイントを整理します。その後、作業フロー図による作業の可視化をすることでお客様との認識のずれをなくすようにした」と言います。
次に実施した "作業の分析" では、時間による作業ごとの工数を基にした分析アプローチではなく、「作業ステップ数」などの観点で作業ごとに重みづけを行い、年間の作業ボリュームを可視化することで、どの作業が「省力化すべき作業」であるかを明確にすることに成功しています。
また、システム運用の "あるべき姿" の検討を行うフェーズでは、マイクロソフトが提供するさまざまなテクノロジーに関するノウハウを元に徹底的なディスカッションを行うことで、実装を意識した "お客様にとって実現性の高い方法" を提示することに注力しています。
このようなアプローチを 6 か月間にわたり、徹底的に実施することで、ケーヒンのアカウント管理業務の運用管理工数は、「68.8% 削減可能」と見積もることができました。

この成果について、システム運用を担当する 同管理本部 情報システム部 第一情報システム課 第三係 渡部 大輔 氏は「十分満足している」と話します。
「毎年、新しいシステムが増えていく中にあって、運用管理の負荷も高くなっていました。工数も増えて、作業の中身も複雑化していました。さらに、以前はシステムの開発者が運用まで行う体制であったため、ノウハウの属人化も多く見られました。こうした状況にあって、情報システム部の作業の中でルーチン ワークの占める割合は『高いのだろう』と漠然と思っていたのですが、Premier サポートの運用コンサルティングの中で、アカウント管理業務工数の約 7 割が削減されると明示されたときは、愕然とした覚えがあります。やはり、コンサルティングによって客観的に自分たちの業務をとらえ直すと、『気づき』が得られることが多いです。日常業務のフローがすべて可視化され、改善に向けた糸口が見えたことは非常にうれしいです」。

システム運用にかかわるスキルやノウハウが属人化されていたことについて、内山 氏は「印象的だった話がある」として、次のように話します。
「運用コンサルティングが始まってすぐ、マイクロソフトに指摘されたのが『マニュアルの中に、なぜ手書きのコメントがあるのか?』ということでした。本当であればマニュアルはすべて電子化した上で共有し、運用を標準化し、ジョブ ローテーションを行いたいという思いもあるのですが、なかなかスムーズにはいかない状況がありました。このマニュアルへの書き込みは、過去にシステムを開発した者が実際の運用まで行うために細かいところまでは明文化されず、ノウハウが属人化していたことを示す象徴的な事実だと思います」。

さらに髙橋 氏は、「全社的な視点でフローを見直すことができたことが良かった」と話します。
「複数のシステムにまたがって運用する中で、作業やデータの重複があることは予測していたのですが、内田さんに『システム内だけではなく、経理や総務など、さまざまな業務において同じような作業が繰り返されている』と指摘されたときには驚きました。情報システム部内の効率化という視点は自分の中にもあったのですが、全社的な視点は不足していました。データの重複など、現在のフローにおける問題点が可視化されたことで、ID 管理を統合するしくみの導入など、次のステップに進みやすくなったことは、本当にありがたいと思っています」。

大羽賀 氏もまた、「外部の目」によって、さまざまな「気づき」が生まれたことを評価しています。
「どんな優秀なスタッフでも、内部にいて業務を日常のものとしてしまうと、見えなくなってしまう事柄があります。その点、Premier サポートの運用コンサルティングを活用することで、外部の目から、さまざまなポイントを精査してもらい、気づきを得られたことは大きなメリットになっています。今回、改めて業務の課題を洗い出し、改善策を見いだしたことで、情報システム部各スタッフのスキルアップにもつながったと思います」。

<今後の展望>
業務を理解するパートナーとして、グローバル ビジョンの実現に向けた提案を

運用コンサルティングの結果を受け、システム化する取り組みがこれから始まりますが、内山 氏は「製品に縛られない提案」となっていることが重要だったと、強調します。
「Premier サポートの運用コンサルティングから受け取った成果物は製品軸でまとめられたものではなく、業務視点で分析されたものでした。その分、実現する立場としてのプレッシャーもありますが、システム実現に向けて、より多くの選択肢が与えられていることは、非常に良かったです。今後システム導入も決まっているので、効果が実感できる日が来るのが楽しみです」。

今後は、さらに情報システム部門の IT サービスの可視化の範囲を広げることで、業務効率化の推進を考えており、Premier サポートの運用コンサルティングには、今回以上の成果を期待しています。

最後に大羽賀 氏は次のように締めくくります。
「ケーヒンでは、今後、グローバル情報共有基盤の整備などさまざまな取り組みを進めていきます。グローバルでのシステム構築などは、それこそマイクロソフトが多くの経験とナレッジを持っている部分だと思います。今後とも、業務を理解してくれるパートナーとして、いろいろな提案をしていただきたいと思います」。

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